今日はPFI導入の問題点を学んだ。老朽化した公共施設の建て替えなどに、民間資金と経営能力、技術力を活用するPPP(PFI)がもてはやされている。特に秦野市が最近よく聞く事例である。
しかし、私も10年前に当選してすぐPFIを学んだが、そのメリットに対しどうしてもすんなり飲みこめなかった。今でも同様である。2年前にPFI法が改正され、政府も地方自治体に導入を拡大したい方向だが、果たして本当にPFIは打出の小槌だろうか? 私はずっと疑問に感じている。
平成25年2月末日現在、国(66)、地方(314)、その他(38)の合計418件がPFI事業の数である(2000年基本方針公表以降)。
PFI導入の最大の目的は当然ながらコスト削減である。しかし、このコスト計算はコンサルタントが机上で行っていて、計算方法が実にあいまいで不透明なのだ。さらに民間資金調達(銀行借入利子)より起債した方が金利の面で有利なのは明らかなのに、コストが削減できるという?
問題点を整理すると
・収益優先の民間参入により公共の役割が後退する可能性がある。
・事業計画から契約・運営の段階での情報公開や住民の声の反映をさせることができるか
・大企業がSPC(特定の事業をすることを目的にして設立する会社)を担うため、地方経済振興につながらない場合が多い。
・コスト計算根拠や最終リスク、地方財政負担のチェック機能を本当に果たせるのか?
こういった課題により、以下のように実際PFIで行った事業が破たんしている。
①事業を行っていた民間事業者が経営破たん・撤退したため、自治体が施設を買い取らざるを得なくなった。(例:北九州市ひびきコンテナターミナル)
②事業見通しが甘く、公共によって実施するよりコストが高くなり契約を解除した。(例:倉敷市廃棄物処理設備ガス化溶融炉、福岡市タラソ福岡など)
③当初から赤字が続き、契約解除に多年の負担を要しながら、さらに契約解除の際に市が特定目的会社(SPC)に損失補償金を支払った。(例:近江八幡市立総合医療センターなどのいくつかの病院)
④収益を確保するため、事業に従事する労働者の賃金が低く抑えられ「官制ワーキングプア」ともいえる事態を引き起こした。
最後に、私から講師に「では、418の事業のうち、どれがうまくいっているのか?」と質問した。講師は「わからない」と答えた。
PFIの是非は、おそらく検証するのには早いのだと思う。しかし、早々に失敗した事例も以上のように少なからずあり、コスト削減という目的が果たせられるかどうかは全く不透明。なぜならば、ランニングコストには物価、エネルギー消費、人件費など不確定要素があり、民間事業者が破綻する可能性もあるからである。
PFIは違う見方をすれば民間のだぶついた資金を使わせるための手法であり、決して公共にとってバラ色ではない。成功事例も出てくるだろうが、失敗もあることを知るべきだと感じている。したがって、よくよくPFI導入は検討しなければならない。
