将来性、技術力で融資可能に
企業の将来性や技術力、ブランド力といった「目に見えない価値」を担保に、
金融機関が融資を行う新たな制度「企業価値担保権」が5月25日からスタートした。
不動産のような有形資産に乏しい新興企業(スタートアップ)や
中小企業の資金調達を容易にし、成長を後押しする狙いがある。
新たな制度は、2024年に成立した「事業性融資推進法」に基づくもので、
特許などの知的財産や顧客基盤、ノウハウといった無形資産を含む事業全体を担保として認める。
めざすのは、不動産担保や経営者の個人保証に依存した従来の融資手法からの転換だ。
これまで企業が融資を受ける際は、土地・建物などの有形資産や、
経営者個人が連帯保証人となる「経営者保証」が求められるのが一般的だった。
しかし、資産の乏しいスタートアップは担保を設定できないために資金調達に苦労するケースが多かった。
新制度では、過去の財務データだけでなく、
事業計画や将来性などが評価対象となるため、より多くの資金調達が可能になる。
同時に、この制度を活用する場合、経営者保証の利用は原則として制限される。
経営者は個人資産を失うリスクを負わずに思い切った挑戦ができるようになり、
後継者不足に悩む中小企業の「事業承継」のハードルを下げる効果も期待されている。
優れた技術やアイデアを持ちながらも資金難に直面する中小企業などを一貫して支え続けてきたのが公明党だ。
公明党は2023年に取りまとめた「中小企業等の賃上げ応援トータルプラン」の中で、
経営者保証に依存しない新たな融資慣行を確立するため、
事業者の知的財産や無形資産を含む「事業全体」を対象とした担保制度を
早期に創設するよう政府に強く提言していた。
さらに国会審議においても、
金融機関側が事業全体の価値を適切に評価する「目利き力」を向上させられるよう、
国による専門的な支援体制の構築を求めていた。
新制度によって、新たなビジネスや技術を生み出すスタートアップや
中小企業が資金調達しやすい環境を整えることは、日本経済の底上げにもつながる。

