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福井市 西本恵一
nishimotokei@ybb.ne.jp
バックナンバー 2008年 11月 28日

世界は、この10年、特にこの2年、給付付き減税が多くの国で実施される趨勢にあります。

従来の景気対策の中で減税はまず優先される政策でしたが、昨今は減税の恩恵に預からない人がいるため、社会政策として同時に給付することが大事という考え方から、給付を付けた減税が欧米で実施されています。このことを給付付き税額控除といいいます。つまり、今回は簡単にするため定額給付金という仕組みにしましたが、枠組み自体は世界の中の新たな景気対策の仕組みとなっているのです。

物価が高く、所得が伸び悩む中で、特に低所得者に重く恩恵が受けられるこの制度は世界の潮流なのです。したがって、今回の定額給付金に対するマスコミやコメンテーターの批判は、世界の税制を批判しているのと同じなのです。

※給付付き税額控除とは

『一定所得以上の勤労所得以上の勤労所得のある個人・世帯に対して、子どもの人数に応じて税額控除を与え、控除しきれない額は還付(社会保障給付)する。所得が増加するにつれて税額控除額は低減し、一定の額に達すると廃止される』という制度です。

低所得世帯の就労を促しつつ経済支援を行うもので、各国で高い評価を上げており、世界の税制の潮流ともなっています。

また、この結果、一定限度までは、就労すればするほど所得が急激に増加するので、勤労インセンティブがわき、結果として貧困層からの脱出が図れることになります。これまでの、セーフティネットによる社会保障給付(ウエルフェア)という思想のもとで生じていた社会保障給付への依存を断ち切り、勤労を通じて給付する(ワークフェア)という新たな自立思想(スプリングボード政策)に基づくものです。

他方で、この制度の実現にはさまざまな課題を乗り越える必要があります。

第一に、何を政策目標に掲げ、誰をターゲットにするのか、明確にする必要があります。まずは若年層を中心としたワーキングプアと呼ばれる人たちや、母子家庭に対する就労を通じた貧困対策を念頭において検討を始めることがよいのではないでしょうか。