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甲府市議会議員  兵道けんじのページ

地方議会のあり方考

2016年11月14日

甲府市議会では現在3つの研究会を昨年度立ち上げた。リニア中央新幹線調査研究会、中核市調査研究会、そして議会制度調査研究会である。

それぞれ「研究会」という名が付されているとおり、個別テーマに関する調査研究を目的としており、議論を通じて議会の活性化、議員の資質の向上に資するものとされている。

私はこのうち議会制度の調査研究会に所属している。現在の研究テーマは大規模災害時の議員の行動マニュアルづくりである。

大規模災害時には、市長をトップとする災害対策本部が設置され、情報と対応の一元管理の体制となる。議員についてはおそらく地域の一員としての行動が要請されると思われるが、一般には必ずしも周知されているわけではなく、例えば当局との連絡調整を依頼されたりして、無用の混乱を引き起こす恐れが多分にある。

2年前の大雪時には議員から対策本部に様々「ノイズ」が入ってその対応に追われ、本来の被災対応に支障が生じかねない事態があったのではないか、と推測される。あくまでも推測であるが。

こうした混乱を排し、災害対策本部による一元的対応に支障が生じないように、議員ひいては議会としての対応をマニュアル化して明示しようとするのが今回のテーマである。

このマニュアル策定は今年度中に行い、その後は議会制度そのものの調査研究を行う流れとなる。

北海道栗山町で初めて議会基本条例が制定されて今年で10年となる。これまで多くの自治体で同様に議会基本条例を制定している。

その目指すところはいずれも法律上は必ずしも十分に規定されているとはいえない議会という組織のあり方を定めることにより、「2元代表制」と呼ぶのにふさわしい議会へと脱皮するということにある。

これまでに何回かこのブログでも取り上げてきたが、一番の眼目は議会が単に議員という個人の集合体ではなく「組織」というオーガニゼーションであるにもかかわらず、現在の法体系が明確に規定しているわけではないということである。

例えば、代表的な議会の権能として「議案の議決」がある。首長には予算の調整、事業の執行などの権能が与えられているが、これらは議会の議決がなければ行使できない。

この議会の「議決」というのは、提案に対する議会という「組織の意思決定行為」である。個々の議員の賛成・反対の単純な集積ではない。当然のこととして、「議会内部で」様々議論し、意見を戦わせたうえで妥協点を見出し、最終的な態度決定としての議決行為がある。

これまでの法制度には、この議会内部での「議論を通じた意思決定」という規定はない。単に「議決」を規定しているだけである。

しかしながら、どんな団体でもあるいは会社などでも、重要な意思決定を行う場合は、構成員相互で意見を出し合い、議論したうえで決定を行っていくのが常識である。

このほかに、議会が何をしているのか分からないといった批判もよく耳にする。議会側でも議会中継とかネット配信、あるいは議会だよりなどで情報提供に務めているが、興味を引くところまではいっていないのだろうか。

近年では議会の権能として、①政策の「決定」、②行政執行の「監視」、③政策の「提案」、④住民意見の「集約」、の4つが期待されるという。

①と②は議決機関としての本来的な権能としてこれまでも理解されてきたものである。これに対して、③は国会同様地方議会も「立法機関」の側面(条例の制定改廃等)を持つところから、議会自体が多様な住民意見を背景に政策立案し提案していくことを期待するものである。④はその前提としての住民意見の集約である。

議員も首長とは別個に直接住民から選挙で選出されることから、当然のことながら議員一人ひとりが民意の受け皿となる。

本来議会という機関はこうした民意を背負っている議員同士が議論をして多様な民意を最終的に調整していく「言論の府」であることが予定されている。しかしながら、現実は議員同士が議論するシステムとはなっていない。

民意の集約は、先進議会では「議会報告会」という形で直接住民との対話集会を制度化している。議会報告会では、議会での議論の状況報告とともに、住民からの意見要望の聴取を行うのが通例である。

ともすれば、議員個人の活動、あるいは会派の活動という側面だけがクローズアップされがちであるが、「2元代表制」という制度を採用していることを正しく理解すれば、現行法制度が議会の「組織」としての側面についてほとんど規定していないことは片手落ちといわざるを得ない。

人口減少社会へ、そしてこれまでの右肩上がりの成長からの転換を余儀なくされる時代にあって、これまで以上に多様な民意を調整し、市民福祉の一層の増進、社会の持続的な発展のために議会が「組織」としての力をいかに発揮するかが問われる。

そのためには、時代にあった議会のあり方を我々自身が決めていく必要がある。智慧を絞る時がいよいよ来た。

スーパームーン前夜

スーパームーン前夜

反骨の地方へ

2016年11月1日

11月に入った。今年も早残り2か月である。先月は、公務面では総務委員会の行政視察があり、党務面では笛吹市議会議員選挙があった。かなりハードな1か月だった。

この間にも、何冊か書物を読み進めた。人口減少社会へ向かう中で、国を挙げて取り組みを進めている地方創生の在り方、また地方公共団体の重要な決定機関である地方議会に関する書物が中心だ。

甲府市議会の一員としての本来の使命は、やはり10年先、20年先という未来を見据えて今何をなすべきかを考え、手を打つことだ。

議会においても、甲府市が置かれている現状を踏まえて、何が課題でどう解決を図っていくか、を提言できるような在り方が必要だ。

おりしも平成28年度は新しい甲府市総合計画のスタートの年である。10年間の行財政運営のプログラムを定め、10年後の甲府市の姿を「ひと・まち・自然が共生する未来都市」とする。

ここで重要なことは、地方創生の取り組みが全国の自治体で進展する中で、今後はますます自治体が自ら考え解決策を見出していく「主体的努力」が求められるということだ。

2000年の地方分権一括法以後、自己決定、自己責任という流れが「地域主権」という言葉に象徴されるように、一層強くなっている。簡単に言えば、地方のことは地方が自分で考え解決せよ、ということであり、そのための権限や財源を地方に分与することが要請された。

今、人口減少と少子高齢化が明確な形で地方を襲い、消滅可能都市という警告が大きなインパクトを与え、地方の危機意識は一層高まっている。都市間で人口の奪い合いになりはしないかという危惧はあるものの、総合戦略を樹立して、地方創生に取り組まなくてはならなくなっている。

だからこそ、地方にとってもう一度未来を見据えてその地方にしかできないことを考えて実行に移すことがまさに求められる。国の制度にないから、とか財源がないからといった「言い訳」はもはや通用しない時代になった。

これからの10年というのは、右肩上がりの成長の時代の制度を思い切って破壊し、右肩下がりの時代に即した制度や考え方を組み立てていくことが必要になってくる。これを自らの頭で考えて答えを見つけていくことだ。

「反骨の市町村」(相川俊英著)はこれを「ジリキ(自力)ノミクス」という言葉で表現し、国への依存体質を排し、主体的な地方への脱皮を促している。これまでの「待ち」の姿勢から「攻め」の姿勢への転換ともいえる。

これは自治体内の「地域」についても同様なことが言える。地域の課題を地域自らが解決にあたる主体的な努力を求める。そこに再び地域活性化の芽が生まれる。依存意識の排除こそ、地域を地方をそして国を元気にしていく大きな原動力になる。

「反骨の地方へ」。地方創生を成功させるカギはこの精神に隠されている。

地方議会もこの依存意識を排し、真の自己決定、自己責任の地方分権の実現を目指して脱皮が求められている。次回は再度地方議会の在り方について稿を起こしてみたい。

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甲府大好きまつり「甲府市職員」の雄姿

総務委員会行政視察(3)~加古川市~

2016年10月20日

総務委員会行政視察の3日目、10月13日は加古川市の「地域課題調整事業」を調査した。

加古川市は人口約27万人、前日視察した播磨圏域連携中枢都市圏の圏域内の自治体である。

昭和25年に1市4町が合併して市が誕生した当時は49,000人の人口が現在の27万人に増えた大きな要因は、高度経済成長期の神戸製鋼の工場進出によるところが大きいとされる。

ちょうど東の明石市、西の姫路市という大規模都市に挟まれた格好となっており、市域も相当規模になっている。

大規模自治体に共通する課題として、市内の各圏域への身近な行政サービスの提供方法がある。簡単にいえば、市役所本及び出先機関の適切な配置、各出先機関への事務移譲などにより、遠隔地の住民への行政サービスが過度の負担を強いることなく提供できる体制を構築することにある。

加古川市では市民センターを9箇所配置するとともに、市役所市民課内に総合サービスプラザを開設し、各センターで、証明書のオンライン発行、税の収納事務などを担っている。

このセンター内に様々な地域課題を担当する地域振興担当を置き、概ね3名の再任用職員を配置し、今回の視察テーマである地域課題調整を行っている。

事業の大まかなイメージとしては、地域からの様々な要望、相談などの第一義的な窓口として地域振興担当があり、センター限りで解決できるもの、他部局に対応を依頼するものに交通整理し、地域からの課題提示に対して対応の円滑化を狙いとしている。

留意すべき点として、センターが対応するのは「地域」の課題であって、「個人」の要望ではないという点である。行政の公平性、一般性からいえば当然ではあるが、ときに誤解されがちな点である。

我々も立場上、地域からあるいは個人から様々な要望、相談を受けるが、個人的な要望なのか、あるいはその地域に共通する要望なのかを見極めるようにしている。税金で対応する以上はこの点は常に気を使うところである。

加古川市の事例は、我々にとっても非常に示唆に富む取り組みである。

なんといっても地域の課題解決に地域に所在する市のセンターが対応に当たる点である。そして例えば道路補修などスピードを要する課題に迅速に対応できることは、市内部における地域「分権」の考え方につながり、地域の自主性、自立性の促進という観点からは優れた制度である。

なおかつ、とかく役所に対する敷居の高さを感じがちな住民にとって、よきパートナーシップを築くことが容易になる。

我が市の場合は行政センターがあるものの、証明書の発行党の窓口業務と公民館業務だけであり、一般行政機能をもつ出先機関ではない。

加古川市の体制は言ってみれば都道府県的な本庁ー出先というものに近い。人口等の点からは自然の流れであると思われるが、特に注目したいのは、地域の課題は地域ごとにその解決に当たることが、地域の活性化につながるという考えに非常に近いということだ。

地方創生といい、地域の再活性化といい、かってない人口減少、少子高齢化という大きな課題が立ちはだかる今、自治体内でも「地域」というところに焦点を当て、ここから活性化の波を巻き起こしていくこともますます求められていくのではないか。

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総務委員会行政視察(2)~姫路市~

2016年10月18日

視察2日目の10月12日。この日は姫路市で「連携中枢都市圏構想」について研修した。

連携中枢都市圏構想は総務省の資料によると、「地域において、相当の規模と中核性を備える圏域において市町村が連携し、コンパクト化とネットワーク化により、 人口減少・少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し活力ある社会経済を維持するための拠点を形成」するというのが目的とされる。

すでに国を挙げての課題である「人口減少」「少子高齢化」をいかに乗り越えるかという視点から、成長戦略、人口ビジョンの策定が各自治体において進められているが、人口減少が地域の活力、経済成長に与える影響は計り知れない。

これまで、単独の自治体だけでは解決困難な課題に対処するため、広域的な自治体相互の連携協力の取り組みも進められてきた。

古くは、地方自治法上の「一部事務組合」制度が、特定の行政課題への対処のために特別な地方自治体を設立する方法で自治体の枠を超えた広域的な連携を実現するものとして法定化されている。

その後複数の自治体が一つになることで広域的な課題を自治体内部の課題として解消していく平成の大合併があったことは記憶に新しい。

こうした動きが一段落してもなお広域的な課題は消滅しない。自治体相互が役割分担しあってお互いに不足する資源を相互に利用し補てんし合う「定住自立圏構想」が生まれてきたのは必然の流れだったといえる。これは、いってみれば自治体が独立性を保持しながら「緩やかな連帯」をしていくというイメージである。

しかし、人口減少局面を迎え、将来的に人口が半減するといった人口推計や増田レポートが指摘した消滅可能自治体などの警鐘は、社会経済の活力維持と持続可能性のうえから、我が国社会に大きな衝撃を与えたのは事実である。

国がまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、各自治体にも総合戦略、人口ビジョンの策定を求め、国をあげて地方創生に取り組むことを決定したのは、経験したことのない人口減少・少子高齢化という困難な課題解決のため、「地方から活力を取り戻す」ことが大きな狙いであることは疑いの余地がない。

こうした流れの中で、姫路市が取り組んできた「連携中枢都市圏構想」が国の制度として取り入れられたようである。

総務省の資料によれば、連携中枢都市圏に求められるものとして

① 圏域全体の経済成長のけん引 (産学金官の共同研究・新製品開発支援、六次産業化支援 等)

② 高次の都市機能の集積・強化  (高度医療の提供体制の充実、高等教育・研究開発の環境整備 等)

③ 圏域全体の生活関連機能サービスの向上  (地域医療確保のための病院群輪番制の充実、地域公共交通ネットワークの形成 等)

があげられている。

これを実現するために平成26年度に地方自治法が改正され、自治体間の柔軟な連携を実現するため「連携協約」の制度が導入された。連携中枢都市圏形成の手続きとして、連携中枢都市宣言→連携協約の締結→都市圏ビジョンの策定 という流れがある。

中枢都市には圏域人口に応じた交付税措置がされるのと引き換えに、圏域全体の発展のための強いリーダーシップが求められる。いわば「圏域の一体化」がより求められる点で、定住自立圏構想より一歩踏み込んだ「強い連帯」ということが出来る。

姫路市が中枢都市となっている「播磨圏域連携中枢都市圏」はそれぞれ特筆すべき地域特性を持つ8市8町で構成されている。古くは「播磨の国」という一つの国であったという歴史的な背景も都市圏形成に大きな力となったようである。圏域全体の人口は約130万人となっており、そのうち、姫路市は53万人、次いで加古川市が26万人、残りは10万人未満の市町である。

国の分類に従った圏域全体の取り組みとしては次のとおりとなっている。

①「経済成長のけん引」としては、 放射光施設活用促進事業及びスーパーコンピューター活用促進事業、企業誘致、播磨地場産品販路拡大事業、広域観光事業などに取り組んでいる。

特に、企業誘致では、姫路市が中心となって、圏域内の自治体への企業誘致に成功しており、また販路拡大では、東京浅草の「まるごとニッポン」に開設したテナントショップで圏域各自治体の特産品の販売を行うなど、小規模自治体では困難な販路拡大も圏域で連携協力することにより可能となったことは大きな成果である。

②「高次の都市機能の集積・強化」では、JR姫路駅前の整備とネットワークづくりに取り組み、魅力ある商業施設、付加価値の高いサービス産業、コンベンション機能を備えた施設などの導入を進めていくとされる。

③「圏域全体の生活関連機能サービスの向上」では、社会施設・図書館相互利用促進に力を入れている。各自治体にはそれぞれが特色を持った施設があり、結構相互利用の実績があるという。

この連携中枢都市圏構想実現にあたっては、姫路市の副市長が相当骨を折ったようである。当然「姫路市の一人勝ち」にならないかとか、吸収合併されるのではないか、という疑念を持たれたりして、かなり難航したようである。特に赤穂市は「忠臣蔵のふるさと」といった歴史的な背景もあって、参加も最後になったと聞く。

今後おそらく避けて通れない、人口減少・少子高齢化にどう立ち向かっていくかを考えるにあたって、自治体間の連携を強固にして、「ある程度のまとまり」で立ち向かうという方法も有効ではないかと強く感じる。

これが例えば、圏域というまとまりに至らないまでも、甲府市という「まとまり」のなかで、地域間連携で立ち向かうという手法も有りではないか。その際、やはりコアの存在とその担い手としての強いリーダーシップが求められるのは言うまでもない。

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暴れん坊将軍に使われた城の遠景

総務委員会行政視察(1)~明石市~

2016年10月15日

10月11日~13日に甲府市議会総務委員会の行政視察が行われた。今回は兵庫県内の3市の調査である。

初日の11日は明石市の「トリプルスリー」の取り組みである。

明石市の掲げる「トリプルスリー」とは、①人口30万人、②年間出生数3,000人、③図書貸し出し数年間300万冊、を目指し、その実現に向けた施策を強力に推進するというものである。

現在、どの自治体も、国のまち・ひと・しごと創生戦略を受け、人口ビジョンとこれを踏まえた地方版総合戦略を策定している。

国全体が人口減少局面を迎え、しかも人口分布が大都市、特に東京一極に集中するといういびつな構造のもとで、一昨年の「増田レポート」が消滅可能都市を名指しで公表したことは、地方の活性化を実現しなければ日本が衰退していくという強い危機感を呼び覚ました。

しかしながら、大多数の自治体が人口減少を前提としてどこまで食い止めるか、という視点から総合戦略を構築しているところを、明石市は「人口増加」を目標に掲げた総合戦略を打ち立て、その中心的な取り組みがトリプルスリーである。その牽引力は何と言っても泉市長だろう。

現在関西圏域で唯一の人口Ⅴ字回復を実現しているが、その要因は、子育て世代やサラリーマン世帯をターゲットにしたインセンティブのある施策を打ち、その層が反応して、市外から明石市に引っ越して子ども産み育てる流れが定着している。

その施策のポイントは「子どもを核としたまちづくり」にある。これが若い世代に明石市が選び取られる大きな理由だろうとされている。

具体的には、中学生までの子どもの医療費の完全無料化、第2子以降の保育料の完全無料化、保育所入所枠の1000人拡大、小学校1年生の30人学級の実現など、所得もそれほど多くない若年層で必然的に共稼ぎ世帯が多く子どもを多く産み育てたくても経済的、社会的理由からあきらめがちな層に対して、大きなインセンティブを与えることにより、明石市への移住を誘引している。

人口増を目指すと言っても、出生数を増やすだけでは到底30万人という目標達成はおぼつかないため、市外からの転入、いわゆる社会増も当然カウントされている。両者がうまくかみ合えば、人口増の目標達成もより実現に近づくと思われる。

明石市が打ち出した施策は、関西圏域では初めての施策が多く、いってみれば競争相手がまだいない状態だったから、これまでのデフレ経済状況のもとでは子育て世代に響いたものと言えなくはない。

しかし、泉市長が直接説明してくれ、その情熱の一端を垣間見た時、明石市のⅤ字回復もトップの強い意志とリーダーシップの賜物と強く感じた。

こうした施策を実行するうえで必ずたちはだかるのが、財政の壁である。現実問題として財源をどこからか調達しなくてはならない。明石市では、市長以下職員の給与の削減という率先して身を切る改革を断行し、あらゆる分野での予算の在り方の見直しを実行した。

当然反発は生まれる。しかしながら、自らを律しなおかつ社会の持続可能性を実現するうえで、子どもという具体的な「人」に焦点をあてることにより、多くの市民の共感を呼び覚ましたことは、そこにまちづくりの真髄をみる。

出生率の目標も2030年までに国の目標値を上回る2.07という高い目標を掲げているが、あながち不可能ではないように思える。この市長のもとでなら、という条件付きであるが。

図書貸し出し数が現況の220万冊から300万冊という目標達成に向けて、現在明石駅前に再開発ビルを整備中でこれが完成すると蔵書数100万冊の大型書店がオープンし、図書館のネットワークと併せて日本一の「本のビル」が生まれる。

こうした「人と文化」に焦点を当て、なおかつ具体的な目標を掲げて具体的な施策を展開するというきわめて分かりやすいメッセージとなっていることは、大いに参考とすべき手法だと思う。

総合戦略や総合計画が抽象的なスローガンで当り障りのない「総花的」なものに陥りやすいのに対して、何を目指すかというより具体性を持たせた施策の展開は、まちづくりに当事者としての意識を持たせるうえでも極めて重要である。

と同時に、自分たちのまちを自分たちの頭で考えてデザインしていくという独自性も重要な要因になることがはっきりと感じられ、これまでの自分自身の考えが明石市の実例を通してあながち方向性も間違っていないことに意を強くしたところである。

明石市の資料

明石市の資料

だからこそ議会改革を

2016年10月5日

あの「号泣県議」の一件以来、地方議員に対する世間の視線は、どこの議員も同じことをやっているのではないか、という不信感が増幅されたものとなっている。
そこに、再び地方議会に対する信頼を木っ端みじんに打ち砕く事件が明るみになった。言うまでもなく、富山市議会の政務活動費の不正受給である。
問題は県議会にも飛び火し、さらには政党の県連役員もが不適正な会計処理を行っていたことが発覚した。真面目に住民のため粉骨砕身働いている多くの地方議員に懐疑の眼差しが向けられないかと危惧を抱く。
最近、地方議会、議員に関する2冊の本を読了した。
一つは「トンデモ地方議員の問題」(相川俊英著)、もうひとつは、「地方議会のズレの構造」(吉田利宏著)である。
前者は、「議員」に焦点を当て、議員の質という観点から地方創生の一翼を担うべき存在としてそのあるべき姿を探る。
後者は、「機関」としての「議会」に焦点を当て、分権時代に即応した議会制度という観点から考察を加えるものである。
いずれも重要な視点である。往々にして地方議会、地方議員に対しては、「何をやっているかわからない」といった厳しい目が向けられる。
そこにきて今回のあきれるほどの議員の体たらくが全国に発信され、地方議員全体がいわれのない批判にさらされかねない。全くもって迷惑な話である。
議員としての最低限の質はやはり問われなければならない。議員の報酬や政務活動費は言うまでもなく原資は税金である。
間接民主制のもとでは住民からの負託を受けて住民福祉の向上、地域社会の発展のため働くことが求められるのが議員である。
特に政務活動費は議員に対する給与ではなく、議会活動や議員活動をより高めるための調査研究のために会派や議員に支給されるものである。
こうした政務活動費により資質を磨き、また先進事例等の調査研究を行うことは、当然その成果を議会活動等で市民に還元していくことが求められることは言うまでもない。
議会制度についても、そろそろ本市においても時代に即応した制度なのかについて考えるときにきている。
栗山町で初めて「議会基本条例」を制定してから10年が経過している。自治法による議決事項の拡大等の措置がなされてきたものの、肝心な部分については依然として不十分のままである。
市民の側から議会が何をやっているのかわからないといった声が寄せられるのも、現行制度の上からは当然と言えば当然である。
現行制度は「機関」であるべきにもかかわらず、これを実現するための規定が不十分である。
機関としての意思決定行為は「議決」であるが、はたして「機関の意思決定行為」にふさわしい手続きとなっているかどうか?
残念ながら、現状では、賛成あるいは反対といった個々の議員の意思表明の集合が「議決」となっている。
いってみれば、合議を経たうえでの意思決定とはなっていない。ここに大きな「欠陥」が存在する。
「機関」としての意思決定行為と言えるためには、どんな団体もおそらくそうであろうが、執行機関あるいは総会等で構成員がお互いに議論を戦わせその結果一定の内容を決定していくというプロセスがなければならない。
現行の議会には残念ながらお互いに議論を戦わせるという「合議」という制度がない。だから当然のことながら組織としての一体性は希薄であり、また帰属意識も薄れがちである。
これまで先進自治体議会が取り組んできた「議会改革」とは、実はこうした議会の「機関性の確立」ではなかったか。
とかく議員個人や会派ばかりに目が行きがちな中で、執行機関と対極にある機関としての議会の存立基盤を整備することは、2元代表制の本旨に合致する。
その象徴は言うまでもなく、議員間討議と議会報告会だろう。

前者は議決という意思決定を行う前提としての合議を実現するものであり、後者は「機関」としての議会が行う住民報告会である。
人口減少が進む中持続可能な地方議会を目指すうえでは、議会自身が知恵を絞り、自ら汗をかいて、より良き方向を模索する努力を今後ますますしていかなければ、いつの間にか取り残されないとも限らない。
時の流れはあまりにも早い。

9月定例会一般質問(4)

2016年9月18日

最後の質問は、「甲府の都市像実現のための方向について」である。

これまでの質問で、10年先20年先を見据えた持続可能な甲府市の実現、及び第6次総合計画が目指す都市像「人・まち・自然が共生する未来創造都市」実現のために、 「人の流れをつくっていく」という切り口から考えてきた。

それは、「地域」というものに焦点をあて、「人」という観点から地域の再構築を図る狙いがある。地域における人の営みこそが、「まちづくり」の中身そのものととらえて、こうした自分たちのまちは自分たちでつくっていく、という「内発的」なエネルギーをもっと引き出していくことが、人口減少、少子高齢化という大きな課題っを乗り越えるためのキーワードになると確信している。

我々はこの甲府市で居を構え、家庭を持ち、これまでもそしてこれからも生きていく。様々な関係性を保ちながら、地域において生きていく。決して自分だけで生きてはおらず、地域からの恩恵を少なからず受けながら日々の暮らしを送っていく。

こうした自覚にたって、少しでも地域のために働いていこうとする人材を確保し、地域活動の担い手、プレーヤーとして一人でもおおく登場してくれることが期待される。

地域活動の衰退が地方が元気をなくした要因だと指摘する識者もいるほど、我々が地域のなかで生きていくにあたって、今後ますます地域活動が重要になるに違いない。特に大規模災害の発生が避けられず、これを乗り越えるためのコミュニティの力が益々求められている状況にあっては、なおさら地域自らが課題解決に汗をかこうという地域活動は重要性を増してくる。

質問では、10年後20年後の未来の甲府を考えた場合、地域活動の担い手として子どもたちにもっと光を当てて取り組みを進めるべきと提案した。次代を担うのは間違いなく子どもたちの世代である。これまでも行政の施策として子どもたちの健全育成という観点からの取り組みは進められてきた。

ただ、「子どもたちが道を踏み外さないように」という非行防止の観点が非常に強いように思われる。その背景には、これまで何回も指摘してきた日本社会の「減点法」的な考え方がある。

こうした「減点法」からは、ミスをすれば評価が下がるため、ミスをしないようにという消極的な姿勢が当たり前となる。だから、ミスをおそれて「挑戦」をしなくなる。往々にして失敗してないか周囲の顔色を窺いがちとなる。

また、どんなに「よい行動」をしても「努力」をしても、「加点」の仕組みがないから本人の評価には反映されない。

だから質問で具体的に、もっと子どもが活躍できる場、子どもを主役にする場、を地域に増やす取り組みを、と訴えたのである。子どものうちから地域とのかかわりを身につけ、将来は地域の担い手としての成長を期待する点からである。

例えば、ジュニアリーダーの育成にそれぞれの地域が取り組んでいる。だが、彼らが地域で活躍できる場、ささやかな場でもいいから地域の中で彼らが正式に認知され、かかわっていく場が果たしてあるのだろうか?

地域で生きる、ということは、決して一つの「事業」ではない。日常生活そのものの一部である。子どもたちの育成も本来事業というよりも、生活行動の一部としてとらえられるべきである。事業、ととらえるとどうしても「効果」とか「成果」とかに目が行きがちである。

甲府で子ども時代を過ごし、様々な思い出を刻み、成長して今度は地域に担い手として登場する。持続可能性を意識すると、どうしても子どもたちに熱いまなざしが注がれる。

今回の質問は、総合計画のスタート、成長戦略のスタートといった、重要な時期にあたって、将来像をしっかり意識した市政運営を展開するうえで方向性の確認を行おうというものである。

10年後の総合計画最終年度に、この質問がどういう評価を受けるか。さらに気を引き締めて推移をみていくつもりである。

サフォークは士別市で力を入れている

サフォークは士別市で力を入れている

9月定例会一般質問(3)

2016年9月17日

3番目の質問は、「人の流れをつくることについて」である。

地方創生のメルクマールのもと、人口減少局面を迎えた各自治体とも人口ビジョン、総合戦略を策定している。その中心的な柱はいかに再び地方に人の流れをつくっていくか、である。

出生率がなかなか回復せず、国全体が少子化に向かってから既にかなりの年数が経過している。人口の自然減の流れの中で行き着く先は結局人口減少社会である。

地方における人口減の要因はこうした自然減ばかりではない。進学や就職などで若者が都会へ転出したまま戻ってこない「社会減」も大きな問題である。

甲府市が策定した人口ビジョンによると、若年世代の転出入の特徴的な動きを示すのは、高校・大学進学期における転入超過と大学卒業・就職期における転出超過であるとされている。

進学期における転入超過は、県外・市外の高校・大学へ進学する者がいるものの、それを上回る数の市内高校・大学への市外からの進学者がいるということである。

また、大学卒業・就職期の転出超過は、就職を機に市外に出ていくケースのほか、県外の大学に進学して残念ながら就職のために市内へ戻ってくる者が少ないということも考えられる。

そこで、市外から甲府の学校にせっかく進学した者を卒業後も市内に留まってもらうこと、市外・県外の学校に進学した者に甲府に戻ってきてもらうこと、こうした人の流れをいかにつくっていくか、その方途は何かについて考える必要がある。

これは定住人口という側面からのアプローチであり、もちろん市内を訪れる者を増やすという交流人口の観点を否定するものではない。しかし、甲府市の将来にわたる持続可能性という観点からはやはり社会づくりの担い手を確保するための定住人口からのアプローチを特に考えていきたい。

質問では、最初に大学卒業期に甲府市に留まってもらう、あるいは市外の大学に進学した若者に戻ってきてもらうために、いわばインセンティブとして、甲府市内で就職、居住した場合に返還を免除する奨学金制度の創設を提案した。

これには、県で今年度新たに同趣旨の制度を創設するということなのでその状況をみたい、という答弁があった。ただ、こうしたインセンティブな支援策は「2番煎じ」ではたいした効果は見込めない。また、基礎自治体が行うことは市民にとってより身近で使い勝手がいいことが多い。

2点目に触れたのは、市内へ戻ってきてもらうための様々環境整備を行っても、最終的に甲府に戻ってくるかどうかは、必要に迫られて、あるいは仕方なく戻る場合を除けば、「戻りたいという思いの強さ」が決め手となるのではないだろうか、ということである。

裏を返せば、甲府を愛する気持ちの強さであろうし、そのためには人を引き付けてやまない甲府の魅力が自分自身の中に明確に意識されなければならない。

その参考例として、かつて予算委員会でも取り上げたことのある映画「じんじん」のふるさとである、北海道剣淵町の絵本の里づくりを引用した。剣淵町は今夏の会派視察で訪れた町である。

ふるさとを離れた地で居合わせた人に自分のふるさとのまちの名前さえ知られていない、かえって馬鹿にされたという場面に出くわしたとき、多くは反発を覚えるだろう。ここに自分のふるさとへの帰属意識が芽生えるきっかけが生まれる。

ただそれがふるさとを思うエネルギーへとさらにはふるさとづくりを担っていこうという情熱に昇華するか否かは、結局自分が育ったふるさとにどれほどの魅力を感じているか、あるいは愛着を感じているかという内面的な問題に帰着すると考えている。

我々が人の流れをつくろうといろいろな施策を講じるうえで、我々自身がこうした魅力をどう感じ、とらえているか、を問うことは総合戦略を今後展開していくためにもプライマリーな問題だと感じる。

この観点から、市長の考えを率直に質した。もちろん行政府の長として市政運営の点からの「行政的な」答弁になることは仕方がない。しかし、人の流れを呼び込むために様々甲府市を発信しようとも、自分自身の内にどこに魅力を感じるか、また、これだけは何が何でもすべての人に知ってもらいたい、というものがなければ発信効果は期待できない。

詳細な答弁は後日議事録から正確に伝える予定であるが、この質問で今後のまちづくりの担い手としての方向性の共有がある程度できたのではないか。

少なくともふるさと甲府に対する「愛着」を持った人材が一人でも多く10年後の甲府を見据えたまちづくりにプレーヤーとして登場すること、が成長戦略を実効あるものとするためのカギを握ることが共通理解となったと思っている。

IMG_1260

剣淵町の一風景

9月定例会一般質問(2)

2016年9月15日

一般質問の2つ目は、路面下空洞調査について、である。

1問目で災害時の避難所等への物資搬送が陸路で行われることをあえて確認したが、道路陥没により使用不能になった事例が東日本大震災時に発生したことが報告されている。

せっかく綿密な物資の搬送計画を立て、必要な物資がそれぞれの避難所に必ず届くよう絵をかいていても、実際の道路が使い物にならなければ話にならない。

これは物資の搬送にとどまらず、例えば病院へのアクセス道路が陥没したとしたらどうだろう。一分一秒を争う救急患者の搬送が不能となったとしたら。想像しただけでも背筋が寒くなる。

こうした道路陥没は、多くが路面下に生じた空洞によってもたらされている。だから平常時に道路を点検し地下に空洞が生じていないかを調査するのは、いざという場合のリスクを回避する有効な手立てである。

また、災害時のみならず平常時においても空洞の大きさ、アスファルトの強度などによっては陥没が起こる可能性はある。ひっきりなしに車両が通行している道路で突然道路が陥没したら、大惨事を引き起こしかねない。

こうしたことからわが党はこれまで何度も議会で取り上げ、その結果県内自治体で初めて路面下空洞調査の実施にこぎつけた。当面は、災害時の緊急輸送道路に指定されている路線を対象にしたが、今後さらに範囲を広げることが必要である。

今回の質問で、この路面下空洞調査をきちんと防災計画に位置づけ、必須の取り組みにしていくこと、定期的に実施するサイクルを確立することを要請するとともに、調査実施業者の選定にあたっては、信頼できる調査結果を得られるよう適正な選定基準を航路すべきことをようせいした。

現在、この路面下空洞調査で優れた実績を上げている業者は、調査車両を通常の速度で走行させるだけで、地下の空洞箇所をピンポイントで発見する技術を持っている。いわば道路のCTスキャンである。

地下の状況は掘り起こしてみなければ状況が分からないのが通常である。だから往々にして陥没が起こって初めて地下の空洞が発見されるという例が大部分である。

この路面下空洞調査の難しい点は、破壊調査によらずに地下の空洞の有無を発見することにある。だから技術力のない業者では、極めて不適切な結果となる危険がある。

せっかく空洞調査を実施しても残念ながら空洞が見逃され、問題なしとされた箇所で空洞化による道路陥没が発生してしまったのでは、何のために調査をしたのか、と行政側が厳しい批判にさらされることは必至である。

路面下空洞化調査は、国の国土強靭化計画に正式に位置づけられ、国は積極的に進めようとしている。地方自治体においても地方版強靭化計画を策定することが期待されているが、甲府市はまだ策定に至っていない。このことを質したが、策定するという明確な答弁は得られなかった。

今後は調査の定期的実施と範囲の拡大を引き続き求めていく考えであるが、率直な感想を申し上げれば、まだまだ災害に対する「現実感」その裏返しとしての危機意識をもっと高める必要を感じる。

路面下空洞調査を実施しているのは市町村のなかでは甲府市だけである。しかし道路は隣接市町村までつながっているし、国道、県道ともつながっている。甲府市だけ対策を講じてもその延長上にある自治体が対策を講じなければ結局使用不能となってしまう。

だから広域的な連携のもと調査に取り組むべきであり、本来ならばそれは県の役割である。甲府市を実施に踏み切らせたのは、県や他の市町村へ必要性をアピールし、実施に向けた広域的な流れをつくるためである。

依然として、県や他都市の動きは鈍いが、公共インフラの老朽化が大きな課題とされ、特に道路の地中埋設物には、水道管、下水道管などがあり、老朽化による水漏れの可能性は高まっている。漏水による周辺土砂の流出から次第に空洞化が進む。

インフラの長寿命化が言われている現在、地下の空洞化は現実の危険としてどの地域にも潜んでいる。

本県は車社会。道路交通量は圧倒的に多い。以前にも何件か県内他市で突然の道路陥没が報道された。地下の空洞化によるものという。走行中に突然道路が陥没して車が巻き込まれたら、と思うとぞっとする。

本市で始まった路面下空洞調査が他市に拡大することは、道路ネットワークを生命線とする本県の社会経済生活の安全安心に寄与するものとして喫緊の課題である。

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9月定例会一般質問(1)

2016年9月13日

9月9日午後、1年半ぶりに9月議会一般質問に登壇した。

昨年度は副議長職にあったため、質問には登壇しなかったが、久しぶりの登壇、しかも2期目以後は代表質問ばかりであったので、地域的な課題を取り上げることの出来る一般質問の機会はある意味新鮮であった。

今回から、何回かに分けて質問の内容、ねらい等について記すこととする。

今回の質問は、(1)減災の取り組みについて、(2)路面下空洞調査について、(3)人の流れをつくることについて、(4)甲府の都市像実現のための方向について、と4項目を取り上げた。

各質問はそれぞれ独立した項目となっているが、その底流にあるのは、3.11以降、大規模災害の発生が高い確率でいわば確実視されている中、万が一こうした困難に直面した場合に、これを乗り越えるためには、「コミュニティの力」に頼らざるを得ない、という問題意識がある。

特に、この4月に熊本大地震が発生したことは、東日本大震災以降常に心にあった「災害を乗り越えるための力強いコミュニティ」の再構築を引き続き訴えていくことの必要性を改めて思い起こさせた。

そのための今回の質問は、全て万が一の大災害の際、地域の力で再び力強い歩みを進めることが出来るよう、現時点で想定しうるリスクの回避、人口減少等現下の我が国が直面している状況において必須の要件となるいくつかの理念を共有することによって、「力強いコミュニティの再構築」に向けた考え方という点でつながりを持たせている。

最初の質問項目の「減災の取り組みについて」は、

(1)大規模災害発生時の物資の受け入れとその配送の流れについて

(2)道路の寸断その他の事情により避難所への物資の搬入が困難な事態を想定して、あらかじめ代替の場所を想定すべき

という2つの質問内容で構成されている。

大規模災害の発生に備えて、それぞれの指定避難所で地域住民のための備蓄品が準備されているが、甚大な被害をもたらす災害の場合、あっという間に底をつくことは容易に想像できる。特に今後インバウンドの飛躍的増加が予想される状況下ではなおさらである。

阪神淡路大震災以降、我々が経験したことはこうした事態に全国からの「共助」が被災地に寄せられ、数多くの救援物資とボランティアの方々が被災地支援のために続々と集まってくるということである。

当然、甲府市においても地域防災計画において、こうした物資の受け入れの拠点として総合市民会館が指定され、ここから各被災地に物資の搬送を行うという仕組みが計画されている。今回の質問はまず導入部分として改めて確認の意味で質問を投げかけたものである。

市の計画による「物資の搬送」は、複数の運送業者と協定を結ぶなど何とかして被災地に物資が届くよう準備されており、当然のことながら「陸路」すなわち道路を使うことが想定されている。

搬送先は基本的には指定避難所だが、私はここで地元新田小の状況に触れながら、大型車が進入できないような避難所の場合には代わりとなるべき場所を想定すべきと指摘し、結果、市側から指定避難所への搬入が困難な場合は代わりの場所を準備するとの答弁を引き出した。

以上が第一の質問の概要であるが、ここで明らかにしたいのは、市の想定は物資の搬送を大部分陸路によっているが、これまでの大規模災害の場合必ずと言っていいほど、沿道の建物の崩壊、電柱の倒壊、ブロック塀の倒壊など、がれきによって道路交通が遮断されるのが通例であり、災害時の道路使用が不能になることへの想定をしっかりしておかなければ、せっかくの計画も「絵に描いた餅」に終わる危険があることだ。

道路上の物理的障害物の発生を抑えるため、これまで主要幹線道路沿いの建物に対する耐震化の義務付けや一般市道沿いの個人住宅の塀のいわゆる「垣根」化への転換を指導するなど、取り組みは進められており、万が一障害物が発生してもある程度の日数かければその除去は可能と考えられるため、市の想定もそれなりに首肯できる点はある。

問題は、道路構造物そのものに何らかの不具合が生じて、いざというとき全く役に立たない事例が東日本大震災の際報告されていることである。

それが、「路面下空洞」による突然の道路陥没である。これまで私は県内自治体で初めて取り上げ、緊急輸送道路について空洞化調査の実施に県内自治体で初めてこぎつけた経緯があるが、全県的にはいまだその調査は進んでいない。国は迅速な対応をしているようだが、山梨県は今一つのようである。

道路は国道、県道、市町村道とそれぞれの役割に応じて整備されているが、すべてがお互いにつながっている。ある地域でたまたま調査を行って対応をしたとしてもその道路とつながっている自治体で対応をおろそかにすれば結局その道路は使えない。

私は早くからこうした問題意識のもと「路面下空洞調査」の必要性を訴えてきたが、今回再びこの問題を取り上げることとした。それが2番目の質問の「路面下空洞調査について」である。

詳細は次回に稿を改めるが、最初の質問で確認した陸路による物資搬送の想定を水泡に帰さないためにも道路構造物そのものに着目することの必要性を訴える。最初の質問は2番目の質問の導入部分の意味を持つというストーリー性をここでは持たせている。

(続く)

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