治療薬開発の見通し
新型コロナウィルスの治療薬研究開発が急ピッチで進められています。既存薬の活用も含め、政府の「新型コロナウィルス感染症対策専門家会議」のメンバーで日本感染症学会理事長の舘田 一博 東邦大学教授に対して公明新聞が行ったインタビューを紹介します。
① 治療薬の開発に期待が集まっているが状況は?
理事長:感染症対策で治療薬はとても重要だが、新型コロナにはまだ治療薬もワクチンもない。治療薬が出てくれば、より効果的に感染を抑えながら重症化も防げる。
② 開発にはどれくらいかかるのか?
理事長:開発に1~2年は要する。待てないので、今使える薬から効果が高いものを見つける研究が世界で進められている。治療薬完成の時期は見通せず、臨床試験の途上である。
③ 期待できる既存薬は?
理事長:インフルエンザ治療薬の「アビガン」、ぜんそく薬の「オルベスコ」などいくつかあり、有効性が検討されている。
④ 日本政府はアビガンの備蓄を進めていると聞くが。
理事長:有効性はもう少し臨床試験を進めないと何とも言えない。胎児への催奇形性もあるため、より副作用の少ない、優れた薬が見つかる事が望ましい。
⑤ アビガンの他、期待される薬は?
理事長:ぜんそくに対応する「オルベスコ」は抗ウィルス作用があり、過剰な免疫反応を抑える効果もあると思われ、副作用も少ない。「トシリズマプ」も、重症化の一因と考えられるタンパク質「インターロイキン6」の過剰な働きを抑える効果が期待されている。
⑥ 治療薬開発を進める上で重要な事は?
理事長:まずは効果が期待されている薬剤の有効性を試していくことだ。副作用が認められないのであれば、積極的に投与し、命を救う視点で対応していく事が重要だ。

