100年に一度の経済不況とも言われる現況において、景気底上げとして政治ができることは2つしかありません。それは、減税と公共事業です。
そのうちの一つである減税施策が定額給付金です。今まで何回も取り上げていますが、この定額給付金は欧米をはじめ世界の中で行われている給付付き税額控除(課税世帯は減税し、非課税世帯は(お金を)給付するというもの)を、課税世帯も給付するという形に変えただけです。(なお、民主党は給付付き税額控除を導入すると公表しています。)
民主党県連は、定額給付金からカンパを募って雇用・生活支援などの活動をしている団体に寄付しようと運動するそうです。定額給付金に猛反対してきた民主党は、「受け取りを拒否すると国庫に戻り県民の手に届かなくなる」(福井新聞3月15日付)として受け取るそうです。
定額給付金は戻し税として皆さんにお返しする減税政策の一環です。減税するたびにカンパを募ってこういった運動をするのでしょうか。要は、与党の手柄にしたくない思いが絡んでいるからなのです。徹底して定額給付金を地に落としたい戦略です。
今般の経済不況で、どれだけ生活に困っている人がいるのかわかっているのでしょうか。このお金が生活に回り、疲弊している商店に回れば、大きな経済効果が生まれます。物が売れれば、生産している中小企業も助かります。
小沢代表の地元である岩手県で定額給付金について2万名のアンケートを行った結果がこのほど発表されましたが、貯金するという人は10%にもなりません。ほとんどの人が使うとしています。66%が定額給付金を評価しています。民主党はこの評価をなんとしても下げたい。こういった思いが透けて見えます。
雇用対策としては、緊急経済対策で雇用安定助成金などで中小企業を守りつつ、雇用保険料金を値下げし、公共で雇用を生みだす仕組みを作っています。
政局第一の民主党。定額給付金の波及効果を恐れるあまり、国民の目線を違う方向へ誘導するために、愚かなアピールをするのものです。
皆さんもよくご存知の経済アナリストの森永卓郎氏は、日経BP SAFETY JAPANのコラム(2月16日付)の中で、定額給付金に関して「国民に金を使ってもらい、内需を増やして景気を回復させようという方向性は間違いない」と主張しています。
この中で、森永氏は、世論調査や評論家の間に反対する声が根強いことに触れ、「本当に定額給付金はそれほど劣悪な政策なのだろうか」と疑問を投げ掛け、「基本的に減税だということ」を理解してほしいと述べています。
その上で、不況時の財政政策としては基本的には減税と公共事業しかないことを指摘し、「公共事業に対する風当たりが強い現在、減税もだめだというならば、いったいどういう政策をとればいいのか」と、バラマキ批判に反論しています。
さらに、定額給付金は「瀕死の状態にある日本経済の止血をしようという政策」であり、社会保障の充実といった「生活習慣病の治療」は大けがを治してからの話であるとして、政策としての性格の違いを立て分ける必要性を力説。「カンフル剤にしては少額過ぎるのは大きな問題である。だが、定額給付金という政策自体には意味があるのだ」と強調しています。
定額給付金に反対する野党は、減税をやめろと言っているのと同義なのです。民主党の思いの根っこをしっかりと見極めてください。