Menu

  • Home
  • ブログ
  • 議会改革のページ
  • これまでの実績
    • 第1期(平成19年…
    • 第2期(平成23年…
    • 第3期(平成27年…
    • 4期目(令和元年5…
  • 4期目の振り返り
  • 5期目の挑戦
  • 議会質問
    • 第1期(平成19年…
    • 第2期(平成23年…
    • 第3期(平成27年…
    • 第4期(令和元年5…
    • 第5期(令和5年~…
  • プロフィール
  • ニュース
  • リンク
  • こうめい甲府

甲府市議会議員  兵道けんじのページ

議会基本条例始動(その1)

2021年8月6日

6月定例会で可決成立した甲府市議会基本条例が7月12日施行された。合議制の機関として作動するためのいくつかの制度を規定しており、運用上の細かい詰めを議会運営委員会に託された。

9月定例会を間近に控え、早急に決定すべき事項8項目について8月5日午前10時から議会運営委員会を開き、正副委員長案を提示した。以下順に状況を追っていく。

1 最初に条例第4条に定める「議員間・委員会討議」制度の運用についてである。

常任委員会や予算・決算特別委員会での議案審査にあたって、これまでの議員(委員)対執行部といういわば「個人戦」的なやり方を改めて、議案の取り扱い(可か不可かや要望的意見など)を委員相互の議論により決めていこうという合議制機関としての「当たり前の」やり方に変えていこうというものである。

議会が本来「話し合いで」物事を決めていく機関であるはずなのに、議員同士の話し合いは残念ながら制度として実施されてこなかった。だから提出された議案に対して「いいか悪いか」という2者択一の選択しかなく、注文を付けるということが出来なかった。この点が議会は追認機関にすぎないと批判される点である。

しかも、これまでのやり方では、当局による議案の説明のあと、委員による当局への質疑が行われる。質疑は本来疑義の解消にとどまるべきだが、なぜか議案に対する賛否の表明や要望が当局に対して当たり前のようになされる。こうした意見や要望は委員一人一人が個別に当局に対していうべきことではない。当然委員会で集約して「委員会として」意見・要望すべきものであるが、話し合いの場を設定していないためにこうした首をかしげざるを得ない事態となる。議員(委員)間討議の制度は、こうした「質疑」と「意見・要望」を峻別するという狙いもある。

決して堅苦しく考えるのではなく、「議案について委員会としてどう取り扱うか話し合う」時間ととらえるものである。なかには話し合うまでもなく明らかに可決すべきという案件もあるかもしれない。この点で委員間討議の発議を誰がすべきかという議論も考えられるが、どんな案件でも質疑終了後に必ず委員長から「取り扱いをどうしようか」という投げかけを行うのが妥当である。そこに議案の取り扱いについて委員会としての協議がなされたという軌跡が残せる。

この議員(委員)間討議の制度は、当然予算・決算という議案を審査する特別委員会でも適用になる。質疑と意見要望の混同はむしろ予算・決算特別委員会の方が顕著である。後述する予算・決算特別委員会の審査のあり方改善とも連動するが、こうした点のほか、はたして「審査」の名に値する審議内容かという点、総合計画や次の予算・決算との連動性の希薄さ、など、税金の使い道を検証するという重要な使命を果たしていないといわれても仕方のない状況がある。

これまで、合議制の機関としての使命を果たすために議員間討議はマストの制度であると繰り返し主張してきたのは、これまでのあり方への懐疑と反省からである。議会基本条例の施行は甲府市議会が合議制の機関へと脱皮する大きなきっかけとなる。

2 次に、条例第11条の請願者・陳情者に対する説明機会の付与である。主に請願について考える。

これまでは、請願については紹介議員が署名の上質問日初日までに提出することが義務付けられていた。受理されれば質問日最終日に委員会付託がなされ、通常翌日ないし翌々日に委員会が開催されそこで審議される。請願の趣旨説明等は主に紹介議員が担っていた。

基本条例では請願者が説明機会の付与を求めた場合、委員会の判断で説明機会を与えることとしている。条文前段では請願を「政策提言として受け止め」とし、憲法で保証する請願権に対して最大限のリスペクトをしている。

説明機会を付与するか否かを決定するためにはこれまでの日程では対応困難なため、提出期限を早め委員会当日までの時間的余裕を確保することで議運で合意形成が図られた。細部の詰めは次回までに提示することとなったが、審査順序をどうするか、何分の時間を与えるか、質疑応答をどうするか、などの論点が考えられる。いずれも、憲法で保障する請願権であることや条例の書きぶりなどから考えると請願者に最大限配慮した運用をすべきこととなる。

3 3点目に条例第14条の質問内容等確認権である。

これについては特に目新しい論点はなく、議員の質問等について当局からの趣旨の確認ということである。ただ議員提案の条例についていつの時点で確認権を行使できるか、が問題となりうるが、権利を振りかざすというイメージではなく、杓子定規に考えるべきではない。要は条例案をより良いものにするための論点の提示や示唆ととらえ、適切な時期に行えるよう議会側で運用を柔軟に考えていくべきである。

4 4点目に条例第15条の議案説明資料の提出要請である。

これには、総合計画との関連を常に意識した議案審査とするために、提出議案の概要書の提出を求めようというものである。

従来は委員会当日に説明資料が委員に配布されるのが一般的であったが、これらを含めて議案提出時に同時に提出を要請するものである。当局に過重な負荷をかけないかといった懸念を示す向きもあったが、議案説明するためには当然すでに作られているはずだと主張して了解していただいた。

予めこうした概要書を添付させることによって、内容の把握が容易になり、あえて質疑する手間が省けると考えられる。その分委員間討議に時間が割けることとなり、より双方向の議論が深まる効果がj期待される。決算審査では、総合計画の主要事業実績書と決算書の目ごとの内訳書の添付を時間的な制約もあり今回の定例会に限って要請することとした。

8項目中の前半4項目について概要は以上のとおりである。次回後半4項目について記していく。

保護猫もうすぐ9か月

保護猫もうすぐ9か月

議長退任ののち

2021年6月24日

2021年6月23日 甲府市議会6月定例会の最終日に議長職を辞した。

昨年7月3日に第101代の議長に就任しておよそ1年。最大の公約に掲げた議会基本条例の制定がこの日全会一致で実現し、一つの区切りがついたことで、次のミッションに果敢に挑戦するため職を退いたものである。

同日新たな議会構成が決まり、議会運営委員長に就任した。基本条例の具体的なオペレーションを議会運営委員会が担っていくことになり、これまで中心となって進めてきた議会改革を責任を持って具体的な形にするため、自ら買って出た。

今回制定された議会基本条例の根本的な理念は「機関競争にたえうる組織体としての議会の確立」である。そのための最も重視すべき制度として、(1)議員間討議制度、(2)総合計画を踏まえた政策サイクルの確立、を規定している。

「機関として」議会が作動していくためには、この2点が実は最も重要である。なぜ「機関性」なのか、以下その理由を記しておく。

(1)最大の理由は、地方制度が2元代表制であり、首長という執行機関と議会という議事機関とが「機関競争(善政競争)」を行うことが予定されていることである。例えば、「議案」は首長が議員個人に提案するものではなく、議会という議事機関に提案されるものであり、その答えとしての「議決」も個々の議員の答えではなく議会の意思を表したものであることから機関性は当然の主張である。

(2)これまでの委員会での議案審査や予算・決算委員会での「審査」の状況をみると、個々の委員の個人審査であり、到底「機関」による審査とは程遠いものがある。審査の流れは、当局による議案説明の後、質疑に入るが、委員が当局に対して個別に質問を繰り返し、最後は「要望」して終了する。そしてまた別の委員によって同じことが繰り返される。「質問」も議案の「目的」「手段」「効果」などの議案の適否を判断するための質問は残念ながらほとんどなく、「自由研究」の域を出ないような発言が大部分である。

しかも、一人の委員が発言している間は他のすべての議員は口をはさむことはできず、黙って長時間聞いていなければならない。そのうえ当該委員の発言に対して直接異を唱えることはできない制度となっており、委員会という同じ空間にあえている必要はないような状況を余儀なくされている。

委員の発言が一通り終われば「質疑終結」が委員長により宣言されすぐ「採決」に入る。そこには委員同士で議案の適否を審議することはせず、「付帯意見」を付ける余地は全くない。単に賛成か反対かの2者択一であり、賛成だが執行上留意すべき条件を付けたり、あるいはそのままでは反対だがこれを修正すれば賛成できる、といった「第3の道」を委員会が模索する制度にはなっていない。だから「追認機関」と揶揄される。

これを解決する制度が「議員間討議」制度である。当たり前といえば当たり前の制度だが、これまで地方自治法では明確に位置づけされていない。そもそも自治法自体が分権時代に正しく即応しているとはいいがたく、いまだ古い時代の中央集権的な色彩を引きずっている。

もう一つは、総合計画を根底においた政策サイクルであるが、その中心はやはり決算審査→予算反映のサイクルである。「政策提言」はこのニッチ(隙間)を埋める役割であるが、当初想定しなかった新たな需要が生じたときなどに真価を発揮する。その場合でも執行→課題抽出→フィードバックというサイクルに組み入れられる。

どの自治体も「総合計画」を策定してその目標実現のためにバックキャスト的に現在どんな政策を実行していくかを考え、毎年計画的に執行していくスタイルをとっている。その政策実行のために毎年「事業」を決定し、市民から徴収した税をその財源に充て、これを「予算」という形にまとめて議会にかけて、議決を受けて執行していく。

議会は、総合計画策定時に「議決」によって関与し、総合計画実行のための毎年予算にも議決を与えることによって関与し、予算執行後は「決算」審査によって、その執行の妥当性を検証していく。

決算審査によって浮かび上がった課題は次の予算編成に反映させ、この点で総合計画に基づいた事業執行かを検証しながら関与していく。この繰り返しが政策サイクルである。

こう捉えると、決算審査が最も重要だということが明らかになる。これまでの個人による研究発表的なやり方では、総合計画とのかかわりも意識せず、しかも成果測定もしないまま「なんとなく」終わってしまい、例えば市民から議決した理由を問われたときに答えに窮することになりかねない。

そのために今後事業執行の「成果性」を問うような決算審査方法に改めるよう議運で議論していく。具体的には、予算審査、決算審査で提出される議案資料が現在の法律では「款項目」という事業集計表であり、成果を判断するためにはどうしてもその下のカテゴリーの個々の「事務事業」までメスを入れる必要があるため、事務事業シートの導入を考える。

この議員間討議による「質疑」と「意見」の峻別、総合計画に照らした決算、予算審査での「成果測定」とフィードバックを委員会審査に導入し、議員同士がお互いの立場から意見を戦わせ(多様性の尊重)最後は譲歩し合って物事を決めていく(機関意思決定)。これが甲府市議会基本条例の肝であり、これまでずっと考えてきた「市民の役に立つ議会」への明確なスタートラインととらえている。あとは「議論の中身と質」である。

保護猫2号 成長した

もうすぐ1年

2021年5月19日

コロナウィルスに振り回されたこの1年。もうすぐ6月定例会だ。

昨年のコロナ対策集中審議の5月臨時会から6月定例会へとシームレスな対応を行った市議会最終日に第101代議長に就任し、公約に掲げた議会基本条例も現在パブリックコメント募集中で、6月制定に向け順調に推移している。

条例案は特別委員会で昨年9月以降議論を重ねて成案化したもので、基本的事項については議長意見として反映させていただいている。基本条例制定により、議長としての責務はおおむね果たしたと考えている。

基本条例の眼目は言うまでもなく、執行機関とともに総合計画で共有した10年後の都市像実現に向けた議事機関としての議会の機能の再確認と充実である。

その具体的内容として、現在先進議会で取り組んでいる「議会からの政策サイクル」の確立を目指している。条例の検討過程では危惧された通り、政策サイクルの概念についての誤解が少なからずあったため、本意ではなかったが方向を軌道修正するため、中途であえて口を挟ませていただいた。

我々議会は議事機関とされ、地方公共団体の団体意思を「決定する」権能を与えられている。端的に言えば、執行機関が市政執行のため条例や予算を策定しても、議会が議決を与えなければその執行はできない。それほど議会は市政執行を左右するほどの重大な権能を持っている。が、しかしこれまで甲府市議会においてもこうした議会の権能の重要性を意識した議論は残念ながらなかった。

多分「議会とは」というより根源的な議論をするだけの知見が議会内に存在しなかったことがその要因だろう。

議会からの政策サイクルといったときに、たいていが議会が政策を策定し、執行機関に提案して執行してもらう、というイメージを持ったに違いない。特に議会が立法機関であるという側面から、執行機関に対する議会の優位性を強調する論調に多く見られる。それは全くの間違いではないが、議会が政策を策定するだけの能力や資源はそれほど多くはなく、執行機関が策定する政策の方が圧倒的に多い。

議会にまず求められる権能の第一は言うまでもなく、執行機関の市政執行が適正であるか否かの監視である。市政執行の大部分が税を使った事業執行であるが故に、納税者である市民の側からは自分たちの納めた税金が正しく使われ、しかも効果があがったかどうかが第一の関心事だろう。その検証を議会に期待するのである。逆をいえば、市政執行の適正性を監視できない機関が政策提言など100年早いといわれるのがおちである。

政策サイクルといった場合の「政策」とは、議会が策定する政策だけでなく、執行機関が策定する「政策」もすべて含む。2元代表制を正確に理解するならば、執行機関(首長)と議会はともに地方公共団体の「機関」であり、それぞれが「住民福祉の増進」のために役割分担、すなわち首長は執行権、議会は議決権をもち、議会の議決がなければ首長の政策遂行はできないのであり、ここから首長策定の「政策」であっても議会は議決を通じてその執行に関与するから、その検証を行うのが「議会からの政策サイクル」ということである。

いってみれば、政策サイクルという場合の政策とは、その地方公共団体の政策というべきものである。「議会からの」というのは、議会が住民による選挙によって多様な民意を反映しており、主権者である市民の意見をより直接的に具体的に吸い上げることができるという点をとらえている。そうした多様な市民意見を議会が構成員である議員の徹底した議論を通じて合意形成、意見集約をはかるところに現代の民主主義の理想的なあり方を見出しうる。

政策の策定および遂行は、どの自治体も「総合計画」のなかで行われる。本市の場合、総合計画は基本構想と実施計画の2本立てとなっており、基本構想の中に実現すべき都市像を設定し、その実現のための政策の基本的な方向を基本構想で規定している。基本構想は議会の議決事項となっていることから、議会も都市像実現のための政策遂行に最初から関与し、責任の一端を担っている。

総合計画はその実施計画において都市像実現のための施策事業を定め、これに毎年予算をつけて計画的に執行されている。予算は毎年議会に提案され、議会の議決を得て初めて執行可能となり、1会計年度の執行の結果を毎年決算書類を調整して監査委員の意見を付して議会に提案されその認定を受ける制度となっている。決算審査によって浮かび上がった課題は翌年度以降の予算編成に反映させ、フィードバックしていく。政策サイクルの中心的部分がこれである。

こうした総合計画を基本に、毎年の予算、決算に議会は関与しているのであり、ここに議会の権能の重要性、重大性がある。だからこそ、議長公約で決算審査、予算審査のあり方を「成果」を意識した審査方法に改めようと主張したのである。そこで本市議会でも1昨年から実施している市民との意見交換会が審査の起点となるべき市民意見の把握のうえで重要となってくる。

6月議会での基本条例制定はゴールではなく、議会が市民の役に立っているという評価を得られるための機能の充実に向かうスタートラインである。むしろこれからが前途多難のように思える。

IMG_1956 (1)

議会からの政策サイクルについての一考察

2021年3月30日

3月29日午後から、公益財団法人日本生産性本部のオンラインセミナー【「地方議会評価モデル」の活用法~実質的な議会改革へ一歩踏み出す】に参加させていただいた。

このセミナーは、同本部内の地方議会改革プロジェクトが2016年度以降研究を重ねてきた「議会からの政策サイクル」を今後の議会改革の中心的部分として確立したことを受けて、2019年度には更なる議会改革に向けた起点とすべく成熟度を用いて構築した議会評価モデルについて今後全国展開しようとするものである。

私も研究会のメンバーとして勉強させていただいており、先進議会がはるか前方を走り続けている背中に何とかして追いつこうと自己研鑽を重ね、分権時代に地方議会が果たすべき役割について思いを巡らしてきた。昨年12月には江藤先生はじめ事務局と意見交換をさせていただき、議会評価に関する理解を深めることができた。(→ こちら)

議会評価モデルの考え方は、議会のあるべき姿に対して、評価項目を使って「バックキャスト的に」現在どのような状態にあるかを判定することによって、自分の議会が「住民福祉」増進に向けた成熟度がどの位置にあるかを自己診断する際のツールとして使用するとともに、この成熟度という考え方の認知度を広げることによって第3者的な評価としても使える汎用ツール化を目指すものと考えられる。

これまで、議会に対する批判としてよくあげられるのが「議会が何をしているのかわからない」「議会が果たして役に立っているのか」といった、これまで議会の本質的な役割を踏まえた明快な説明が議会側からなされなかったことに起因するものが圧倒的に多かった。

例えば、議会で議決された事項についての明快な説明が果たしてなされてきただろうか。納めた税金が納め甲斐を感じるほど適切に使われただろうかという質問に対して果たして理路整然と説明できただろうか。特に「議会として」の考えを聞かれたときに、それは議長に聞いてくれ、とかたらいまわしにしてこなかっただろうか。

おそらくこうした辛辣な問いかけにこれまであまり遭遇してこなかったと思われるが、評価モデルが今後普及してくれば、先進自治体議会が「政策サイクル」を使って議会の本来の役割を果たし、住民の役に立っている、ということに衆目が集まり、では自分のところの議会はどうだろうか、という問いかけが当然増えてくるだろう。

議会が市民の役に立っている、という評価を市民側から得られれば議会に対する批判や不信は払拭できると考えるが、私はこれを「市民福祉の増進を目指して議会から政策サイクルを回すこと」ができる状態に至れば、市民の役に立っていると考える。議会評価モデルの観点からいえば、「成熟度が高い」状態に達した議会と言い換えることができる。

この「議会からの政策サイクル」が甲府市議会で今後議論すべき重要な論点である。政策サイクルについては、これまでの状況から推察するに、まだ誤解があるように思われる。そこで市民の役に立っている議会といえるための最重要事項である「議会からの政策サイクル」について以下考えを記しておく。

地方制度はいわゆる2元代表制であり、執行機関である首長と議事機関である議会はそれぞれ別個に選挙で選出される。この点で下院の多数派が内閣という行政機関を形成する国の議院内閣制とは決定的に異なる。

地方では首長も議会の構成員である議員もともに選挙で選ばれることから、それぞれが民意を背負って登場してくるが、それぞれが市民福祉増進のために機能的な面での役割を分担しあっている。

首長は執行機関として政策を立案し、これを実行するための事業予算を編成し、執行する。この場合、見落としてはいけないのは制度上当たり前の話だが、議会の「議決」がなければ予算は執行できないのであり、ここに議会も「議決」という行為によって政策執行に関与するのである。政策というのは首長の専権事項では決してない。議会も議決することによって政策を執行しているのである。

この点で議会の機能、役割の重要性が現れる。地方経営では、むしろ議会が重要である、という議論はこの議決を通じた政策執行関与という点をとらえてのことである。このことに先進自治体議会は気がつき、議会からの政策サイクルというシステムを確立した。その慧眼に心から敬意を表したい。

政策サイクルを回すという言葉のイメージから、議会が政策を立案して執行機関に執行してもらいその結果を検証していくということが政策サイクルと誤解されていないだろうか。

もちろん、議会の政策立案を否定するものではないが、2元代表制の役割分担から言えば、議会は議決権による政策執行関与を中心に据えるべきである。具体的には、通常10年スパンで策定する自治体の基本的なまちづくりの指針である、総合計画策定への関与によって政策の方向性を執行機関と共有し、その具体化としての毎年の予算編成に方向付けを行い、予算執行の結果である決算審査によって、課題等を抽出して次の予算に反映していく。この一連のサイクルが議会からの政策サイクルと考えるべきである。議会からの政策提言は新たなニーズが生じたときにこうしたサイクルを補完する意味で実施されるべきである。

こうした考えは、やはり、納税者であり主役である市民にとって、自分たちの税金が政策執行に使われるのであれば、それが適切に使われ成果があがっていることが絶対条件であり、だからこそ納税意欲も失わないという、政治の本来的な役割論から考えれば自然と思われる。

また、執行機関と議事機関という役割の違いはあるにせよ、ともに市民福祉の増進という機関目標は共通であり、政策執行の責任はともに分担し合うべきであることからも、当然と考えられる。執行機関と議会との人的資源、すなわち職員数や様々なノウハウの圧倒的な差を考えれば、このような役割分担は合理的であるし、議会としても構成員である議員の数だけ市民意見を汲み上げるチャンネルがあることから議決を通して政策への多様な市民意見の反映が可能となる。

こうしたことから、議会からの政策サイクルという場合は、当該自治体の政策全般にわたって議会がその立案・執行・検証に主体的に関与することをその内容とすべきと考える。とりわけ政策遂行のための事業予算、及びその検証である決算が日常的な議会活動のなかでは最重要である。なぜなら、総合計画策定段階での関与により政策の方向性を首長とともに定めることから、その執行が適切に行われているかの検証はすなわち政策の具体化である事業執行の検証であり、事業執行はその大部分が予算を伴うものであるゆえ、予算・決算の検証はひいては総合計画に定める政策の検証そのものだからである。

このように、議会からの政策サイクルは決算→予算というサイクルで考えるべきであり、そのためにこれまで決算審査のあり方の見直し、すなわち予算事業が市民福祉の増進にとってどれほど成果があがったかを中心とした審査方法に改め、決算審査で浮かび上がった課題について次年度以降の予算に適切に反映できるようなシステムを考えるべきだという主張を繰り返した次第である。

議会からの政策サイクルが市民福祉の増進のために稼働できる状態になればより市民からの信頼が寄せられるようになるうえ、議会内部での議論の質も向上してくるに違いない。これが議会の「あるべき姿」であり、その実現のために成熟度を用いて適切に議会の現在のレベルを測っていくことが一段と求められると考える。

IMG_1992

韮崎市「わに塚のサクラ」

 

3月定例会を前にして

2021年2月23日

先日招集告示があり、3月定例会が2月26日からスタートすることととなった。

22日には議会運営委員会が開かれ、市長からの提出議案の概要や審議日程案が協議された。

3月定例会は何といっても次年度の当初予算案の審議が大きなウェイトを占める。甲府市議会では、毎年予算特別委員会を組織して集中的に当初予算案を審議している。

当初予算案は言うまでもなく、総合計画で定められた都市像実現に向けた政策を具体化する施策事業に要する経費を見積もって議会に提出し、その議決を得てなおかつ最小の経費で最大の効果を上げることに留意して執行するという、当局にとっても議会にとっても極めて重要な意義を持つ議案である。

予算調製権は首長に専属するものであるが、議会は「議決」という形でコミットする役割が与えられ、これが実は2元代表制の真髄であることを改めて認識する必要がある。

議会の議決がなければ予算は執行できず、結局事業は執行できないこととなる。だからこそ議会側にも、市民から問われた場合にいつでも説明できなければならないという、議決したことによる説明責任を負うことは当然である。

特に予算審査は当局側からは事業が認められるか否かを左右するものであり、市民の側からは、自分たちが納めた税金が有意義に使われるかどうかという納税者の立場からの最大の関心事である。

もともと、政治の最も重要な分野はこうした公共財の分配の仕方を決めることにあり、だからこそその分配ルールを最終的に決定する議会の役割は極めて重大である。議長就任時に、予算・決算審査のあり方の検討を掲げたのは、こうした議会の議決の重大性を意識したためであり、しっかりとした説明責任を果たすためにはこれに堪えうるだけの審査をしなければならないという課題意識からである。

予算審査の場合は、総合計画の位置づけはどうか、最小の経費で最大の成果が見込まれるか、無理のない資金計画か否か、他に代替手段がないか、など、批判に堪えうる程度の審査内容であることが求められる。しかしながら現状はまだまだ課題が多いと感じる。なぜならこのような論点整理を行ったうえで論点をつぶす議論スタイルが確立されていないからだ。

予算・決算審査のあり方については、現在進行形の議会基本条例特別委員会で議論を整理しているところだが、審査シートの新設を含めてまだまだ議論の余地がある。

甲府市議会で「議論を通じた合意形成」という政治文化を定着させるためにいま苦悩している状況だが、このところ読んだ教育関係の書物などからも、自分の頭で考え、課題を見つけ出し、議論し合うことは方向として間違っていないことが確認できている。もはや「誰かが答えを示してくれる」という時代ではないことが痛感されるところである。

3月定例会が終わればいよいよ議員任期の折り返し点である。そして議長公約の基本条例制定の佳境に差し掛かる。ここが正念場だ。

育成協事業で唯一実施できた公園清掃

育成協事業で唯一実施できた公園清掃

 

来る年にやるべきこと

2020年12月31日

新型コロナウィルスが世界中を席巻し我々の社会経済生活が様々な面でダメージを受けた令和2年がもうすぐ閉じられ、新しい年を迎えようとしている。

中央政治では、衆議院議員選挙、東京都議会議員選挙が日程にのぼり、県内の選挙では、山梨市議会ほかの選挙がある。今年は笛吹市、南アルプス市、北杜市の各市議会議員選挙があり、わが党の候補者は全員当選させていただき、皆様からの真心のご支援に衷心から感謝を申し上げる次第である。

さて、令和元年の甲府市議会改革元年、本年令和2年の改革基盤固め、そして明ける令和3年はいよいよ改革実スタートとなる。6月議会で議会基本条例制定が実現すれば、いよいよ甲府市議会の政策サイクルをスタートさせる時が到来する。

議会改革の中心内容は、議会が市民意見を起点として市民福祉の増進をめざして、議案審議を行い、あるいは政策集約を行うため、構成員である議員が相互に議論を戦わして合意形成を図っていくということである。市民意見が起点であり、ここから政策サイクルを回していくのである。

そこでこの政策サイクルを円滑に回していくために先進議会を参考にして、整理が必要ないくつかの点を挙げておきたい。

1点目は、広聴広報委員会の新設である。

これまで議会だよりの発行を担っていた広報委員会はあっても、住民意見を聴取する「広聴委員会」はなく、そのため議会が機関として住民意見を直接聴取する体制にはなっていなかった。今後は市民との意見交換会を定着させ、市民意見聴取を制度化するため、所管組織を議会内に設置する必要がある。多くの議会と同様、広報部門と合わせて「広聴広報委員会」を組織する必要がある。

2点目は、議員間討議制度の新設である。

機関としての議論を実質ならしめるため、主に委員会での制度化を考えるべきである。特に、予算委員会、決算委員会は市民意見を起点とした政策サイクルの中心部分をなす重要な場であるので、これまでの「個人戦」的なあり方をやめて、「審査」と呼ぶにふさわしいあり方に変え、最終的に委員会の意思を形成するための議員間討議制度を設ける必要がある。

「質疑」はあくまでも疑義を質すものであるため、疑義が解消されたならば、当局には退席してもらって委員同士で論点等を整理し合い落としどころをどこにするか話し合う、という運営に変えていくべきである。でなければ個人的なパフォーマンスの場に化してしまう恐れがある。「いいか悪いか」は当局対委員個人ではなく、委員会が意見集約して当局対委員会という関係にもっていかなければ、機関としての議会のあり方とは到底言えない。

3点目は、市民意見から政策課題を見出して政策形成を行うための組織の新設である。

広聴広報委員会は市民との意見交換会の企画運営を中心に担うこととし、そこで得られた意見等からテーマ設定して課題調査、解決のための方途などを検討する組織を議会内に置くべきである。常任委員会を活用するという考えもあるが、横断的な課題設定も当然考えられるため、別個の組織としたほうがいい。

主にこの3点であるが、審査機能の充実を改めて第一義的に意識するとともに、一歩進んで政策提言機能の強化も目指すべきである。すべてが「市民の役に立っている議会」へと成長していくために取り組むものであることを訴えたい。

来るべき年が甲府市議会にとって、また甲府市にとって輝かしい一年になることを切に願っている。

コロナで中断していた街頭演説に取り組む決意

コロナで中断していた街頭演説に取り組む決意

 

 

議会の新しい時代に

2020年12月30日

これまで甲府市議会の議会改革に向けた流れについて考えてきたが、令和3年度に基本条例が出来たとして、留意すべき点について現時点で考えていきたい。

基本条例で書き込まれる議会の基本的機能は、市民福祉の増進を目指す合議制の機関として執行機関と「善政競争」を行うことである。市民との意見交換会を起点として市民の視点を把握し、議案審査や決算・予算審査への反映、議会による政策形成と提言などがその具体的な内容となる。

こうしたサイクルが条例で規定されたとして、それだけでは起動しない。だれかがエンジンとなってオペレーターとなって起動させなければならない。自然に動き出し回っていくのではない。

つまりは、どんなにいい制度を創ったとしても、それをうまく動かす人間がいなければ、制度は死んでしまうということだ。そうなると、議会の政策サイクルの制度も起動させることのできる人材が重要であり、その意味で、議会のあるべき姿について議会全体で共有することがやはり大事になってくる。制度の理念を正しく理解しなければ制度を生かすことはできない。

何のために市民との意見交換会を行い、市民の視点で議案に向き合い、議会内で徹底的に議論し合うのか。すべては市民福祉の増進のためである。市民から負託を受けて議会でそれぞれの立場で市民のために議論をする合議制の機関だからこそである。

このあるべき姿を議会内で共有したうえで、議長となるべき人はその推進役として卓越したリーダーシップが求められる。だからこそ、立候補制を敷いて議長に就任したらどういうことをしていくのか、あらかじめ全員に示して議長選挙を行うように変えていくのである。

また、常任委員会をはじめ、各種の委員会についてもその委員長の采配はますます重要になってくる。特に議会自らの政策形成など今後要請される役割を的確に果たすためにも、委員長の職務は重大であり、先進議会のなかには委員長選挙も所信表明会を行って、どういう運営方針で臨むのかあらかじめ提示させる制度を採用しているところもある。

こうしたあるべき姿の共有については、先日の生産性本部との意見交換において問題提起させていただいたところである。制度を創ることがゴールではなく、制度を使っていかに議会の機能を十二分に発揮し、市民福祉の増進に寄与していくかが重要であり、その意味で議会基本条例制定は「スタートライン」である。

議会内であるべき姿の共有を行うためには、議員のスキル向上のための研修が必要になってくる。来年以降の大きな課題である。

2019開府500年の元朝

2019開府500年の元朝

議長選・副議長選に関する一考察~地方自治の本旨から~

2020年12月29日

議会のあるべき姿へと甲府市議会が歩みを進めるなかで、その出発点ともいうべき令和元年5月臨時会での議長選・副議長選について、現状の地方自治法の解釈から通説化している考え方が1年経ってもどうしても納得いかないので、再度考察していきたい。

地方自治法第118条第1項前段は、「法律又はこれに基づく政令により普通地方公共団体の議会において行う選挙については、公職選挙法第46条第1項及び第4項、第47条、第48条、第68条第1項並びに普通地方公共団体の議会の議員の選挙に関する第95条の規定を準用する。」と規定している。

議長選・副議長選に関する規定は、地方自治法第103条第1項の「普通地方公共団体の議会は、議員の中から議長及び副議長一人を選挙しなければならない。」であり、同法第118条1項の規定に定める「議会において行う選挙」であることから、準用される公職選挙法の規定は、同法第46条第1項及び第4項の「投票の記載事項及び投函」、第47条の「点字投票」、第48条の「代理投票」、第68条第1項の「無効投票」並びに第95条の「当選人」の規定のみである。

ここで注意すべきは、公職選挙法第86条の4の「立候補の届出等」の規定が準用されていないということである。このことをとらえて、地方議会の議長選・副議長選では「立候補制」を採用することは地方自治法に抵触するからできないという解釈が通説となっている。その結果、ほとんどの地方議会が立候補制といわずに「所信表明会」という呼び方で事実上の立候補制をとっている。

この解釈がもたらす極めて不当な結果が、議長選・副議長選では立候補制をとることはできないから、「立候補」していない議員でも多数の票を集めれば議長に当選できる、ということである。

これはあまりにおかしい解釈ではないだろうか?所信も表明せずに水面下でこっそり多数派工作をしてその結果多数の票を集めて議長に当選できるとしたならば、何のために所信表明会を開いて選考過程を見える化したのか、その意義を根底から覆すこととなる。

地方分権時代の進化した地方自治の観点からは、地方自治法の規定がないことをもって即「禁止」と解するのは妥当ではない。法律で明確に「禁止」していない限り、地方自治の進展に寄与するものであれば条例で規定すれば可能となると解釈するのが地方自治の本旨ではないだろうか。

現在甲府市議会でも議会基本条例制定に向けて特別委員会で議論をしているが、地方自治という観点から、議長選・副議長選での「立候補制」を明確に規定したらどうだろうか。すなわち、議長・副議長になろうとする者は、所定の期日までに立候補の届け出を行い、マニフェストの発表をしたのち、議場での投票を行う。その際、届け出した者以外の氏名が記載されていた場合は無効とする。

今の時代、議長・副議長に求められるのは首長との機関競争を行うために議会をどういう方向に引っ張っていくのか、その確固たる信念である。そのために身を粉にして働くことである。そのためには、その選任に当たって立候補制により、具体的なマニフェストの提示を求めることである。そのマニフェストをみて投票する。この時代の選挙のあるべき姿ではないか。

ただし、地方自治法に抵触する条例ではないか、という難癖が当然予想される。しかしながら、議長選、副議長選に立候補を義務化しても市民福祉にとって何の実害も生じない。むしろ選任過程が透明化されることにより市民にとっては歓迎すべきことではないか。

リニア新幹線が熱望される

リニア新幹線が熱望される

機関競争(善政競争)を考える

2020年12月28日

2元的代表制の地方制度において、成熟度が高い自治体では、議会も当局も「機関」としての意識をより自覚した活動を行うものとされる。

これまで、現行制度の不備を補う議会基本条例の制定により、圧倒的な人的資源を有する当局に対してある面バラバラに対してきた「議会」が市民福祉の増進という目的のもとに機関としての一体性に覚醒したときに、大きな力を発揮できることが次第に明らかとなってきた。

伝統的な議会観であれば、議会は選挙によって選ばれた議員の集合体であり、個々の議員はいわば「一人親方」的な存在であったということが出来る。この考えにとらわれすぎると、議員が本来市全体の立場で考え行動すべきところを、自分の選挙民や地域のことばかりに終始する「利益代表」的な存在に陥りやすい。

我々は市から報酬をいただいているのであって、選挙民や地域から報酬をもらってはいない。であるならば、市全体の公益のために働くのは当然である。市民との意見交換会を導入する際に、議会として直接市民から意見を伺うことはこうした市全体の公益のために働く議会の本質上必然のことだ、という説明に対して、すでに市民から意見を(議員個人として)聴いているから、という理由で必要性を否定した論調もあった。

こうした伝統的な議会観の打破のために長い時間を費やしたことは否めない。昨年に至ってようやくパラダイムシフトの第一歩にこぎつけたが、いまだに議会の機関性の確立は容易ではない。

議会改革の第2ステージといわれる現在において、議会も「機関」として当局と「市民福祉増進」のため切磋琢磨して競争しようという主張が次第に市民権を得つつある。機関競争であるとか善政競争といったスローガンで今議会改革の主流をなす主張である。

簡単に言えば、議会も当局もお互い「知恵を絞り合う」こと、何のためにといえば、「市民福祉の増進のため」ということであり、競争という表現から浮かぶ「勝ち負け」ではなく、知恵を出し合ってよりよい政策を考えていこう、というものである。これは当然議会内における議員間の「善政競争」すなわち知恵の出し合いを前提とする。

議会内では「議員間討議」という合議により政策の集約が可能となるが、当局との機関競争といったとき、そこに機関相互の双方向的な「議論」ないし「対話」が当然必要となる。なぜなら、当局は議会の議決なくして政策執行ができない半面、議会は議決権はあっても執行権がないゆえ、どんなにいい政策でも当局による「執行」がなければ絵に描いた餅に終わってしまう。

機関競争とともに、重要なことは「機関相互のルールに則った協調」である。この視点が欠けると機関競争は不毛な「機関対立」に陥ってしまう。例えば、本会議で「議会を代表する質問」制度を設けるといった方策が考えられる。

市民との意見交換会を定着させ、市民意見を起点とした議会の政策サイクルを今後甲府市議会にも制度化する際に、この機関競争を実質ならしめる「機関協調」も制度化すべきである。密室の中ではなくオープンな場での議論を行って議会で考えぬいた政策を当局の執行によって実現する。まさに「議論を通じた合意形成」を行って当局、議会がお互いの機関特性を生かし、補い合いながら市民福祉の増進のために働いていく。これこそがまさに地方自治の本旨ではないか。

昨年の草津温泉

昨年の草津温泉

決算審査を再び考える

2020年12月27日

今年も残り僅かとなり、議長就任から約半年が過ぎようとしている。議会基本条例制定に向けて特別委員会の議論が進み、議長就任時の「公約」が実現に向けて動き出している。

議会基本条例を甲府市議会がこの時点で制定する意義は、中核市として今後一層の市民生活向上に向けた行政経営が要請されているなかで、2元的代表制の地方議会が議決権を背景とした行政執行への関与という本来の機能を明確に規定し、徹底的に議論し合うことを定着させることによって、議会も市民のために役に立っているという評価につなげようという点にある。

議会基本条例は議会が機関としての機能を果たすための基盤を法規範として規定したものであり、それ自体が目的ではない。重要なことはあくまで、条例によって整備された「議論し合う」という基盤をもとに、いかに「市民福祉の増進のための」議論をし、行政執行を監視し、さらに見落としがちな視点からの政策提案ができるか、である。

その意味で議長就任時の公約に、予算・決算審査における事務事業評価を導入することによる審査機能の充実を図ることを掲げたのは、市民にとっては、納めた税金がどのように使われ、市民福祉増進にどのような成果があがったかが最大の関心事であり、これを検証することが議会にまず求められることだからである。

予算・決算を議会の立場からみると、議会が議決を与えた予算が議決の目的どおりに執行され、成果をあげたかを審査するのが決算である。執行状況を見て改善点があれば次の予算に反映させるべきであり、成果があがらなければ廃止等も検討すべきである。

市民の代表である議会による決算審査を通じて本来スクラップアンドビルドの議論をするのが代議制民主主義の本旨である。議会が市民の役に立っているといえるために決算審査は極めて重要である。

首長の行政運営は、総合計画により10年後の都市像を目標に毎年計画的に施策事業を実施し、個々の施策事業は毎年の予算によって裏打ちされている。総合計画策定への議会の関与は議決事項に加えることにより可能となるが、毎年の予算の議決は総合計画の実行に議会が具体的に関与することを意味し、決算審査はその執行の適正と成果を検証して必要な改善を図っていくという予算・決算の有機的なサイクルの確立を意味する。

決算審査の肝が「成果の検証」にあるとするならば、これまでの審査のあり方を根本から見直す必要がある。予算調製権は首長の専権事項に属し、自治法上予算は目的別に「款項」に区分して議会の議決を得ることとなっている。

予算書は「款項目節」ごとに分類され議会に提出されるが、実際は個々の「目」はいくつかの「事務事業」によって構成されている。事務事業は議決の対象ではないが、予算が妥当か否か、またこれと連動する決算が妥当か否かを審査するためには、実はこの事務事業までを審査しなければ妥当な結論が得られないことが多い。

しかも決算審査で事業執行の成果を検証するためには、どうしても事務事業の成果測定に行き着かざるをえない。これまでの決算の審査は成果の検証という点からは不十分であったことは否めない。1つの「款」について審査する場合に、その執行によって市民生活にどの程度の好影響が生じたかどうか、という視点からの審査が行われてきたか、といえば必ずしもそうではない。

これは、審査の基準、審査の方法が定められていないことに起因するが、議会が市民福祉増進のための機関であるとするならば、決して看過することはできない。だからこそ議長就任を通じて決算・予算の審査のあり方について、成果検証の視点からの見直しについて問題提起をしたものである。現在議会基本条例特別委員会の議論に委ねられているが、議会の機能充実の見地からも重要な課題である。

常に意識すべきことは、議会が市民の役に立っているか、という自省であり、その点にこそ議会改革といわれるものの中身がある。

横浜市会訪問時の一コマ

横浜市会訪問時の一コマ

  • 前へ
  • 次へ
カレンダー
2024年11月
月 火 水 木 金 土 日
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  
« 9月    
最近の記事
  • 臨時議会終わる
  • 改選から1年余
  • 9月定例会代表質問(4)
  • 9月定例会代表質問(3)
  • 9月定例会代表質問(2)
カテゴリー
  • お知らせ
  • まちづくり
  • オピニオン
  • 実績
  • 施策紹介
  • 未分類
  • 活動報告
  • 視察・研修
  • 議会報告
  • 議会改革
  • 選挙関係
  • 随想
最近のコメント
  • 平和安全法制は本当に憲法違反なのか に 甲府市 兵道顕司 より
  • 平和安全法制は本当に憲法違反なのか に 佐藤勇さとういさむ より
  • 2015年は? に 甲府市 兵道顕司 より
  • 2015年は? に ictkofu より
  • 市長の勇気ある発言 に Smithg349 より
ブログバックナンバー
  • 2024年11月 (1)
  • 2024年9月 (5)
  • 2024年6月 (6)
  • 2024年5月 (1)
  • 2024年4月 (1)
  • 2024年3月 (1)
  • 2024年2月 (1)
  • 2023年12月 (3)
  • 2023年11月 (2)
  • 2023年10月 (3)
  • 2023年9月 (3)
  • 2023年8月 (5)
  • 2023年7月 (4)
  • 2023年6月 (6)
  • 2023年5月 (1)
  • 2023年4月 (3)
  • 2023年3月 (2)
  • 2023年2月 (1)
  • 2023年1月 (1)
  • 2022年12月 (8)
  • 2022年10月 (3)
  • 2022年9月 (2)
  • 2022年7月 (3)
  • 2022年6月 (7)
  • 2022年3月 (1)
  • 2022年2月 (1)
  • 2022年1月 (2)
  • 2021年12月 (6)
  • 2021年11月 (4)
  • 2021年9月 (2)
  • 2021年8月 (2)
  • 2021年6月 (1)
  • 2021年5月 (1)
  • 2021年3月 (1)
  • 2021年2月 (1)
  • 2020年12月 (10)
  • 2020年10月 (1)
  • 2020年7月 (1)
  • 2020年6月 (2)
  • 2020年5月 (2)
  • 2020年4月 (2)
  • 2020年3月 (2)
  • 2020年2月 (2)
  • 2020年1月 (1)
  • 2019年12月 (2)
  • 2019年11月 (4)
  • 2019年10月 (3)
  • 2019年9月 (5)
  • 2019年8月 (2)
  • 2019年7月 (3)
  • 2019年6月 (1)
  • 2019年5月 (3)
  • 2019年4月 (3)
  • 2019年3月 (2)
  • 2019年2月 (1)
  • 2018年12月 (2)
  • 2018年11月 (9)
  • 2018年10月 (6)
  • 2018年9月 (8)
  • 2018年8月 (3)
  • 2018年7月 (3)
  • 2018年6月 (1)
  • 2018年5月 (1)
  • 2018年4月 (2)
  • 2018年3月 (4)
  • 2018年2月 (1)
  • 2018年1月 (3)
  • 2017年12月 (3)
  • 2017年11月 (5)
  • 2017年10月 (6)
  • 2017年9月 (1)
  • 2017年8月 (2)
  • 2017年7月 (1)
  • 2017年6月 (1)
  • 2017年5月 (2)
  • 2017年4月 (6)
  • 2017年2月 (1)
  • 2017年1月 (5)
  • 2016年11月 (2)
  • 2016年10月 (4)
  • 2016年9月 (4)
  • 2016年7月 (4)
  • 2016年6月 (1)
  • 2016年5月 (1)
  • 2016年4月 (1)
  • 2016年3月 (2)
  • 2016年2月 (4)
  • 2016年1月 (2)
  • 2015年12月 (2)
  • 2015年11月 (3)
  • 2015年10月 (8)
  • 2015年9月 (3)
  • 2015年8月 (2)
  • 2015年7月 (3)
  • 2015年6月 (3)
  • 2015年5月 (3)
  • 2015年4月 (3)
  • 2015年3月 (12)
  • 2015年2月 (3)
  • 2015年1月 (6)
  • 2014年12月 (4)
  • 2014年11月 (9)
  • 2014年10月 (6)
  • 2014年9月 (4)
  • 2014年8月 (5)
  • 2014年7月 (9)
  • 2014年6月 (6)
  • 2014年5月 (4)
  • 2014年4月 (7)
  • 2014年3月 (16)
  • 2014年2月 (4)
  • 2014年1月 (7)
  • 2013年12月 (11)
  • 2013年11月 (11)
  • 2013年10月 (14)
  • 2013年9月 (9)
  • 2013年8月 (17)
  • 2013年7月 (25)
  • 2013年6月 (9)
  • 2013年5月 (7)
  • 2013年4月 (5)
  • 2013年3月 (7)
  • 2013年2月 (3)
  • 2013年1月 (4)
  • 2012年12月 (7)
  • 2012年11月 (5)
  • 2012年10月 (12)
  • 2012年9月 (8)
  • 2012年8月 (6)
  • 2012年7月 (10)
  • 2012年6月 (3)
  • 2012年4月 (6)
  • 2012年3月 (8)
  • 2012年2月 (8)
  • 2012年1月 (9)
  • 2011年12月 (10)
  • 2011年11月 (14)
  • 2011年10月 (23)
  • 2011年9月 (24)
  • 2011年8月 (13)
  • 2011年7月 (10)
  • 2011年6月 (11)
  • 2011年5月 (14)
  • 2011年3月 (1)
  • 2010年11月 (2)
  • 2010年10月 (9)
公明党広報
@komei_koho からのツイート
サイト管理者
  • 甲府市 兵道顕司
  • ken_hyoudou2000@yahoo.co.jp

Copyright © 2010 [兵道顕司]. All Rights Reserved.