1月25日(金) 高知市 鏡・土佐山地域にて
本日は、高知市における重要な位置に置かれております基幹産業のさらなる発展のため、「中山間の現状と取り組み」について高知市議会公明党(山根・高木・寺内・高橋・西森)の5議員で、高知市の鏡地域・土佐山地域を視察しました。
今回の視察にあたり、農林水産部 地域振興担当参事や土佐山地域振興課長なども同行して頂き協力を賜りました。
10:00 高知市役所をスタート、ワゴン車にて北上。山奥に位置する鏡地域(旧 鏡村)を目指しました。
10:30 鏡庁舎(旧 鏡村庁舎)に到着。中心街より2~3℃低く肌寒かったです。庁舎で鏡地域の森林行政と地域振興などについて鏡地域振興課から現状報告を受けた後、活発な意見交換をさせて頂きました。
林業や木材関連産業を取り巻く環境は、木材価格や木材需要の低迷、森林所有者の高齢化、担い手不足など厳しい状況下におかれております。
しかし、一方では地球温暖化防止対策の意識向上などにより、水源涵養・森林浴など健康や環境にやさしい資源として森林の良さが見直されている現状もあり、積極的に活かしていかなければなりません。
国は、森林・林業再生プランを平成21年に策定。10年後の木材自給率50%以上を目指すとしております。これに基づき、間伐による森林整備や林道整備による基盤整備、施業の集約化と安定した木材供給を目指す「森の工場」の支援事業に取り組み木材資源の有効活用を図っております。
地産地消の林業を目指しながらも、県産材による需要拡大や木質バイオマス事業などの事業展開は、高知市の単独事業としては困難を極めており、県外産・海外産の供給に頼らざる得ない状況があります。
その他、防災対策における災害応急仮設住宅への取り組み、人材育成、流通の拡大など話題が多岐にわたりました。50分間の設定時間を大幅に超過してしまいました。
この研修により、基幹産業である林業活性化に向け、様々な宿題を頂きました。
次の視察先(オーベルジュ・土佐山)である土佐山地域に向け急いで出発。
オーベルジュ・土佐山に到着しました。 研修前に宿泊施設周辺を散策しました。施設側の配慮により、宿泊棟の中も見させて頂きました。県産材や土佐漆喰、土佐和紙など贅沢に使った「土佐派の家」に全国でも屈指の人気宿泊施設として知られるようになりました。
宿泊施設ではテレビや時計類は、一切設置されておりません。都会の慌ただしさを忘れ心身を癒せる自然と一体できる空間となっております。特に夏シーズンは、最高の避暑地となり、プライベートでもう一度、訪れてみたいものです。
この日は、冬時期であり、宿泊客が少ないとの事。全ての景色を独り占めにできるような静寂さが漂っておりました。冬の宿泊も、良いなと思いました。
どうでしょうか 皆さん、冬の土佐山へおいでてみては・・・。
オーベルジュ施設内にて、長年に渡り土佐山振興に携わてこられ、オーベルジュを核とした集落経営に取り組んでおられます「中川をよくする会 鎌倉寛光(かまくら ひろみつ)」さんと今日までの活動や今後の土佐山地域の展望などについて懇談させて頂きました。
高齢化が急速に進展している土佐山地域。「何もしないで限界集落になるのを待つのではなく、地元の皆で地域づくりを楽しむ事が活動の原点である」「棚からぼた餅」ではなく「地域として自立して行く取り組みが必要」、「地域の発展のために、自分を忘れて辛抱強くがんばる事の大切さ」を鎌倉さんは、熱心に語っておられました。
地域振興が結びつくまでの過程には、筆舌に尽くしがたいご苦労があることを鎌倉さんのお話を通して知る事ができました。あとは「土佐山を愛する若い後継者たちを育成する事が残された課題である」との事。鎌倉さんの情熱に心を打たれる思いがしました。
鎌倉さん、貴重なお話をして頂き、本当にありがとうございました。
とさやま土づくりセンター施設を視察。有機無農薬野菜栽培による資源循環型農業の振興を図るため平成3年度に建設されております。とさやま土づくりセンターで生産される堆肥「BMとさやまモコモコ」は良質堆肥としての評価が高く、近年の有機農業に対する消費者ニーズが高まってきております。
堆肥需要量が供給量を上回る状態で農家団体等からの要望を受け、堆肥増産等に向けた施設の増強工事を行っておりました。
食品の安全が叫ばれて久しい中、有機無農薬栽培のさらなる振興に向けた堆肥づくりの必要性を学びました。
次に、土佐山夢産地パーク交流館に到着。
雲ひとつない快晴です。山頂の澄み切った空気は、大変においしい。絶景です!!
ここでは「土佐山百年構想」を含め高知市中山間の農業の現状などについて(財)夢産地とさやま開発公社 大﨑裕一 理事やNPO法人 土佐山アカデミー 林篤志プロデュサーから様々なお話を伺いました。
土佐山の現状と課題は、「過疎・高齢化による集落機能の低下」、「農地・山林の保全管理機能の低下」、「生活環境や産業基盤の整備等の遅れ」などが上げられます。農業人口の3人に1人が65歳以上であり、限界集落化がまぬかれない厳しい状況に立たされております。
後継者育成も含め、農業を中心とする産業向上の仕組みづくりを進展されなければなりません。
このままでは、集落がなくなります。個人農家だけでは解決がつかず集落でまとまった営農の取り組みが必要であります。
高知市は、これらの打開策のため「土佐山百年構想」を打ち出し、百年先も持続可能な地域をめざしております。
土佐山アカデミー事業では、中山間の豊かな自然などの地域資源を活かし、学びの場づくりとしてスクール事業を展開しております。若者が集まり、地域貢献へのきっかけとして、徐々に成果を上げてきております。
衣・食・住の内、住居がまだまだ不十分であるとの事。全国から土佐山への移住希望者が多くいるとの報告がありました。空き家情報バンク制度もいまひとつ活かされていない課題もあります。
土佐山地域は、全国に誇れる魅力と可能性あふれる地域であります。受け皿となる仕組みづくりの充実を目指さなければなりません。
本日最後の視察先である太平洋セメント株式会社 土佐山鉱業所を視察しました。
始めて、土佐山の採掘場を視察させて頂きました。
高知市にこのような光景が存在するとは、夢にも思いませんでした。
写真の光景は、ほんの一部です。東西方向に2.5㎞、南北方向に0.6㎞の広がりがあり高品質な石灰石などが採掘をされております。
土佐山鉱業所の佐々木所長および社員の皆様の丁寧な説明を頂きました。
長引く不況にも負けない、力強い姿勢と挑戦には、脱帽しました。もっと多くの高知県議・高知市議などにも視察をして頂き知ってほしい場所であると思います。
高知市議会公明党は、今後も、中山間地域で生活し、働く者のミカタとなって頑張って参ります。
視察をサポートして下さった皆様、本当にありがとうございました!!