回想法まとめ
夕方、昭和中央の市営住宅で火災発生。
私も消防団員として出動しました。火元となられたお宅もその周りにお住いの皆さんも煙や放水の影響があると思います。
心からお見舞いを申し上げます。
さて、地域回想法サミット。
11月17日(日)に行われた市民講座。
特別講演として「豊かな高齢社会を目指して~回想法の応用と展望~」と題し国立長寿医療研究センター老年内科部長・長寿医療研修センター長、遠藤 英俊氏が講師として登壇。
平成22年で439万人とされている認知症は2025年には65歳以上の5人に一人が認知症となる推計である。認知症という疾患はなく、種々の原因疾患による認知機能の低下が認知症と呼ばれる。アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症が上げられる。
昔は大家族であったが、現代は核家族化が進み、より認知症になりやすい環境となった。つまり家族間のコミュニケーション(会話)が少なくなった事も影響し、独居になれば認知症になりやすい傾向となる。
回想法は非薬物療法であり、情緒面を志向する方法である。
認知症施策推進大綱には共生と予防が挙げられており、予防には1次予防(発病予防)2次予防(早期発見早期治療)3次予防(治療、機能低下防止、リハビリ)がある。
予防では食と学習、運動が良く、カレーに含まれる成分が記憶や学習の改善に有効的であり、運動することで海馬周辺の委縮が軽減される。
回想法は懐かしい写真や生活用具などを用いて、かつて自分自身が経験したことを語り合ったり、過去のことから今の事を考えさらに将来に向けて思いをはせ、その夢や目標を持つことである。情報を集中して取り入れ、短期記憶から長期記憶へ変換していく記憶力のメカニズムの中で、想起してその記憶を探して取り出すことで脳を活性化させる。
回想法は精神科医のバトラーにより提唱されたもので、日本では1980年代から取り入れられ、地域における回想法として北名古屋市では回想法センターが設置され取り組んでいる。
最近ではパソコンを利用し、写真やイラストを見ながら行う回想法やNHKでは年代別のDVDを回想法ライブラリーとして製作し貸し出ししている。
効果は1か月余りで現れてきて高齢者がこれまで失っていた生きがいを取り戻すことができる。今後の課題はこの回想法を用いて活動する人材の育成が急務である。
次に基調講演で、地域回想法のモデルケースとして先行して取り組んできた北名古屋市歴史民俗資料館 館長 市橋 芳則氏が「地域回想法を広げていくために~博福連携の事例を通して~」講演。
高齢者と博物館のかかわりでは2003年に高齢者対策として学習プログラムが作られ、2004年に誰にでも優しい博物館づくり事業が始まり、高齢者や外国人、障がい者にも利用しやすいバリアフリーを目指す。
高齢社会対策基本法では生涯学習の機会の確保するために、高齢者の社会的活動への参加を促進し、ボランティア活動の基盤整備が求められている。地域回想法は昔懐かしい用具などを用いて、かつて経験したことを楽しみながらみんなで語り合う事。このことが健康増進や認知機能低下を防ぐ効果がある。
北名古屋市には昭和日常博物館、回想法センター、旧加藤宅住宅の3つの拠点があり、回想法スクールを開催している。回想法スクールは定員10名で週に1回1時間、それを全8回開催する。これまで72グループが卒業し687人がいきいき隊としてボランティア活動を続けている。また、博物館では様々なものと回想法キットとして貸し出ししている。
地域回想法の取組の例では、日光写真では高齢者世代からその子どもの世代、そして孫の世代まで世代をつなぎ、懐かしむ高齢者と子ども世代に加え、孫世代には学習機会として有効的である。
また、置き薬でもらった紙風船から当時の遊びや生活の語らいが生まれたり、昔読んだ本を図書館に行き探して、最後には演劇にまとめるという図書館とのつながりもできている。
北名古屋市では2002年、国のモデル事業として介護予防効果の検証をはじめ、翌2003年から「回想法=認知症」のイメージ払拭と参加者の組織化を進め回想法スクールを実施してきた。
事業に参加して終わりではなく、スクール卒業後にいきいき隊として引き続き活動できる仕組みが非常に有効的と考える。
これまでの講演を聞いて、一つは地域回想法への入り口はあれこれあるので、高齢者それぞれにあった入口へ行ってもらい始めるのが効果的です。いろんな趣味があるでしょうから、その趣味が入り口になります。
町内会活動でも「認知症予防をします」と言っても誰も集まりませんので、様々な事業(イベント)を行って、その中でこの回想法を取りいれながら進めていくのがよさそうですね。
ちょっとやってみましょうか・・・
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