新潟県十日町市の訪問し、使用済み紙おむつ燃料化実証事業について視察しました。
『ゼロカーボンシティ・十日町』の実現を目指して地域資源を活用した再生可能エネルギーの活用や省エネの取り組みを推進しています。
市内の総電力消費量30万MWhのうち、30%を再生可能エネルギーで創出することで、2050年までにCO 2排出実質ゼロを目指してます。
具体的にはバイオマス利用で20%、水力発電で8%、太陽光、地熱・地中熱でそれぞれ1%の再生可能エネルギーの利用となり、これまで温泉施設へ木質ペレットボイラーの導入や、下水熱を保育園の空調に活用したり、地中熱や温泉熱を融雪に活用。2012年に実証実験中を視察させていただきました松之山温泉でのバイナリー発電も順調に行われてきてきて、現在は紙おむつのペレット燃料化の実証実験を行っています。
市内の福祉施設から排出される使用済み紙おむつを回収。市のゴミ焼却施設の敷地内に設置されている燃料化施設でおが粉と混ぜてペレット化されています。
本来ガス燃焼による熱源で使用済み紙おむつを乾燥させる設備ですが、再生可能エネルギーの創出が重要で、新たな化石燃料を使うことを良しとしないことから、ゴミ焼却施設から出る余剰熱を活用して、使用済み紙おむつを乾燥させています。
紙おむつ回収量は年間120トン。
ペレット製造量は年間70トンとなり、出来上がったペレットは使用済み紙おむつを排出している福祉施設に戻りボイラー燃料として循環活用されています。
令和2年度から4年間の実証実験中で、やっとこの春ある程度の燃焼効率のところまで来て、ボイラーの連続運転にはペレットの製造が間に合わない状態のため、今後は需要と供給のバランスを維持させることが課題のようです。
施設設置には2億5685万円を要し、国の補助、過疎債の活用、そして基金から費用を賄い、十日町福祉会と15年の事業契約を締結している。
今後は他の福祉施設や保育園から出される使用済み紙おむつの受け入れも視野に入れているといるとの事でした。
地域から出るゴミが資源に生まれ変わり循環する。
もっと大きな流れになるといいと思いますし、そのことで使用済み紙おむつを排出している事業者や市民の負担が減るともっといいですね。