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公明党目黒区議会議員 関けんいち

就職氷河期、再来を防ぐには

2020年6月13日

本日付け公明新聞四面の土曜特集は、「就職氷河期、再来を防ぐには」と題して、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、来春卒業予定の大学生らの就職に不透明感が出ています。「就職氷河期世代」の再来が危惧されるなか、労働政策に詳しい慶応義塾大学 太田聰一教授に展望を取材しておりますので、抜粋して紹介致します。

⚫ 一部企業で採用の手控えがある。新規採用の現状をどうみるか。

教授 : 現時点で新規採用の影響を見極めるのは難しい。4月初頭の段階はコロナの影響がはっきり出ていた訳ではなく、むしろ大学生らの就職内定率は昨年よりも好調だった。企業側もコロナが経済にどの程度、将来のリスク要因となるのか現状では不確定要素が多く判断が難しい。国際通貨基金(IMF)の見通しでは、コロナが世界経済に与える負のインパクトは、リーマンショック時を超えるとも分析している。今後、世界経済の冷え込み具合によって、例えば日本の輸出が滞るなどすれば、新卒採用への影響が出ることも考えられる。

⚫ 就職氷河期世代の再来は起こり得るか。

教授 : 不況が長引いたことで長期にわたる新卒採用の冷え込みが「氷河期世代」を形づくった。氷河期の生成を決定付ける要素は、経済への負のインパクトの大きさと持続性があるかどうかだ。前回、最も困ったのは、長期にわたり労働市場が低迷した事だ。バブル崩壊後、不良債権問題に端を発した金融不安を抱えたまま、日本経済は進まざるを得なかった。そこに国際競争の波が加わり、特に東アジア諸国の台頭によって、それまで国内雇用を支えてきた製造業部門で一気に仕事が失われた。現在の負のインパクトの大きさはIMFが指摘する通りだが、持続性がどこまであるかは不明瞭で慎重に見なければならない。もしもコロナによる経済への悪影響が長引けば、氷河期再来のリスクは出てくる。この点で、特に注意すべきは製造現場などに従事する労働者の採用状況だろう。ここが悪化するとバブル崩壊後のような厳しい労働市場を彷彿させる事態になりかねない。問題が長引いた際に備えて、今から若年層の雇用安定化の仕組みをしっかり準備しておくことが大切だ。

⚫ 若者雇用の安定化にはどのような対策が考えられるか。

教授 : 好況時は問題ないが、不況の時こそ行政の出番は増える。内定をもらえずに苦しんでいる学生を早く見つけ、行政による就職サポートの体制に組み込んでいく対応が求められる。各地に設置される若者向け就職支援拠点「ジョブカフェ」の活用が有効だ。ジョブカフェは氷河期世代への対応の一環で、2004年から若者をサポートする仕組みとして導入され、若年層の雇用を下支えしてきた。学校や支援機関との連携を一層強化し、就職が難しい学生を早期にケアする体制を整えておくべきだ。ジョブカフェでは、心理的な相談やカウンセリングなども対応している。就職活動への意欲を失って家にひきこもってしまうニートの防止にも効果を発揮している。有効活用して欲しい。

⚫ 就職氷河期の経験は今に生かせるか。

教授 : 氷河期世代を生んだ1990年代当時は、行政が若い人の就職をサポートすることに懐疑的な声が強く、ネガティブに捉えられていた。行政担当者ですら「スキルの高い労働者の解雇への対応の方が問題だ」という考えだった。しかし、就職氷河期の教訓から、若者の雇用問題に対する人々の考え方や、日本の労働政策の在り方はガラリと変わった。若い頃に正規の職業やスキルを得られないと、その世代の人たちは将来にわたって大変な状況に置かれるという意識が生まれた。この変化は大きい。今の政府は就職氷河期世代の支援に積極的だ。「新たな氷河期世代は絶対に出さない」という強い決意があり、様々な対策を講じる事ができるのではないか。同様の危機の兆候が見えた時には、ジョブカフェの機能強化や、正社員化を後押しするための助成といった措置など、いち早く手が打たれることを期待したい。

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