Archive for 2016年 4月 17日
❒聖教新聞-4月16日号…より転載!
東日本大震災を経験して以来、自身の中で、「忘れない」という言葉の意味が変わった。単に過去のこととして、記憶にとどめておくだけではない。過去の“あの時”に抱いた思いや経験を忘れないことが、未来を目指して進む道しるべになると知った▼試練の中でそういう思いになれたのは、東北の復興支援に尽力し、同苦してくれた友がいたからだ。九州から来たという同志にも、数多く出会った。それだけに、14日夜に起きた、熊本県を震源とする震度7の地震に心が痛む▼余震が続くため、震える心身を毛布で包み込み、眠れぬ夜を野外で過ごした人もいたという。創価学会でも、熊本西文化会館、宇土文化会館をはじめ、各会館で避難者を受け入れた。学会本部・九州・熊本の災害対策本部のもと、最大震度を観測した益城町などで、支援・激励に全力を挙げている▼自然の猛威を前にした時、一人の人間の力は限りなく小さく感じる。だが人間には、危機の時に寄り添う心、逆境にも耐えて立ち上がる反発力がある。そのことを今、思い出している▼被災者の安心のため、熊本と九州の一日も早い復旧のために、励ましのネットワークを力強く広げたい。仲間がいれば、人は強くなれる。共に希望の未来へ――。(城)