今年6月に「障害者差別解消法」が可決成立し、「合理的配慮の不提供の禁止」が定められました。3年後を目処に、全国の公立大学にその法的義務が、私立大学には努力義務が課されることになります。
DO-IT Japan(東京大学先端科学技術センター主催)では2007年から、障害のある学生の大学生活や入試選抜で必要な合理的配慮が得られるよう、参加者とともに求めており、本当の意味での「合理的配慮」が生まれることが決まった今、このシンポジウムでその結果をまとめました。
小中高校、大学、それぞれの入試での事例を知ることで、3年後にいよいよ訪れる差別解消法時代に向けて、進学や就職を目指す障害のある当事者には何が求められるようになるのでしょうか?
さて、昨日のセミナーの内容をお伝えします。発達障がい児の小・中学校の学習環境にちょっとした配慮がなされれば、さらに高校入試が大学センター試験同様の合理的配慮がなされれば、本当に人生が変わってくることがわかりました。
発達障がい児は小学校・中学校において、文字の読み書きができないことや集団に入れないことで、つぶされたり登校拒否になってしまう可能性が高くなっています。今の学校では「聞いたらわかる。話すことができる。」ということと「見ることができ、書くことができる。」この二つができないと学習や入試になかなか対応できません。しかし、その読み書きができない児童たちは決して習熟度が悪いわけではないのです。
読み書きが不得意な児童は、文字を書くと字が重なりあって他人には判読不能であったり、他の児童と比べて何倍もの時間を要して読んだり書いたりします。さらに、テストでは問題を読むことや判読することが困難な児童や、何色ものカラーで図が描かれているためにわからなかったりする児童がいます。絵が描かれてあるだけで、それに気が取られて回答できない子どももいるのです。
しかし、ちょっとした配慮で、例えば先生がテストを代読したり、テスト用紙を白黒でコピーしたもので行ったり、ワープロで答えを入力可能にしたり、口頭で答えたりなど、少しだけインプットとアウトプット変えてあげることで、回答率が飛躍的に伸びる児童が幾例も出てきています。
授業もICT(ipadやICレコーダー)を利用する、それだけで授業についていけるようになり、宿題もできるようになり、学校や勉強が楽しくなったそうです。
2011年、初めて高校入試に書写LDの生徒がワープロを用いて受験できました。また、ディスレクシア(失読症、難読症、識字障害、読字障害)のある生徒が問題代読で受験できました。こういった高校入試に、大学入試のように合理的配慮(試験時間の延長、問題の文字を大きくする、代読するなど)があれば、入試という大きな障壁を乗り越える児童も出てきます。
これから、全国の小中学校で学習環境への合理的配慮が導入されれば多くの児童の人生への取り組みが変わると思います。政府をはじめ教育委員会や学校の取り組みが求められます。