私が24・25年度の副委員長を務めた市民福祉委員会では、閉会中の調査研究テーマを「これからの『支えあい』の構築」として、約1年半にわたって調査・研究活動を行ってきました。

調査研究のテーマと内容はよしとみの提案が採用されたもので、その後もよしとみは本市の現状と課題の分析、先進地視察、対応策の立案、活発な議論と意見集約、そして、提言書の取りまとめまで、一貫して積極的に関与してきました。

平成25年12月定例会では委員長に代わってよしとみが委員長報告を行い、平成26年2月の市民福祉委員会では理事者から、提言に対する現時点での回答を得たところです。

引き続き、自助・共助・公助が絶妙に組み合った最適な支えあいを求めてまいります。

松山市議会12月定例会初日の委員長報告の下記のとおり。

「これからの『支えあい』の構築」提言書(最終)

「これからの『支えあい』の構築」提言事項等進行管理票

(11/29.松山市議会12月定例会初日の委員長報告)

当委員会において、閉会中に継続して調査研究を行って参りました『これからの「支えあい」の構築』について、調査研究を終了しましたので、その概要の御報告を申し上げます。

少子高齢化の進展による人口構造の変化、雇用環境の変化、貧困・格差の問題などで社会保障の需要は増加の一途をたどっています。このような状況の中、地方自治体を中心とする福祉行政の役割は極めて重要となっていますが、近年の深刻な経済不況による税収の減少で自治体の財源確保は一層困難となっています。他方、地域住民の自主的な助け合いの意義はますます大きくなっており、地域団体やNPOなどの活動が活性化し、社会福祉を通じて新たなコミュニティ形成を図る動きも顕著となっています。

市民一人ひとりが地域社会の一員として安心で充実した生活を送るために、そして、かけがえのない社会保障制度を維持し次代に残すためにも、自助・共助・公助を最適に組み合わせた施策の展開が必要であり、地域に根ざして助け合う地域社会の基盤を構築する必要があります。よって、当委員会として、閉会中のテーマを『これからの「支えあい」の構築』と決定し、調査研究を行うこととした次第であります。

まず、本市の現状調査を行い、先進自治体への行政視察の実施など、約1年半もの間、議論を重ねてきた結果、当委員会の総意として、次のとおり、4項目からなる提言事項を取りまとめましたので、御報告申し上げます。

 

まず、1点目は、「NPOとの協働、育成・支援」についてであります。

行政とNPOはその活動領域の住み分けに留まらず、「公共への寄与」という同じ目的の下、その役割と連携のあり方を再確認し、再構築していく必要があります。

そのためにも、行政を担う市職員の意識の涵養を図るとともに、市民に対しては、一定の見識や技能を満たす、体系的な講座等を開催すること。また、平成24年4月のNPO法改正により認定基準が緩和され、税制改正による寄付文化の醸成が図られているところではありますが、NPOの資金の確保や担い手の育成をどうするのかといった点は慢性的な課題となっていることから、市として単に補助金による支援にとどまらず、NPOの自立に向けた支援を行うことが有効であるといった意見が出され、これらの論議を踏まえ、以下、提言事項をまとめました。

一つは、既存の行政とNPOの協働ガイドブックをさらに充実させ、市職員への啓発に努めること。

二つは、補助金に頼らないNPOの育成を促進するため、寄付集め、資金調達の方法等の調査研究を行うことにより、NPOの自立性を高めること。

三つは、担い手の育成として市民に対して、「一歩踏み出す」「現場に臨む」ための一定の見識や技能を満たす体系的な講座等を開催し、新たな担い手の発掘やスタッフのレベルアップを図ること。

四つは、複数のNPOによる共同事務所づくりについて調査研究を行うこと。

五つは、周知・啓発の強化としてNPOの活動内容、NPO法改正による認定要件の緩和や、認定NPO法人に寄付した場合の優遇税制の拡充など、近年の法整備について市民に広く周知啓発を行い、NPOの認知度向上を図ること。

以上を「NPOとの協働、育成・支援」として提言いたします。

 

次に、2点目は、「社会的企業(ソーシャルビジネス)との協働、育成・支援」についてであります。

ソーシャルビジネスは、少子高齢化、子育て環境など地域を取り巻く様々な社会的課題をビジネスの手法で解決していく事業活動であり、本市においても、そういった動きが一部存在するものの、ソーシャルビジネスに対しての理解、支援などは確立されておらず、社会的課題の解決につながるソーシャルビジネスの育成と支援が今後大切となります。

そのために市として、ソーシャルビジネス事業者の活動状況を把握し、ソーシャルビジネスを推進する意義を正しく理解すること。また、いわゆる「行政の狭間」などへの対応について、各部署の連携の仕方を検討するとともに、課題解決に取り組むソーシャルビジネスの支援体制を検討する必要があるとの意見が出され、これらの論議を踏まえ、以下、提言事項をまとめました。

一つは、本市における、ソーシャルビジネスの実態を把握し理解を深め、行政との協働のあり方を調査研究すること。

二つは、ソーシャルビジネスの多様な可能性を理解し、部署横断的な連携による推進体制を検討すること。

以上を、「ソーシャルビジネスとの協働、育成・支援」として提言いたします。

 

次に、3点目は、「地域団体との協働、育成・支援」についてであります。

従前より、本市においては、民生児童委員協議会などの地域団体と連携を図り、地域福祉活動を推進しておりますが、それぞれの地域団体は、福祉ニーズの多様化等に伴う負担の増加、担い手・人材不足、資金不足、活動の認知不足といった課題を慢性的に抱えています。今後、持続可能な地域福祉行政を推進していくうえで、地域団体との協働は不可欠であり、行政と地域団体は「地域福祉への寄与」という同じ目的の下、特に行政は、地域に寄り添いながら、支えあいの活動を育む役割が求められています。

そこで、住民が主体となっていけるような地域コミュニティの形成を促すため、より有効な地域情報を公開することにより、地域への参加を促す手法が有効であり、また、地域で支援が必要な方の情報を活用できる仕組みづくりなど、行政が側面から積極的に支援していく必要があるとの意見が出され、これらの論議を踏まえ、以下、提言事項をまとめました。

一つは、人口、高齢化率、要介護者数などの有効な地域情報を公開し、地域に必要な支えあい活動の契機とすること。

二つは、社会福祉協議会と地域団体の有効な連携の在り方を検討し、地域福祉を推進すること。

三つは、各団体を若い世代へ引き継ぐため、若者が参画しやすい仕組みづくりを調査研究すること。

四つは、地域で支援が必要な方の個人情報を活用できる仕組みづくりを推進すること。

以上を、「地域団体との協働、育成・支援」として提言いたします。

 

最後に、4点目は、「ボランティアとの協働、育成・支援」についてであります。

本市ではボランティアセンターと連携し、周知啓発や人材育成などの支援を行い、ボランティア活動の推進に努めていますが、市民は地域福祉や公共への寄与の主体者たり得るとの認識に立ち、行政は市民との協働の契機を最大に尊重していくべきであります。

そのためにも行政は、ボランティア活動への支援を充実強化するとともに、各種機関との連携を図り、多様な善意を受け入れて結び付ける窓口機能が必要であるとの意見が出され、これらの論議を踏まえ、以下、提言事項をまとめました。

一つは、ボランティアセンターの機能強化として、市民が親しみやすい窓口に整備するとともに、各種団体に対しての活動支援や情報提供、他団体とのコーディネートなど様々な面からの支援を強化すること。

二つは、市民活動を総合的に支援するため、NPOサポートセンターとボランティアセンターとの連携の仕方を検討すること。

三つは、学生ボランティアを活用するため、大学等とボランティアセンターとの連携を強化し、学生のボランティア活動への参加を促すこと。

以上を、「ボランティアとの協働、育成・支援」として提言いたします。

 

以上のとおり、当委員会としての調査研究結果を取りまとめ、提言するものでありますが、理事者におかれましては、この内容をご理解いただき、地域における支えあいを推進するにあたっては、行政と地域は対等な立場であるという認識のもと、その実現に向けて鋭意努力されることを願いまして、市民福祉委員会の閉会中継続調査の報告を終わります。

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