昨日(6月5日)、「北千葉浄水場」と「ちば野菊の里浄水場」の二カ所を視察してきました。
これは、5月17日~18日にかけて発生したホルムアルデヒド問題による水道水の混乱について、現状の把握や問題点の洗い出しなどを行うためです。
北千葉浄水場について
1.送水先(日量)
千葉県(県水道局)224,100m3/日
松戸市 15,700m3/日
野田市 45,600m3/日
柏市 104,300m3/日
我孫子市 36,600m3/日
習志野市 19,200m3/日
八千代市 32,200m3/日
ここで言う「松戸市」というのは、市営水道の浄水場に配水されている量です。
2.処理方法:凝集沈殿急速濾過方式
3.消毒設備:次亜塩素酸ナトリウム
4.受電設備:154KV2回線受電
5.自家用発電設備:4,000KVAガスタービンエンジン
6.貯留能力(配水池容量):40,000m3 → 約2時間分程度
7.高度処理の導入予定:平成26年度導入を目指して現在工事中
停電などの対応には受電設備を2回線にし、さらに非常用発電設備を設けているなど、その対応には万全を尽くしている、との印象を受けました。
高度処理設備についても現在工事中であり、その完成が待たれるところです。
今回のように原水に問題が生じた場合、取水停止と言う措置をとるしか無く、配水槽の容量も2時間程度の大きさしかないことから、取水停止後には2時間経過して配水槽がカラとなると、送水停止になってしまうとのことです。
北千葉浄水場では、あくまでも各事業者へ水道水を供給するのみでその先は事業者の責任となるようです。
要は、北千葉浄水場は水を作る「メーカー」、松戸市や県水道局はそれを仕入れて住民に提供する「小売業者」の様な関係です。
写真は1枚目が監視装置、2枚目が処理施設(一番奥のコンクリートが着水井)、3枚目は工事中の高度処理施設
1.処理能力(給水能力):60,000m3/日
2.処理方法:高度処理オゾン生物活性炭
3.消毒設備:次亜塩素酸ナトリウム
4.自家用発電設備:1,600KVAガスタービンエンジン
5.貯留能力(配水池容量):30,000m3 → 約12時間分程度
6.その他:太陽光発電設備57.8kw
高度処理では、オゾン生物活性炭を導入していることから、ホルムアルデヒドの原因物質がこの活性炭に吸着され、今回の問題に関しては影響を受けなかったようです。
ちば野菊の里浄水場の主な供給先は、現在廃止となっている元古ヶ崎浄水場の給水範囲です。また、一部を栗山浄水場へ送水しています。
栗山浄水場の能力は180,000m3/日であり、ちば野菊の里浄水場の能力60,000m3/日の3倍あります。
栗山浄水場が停止した場合の全面的なバックアップをちば野菊の里浄水場ですることが無理な事を改めて実感しました。
将来的には栗山浄水場の老朽化が著しいことからちば野菊の里浄水場を拡張し栗山浄水場の機能を移す計画があるそうです。しかしながらまだ具体化しておらず、その工事の実施時期について具体的な説明を受けることはできませんでした。
おそらく栗山浄水場の機能移転は何年も先のことになるのではないでしょうか。
私の住んでいる胡録台は主に栗山浄水場からの水のようです。高度処理されたおいしい水が自宅でいただけるのは当分先になりそうです。ただ、近年の水道水は以前のカルキ臭を感じることはなく美味しくなっている気がしています。
素人的な発想で、5月18日に松戸市が断水することがなかったのは、ちば野菊の里浄水場が松戸市内の給水を担っていたからだと思っていましたが、ちば野菊の里浄水場の能力はそれほど無いことが分かりました。
松戸市の市営浄水場に関して担当部署に問い合わせしたところ、「北千葉浄水場が停止するかもとの情報が入ったときに地下水のくみ上げを最大にして配水槽への貯留を満水にして切り抜けました。あと数時間北千葉浄水場が停止していれば市営水道のエリアでも断水が発生した可能性があります。」 との事でした。
今回のホルムアルデヒド問題では配水槽に貯めておいた水によりギリギリのところで松戸市は給水停止を回避できたというのが実情ではないでしょうか。
6月議会でもこの問題について取り上げる予定です。
写真は4枚目がちば野菊の里浄水場の着水井、5枚目が沈殿槽を出た水の様子、6枚目がオゾン発生装置、7枚目が配水ポンプ、です。
最後になりますが、ご案内いただいた北千葉浄水場の皆様、ちば野菊の里浄水場の皆様、とても丁寧なご説明・ご案内をいただき、本当にありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。