連合政治の意味と意義について私の考えを少し述べておきます。

連合政治とは、いくつかの政党が連合して成立する政権のことをいいます。
いわゆる連立政権を作るためになされる政党間の協力のことです。

議会においては政策を形成するための協力を行い、選挙においては政党間の相互協力を行うことを意味します。

例えば夫婦であってもお互いの意見を調整しなければ家族として生活することができないですよね。
それと同じで人が集まれば、多様な意見や利害があるのは当然です。それらを調整しなければ全体として行動をおこなうことはできません。


このようにそれぞれの意見や利害をまとめて互いの主張の内容や違いを明確にし、政策決定に導く原理をとりいれたものを連合政治といいます。


連合政治には社会的観点からみても、その意義があります。

まずは社会全体として同質化し国民は人並みの生活レベルを求める傾向があるといわれています。その理由は何点かあげられます。

1点目は、情報技術の向上によって地域格差がなくなったこと。

2点目は、産業の主流が一次産業から二次、三次産業に移行したこと。

3点目は、都市部に人口が集中し国民の大部分が都市的な生活をするようになったこと。

4点目は、冷戦が崩壊し極端なイデオロギー対立がなくなったことなどがあげらます。


ところがここ最近では、さらにその意識に変化が現れているようです。

自己責任との考え方のもと、社会的弱者と強者の二極化が進み、相対的貧困とよばれるような階層がうまれてしまいました。

明日食べるものもなく飢餓寸前というほどの貧富の格差ではないとはいえ、ゆるやかな貧富の差のなかで、生活や社会に不満をもち、対立化傾向が進んでいるように見受けられます。

同質化傾向のなかで多元化現象がすすんでいるというような状態といえるのではないでしょうか。

このように多様化した社会にあってはそれを反映する複数の政党によって政治が展開されるのはある意味自然かもしれません。
そのような観点からいえば、連合政治とは、国民の分裂を慎重に回避するために必要な政治手法であるといえます。


連合政治にはデモクラシーの観点からもその意義があります。
二大政党制のような競争型デモクラシーの方が安定していて多極共存型の連合政治は不安定であるとの批判があります。

それに対し、多くの学識者は、連合政治のような多極共存型デモクラシーは決して不安定でなく、むしろ一党による政権よりも政策と責任が明確であるとの報告をしています。

多様な意見があるため各国でも多党化しています。その社会のなかで議会の過半数を形成するには、選挙の時点で協定を結ぶ必要があります。

そのため競争型デモクラシーのように厳密な競合は不可能といえます。
連合政治とは、一党支配で生まれるような完全な勝利ではなく、全てを失う完全な敗者をつくらない政治といえるのはないでしょうか。


いってみれば、すべての国民に欲求不満を残すことになりますが、全ての国民に満足感を与えるということにもなります。

強権的な政治ではなく、それぞれ譲り合いの精神が求められます。
そのことから連合政治は、デモクラシーを体現しているといえるかもしれません。



※今回のブログは創価大学通信教育部発行の政治学原論(令和3年4月1日改訂版)を参照し文章を構成しました

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