鉄道高架問題
市民の間でも様々意見が出されてくるようになった釧路の鉄道高架問題。
今議会でも様々な視点からの議論がなされたところです。
鶴間市長は今議会で北大通と共栄大通を直線で結ぶという事を表明され、昨日行われた特別委員会において、今後は直線をベースに事業構想を進めるという報告があったところです。
市長の直線表明から多くの賛同の声、安堵の声が私の所に届いており、今後はしっかり直線に向けたまちづくりの議論を進めなくてはなりません。
鉄道高架は旭、北中の二つの跨線橋を架け替えるのか?それとも鉄道高架なのか?というところから議論が展開され、鉄道高架の方が駅周辺の再開発も含めた中心市街地の活性化などにも寄与することから進められています。
そこで問題になったのが高架下の道路の問題。
市はこれまでウォーカブル推進事業を進めるために、バス専用道路をつくり(L字)、駅の南北を人が行き来できる歩道空間をつくるという案を示したいました。
令和5年から令和6年初めにかけて。その案を携え私は周辺企業や市民の皆さんに意見を聞いたところ、道路は直線にすべき!との意見が大多数で現行案がいいという人はいませんでした。
回っている中で、駅周辺の土地区画整理に影響の出るであろう皆さんには市から何の説明もないまま進められていたことから、令和6年2月の会派別予算説明会の際、この事を担当者に伝えたうえで、現行案(L字)で進めて、20年30年後に「やっぱりまっすぐつないだ方がいいよね」となった場合、最初からそれを見込んでの設計に出来ませんか?と伺ったところ、担当部長から「出来ません」という返答でした。
将来、まちづくりが大きく変わった時に鉄道高架が邪魔になるのであれば、最初から直線にすべきではないかという思いで、令和6年2月議会の代表質問で、以下2点に渡り質問しました。
①北大通と共栄大通を直線で結んだうえでウォーカブルな街づくりを進めてはいかがか?
②駅周辺に誘致する民間施設も公共施設もなんら明らかになっていない。公共施設は何を作るのか?
①に関して当時の市長は直線化した場合には道路で東西が分断され、ウォーカブルな街づくりができないという趣旨の答弁でした。
実はこの質問は今年の2月議会の一般質問でもしており、答弁は「可能」という答弁でした。当時の市長答弁は何だったのか?
②に関しては公共施設は文化施設や子育て施設を想定しているという答弁でした。
しかし、何も具体的なものはありませんでした。
2回目の質問で平成13年から取り組んできた、釧路市中心市街地活性化基本計画に基づく都心部のまちづくりについて質問。
市は、中心市街地の回遊性(当時は回遊性という言葉を使用)を高めて賑わいを創出するために、様々な都市整備を進めてきました。
まずは居住人口増への取り組みでは駅西の道営住宅の誘致や、旭借上げ公営住宅、北大通3丁目・4丁目ビルへの補助金など。
そして、幸町公園からシビックコアに抜ける遊歩道の整備や、シビックコア地区の緑地の整備、耐震旅客船岸壁後背地の幸町緑地の整備、釧路川リバーサイドの整備、北大通や共栄新橋大通のカラー舗装化、北大通の車線減少などなど。
ここまでやってきましたが賑わいの創出につながらなかった。また同じことを駅前に広場を行うのですか?と問うと、前市長は平時の人の流れを作ってビジネスチャンスを広げたいという趣旨の答弁でした。
残念ながら20年以上かけてやってきたまちづくりでは賑わいの創出につながらなかったのです。
駅前に歩ける空間を作って誰が歩くのでしょうか?
その後、6月議会でもこの問題について質問した際は、前市長はこれまで市は30年、車中心のまちづくりを進めてきた。今度は人と公共交通中心のまちづくりを進めたいとのべ、自ら16年にわたり進めてきたまちづくりを全否定されました。これにはびっくりです。
こういう議会のやり取りを見ても現行案のL字のメリットは何もないばかりではなく、無駄な空間を作りその維持管理費で膨大な予算を投入することになるのは明らかだと私は思います。
広場をつくれば人が集まるのか?道内他都市の事例を見ても成功してるところは見当たりません。
であれば、直線化して街の道路事情を分かりやすくしたうえで、賑わいの創出事業(ソフト)を進めた方がいいと私は思います。
いずれにしても、釧路市にとって今後の100年のまちづくりの根幹となる事業です。
議論を尽くしていきたいと思います。
昨年5月10日に公明党議員団として8項目の要望を前市長にお渡ししました。
1,鉄道高架については2か所の跨線橋更新との事業費負担の比較並びに防災上の利点について広く市民周知を図り、市民の合意形成に努めること
2,駅の南北を接続する街路整備については直線化を優先すること
3,緊急代執行等諸制度を最大限に活用し、空きビルの解体を加速させること
4,駅周辺に立地させる公共施設等について幅広く市民意見を募り、早期に具体案を示すこと
5,人口減少が避けられない地方都市の実情を考慮し、区画整理事業については最小限の範囲とし、市民の将来負担を抑制すること
6,北大通の車線数は現状を維持し、パーキングメーターを設置すること
7、中心市街地にある道路の一方通行を解消すること
8,実証実験を通して賑わいの創出に向けた市民合意の形成に努めること
市長は変わりましたが、公明党議員団としては上記項目をしっかり鶴間市長にも訴えていきたいと思います。