待機児童問題について考える
昨今、保育所待機児童問題が新聞や報道によく取り上げられております。4月を迎え、新学期が始まったことから、今年の保育所入所状況が気になります。
目黒区は昨年認可保育所の申込み不承諾者が1,000人を超え、不承諾となった割合が23区で最も悪いという記事にもなったことから、非常に気がかりです。今年4月の認可保育所入所申込みに対して、昨秋からの申込者数と1次募集枠の人数から入所倍率を調べると、全国で最も倍率が高いのは目黒区で2.04倍だという衝撃的な記事もありました。この数値がイコール待機児童数を照らしたものではありませんが、悪い印象が残るため、細かく分析してみました。
今年は認可保育所の1次募集枠1,002人のところに2,049人が申込み、1,047人が不承諾となりました。2,049/1,002=2.04が算出根拠なのでしょうか。不承諾となった詳細な理由は現段階ではまだわからないので、昨年度の様子で調べると、1次募集枠852人のところ1,948人が申込まれ、1,096人が不承諾でした。入所倍率を今年と同じように算出すると1,948/852=2.29となり、昨年の方が入所しづらかった事になります。不承諾者の受皿として1,096人中303人(27.6%)は認証保育所等に入られたようです。それ以外の不承諾となった理由で最も多かったのは、育休明けを前倒しで申込まれた方が301人(27.5%)いらしたようです。育休明けが5月以降になるのに、そのタイミングを待ってからでは保育園に入りにくくなるので、新学期がスタートする4月入園に前倒しして申し込まれた方が301件だったという事で、お気持ちは察します。次いで区外在住の方と、勤務証明書など提出書類が揃わなかったり不備な方を合わせて146人の13.3%、更に、既に認可保育所に入所してはおりますが、兄弟が別々の園に通っているので同じ園にしたかったり、家の近くの園に変更したいなど、転園希望で申し込まれたのに叶わなかったという方が52件(4.2%)となりました。正規に申し込んでも認可保育所に入れなかった純粋な待機児童の方は294人(26.8%)という結果でした。
この状況を見ると、単に不承諾者が多く不承諾率が高かったというだけで、待機児問題に真剣に向き合わなかった訳では無いと思います。区外在住者の申込み分も含まれているとなると、待機児童数が自治体規模の大きさから1,000人を超えている世田谷区に隣接する本区への影響も大きいと思います。書類の不備そのものは、申込み数に含むべきではないとも考えます。転園希望を同列に扱うのも微妙です。自治体毎にこれらの事情にバラツキもあると思います。
いずれにしても待機児童問題は、本区では喫緊の課題にあります。リーマンショックでパートに出られた子育て中のお母様方が一挙に増えたH21年度は、目黒区では緊急経済対策として待機児童問題に取組み、当時の保育所の整備・運営補助経費として18億円を計上しました。その後、我が会派をはじめ各政党からも毎年に渡り政策提案を出し、目黒区もそれに呼応して様々な対応を続け、ここ3年間は対策予算も上昇を続けており、今やその当時の3倍に迫る年間50億円超の予算を付けて取り組んでおります。この額は目黒区の環境清掃や産業経済にかける両予算を足した規模と同等であり、かなり膨大です。H21年度より今年4月1日までに1,448名もの保育所定員拡大(年平均207人の定員増、認可保育所平均定員規模3園程度に相当)を図り、保育士確保のための家賃補助も昨年度の補正予算で23区では最大級の対応を図るなど、今でき得る限りの努力はしていると思います。
しかし、保育所を設置する適地が見当たらなかったり、適した保育スペースが確保できなかったり、民間事業者の採算性も難しい目黒区独自の事情もありそうで、計画通りに上手く進んでおりません。年々増加している就学前児童数の傾向がある中、保育士確保の問題、近隣住民の方々へのご理解、東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う近い将来に高騰しそうな建設資材や職人の確保、建設が進むほどに保活需要が高まる懸念など、困難な道のりにあります。最近は目黒区がひどすぎるとの声をよく耳にしますが、冷静に着実に計画を推進していけるよう、目黒区が進めやすいような国や都の自治体支援メニュー、特に、政府が先月28日に公表した緊急対策(小規模保育所の定員上限を19人から22人するなどの定員弾力化、保育コンシェルジュ(相談員)の増員など)に注視しながら適時の政策提案に努め、進捗を見守っていきます。

