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江東区 磯野繁夫
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本会議(継続会)

本日の本会議において一般質問に立ちました。以下、質問内容です。

【質問の機会を得ましたので、大綱3点について質問いたします。

大綱第一点目は、予防接種についてです。

 言うまでもなくワクチン接種は、未来を担う子どもの命を守る重要な問題です。急性灰白髄炎、いわゆるポリオの予防接種が、生ポリオワクチンから、安全性の高い不活化ワクチンに、9月1日から一斉に切り替わりました。今までポリオ感染の可能性があった生ワクチンからの切り替えに、「これで安心」とお母さん方から大きな期待が寄せられています。

日本において、生ポリオワクチンは1964年から定期予防接種となり、1981年以降、野生のウイルスによる感染報告はありません。その後の日本でのポリオの発症は、皮肉なことに生ワクチンの接種自体による症例です。

海外ではパキスタン、アフガニスタン、インド、ナイジェリアを中心に2009年以降、1606例の感染が報告されています。

日本では2000年にはポリオの根絶が宣言されましたが、海外では未だ根絶されていない中、日本国内への流行を、予防ワクチンで未然に防ぐことが重要です。

生ワクチンは、ポリオウイルスの病原性を弱めてつくったものですから、70万~100万人に一人の割合でポリオにかかったときと同じ症状が出てしまいます。実際、2001年から10年間で15件発症しています。不活化ワクチンは、ウイルスを無毒化し、感染力をなくしているため、接種しても発症する可能性はないというのが最大の特徴です。

これまでの生ワクチンと違って不活化ワクチンは接種方法が変わり、注射で4回接種になります。ここで注意が必要なのは、今まで生ワクチンを1回以上接種した乳幼児の場合です。

まず、接種方法についてどのように周知しているのか、伺います。

 

今月から、単独の不活化ワクチンに切り替え、予防接種法に定められた定期予防接種として行われ、費用は公費負担となります。

今回の不活化ポリオワクチンのワクチン単価は、5000円を超え、生ワクチンと比較すると相当高額となっています。

これは欧米仕様の製造とは異なる、安全対応等の基準が高い日本仕様に合致した製造ラインを新たに造るなど、製造コストに費用がかかったことによるとのことです。

生ワクチンが20人分で7,000円前後に対し、1人分5,000円超の不活化ワクチンは高額で財政負担が増大します。この認識と対応について伺います。

 

11月からは不活化ポリオワクチンに加え、ジフテリア、百日ぜき、破傷風のワクチンが一緒になった4種混合ワクチンの定期接種がスタートします。また、定期予防接種だけでなく、接種費用の助成を行っている肺炎球菌やヒブワクチン等、ワクチンの種類が増えている影響で接種スケジュールが複雑化しています。どのように区民へ周知していくのか伺います。

 

日本の赤ちゃんが1歳前に接種する主なワクチンは6~7種類です。何回か接種するワクチンもあり、接種回数は15回以上にもなります。そこで、有効なのが同時接種です。

同時接種は必要な免疫をできるだけ早くつけて子どもを守るだけでなく、保護者の通院回数を減らすことができ、予防接種スケジュールが簡単になり、接種忘れなどがなくなります。しかし、仮に、同時に4種類のワクチンを接種した場合、4回通院した場合と同じ費用がかかっていると、かつて聞いたことがあります。

本区の財政負担を考慮すると何か改善の余地があるのではないかと考えますが、見解を伺います。

 

大綱第二点目はがん対策についてです。

今や日本最大の国民病ともいわれる「がん」。国民の2人に1人が罹患するということはよく知られています。しかし、なかなか検診受診率が上がらない。どこの自治体も受診率向上に苦労していると思います。まずは、本区における検診受診率の現状と認識について伺います。

 

政府が本年6月に新たに策定した「がん対策推進基本計画」に、始めて「がん教育」の推進が盛り込まれたこともあり、その予防・治療の正しい知識を子どもたちに教える取り組みが広がりつつあります。

先進国の中で、がんが増えているのは日本だけです。

「がんができる原因や仕組み」「がん大国・日本の実態」「定期検診・予防接種」「放射線治療や緩和ケア」などの基礎知識を、老若男女、特に子どものころから習得することが不可欠であると感じます。

ここで昨年の東日本大震災における「釜石の奇跡」を思い起こしてください。片田教授から、「想定を信じるな」「最善を尽くせ」「率先避難者たれ」との防災教育を徹底的に叩き込まれた小学生中学生たちが、固定観念にとらわれ即座に逃げようとしない大人たちを救ったあまたのエピソードは記憶に新しいところです。大人たちもそれなりに防災の知識はあったはずです。しかし行動に移さなければ無意味です。

先日、がん教育に先駆的に取り組んでいる東京大学医学部附属病院の中川恵一緩和ケア診療部長が各地で展開する特別授業を受講した方から、その様子をお聞きしました。特別授業受講前、生徒のがんに対するイメージのトップは、「怖い病気」でした。受講後は、「怖い病気」とのイメージは約半数に減少。

一方、「早期に発見すれば治る病気」「予防ができる病気」「生活習慣が1つの原因として考えられる病気」「老化とともになりやすくなる病気」などがそれぞれ大幅に増加したとのことです。

中川先生は授業のなかで折々にこのように促しているそうです。「お父さんに『僕のためにたばこをやめて!』とお願いしよう」とか「ご両親に『検診受けてる?』って聞いてみよう」とか言っているようです。

授業後中川先生は次のように言われています。「子どもたちはきちんと理解し、親に“逆教育”してくれるほどだ。親の世代がちょうど、がんを発症しやすい年齢層にある。その世代の検診率アップにつながるはずだ。」と波及効果に期待を寄せているそうです。

本区においては、保健の授業時に生活習慣病のなかで触れているようですが、豊島区が全国で先駆けて始めたように、本区においてもがんに特化した教育を行うべきと思いますが、見解を伺います。

 

現在、日本人男性のがんによる死亡率のトップは、胃がんから肺がんに変わりましたが、発生率で見ると、胃がんがトップのままです。日本は先進国の中でも、胃がん発生率が非常に高い国です。

20世紀初頭、アメリカも胃がんの発生率が高かったのですが、電気冷蔵庫の普及とともに急速に下がりました。ところが、日本では電気冷蔵庫の普及後も、発生率は欧米ほど下がりませんでした。日本では胃がんの診断や治療の技術が進んだにもかかわらず、約40年間、毎年約5万人もの胃がん患者が亡くなっています。この数字は今も変わっていません。ですから、日本では胃がん対策がうまくいっているとはとても思えません。

しかし、1982年に胃粘膜からピロリ菌が発見され、その後の研究で、長年にわたるピロリ菌の感染によって胃の粘膜が萎縮し、胃がんが発生することが明らかになってきました。

国際がん研究機関が1993年、胃がんの原因の一つはピロリ菌だと結論を出しました。日本では長年否定し続けてきたのですが、昨年2月になってようやく胃がんとピロリ菌の関係を容認するようになりました。

日本では主にバリウムを飲んでレントゲン撮影を行う胃がん検診が行われています。バリウムを飲むことに抵抗感を持つ人は、私を含め、少なくありません。こうした中で、薬剤を服用してピロリ菌を除菌すると胃がんになりにくいということが最近になって明らかになりました。つまり、ピロリ菌を除菌すれば、胃がんを予防できるということです。

そこで、いくつかの自治体ではピロリ菌ABCリスク検査というものを導入しています。ピロリ菌ABCリスク検査とは、血液検査で胃がんになりやすいか、なりにくいかのリスク分けをし、がんになる可能性の高い人たちを絞り込むことを目的とした検診です。

リスクの低い人は精密検査を受ける必要がありません。高い人たちにだけ画像診断を受けてもらえばいいので、数多くの受診者を対象にする住民健診や企業健診に有用な検査方法と期待されています。

ABC検診の内容は、ピロリ菌検査と胃の萎縮の指標をはかるペプシノゲン検査を血液検査で同時に行い、ピロリ菌の検査で陰性、陽性、ペプシノゲン検査でやはり陰性、陽性を調べ、胃がんのリスクの高い人、低い人をA群、B群、C群、D群と分ける検査です。ピロリ菌検査で陰性、ペプシノゲン検査も陰性はA群で、胃がんになるリスクが低いと判定されます。

ABC検診の導入は、経費削減効果だけではなく、胃がんの罹患率減少も期待でき、胃がん治療費の大幅な削減も期待できます。ABC検診の導入について見解を伺います。

 

血液のがんと言われる白血病や重い貧血などの治療に有効とされる造血幹細胞の移植を拡大するために、造血幹細胞の適切な提供を図るための推進法が、今月6日に成立しました。

造血幹細胞は、骨髄、臍帯血に多く含まれています。これらは血液のもととなる細胞で、造血幹細胞を移植することにより、通常の抗がん剤投与よりも強力な治療が可能となり、造血機能の回復や免疫系異常の是正などの効果も期待されています。

造血幹細胞移植は、アメリカやフランスでは法律によって国がサポートしています。しかし日本では、骨髄バンクや臍帯血バンクの法的根拠や財政基盤がしっかりしていませんでした。

日本では年間約3000件の移植が行われていますが、潜在的な需要は年間約5000件と言われています。移植を希望しても移植を受けられないままお亡くなりになる患者の方が多くおられます。
 この推進法は造血幹細胞の提供促進や移植機会の公平化、細胞の安全性の確保のほか、提供者の健康の保護などを基本理念に掲げています。また財政的基盤が弱かった、臍帯血バンクや骨髄バンクが安定的に運営できるよう、国が財政面の援助を行うことが盛り込まれました。

法案の第5条には、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との適切な役割分担を踏まえて、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。」とあります。移植率を上げるためにも、ドナーが骨髄を提供しやすい社会的環境を整えることが必要だと思います。本区の見解を伺います。

 

大綱第三点目は、若年性認知症についてです。

若年性認知症とは、18~64歳で発症する認知症の総称です。65歳以上の老人性認知症と同様、アルツハイマー病や脳血管型、前頭側頭型、レビー小体型などがあり、もの忘れ、言語障がいなどの症状が現れ、患者数は都内に4000人、全国では4万人と推計されています。

若年性認知症の患者は、老人性と違って働き盛りが多く、失職して経済的に影響が出たり、子どもへの教育や心理的影響、さらに、配偶者の介護負担も大きく、高齢者の認知症とは違った多岐にわたるサポートが必要となります。

現在、その患者・家族を支える全国初のワンストップ相談窓口として、目黒区に「東京都若年性認知症総合支援センター」が本年5月にオープンしました。このセンターは、2009年度から3年間、都の若年性認知症支援モデル事業を委託されたNPO法人「いきいき福祉ネットワークセンター」が運営を担っているとのことです。専門コーディネーターが、専門病院情報の提供や治療の助言、勤務先との調整、財産管理の相談、訪問・通所サービスの情報提供、各種社会保障手続きに関する助言などの相談を一括して行っており、必要なら各種手続きの窓口への同行支援も行うなど、きめ細かな対応をしています。

若年性認知症と診断された患者・家族の多くは、どこに、何を相談すべきか、どんな支援があるのかすら知らないのが実情です。重度になって、ようやく相談するケースが多く、医療・福祉・雇用など、さまざまな分野における支援を受け、生活の質を長く保てるようにするため、早期相談につながる体制強化の必要性を感じます。

本区としても、まず、認知症が高齢者だけの問題でなく若い人にも起こりうるんだということを知らせるためにも、若年性認知症自体への理解を区民に広げることが重要と思いますが、見解を伺います。

また、発症したときの生活相談、及び対応方法を周知すべきと考えますが、見解を伺います。

以上で質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。】

 

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