昨日(4月15日)、JFEエンジニアリング(株)による、機械式立体駐輪場の視察に行ってきました。
内容は ①机上での説明、②実機の見学、です。
概要として、地上式と地下式、円形と四角形にわかれます。
地下式の場合、地上部分のスペースは約2m×3mですみ、地下に直径約7m×深さ約20m(円形の場合)におよそ200台の自転車が収納できます。
普段使用している自転車駐輪場の使いにくさ(欠点)として、
・駐輪場の奥まで行くのが大変、
・2段ラックの上段への収納が大変、
がありますが、この機械式自転車駐輪場は自転車を預ける場所はいつも同じで、あとは機械が自動で収納してくれます。
事前準備は、事前登録をしてICタグを取り付けるのみ。収納場所におけば自動でICタグを識別して収納します。
自転車を出す時はICカードをかざせば自分の自転車が出てきます。
収納時の機械の早さと正確さにビックリでした。
写真は上より
①自転車を収納場所にセットしたところ(自転車奥のガラス製扉が閉まっています)
②自転車を収納するため扉が開き、奥から収納機械が出てきて自転車前輪を挟み込もうとするところ
③自転車が奥に収納されました。
④自転車収納スペース内の様子(写真は地上型長方形3段です)
⑤自転車が機械に取り込まれたところ③写真と同様の状態を収納側から見ています。
⑥自転車が運ばれている様子
一台を収納するための時間は最大で約30秒、収納場所が入り口に近ければその分時間は短縮されます。
現在稼動している施設は全国で15ヶ所、厚狭の通勤時間帯は混み合うと思いますが1分間に2台の収納ができており、大きな混乱はないそうです。
建設費(概算)は、地上型で自転車1台あたり40~50万円、地下型だと60~80万円だそうです。
たとえば地上型で200台収納可能な駐輪場の建設費は(40~50万円)×200台=8000万円~1億円です。
200台収納可能な地下式では同様に1億2000万円~1億6000万円。
維持費は定期点検費用として年間1台あたり約5000円、部品交換費用が年間1台あたり約3000円、トータル年間1台あたり約8000円です。
駐輪場の定期使用料を1ヶ月2000円とすると年間24,000円。200台フルで24000×200=4,800,000円/年
1年間で480万円の使用料収入です。
維持費は8000円×200台=1,600,000円。(160万円)
480万円-160万円=320万円…建設費用に充てられる額
地上式の場合は(8000万円~1億)/320万円=25~31.3年で元が取れることとなります。
同様に地下式の場合は37.5~50年かかります。
機械の寿命は約30年とのこと。地上式の場合のみなんとか採算ベースに乗るという状況で、地下式では採算をとることは無理です。
実際に自分で自転車の出し入れをしてみましたが、本当に簡単です。
上記に上げた3つの欠点を全てカバーしており、さらに収納機械内に人は入れませんから盗難防止にもなります。
これに慣れてしまうと、これまでラック式の上段に自転車を収納することは億劫となり、使用しなくなると思います。
唯一の欠点がコスト。
地下式の場合には最大1億6千万円もかかり、これだけのコストを掛けてこの機械式駐輪場を整備する必要があるか疑問です。
この事は大いに議論する必要があります。考え方を整理しなければなりません。