手元にある文献、釧路叢書第11巻「釧路川」の記載によると、釧路川でのサケマスの増殖事業が始まったのは昭和2年9月の弟子屈町美留和孵化場設置から始まる。
当初、上流域で捕獲していたサケマスですが、今と違って相当数の密漁が横行していて、親魚確保にかなり苦労されたことがうかがえ、そのため、親魚捕獲がどんどん下流に移動してきたことが記載されている。
そして、今の雪裡川との合流点付近にウライが設置されて捕獲場が整備されたのは、おそらく昭和38年ごろと思われる。
それから
57年近く、おそらく毎年ウライが設置され、サケマスの親魚が捕獲され、近隣の孵化場に運ばれていました。
しかし、今年はそのウライが設置されていないというお話を聞き、さっそく市の水産課に確認したところ、今年は試験的に上流域での捕獲に切り替えて行われているとのことで、新釧路川サケマス捕獲場ではウライの設置を行っていないとの返答であった。
という事で、現地確認。
本当にウライがありません。
これはすごいことです。
釧路川にはサケマスのほかにアメマスやイトウが遡上します。
その遡上の障害が取り払われたことで、釧路川の魚類の環境が大きく変わる可能性があります。
ウライの設置が来年以降も数年間でも続けられれば、その変化は釣り人からの情報などで精査されることでしょう。
北海道の事業で以前にサケの母川回帰率についての報告がありまして、それによると、自然産卵から孵化した魚の方が人工ふ化よりも回帰率が数段高いという報告があります。
不漁に悩むサケマス漁。
釧路川の支川で自然産卵したサケマスが4年後に大挙して戻ってくるといいですね~
ちなみに、捕獲場までは車ではいけませんのでこんなところを歩きました。
誰もいませんので歌を歌いながら(笑)