先週の福井テレビ「タイムリー福井」で高い利用率があるとされた大分市平和市民公園能楽堂を調査しました。
大分市平和市民公園能楽堂は今年で20年目、昨年度から指定管理になっています。
最初の10年間は、能や狂言、民謡に限って利用させていましたが、高齢化の影響で利用率が”じり貧”となり、議会から「市民の税金を使用して稼働率が低いのは問題である」との突き上げがあり、他目的に利用させることにしたそうです。
他目的利用が可能になったのですが、能舞台は板目が生き物であり、湿度や温度、表面の磨きといった維持管理が必要であり、ドンドン跳ねたり、ピアノなど重量がかかる演目は利用できません。豊田市も同様です。
さらに能や狂言以外では、床を養生するために毛せん(パンチカーペットなど)を鏡の間、橋懸り、舞台に敷き詰めます。なお、その敷き詰める手間が職員に発生しますが、利用料金は変えていないそうです。
現在では、講演会、結婚式、空間劇(芝居・・・大道具がいるようなものや背景パネルが必要なものはバトンがないため除く)、カラオケ大会(能楽堂という厳粛な会場で行うため、そのステータスを感じてほしい)などを行っています。
能の場合には楽屋を練習や詩吟・日本舞踊などで利用されてしまうと舞台も見所(観客席)も貸し出しができなくなります。公表されている利用率は楽屋だけの使用を含んだ数字ですので表面上高く見えています。(福井市も楽屋だけの利用率をプラスすれば60%〜70%近くあります。なお舞台利用率は21.7%です)
実際に舞台を利用するのは、練習も含めて月の半分ほどだそうです。公演は多くても4〜5日と見た方がいいと思います(公演はホームページで紹介されていますので回数が判断できます)。
さらに、舞台を練習で利用する場合の利用料は本番やリハーサル時の1/10に減免しています。利用者数はこの7年間で最低が昨年度の20,642人、最高が平成14年度の26,121人です。人口47万人の大分市でさえ、この程度の利用です。
なお、利用率は
平成18年度 64.1% 平成19年度 71.1%
昨年度利用件数
能楽202 舞踊1 邦楽民謡16 他108 計327
昨年度利用者数5,847人 入場者14,795人 計20,642人
(見学者を含めると21,006人)
他目的に利用するように変更し、練習時の利用料金を減免して利用人数を高くする努力をしていますが、やはり「賑わい」には結び付きません。
大分市では、能や狂言、謳いの振興と啓発が目的にあるようですが、賑わいとは目的が違います。
指定管理により、現在は2つの民間会社が運用と維持管理に分けて受託しています。経営面で言うと主催者公演はどうしても安価になるので、赤字になるとの弁でした(指定管理委託料:4,200万円 大分市の持ち出しになります)。
したがって福井市が能楽堂を多目的に利用するように心がけ、懸命に営業活動を展開しても、20,000人(昨年度11,550人)前後が限界なのです。
JR福井駅西口再開発ビルに、こういった文化施設があってもよいかどうかは、3階から4階の公共公益施設次第です。