平成17年9月議会において、「避難場所で一番課題となるのがトイレです。平常時に利用されている水洗便所はその機能を失い,利用できないものです。非常用の飲料水についてはグラウンド地下に準備をされていますが、同様にグラウンドにマンホールトイレの設置を考え、災害時に対応できる用意が必要と思われますがいかがでしょうか。」と質問を行いました。
当時の総務部長から「避難所におけるトイレにつきましては,本年度に市内各地区に設置する防災備蓄倉庫に簡易トイレと簡易トイレ用のテントを配備し、災害時に対応したいと考えております。」との返答でした。
東日本大震災を受け、6月議会に同僚の下畑議員が質問したところ、今回は前向きな返答がありました。そこで、先進的に整備している広島市へ行って、マンホールトイレ設置状況や導入の考えについてお伺いしてきました。
広島市ではマンホールトイレ整備について、地震被害発生により近隣住民が避難場所として生活する場所としてトイレが不足するため、9箇所の広域避難場所に合計180基(設置済み140基、平成24年度までに40基)のマンホールトイレ整備を進めています。
設置基準は、震度6強を推定し、近隣避難所、生活避難所、広域避難所の3つの区分から、避難人数を計算して割り出し、広域避難所に20基づつトイレを設置することにしたようです。
整備場所の選定には、
①液状化の危険性がある地区であること
②敷設後30年以上を経過している施設であること
③地域防災計画による広域避難場所の指定を受けていること
④敷地管理者と協議・調整が可能であること
としています。
なお、整備はマンホールを一定間隔に掘り下げて下水本管に直結させており、表面上は鉄蓋のみしか見えません(写真)。トイレ設備は業者とレンタル協定を結んでおり災害時に設置することになります。全国的な業者と提携しており、2000~3000個までストックされているそうです。なお、それぞれのマンホール工事費用は約1000万円です。
トイレの汚物は一旦下層部にたまりますが、貯水槽が一杯になると大量の水を下水本管内に流して汚物を取り除くそうです。また、断水で貯水槽に水が供給できない場合を想定して、近接する河川から仮設ポンプで給水したり、下水再生水を用いて緊急輸送路内を車両通過させて給水させる方法を考えているようです。
ただ、広島市の広域避難所とは都市公園のことであり、仮設住宅設置を想定しており、通常の小学校などに設置するものではありません。原則的に、小学校などの避難所トイレは使えるものとしているようです。
これはどうかと思います。体育館のトイレが断水して使えないことを想定するからこそ、グラウンドに仮設のトイレ設置が必要になるからです。テレビで避難所の外に多くの仮設トイレが設置されているところを見た方も多いのではないでしょうか。
中でも、すぐに利用でき汚物の処理が不必要なマンホールトイレ整備が必要なのです。私は平成17年の質問通り、福井市においては第二次避難所である各小学校や中学校にこそ必要だと思っています。ただし、福井県よりも多い110万人強の人口を擁する広島市ですから、全小中学校に設置すると大変な予算が必要になることから、仕方がないかもしれません。
