(ドローン・アイ)首里城/那覇市/再び立ち上がる沖縄の象徴 #公明新聞電子版 2024年04月30日付
2019年10月末、沖縄県那覇市の首里城公園で正殿など主要な
政府と沖縄県は現在、「見せる復興」と銘打ち、
首里城は沖縄戦を含めこれまで5度焼失したが、
2024年5月4日
2019年10月末、沖縄県那覇市の首里城公園で正殿など主要な
政府と沖縄県は現在、「見せる復興」と銘打ち、
首里城は沖縄戦を含めこれまで5度焼失したが、
2024年3月6日
■「年収の壁」対策活用を/角田氏
第5分科会で角田秀穂氏は、パート労働者らの収入が一定額を超えると、社会保険料の支払いによって手取りが減る「年収の壁」対策への支援強化パッケージについて、「大事なのは、制度が広く活用されて“壁”を乗り越える人が増えることだ」と訴えた。その上で、活用促進に向けた政府の取り組みをただした。
武見敬三厚生労働相は対策の一つである企業向けの助成金に関して、昨年10月~12月末の計画届受理件数が1718件に上ると説明。対象となる労働者数は今後も大幅に増加することが見込まれるとして「さまざまな機会を捉えて、積極的に周知広報に取り組みたい」と応じた。
■自動運転車、首里城公園で/金城氏
第1分科会で金城泰邦氏は、火災で主な建物が焼失し、「見せる復興」をテーマに復元工事が進められている那覇市の首里城について取り上げ、公園内のバリアフリー化の一環として自動運転車両の本格導入を訴えた。
金城氏は、坂道の多い首里城公園で実証試験中の自動運転車両を視察したことに言及。障がい者らの移動を支える意義が大きく、観光客も楽しめるデザイン性に触れ、本格導入に向けた考えをただした。自見英子担当相は「本格導入に向けた検討を進める」と応じた。
金城氏はさらに、那覇空港の利便性向上に向け、空港駐車場の整備・増設を主張した。
■ビル排水槽の汚泥収集の負担軽く/河西氏
第6分科会で河西宏一氏は、ビル地下にある排水槽の汚泥について、し尿を含む「一般廃棄物」とそれ以外の「産業廃棄物」が別々に収集・運搬されている東京23区の現状に言及。事業者が両廃棄物の収集・運搬の許可を得ていることを前提に、人手不足解消などの観点から「ビル1棟に対し、1台体制で収集・運搬すべきだ」とし、前例にとらわれない混載実現への後押しを求めた。
伊藤信太郎環境相は、条件を満たした事業者が「混載して収集・運搬することは可能」と述べ、適切な運用へ必要な助言などを行う考えを示した。
■教員の仕事量削減、働き方改革進めて/日下氏
第4分科会で日下正喜氏は、教員を取り巻く環境について「本来の業務以外の『周辺業務』が増えている」と指摘し、仕事の総量を削減していく働き方改革の推進が必要だと訴えた。文部科学省側は自治体間の取り組みに差があるとして「働き方改革のさらなる加速化を図る」と述べた。
また日下氏は、政府に対し、授業時間の適正化など具体的な取り組みの実施も促した。
■学校献血の実施率向上促す施策必要/吉田(久)氏
第4分科会で吉田久美子氏は、学校献血の実施を求めた。高校での献血の実施率が減少していると指摘した上で、実施の際は学校の負担を軽減するため「事業の主体と責任は日本赤十字社と厚生労働省として、学校はあくまでも会場提供にとどめるべきだ」と提案し、「より多くの高校での実施・再開を」と訴えた。
文部科学省側は「献血への理解増進に向けた取り組みの充実が図られるよう努める」と述べた。
2024年3月6日
公明党の金城泰邦沖縄方面副本部長(衆院議員)は23日、那覇市の首里城公園を訪れ、勾配がある園内の見学を支援する自動運転車両による実証実験を視察した。松下美智子・浦添市議、高橋真・沖縄市議(ともに県議選予定候補)が同行した。
実証実験は、4人が乗車できる車両で園内無料区域にある首里杜館前から下之御庭の約300メートルを往復する。車両内外にはモニター画面が施され、2019年に焼失した正殿の復元状況などの解説動画を視聴することができる。
一行は、内閣府沖縄総合事務局の担当者と試乗。同局は、23日から3月17日までの毎週金曜日から日曜日に1人500円の予約制で実施し、実用化をめざしている。
金城氏は22年3月の衆院沖縄・北方問題特別委員会で、首里城復元の作業過程を公開する「見せる復興」の見学コースについて、障がい者らの移動支援を政府に提案していた。試乗後、「安全な走行が確認できた。たくさんの人に利用してもらいたい」と述べた。
2024年3月6日
2026年秋に復元完了をめざす首里城正殿の骨組みが23年末に完成した。19年10月の火災以降、政府と沖縄県が復元工事の過程を公開する「見せる復興」が本格化する中、公明党の金城泰邦沖縄方面副本部長(衆院議員)が提案した入園者用のバリアフリー支援が拡充する。金城氏はこのほど、党県本部代表の上原章県議、高橋真沖縄市議(ともに県議選予定候補)と那覇市の首里城公園を訪れ、関係者と意見を交わした。
■入園者月16万人、集客回復
金城氏らは、内閣府沖縄総合事務局担当者の案内で首里城公園を視察し、首里城中心にある中庭広場の「御庭」に23年夏から設置されている素屋根を中心に復元の進捗を確認した。
素屋根は、同園有料区域にある3階建ての仮設施設で、木材倉庫や実物大の図面を描く原寸場がある。ここで復元を担う宮大工ら職人が作業を進め、各階で正殿の復元状況や火災遺物などの展示を見学できる。
23年末には、正殿頂部の部材である棟木が取り付けられ、正殿の骨組みが完成。今後は、屋根や塗装などの作業が進んでいく。
こうした復元状況を段階的に公開する事業を政府と県は「見せる復興」と銘打ち、県民や国内外からの観光客を呼び込む。火災後低迷していた入園者数は回復し、23年11月には1カ月で16万人を超えた。
■金城氏提案、2月にバリアフリー拡充
「見せる復興」が進む中、入園者のバリアフリー支援を重視したのが、金城氏だ。
観光客が増加する一方、首里城公園内は勾配があり、高齢者や障がい者の負担が大きい。そうした実態を車いす利用者から相談を受けた金城氏は、同園の敷地内を調査。その上で、22年3月の衆院沖縄・北方問題特別委員会で「坂道で手押しの車いすは大変だった。復元後も見据え、万民が見学できるユニバーサルデザインが必要」と求めた。
金城氏の提案を受け、内閣府は自動運転車両による移動支援に関する実証実験を行った。実験では、有料区域に通じる急勾配の道で車両を走らせ、500人以上が利用した。この結果を踏まえ、2月下旬から同じ車両を活用した入園者の移動を支援する。
国営沖縄記念公園の平塚勇司事務所長は、移動支援のほか防火対策の強化なども説明した。
金城氏は「県民はじめ多くの人に首里城復元の過程をじかに見て、喜びを共有してほしい」と述べ、今後の事業が円滑に進むよう協力する考えを強調した。
2022年11月7日
2019年に全焼した首里城正殿の復元を進める整備工事の起工式が3日、沖縄県那覇市の首里城公園で開催された。公明党沖縄方面副本部長の金城泰邦衆院議員、窪田哲也参院議員が党県本部の金城勉代表、上原章幹事長の両県議と出席し、26年完了予定の正殿復元へ決意を新たにした。
起工式では「首里城復元に向けた技術検討委員会」の高良倉吉委員長(琉球大学名誉教授)が登壇し、約30年にわたる「平成の復元」完了直後に発生した首里城火災に言及。その上で、「沖縄県民だけでなく本土や海外の人が悲しんだ。一日も早い再建を願って、物心両面から支援した多くの人の思いを感じながら新しい『令和の復元』を加速させる」と述べた。
内閣府は今後の復元作業について、正殿遺構がある場所に工事を円滑に進めるための「素屋根」を今年度内に建設する計画を発表。また、「平成の復元」以降に得た新しい知見を復元作業に反映させる方針を示した。
19年10月31日未明に起きた火災で首里城正殿を含む9棟が焼失。公明党は火災後、金城衆院議員(当時県議)らが現地調査を基に早期復元へ向けた要請を政府に行ったほか、防火対策などを強化する県の第三者委員会の設置を強力に進めた。
金城、窪田両氏は「沖縄の魂である首里城の復元で多くの人に力を与えられるよう、今後も後押ししていく」と語った。
2022年10月6日
首里城を二度救った男がいる。鎌倉芳太郎(1898~1983年)という人物である。最初は1924年の首里城解体を中止させたこと。2回目は“平成の首里城復元”である。
鎌倉は香川県木田郡氷上村に生まれる。香川県師範学校本科第一部を経て、21年、東京美術学校図画師範科を卒業した後、5月に沖縄県女子師範学校教諭・沖縄県立第一高等女学校教諭として赴任した。2年間の沖縄滞在中に琉球王国文化の精華にふれ、民俗文化にも親しんだ。独自の価値を放つ琉球・沖縄文化の神髄を探求する志がこの時期に培われた。これは日本民俗学を創始した柳田国男・折口信夫が旅行者として沖縄の地を踏み、“古代日本の鏡”としての沖縄の価値を発見するのと時を同じくしている。
鎌倉は2カ年の就業義務を終え東京に戻るが、1924年3月、首里城の解体工事が始まるという新聞記事に接する。この時のことを鎌倉は、
「驚いたことにこの日の三日後の月曜日には首里城正殿の取毀式を行うことを大々的に報じているではないか。正殿跡には、琉球歴代国王を祭祀する沖縄神社を建立する計画であるという。私は早速伊東(忠太―波照間注)博士の研究室に飛んで行った。伊東博士はこの宮殿は琉球芸術の代表作であるからつぶしてはならない、といって早速電話で手配して(中略)取り敢えず史跡名勝記念物として保存することに決定した。」(『沖縄文化の遺宝』 あとがき276頁)
と記述している。こうして首里城の解体をあわやというところで食い止めたのである。
鎌倉の調査の中でも1924年5月~1927年9月までに行われた、二次に亘る「琉球芸術調査事業」は重要である。鎌倉の調査は、最新の技術と超人的な熱量によってなされた。それはドイツ製カメラによる写真撮影と、美術工芸品等の原図作成・採寸・記入というものであり、古文書のノートへの筆写と原本との校合・修筆、民俗採訪でのスケッチ・採寸・方言の正確を期したローマ字などによる表記、という具合である。それだけではない。数千枚におよぶ紅型などの染織製品の裂地や型紙の収集が並行してなされた。こうして作成・収集された資料は合計7512点。そのうちの「琉球芸術調査写真」(ガラス原板1229枚。紙焼き付け写真851枚。(附)調査記録81冊)は2005年3月、「歴史資料」として位置づけられ、近代以降の写真資料としては全国4番目の重要文化財に指定された。
その中にあって、首里城の復元の場で撮影写真と並んで大きく活躍したのが『百浦添御殿普請付御絵図并御材木寸法記』と『図帳(勢頭方)』『図帳(当方)』などの首里城関係文書である。特に前者は、正殿正面唐玻豊絵図や「御差床之図」「台御差床之図」「御床之図」など、正殿内の各所の精細な絵図と共に色彩や寸法の指定がなされている。また、「下庫理差図」「二階差図」のように柱や壁・階段などの位置を示した建物平面図が多数収録されており、第一級の資料である。
“平成の復元”以降も鎌倉資料の研究によって幾つかの修正点の存在が明らかになっている。鎌倉資料は首里城復元の必須資料であり続ける。2019年の首里城炎上は不幸なことであったが、それによって、首里城に対する沖縄県民の深い思いが明らかにされ、往事により近い復元作業がなされることとなったことは、不幸の中の明るい光というべきだろう。(はてるま・えいきち)
2022年5月10日
2019年10月末に正殿など主要施設が焼失した那覇市の首里城火災から2年半が経過した。沖縄のシンボルとして県民から愛されてきた首里城の正殿再建工事は今秋から本格的に始まる。現在、復元作業や遺構などを見て回れるよう仮設の見学デッキが設置されており、大型連休中も多くの観光客でにぎわいを見せている。
奉神門から北殿側へ続く見学デッキは幅約3メートル、全長約140メートルで、正殿前の広場「御庭」を囲むように設けられている。城壁よりも高い位置にあるため、首里の街並みを一望できる絶好のスポットとしても楽しめる。
見学デッキには、火災時の状況や再建事業の内容などが書かれた解説板、首里城の絵が描かれたパネルを設置。復元作業の様子が分かるよう透明の板も使われているなど、“見せる復興”の工夫が施されている。国は26年までに正殿の完成をめざしている。
大阪市から訪れた30代の男性は、「遺構を間近で見て琉球王国の歴史や文化を肌身で感じることができた。城が再建したら、また来たい」と語った。
2022年4月14日
2021年12月15日
斉藤鉄夫国土交通相(公明党)は21日、那覇市の首里城公園を訪れ、焼失した正殿など主要施設の復旧状況を確認し、再建計画について関係者と意見を交わした。党沖縄県本部の金城勉代表と上原章幹事長の両県議、地元市議が同行した。
一行は、国営沖縄記念公園事務所の森口俊宏所長の案内で園内を視察。火災を耐えて残った大龍柱の補修展示室、奉神門、正殿跡などを見て回った。
森口所長は再建工事の進捗について、「2022年度から本体工事に着手し、26年度までに正殿を復元する予定だ」と述べた。
斉藤国交相は、「首里城の文化財としての価値をしっかりと残しながら、防災・防火対策を進めていく。国交省として、まずは正殿の完成に全力を挙げていきたい」と語った。
2020年11月4日
「御茶屋御殿が、県の復興方針に記載されました」
今月17日、公明党の斉藤鉄夫副代表と金城泰邦市民活動局次長、党県本部(代表=金城勉県議)のメンバーが首里城公園を訪れると、地元住民らが笑顔で歓迎し、喜びの声を寄せた。
御茶屋御殿は、琉球王国時代に薩摩の使者や中国の冊封使に歌や踊りを披露する迎賓館として、首里城と一体的に利用された。沖縄戦で焼失し、現在の跡地には民間施設が建っている。
沖縄県は今年4月、「首里城復興基本方針」を発表。この中で「『新・首里杜構想』による歴史まちづくりの推進」の取り組みを示し、首里城周辺に点在する文化資源として御茶屋御殿を挙げ、段階的な整備に向けた検討を政府や那覇市と進めることを明記した。
公明党は20年近く、元衆院議員の白保台一氏(故人)をはじめ国と地元議員が復元運動を推進する「御茶屋御殿復元期成会」との交流を続け、政府に文化財登録の必要性などを訴えてきた。火災後には、御茶屋御殿の復元や首里杜構想の拡充などを明記した意見書を、県議会と那覇市議会で決議させた。
同期成会の髙良正次会長は「公明党のおかげで、なんとか私たちの夢がつながっている」と語った。
■再発防止策を検討
国営公園である首里城公園は、約30年間の復元事業を終えて、2019年2月から県管理に移行した。
県は、今回の首里城火災に至った要因を分析し、今後の再発防止策と管理体制などを検討している。
建築防火の専門家らで構成する第三者委員会「首里城火災に係る再発防止検討委員会」を設置し、今年9月に中間報告をまとめた。この中で「初期消火活動の着手が遅れ、正殿内の消火器や屋内消火栓の利用もできなかった。また、夜間の火災を想定した教育訓練が不足」と指摘した。同委員会の設置については、当時県議だった金城泰邦氏が県議会説明会に登壇し、いち早く提案していた。
公明党は現地調査に基づき、政府に対する要請を行うなど再建への道筋を示してきた。今後は政府と県の施策に注視し、着実な首里城再建を推進するとともに、観光業の復活を支える。
■琉球文化の体現で地域発展/琉球大学名誉教授 池田孝之氏
県の首里城復興基本方針に関する有識者懇談会の一員で、琉球大学の池田孝之名誉教授に話を聞いた。
◇
前回復元時の基本理念である「首里杜構想」で掲げた首里城一帯のまちづくりに関する具体策を「新・首里杜構想」で示した。琉球王国の歴史と豊かな文化や暮らし、産業を体現させることが目標の一つである。首里城周辺に点在する中城御殿や御茶屋御殿などの復元事業は重要で、観光の回遊性を高め、地域発展を促すだろう。
火災は、首里城の価値を再確認させ、多くの人の心を動かした。国内外から思いが込められた寄付金も約50億円に上ったという。寄付を受けた県や那覇市などは、「納得と共感」を呼ぶ使途を明示し、最大限の活用を考えるべきだ。