地震災害の死亡原因は建物倒壊や家具等の転倒、落下による窒息死や圧死が最も多く、神戸・淡路大震災での死亡者も84%が窒息死・圧死に相当しており圧倒的に多くなっています。
さらに神戸・淡路大震災では、地震発生より14分以内で死亡した人が全死亡者の92%以上だったとされております。胸部や腹部を圧迫されて呼吸できなくなる窒息死が多いことから、素早い救出活動があったとしても助からなかったとされています。
つまり、地震災害によって死亡者を減らすには建物を耐震化し,家具などの倒壊を防ぐことが最も重要であるということを示唆しています。
こういった事実を踏まえ,東京大学生産技術研究所の目黒教授は、「阪神・淡路大震災が私たちに与えてくれた最大の教訓は、復旧や復興期までも含め、いろいろな問題の根本原因は地震発生後に発生した大量の建物被害とこれを原因として生じた人的被害だった」と言っています。
また目黒教授は,「声なき声を聞いてください。阪神・淡路大震災で亡くなった方たちの声をもしも聞くことができたならば,水があればとか、もっと早く助けてくれればと言うでしょうか。そうではありません。安らぎを提供してくれるはずだった家が崩れ、その下敷きになって死んでしまった。こんなことになるなら地震で崩れることのない家を建てておけばよかったと言うはずであります」と言っています。
このことから、命を守るにはソフト政策もさることながら、ハード対策が確保されなければならないという結論が導き出されてまいります。
さて,阪神・淡路大震災で全半壊した住宅26万戸の多くは昭和56年5月31日、いわゆる今から25年以上前に建てられた住宅か耐震基準どおりに建てられなかった住宅であったというデータがあります。
この昭和56年は、建物を建てる場合の規定となる建築基準法の大幅な改正が行われた年で、木造住宅の耐震性が格段に高まりました。
またこの年以降の建築基準でも、建物の間取りや形状がよくない建物は、耐震性が十分でないことから、平成12年にもさらなる改正が行われています。
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が平成20年1月に発表した実際に診断した家の統計から、昭和56年5月31日以前の住宅では、総合評点1.0未満の「既存不適格住宅」が95.34%、ほとんどの住宅に耐震補強が必要であることがわかります。
また、それ以降の住宅でも73.54%の住宅が評点1.0を下回る結果となっています。
そのことから、福井市では耐震診断の費用3万円のうち昭和56年5月31日以前に建てられた家であれば、9割補助して3千円、さらに補強プランが3千円の計6千円の個人負担で受けられるようにしました。
また、上限60万円の補助額で、耐震改修にかかった費用の2/3まで補助する制度も今後予定されています。
四川大震災では、多くの被災者が出ており、大変痛ましく思っていますが、決して対岸の火事で済ましてはいけません。
自宅が凶器にならないように、耐震診断を受けられることを強くお勧めします。