池田市と言えば、大阪教育大付属池田小学校の乱入殺傷事件があったところです。同市では2度と同じ過ちを犯さないように防犯への徹底を図っています。全国の市町村でもこの事件をきっかけとして、不審者への対応や学校入口の閉門などの取り組みを行い、福井市でも日之出小学校が始めた見守り隊による下校時の児童への付き添いを始めるようになりました。
さて、池田市は、人口約10万人、世帯数4万6千、4�×10�の小さな市です。経常収支比率(人件費など固定的な支出)が100%超であり、夕張市に続く厳しい財政状況です。その中にあって平成19年度に「地域分権の推進に関する条例」を制定し、小学校単位の地域課題に対して、地域が主体となって解決を図る取り組みを行っています。
小学校区は11であり、人口が5000人で600万円、1000人増えるごとに12万5千円をアップさせた範囲を上限に、地域の事業提案を受け、予算化しています。
なお、この募集に応じるかどうかは各々の地域に任せたのですが、結果的に全ての地域でコミュニティ推進協議会が結成されました。なお、推進協議会メンバーはすべて公募です。また、市職員もボランティアで事務事業をサポートする地域サポーター職員を庁内で公募し、平成19年度は67名の応募がありました。
各地域からの主な事業提案は、
・AED設置
・街路灯強化
・防犯カメラ設置
・清掃用具設置
・地域自主防災体制強化
・地域掲示板設置
・地域イベント支援
・安全パトロール実施
・コミュニティ紙発行
など多岐にわたっています。
池田市は自治会結成率が40%弱であり、自治会長は行政嘱託員としての役割や責務がありません。したがって、地域の課題をこういった形で補う必要があったようです。
実施したメリットとして
�税金を自分たちで使い道を決められるため、満足度があがったこと。
�地域特色が現れ、愛着がわくこと
�自治会活動、子ども会活動、自主防災活動などが活発になったこと。
�市役所に来る方が多くなり行政への関心度があがったこと。
�職員の側からすると、今までと違った住民の考えがわかるようになり、さらに通常では経験できない能力向上が図られたこと。
をあげていました。
ただし、地域拠点の問題や地域間での競争が激しくなるなどのデメリットがあるとのことです。なお、道路改修など市が行うべき事業は含まれていません。また現在は1地区600万円~700万円ぐらいの予算ですが、今後は1億円位にしたいとも希望を述べていました。
福井市は、全国でも稀有である小学校単位で公民館が設置されており、公民館を中心とした様々な団体が活動しています。もし、池田市のように事業提案して予算化する仕組みを作るのであれば、テーマを絞って行う必要があるでしょう。
福井市の自治会結成率は75%ぐらいでしょうか。その分自治会長の負担は大きくなっていますが、一方で地域コミュニティを促進する意味では、他市に誇れるものです。
財政が厳しくなり、地域の課題は地域で解決を図っていく方向性は進むのではないかと思っています。
多くの方が、地域の担い手として、ボランティア活動に参加してもらいたい、と切に願うものです。