【令和4年5月臨時会】

議会案第1号
「下関市議会議員定数条例の一部を改正する条例案」について
(賛成討論)

賛成討論R4

市議会HP録画(1:21:55頃からご覧ください)

https://shimonoseki.media-streaming.jp/recording/meeting/detail/359

 

公明党の前東でございます。公明党市議団を代表いたしまして、このたびの議会案第1号「下関市議会議員定数条例の一部を改正する条例案」につきまして、賛成の立場から討論を行います。

【残念な議会運営委員会での対応】
まず初めに指摘をしておきたいのは、本条例案についての議会運営委員会での取扱いについてであります。本来、この条例案の内容は、本議会がさらなる活性化と開かれた議会に資することを目的として設置された、下関市議会議員定数等調査特別委員会において、慎重なる審議を経て可決されたものであります。にもかかわらず、個々の委員の皆さんの賛成反対はともかくも、本議会において、全議員の賛否を問う前に議案として認めなかったという議会運営委員会での態度は、特別委員会での議論と意義を軽視するものであり、妥当であったとは思われません。非常に残念な対応であったことを最初に指摘をしておきます。

【慎重かつ丁寧な特別委員会での議論】
さて、改めてこのたびの条例案についての議員定数等調査特別委員会での経緯を振り返りますと、非常に丁寧かつ慎重に市民の意見に向き合い、審議を重ねてきたというのが、委員として参加した私の感想であります。1例を挙げれば、第1に、下関市特別職報酬等審議会の答申において、議会自ら定数の適正化等の議論をすべきことを求められたことに対し、従来の定数削減の経緯とは異なりながらも、真摯な態度で調査を行うことを決定したこと。第2に、昨年6月に特別委員会を立ち上げて以来、足かけ10か月にわたって、学識経験者のセミナー受講や視察を含む審議を重ねてきたこと。第3に、議員定数は本来、議会自らの責任と判断において行うべきものではあります。

その中で、本市議会の最高規範である議会基本条例の趣旨を尊重し、市民意見を広く聴取すべきと判断し、各委員の意見のみにとどめることなく、また、声を挙げることに慣れた一部の市民だけではなく、あえて1,000名の無作為抽出による市民アンケートを実施したこと。さらには、連合自治会、まちづくり協議会をはじめ、広く98に上る団体にも意見を求めたこと。
正直、私個人の感想としては、もう少しスピードアップしてもいいのではと思うぐらい、委員長の判断で、何度も会派に持ち帰り検討する機会を設け、幅広い意見・議論を酌み取り、余りに不誠実ではないかと思われる態度の委員の発言に対しても、粘り強く向き合い、審議を重ねてまいりました。

アンケートの結果は既に公表されているとおりでございますけれども、定数については現状維持でよいとするものが27.5%、削減すべきとするのが48%、団体では47%が現状維持であるのに対し、削減すべきとするのが44%、市議会をより身近に知っていただいている各種団体すら拮抗した結果となりました。また、市民団体の直接の貴重な御意見をいただいたこのアンケート結果は、今後の議会改革にとっても非常に有用、大切なものであり、この点でも特別委員会が設置された意義は大きかったと感じております。

【公明党市議団の主張】
私ども公明党市議団といたしましても、結論ありきの立場ではなく、いただいた市民の皆様の声と本市の置かれた状況、そして議会の在り方、存在意義に鑑みて、積極的に議論に参加をしてまいりました。現在の定数34をどうしても維持しなければ、委員会審議をはじめとする議会のチェック機能が維持できないのか。過去の定数削減に関する議論から、議員1人当たりの人口、有権者数はどのように推移し、現在も適正な規模の状況にあると言えるのか。既に前回の定数削減時の人口状況となっているのではないのか。議員定数が仮に削減されたことにより、議員1人当たりの人口・面積的な負担はどれぐらい増加し、対応し切れないものなのか。定数2減として1人当たり467人、面積にして1.3平方キロメートルの増加が、果たして議員の努力でカバーできない範囲なのか。市民の皆さんから挙がっていた定数削減により、旧4町の声が届かなくなるという不安は、過去の推移から見て事実としてどうなのか。現実には前回の定数削減以降、旧4町を住所地とする議員は増加傾向にあることなど、定数削減イコール議会機能の低下という、漠然としたイメージのみに拘泥することなく、客観的な視点、データの提示も含めて、検討と議論を行ってきたところであります。

少子高齢化と人口減少に直面する我が市の厳しい財政事情の下においては、デジタル化の推進や業務の効率化、職員には、もう一踏ん張りの努力をお願いすることにより、できる限り行政機能、行政サービスの維持を図りつつ、時には思い切ったダウンサイジングを含む改革を求めることも必要であります。議会においても例外ではなく、今までも、他の会派の議員の皆さんとも協力をいただいて、広く市民の皆様に議会活動を知っていただくためにも、デジタル化の推進を行い、ペーパーレス化、議会BCPを含め、議会改革と効率化・活性化に取り組んでまいりました。その意味で、議会改革、議員の資質向上は当然のことでありますから、議員定数については、積極的で能力のある議員の成り手を確保しつつも、行政に強く改革を求める立場として、定数削減に自ら決断することが重要ではないでしょうか。

【一般質問時間短縮の必要性】
今回の条例案の本質とは若干異なる部分もありますが、反対意見の中には、定数削減の必要性そのものの議論と、他の改革の在り方を合わせて、議会が改革に積極的ではないと、批判的に論ずる意見も見られたことから、このたびの議会運営委員会で決定された一般質問時間の短縮についても若干触れますと、当然ながら議会における質問権は、議員の権能として非常に重要なものであります。ただこれも、絶対的無制約ではなく、市政及び議会運営上の中で、一定の制約が課されるのはやむを得ません。

今回の改革は、多くの議員が一般質問に登壇するという本市のすばらしい状況の中で、議員の質問権を確保しつつも、執行部並びに議会事務局の負担の軽減にも配慮すべきであると判断されたものと認識をしております。そもそも現時点での一般質問においても、適切に通告と聞き取りが行われていない。過度に多くの質問について通告をしておきながら、執行部に聞き取りと答弁の準備を負担させ、結果的に時間切れと称して質問を行わない。単に自分の主張をとうとうと述べるだけで議論になっていない。その場の勢いだけで話すからなのか、支離滅裂で論理的ではない。多くの項目をこなすことが目的で、単調な話の羅列が続くだけ。時には単に数値を確認するだけで、それが議論なのかという事例もあるのではないかと感じているところであります。
限られた時間の中にあっても、論点を絞りつつ、効率的・効果的な議論を展開する余地はまだあるのではないか。その努力をすることもまた、議員の資質向上にとって必要ではないか。かかる観点も含めて、私どもとしては、改革に賛成したところであります。

【合意形成を目指す議員としての役割】
そもそも議会の本質は、広く市民の意見を集約するとともに、合議により、多様な意見の中から合意形成に努力をするところにあります。多くの定数が確保されているから、議員の資質が上がるわけではない。それでは、新市合併時の100名を超える特例議会のときが一番質が高くて、あとはただ下がり続けているだけということにならないでしょうか。
議員の側に、一定の市民の皆さんの支持をいただけるだけの資質と努力があるかどうか。ある意味厳しい条件に身をさらされることも必要であります。そして議員として、広く市民の意見を集約するとともに、単に少数意見を述べるだけではなく、時には他方の意見・立場も酌み取りながら、多数意思の形成に向けて、合意の努力をすることが重要となります。その積み重ねが、議員の地位となり、会派の姿となり、議会意思として合意形成されるのではないでしょうか。

私ども今期の議員も4年の任期満了となり、改めて市民の皆様の審判を仰ぐときが近づいてまいりました。さきの特別委員会の議論の過程においても、そもそも反対ありきではと思われる一部を除いては、定数削減はいずれはやむなしとしても、このタイミングではどうかと迷われている議員もいらっしゃったように感じております。しかしながら、先ほども述べましたように、本市における現状と課題、議会の役割を果たしつつも、市民の求める意見の方向性に鑑みれば、特別委員会をはじめとして、今期に見つかった課題に対しては、決して先送りをすることなく、可能なものについては、今いる私たち今期の議員で決着をつけ、市民の皆さんに改めて、御判断をいただこうではありませんか。

最後に、議会に出席している以上は、棄権は賛成しないということで、採決としては反対と同義であることを踏まえ、定数削減に係る本条例案について、議員各位の賛同をお願いし、賛成の立場からの討論といたします。よろしくお願いをいたします。

 

 

 

【令和2年12月定例会】 

議案第245号
「公立大学法人下関市立大学に係る第3期中期目標の変更について」(賛成討論)

 

ただいま議題となっております議案第245号「公立大学法人下関市立大学に係る第3期中期目標の変更について」賛成の立場から討論を行います。
【中期目標と中期計画の関係】
そもそも地方独立行政法人制度の中では、設立団体の長が法人に対して、3年から5年の期間で法人が達成すべき業務運営に関する目標を中期目標として示し、法人はその中期目標に基づき、中期計画を定め、市の認可を受けて、計画に沿って運営を行う仕組みであります。そのため、現在、下関市立大学では2024年までの第3期中期目標に基づいて、第3期中期計画を定め、運営を行っているところであります。
今回の議案により、設立団体の長である市長が、公立大学法人下関市立大学の達成すべき業務運営に関する目標を変更するものであります。審議内容については、先ほど総務委員長より報告のあったところでありますけれども、これを設立団体の長として、計画変更に伴い、達成すべき業務運営に関する目標として、改めて示すために中期目標を変更する手続を行うことは、至極当然のことでありまして、反対すべき理由を見出すことはできません。

その上で、今回の中期計画に反対される、中期目標に反対されるということは、多様化する地域課題の解決及び地域社会のニーズに応えるためのリカレント・インクルーシブ教育を初めとする特別支援教育の充実と時代に即した大学の改革・検討が必要ではないということでありましょうか。

【市民の声】
よく市民目線と言われる方がおりますけれども、私の知る普通の市民は、子供の発達上の懸念や学びの環境に大変に悩まれて、教員の方々に特別支援教育をより詳しく理解してもらえる環境ができることは、それぞれの子供の特性に合わせた適切な教育環境の充実につながることに感謝をしておりました。これは同時に大学としても、社会に有意なヒューマンマネジメント力を持つ人材を育成・輩出し、魅力ある研究機関とともに、新たな学問分野を開拓することになり、少子化時代における選ばれる大学としての大きな1歩になると考えます。

また、これからのデジタル社会に対応して、地域社会に貢献できる人材の輩出、社会変革に対応した最先端の学問が学べる環境を、これからの世代の若者に提供していくこと、さらには地域の医療介護環境が慢性的な人員の不足から、危機に瀕していることに対して、高齢者を含めた地域の暮らしの安心のために、地域において人材を生み出すことを一生懸命検討していくことが、どれだけ一般の市民の皆さんの期待に応えることか、一目瞭然であります。

【市民のための市立大学】
このように述べますと、あえて経済学部単科の市立大学でやることではない、目的には反対しないけれども、手続には反対しているのだという御意見もございます。しかしながら、下関市が多様化する地域課題の解決、地域社会のニーズに対応したいと考えても、他の私立の大学がそれに即応する義務は当然にありません。他方、下関市立大学は、下関市が設置する市民のための大学であります。なぜ市大において、推進・検討することに反対するのか、反対されないといけないのか。手続面の問題においても、教育研究審議会における開催を拒否し、本来の手続をさせないようにしたのはどこなのか。市長による紹介は口ききだ、命令で絶対的に違いないと決めつけるのであれば、そもそも市長は諸課題の改革に、こんなに苦労しているはずはありません。改革・改善の端緒を市長の思いの中でつなぎながら、大学であったり、行政諸機関が責任を持って、一つ一つ適性や実現の可能性を探り、検討していることの証左であります。
また、優秀な教員の迅速な採用については、思料的な配慮が必要であること。その分、社会的に見ても、論文その他すぐれた業績を上げている方であることは、実績を見れば明らかであります。また複数人の採用についても、教育群としての目的を達成するために必要であり、仮に教授1人の採用では意味がないこと。赤字垂れ流しなるものも、現行の市大の運営においても、自己収入で賄えない部分については、設置者である市が運営交付金として交付することができる旨、地方独立行政法人法で明記されており、市もそれを遵守しているところであります。
教育は未来への投資であり、それを享受する地元としての責務を果たすもので、単に収支のみで、その価値を判断すべきものではありません。こうしたことは、既に議会での一般質問や総務委員会における総務部の説明並びに市出資法人調査特別委員会においては、大学から直接説明を伺い、明らかになっているところであります。

このように、これまで長年懸念となっていた総合大学化と大学改革が、今回のインクルーシブ教育を皮切りに、時代のニーズに沿った形で大きく前進することができる状況になりました。
前田市長におかれましては、引き続き、市立大学の改革、総合大学化を推進し、希望の街・下関の実現に向けて、さらにリーダーシップを発揮されることを期待するところであります。

【事実と証拠に基づく批判を】
それでもなお、執拗に反対される方は、そもそも前田市長に対して、そんたくだの、私物化だのとレッテルを張ろうとして、おとしめようとしているのではないかと勘ぐりたくなるところであります。
国の正式な招待に基づいて、桜を見る会に出席したことが、前田市長の具体的な市政運営の評価にどのような意味があるのか、桜を見る会が、仮に問題があったというのであれば、それは国が解決・説明すべき問題であって、市長が行った市政運営の問題ではありません。今回の一連の大学改革、専攻科の設置、新学部の検討が大学の私物化であるというのであれば、これにより、前田市長が私腹を肥やした、利益を得たという具体的な事実と証拠を明示すべきであります。

【本当の大学私物化はどこに】
大学の私物化の懸念というのは、不適切な出張があるのではないのか、研究費の支出に問題があるのではないのか、在宅勤務を認められた教員が満額の通勤手当を得るのは妥当なのか、時間外勤務のルールの運用は適切なのか、研究の名のもとに、学生をむげに扱って、簡単に休講にしていることはないのか、こういったことを心配するべきであります。これを、問題の発端が、匿名の告発文であることを、殊さらに強調し、怪文書などと主張してふたをしようとする。大学のさまざまな改革は、市立大学において必要に応じて、市、県、国、文部科学省とも相談をしながら、適正・適法に進められているにもかかわらず、批判を繰り返す一方で、こうした私物化の懸念については、違法ではなかったから問題ない。こんなダブルスタンダードで発言されるのであれば、どちらが大学の私物化に加担しているのかという疑問が、一般の市民から持たれても仕方がないのではないでしょうか。

【議員としての責任と態度】
あわせて一議員として指摘しておきたい。私は、まだ議員2期目でありまして、まだまだ若手であります。選挙で選ばれた以上、市民の皆様の負託に応えるという議員としての価値、責任は期数にかかわらず、当然同等であると思っております。ただ、議会としての議事運営、そして議員としてのあり方については、やはり期数を重ねた先輩議員に学ぶことが、非常に多いところであります。
しかしながら、最近いかがなものかと感じることが多くあります。議会における議員の発言は、いかなる思想・信条に立つものであろうとも自由ではありますけれども、自由には責任が伴うものであります。おのずから節度のある発言でなければならず、議会のルールに基づいて行わなければなりません。
この点、委員会での態度、本会議での質疑のあり方、一般質問での発言、議会のルール、申し合わせを逸脱するものが、議会ルールはどうなっているのかと問われる。ましてや市民から選ばれた、特別な立場にある議員が、一般市民から反論・抗議されたことを、全国中に放映されている一般質問の場で、個人名を上げて、取り上げて、行う行為というのは、普通の市民の感覚から見て、特別な立場を持つ議員が、言論を押さえつけ、恫喝しているのではないかと思われても仕方がないのではないでしょうか。
議長におかれましては、いま一度議会ルールのあり方について、適正化を図っていただきたいことをお願い申し上げます。

以上、るる、本議案が提出された趣旨、並びに議案の根拠となっている専攻科の目的並びに新学部への期待、反対を主張される方々の発言及びそれに対する反論、そして議員として発言する者の視点について述べてまいりました。
議員各位におかれましては、議案の趣旨、内容を理解し、よろしく御賛同賜りますよう御願い申し上げまして、賛成討論といたします。

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