前職のコンピュータ会社に働いていた時に、福井市内某タクシー会社の経理システムを開発した時があり、その時に所属している運転手の皆さんの給与を拝見したことがあります。その時、「家族を養うには共働きしないといけない給与水準」と感じたことを覚えています。既にシステムを開発してから10年近くたっていますから、今はもっと厳しいと思います。なお、タクシー会社はそれぞれ給与体系が相違していますので、厳しいところもある一方で、会社業績を確保して賃金をある程度支給している会社もあるようです。
タクシー業界が厳しい環境に加速した原因は2つあります。
1つめは、2002年にタクシーの規制緩和を行ったことによる影響です。
・認可制から → 事前届出制
・最低保持台数の緩和/60台から10台に
・営業所および車庫/所有からからリースに
・導入車両/新車から中古車でもよくなった
このため、お客さんの数は増えないのに、タクシーが大幅に増えました。したがって、当然の帰結ですが、タクシー1台当たりの売上は激減します。つまり、お客さんが少なくなっているのに、タクシーが大幅に増えてしまったことが大きな要因なのです。
2つめの要因は、どの業界も共通ですが、景気の悪化により乗車利用が減少したこと(お客さんが減少したこと)です。
なお、参考に以下の記事をお示しします。
2008年12月26日付 日本経済新聞社説
「業界の自助努力も欠かせない。供給過剰は無理な増車に走った業界が招いた事態である。これを解消するには、身を削るリストラか、需要を増やすための営業努力が必要だが、その取り組みは十分だったのか。自分の責任は棚上げし、苦しくなれば規制強化や値上げを政府に求めるのでは、利用者の理解は得られまい。運転手の待遇改善についても、労使の協議でできることはまだ残っているはずだ。雇用状況が厳しくなるなかで、新規参入や増車を制約すればタクシー運転手への転職という選択肢を閉ざすことにもなる。 国交省は「規制強化はあくまで例外措置で、原則は自由競争」としている。以前のような業者保護行政に立ち戻ることのないよう強くくぎを刺しておきたい。」
どの業界も厳しい。前職時代、日本経営品質協議会でいろいろ学びましたが、結局生き残るには、会社を改革し、知恵を出し合って、さらに顧客と従業員の満足度を上げる工夫を徹底するしかないようです。