「コンピュータの仕事をしている」とか、「ソフトウェアの仕事をしている」というと、一日中パソコンの前でプログラムを組んでいると思われる方が多いと思います。
確かに20代はこういった場面が多いのですが、時とともに次第にシステムエンジニア(俗にSEという)に移行していきます。
SEは、お客様の仕事をシステム導入によって、どう効率アップさせ業績に反映させるかを検討するために、お客様の業務内容を何十時間も(時にはそれ以上、中には数カ月)かけてヒアリング(聞き取り)を行います。したがって、SEは経験が豊富であればあるほどお客様の仕事を見極める力が備わってきます。
ヒアリング中、まずは、現状をしっかり把握することに努め、頭の中では、
「どの点が課題なのか」
「解決するためにはどうしたらよいのか」
「何がポイントになるのか」
「技術的な問題はないのか」
「費用対効果は」
「他社の類似する業務と比較しながら」。
適切な質問を行い整理していきます。そして必ず、経営者(トップ)の考え方を反映させていきます。
面白いことに、お客様から聞き取った要望を、そのまますべて満たしたシステムを導入しても喜ばれたことがありません。
なぜでしょうか?
それは、お客様がすべてを言い尽くせないからです。こちらが、お客様の要求する目的や真意を鋭く読み取っていかなければなりません。したがって、時にはお客様の要望と相違する提案をすることも必要なのです。
コンピュータの仕事をしていても、人によっては、お客様の業務内容に関わる大量の資料と格闘しながら、現場確認し、分析を行い、最新の技術と組み合わせ、ひたすら企画書や仕様書に没頭している職務もあるのです。
私は、20年位ソフトウェア業界にいましたが、プログラムを組んだのは最初の4年間位で、その後はこういった業務に長らく携わってきました。
民間では、メガネ、繊維、トナー再生、タクシー、プラスチック、運輸、家具、自動車、産元、ソファーなど多岐にわたる業種・会社の業務内容を、
公共では健康、福祉、介護、財務、文書管理、グループウェア、ネットワークなど役所内業務について。
調査し、分析し、課題を把握し、企画し、提案し、発表します。たかがシステムかもしれませんが、会社の命運を大きく変えることだってあるのです。なぜならば今や情報基盤の構築は経営の大きな戦略だからです。おかげで、議員になった今も、まったく同じ能力が求められるので、こういった経験が大変に役立っています。
「お客様の課題をどうみつけるか。経営の効率化や業績アップをどう図るか。」
・コミュニケーション能力
・ネゴシエーション(交渉)能力
・問題解決能力
・プレゼンテーション(発表)能力
・ヒアリング(相手の話を聞く)能力
などが求められます。
また、システム以外でも、経営改善のためにコンサルテーションを行う場合があるため、経営的視点や経営能力まで持つとベストです。さらに多種多様の業種の業務内容を詳細まで知っていることは大変な強みです。
どの業界であれ求めている人材とは、まず、
コミュニケーションができるかどうか。
そして聞く能力があるかどうか。
ではないかと思います。これらの能力を鍛えるにはどうしたらよいでしょうか。それは、若いうちに「鍛え」の中に自分をおくことだと思います。様々な場面で、どんな立場の人とも渡り合える力は、人との接点を多く持つことで磨かれていきます。最も人を成長させるのは、自分にとって苦手な人や手ごわい相手を避けないことです。また大きな失敗経験の数々です。
市民相談もまず、聞くことから始まります。中には、複雑な相談もあり、聞き漏らさないためにこちらから引き出すことも必要です。そして、現場を確認します。また、解決するために単純に動けばよい場合もありますが、要望の中には、近視眼的にならずに、あらゆる角度、あらゆる立場から検討しなければならないことがあります。
私が、本当に幸運だったと思うのは、前職で新聞記者でありまた中小企業診断士として300社以上のコンサルタント経験のある社長に育まれ指導を受けてきたことです。
一緒にヒアリングに行き問題点を分析し、
私の書いた提案書に赤ペンで一つひとつ丁寧に添削をしていただき、
1時間かかるプレゼンテーションの練習に何回も付き添っていただいたことも。
また机を叩き厳しく真剣に怒られたこともあります。
やがて少しづつ、社長からの指摘も減ってきて責任も大きくなっていきました。(とはいっても、アドバイスは常にあります。また、提案書は会社の生命線ともいえますので必ずチェックが入り、何回となく修正します)。その一つ一つが、現在いろいろな場面で役に立っています。そのたびに社長に感謝している日々です。
まだまだ自分が未熟であることをよく知っています。したがって今は市民と接することが、私の人間力を高める重要な機会となっています。