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福井市 西本恵一
nishimotokei@ybb.ne.jp
バックナンバー 2008年 1月 24日

 アメリカの大手証券会社、ゴールドマンサックスが約3年前の秋に発表した「BRICsと夢見る2050年への道」と題する投資家向けレポートで初めて使ったBRICsという造語

 このBRICsとは、ブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字をとったものです。今この4カ国が世界の中で大きく台頭しています。

 30年後に、このBRICs4カ国のGDP(国内総生産)の合計が、アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア(現在のG6)の合計を上回ると予想されており、さらにその10年後(今から40年後)には、GDPの順位が、

 中国、アメリカ、インド、日本、ブラジルロシア、イギリスの順になるとも。

 現在の超大国アメリカが首位の座を明け渡すとされるこの予測はショッキングなことですが、日本についてもまだ4位の座にとどまっているなと楽観的にとらえるのか、それとも、ついに2位の座を譲りさらに4位まで転落か、と悲観的にとらえるのか・・・。

これらの4カ国の共通点は、

(1) 国土が広い
 ブラジル: 851万平方キロメートル(日本の約22.5倍)
 ロシア  :1707万平方キロメートル(日本の約45倍、アメリカの2倍近く)
 インド   : 328万平方キロメートル(日本の約9倍、現在の係争地を含む)
 中国   : 960万平方キロメートル(日本の約26倍)

 この4カ国で世界の29%を占めます。

(2) 人口が多い(2007年国連人口基金)
 ブラジル: 1億9千万人(世界5位)
 ロシア  : 1億4千万人(世界8位)
 インド   :11億4千万人(世界2位)
 中国   :13億3千万人(世界1位)

 合計28億人を超え、世界の人口の42%を占めます。人口が多いということは、大きなマーケットになるということを意味します。 

(3) 産業の発展を支える豊かな鉱産資源をもつ
 ブラジル:鉄鉱、ボーキサイト、錫など
 ロシア  :石油、天然ガス、石炭、銅、ニッケル、金、タングステン、ウラン
 インド   :鉄鉱、宝石、石油など
 中国   :石炭、石油、天然ガス、鉄鉱、ウラン、タングステン、亜鉛、モリブデン

(4) GDP((財)国際貿易投資研究所 国際比較統計 2006年)
 ブラジル:1兆   678億ドル、10位 伸び率21.0%
 ロシア  :   9,849億ドル、11位 伸び率28.9%
 インド   :   9,106億ドル、12位 伸び率17.2%
 中国   :2兆 6,263億ドル、  3位 伸び率15.3%

 この4カ国合計が世界の12%を占めるようになってきました。 ちなみに日本は、4兆3,664億ドル、2位、伸び率−4%です。


 かつて後進と言われた国が立ち上がってきました。これから、もっともっと発展していきます。貧困な生活をしていた人たちが富を求め、物を作り、世界に手を広げ始めています。

盛者必衰

 かつて太陽の沈まない国(植民地が世界中にあった)と言われたスペインは今はどうでしょうか。18世紀の大英帝国もその頃の姿はありません。日本も徳川幕府が260年で大政奉還、隆盛を誇った自民党はもはや1党独裁ではなくなりました。歴史は盛者必衰を教えていますが、日本が世界経済の頂点に居続けるには、今まで以上の工夫や努力が必要となります。

 今、様々な分野で格差が出ていますが、政治の問題が大きな要因となっている一方で、世界の動きも大きな影響を与えています。特にこのBRICs4カ国の成長は、比例して日本を地盤沈下させています
 その一つの例が「原油高騰」です。この4カ国はエネルギー大量消費国に向かっており多くの原油を必要としています。もう一つの要因である「サブプライム住宅ローン・マネーゲーム」問題が表面化する前からガソリンの値段は上がっており、1年半前くらいだったと思いますが、石油会社社長にその原因を尋ねたことがあります。返ってきた言葉は、まさに「中国とインドの成長」にあるとのことでした。

 かつての日本が歩んだ経済成長の道を、歩み方の相違はあれ、これらの国が突き進んでいます。したがって、何らかの影響を受けた時に、目先にとらわれて、こて先で解決を図ることは危険です。もちろん傷口が小さいうちになんらかの手を打つ必要はあります。大局から。

今何が必要なのでしょうか?

 残念ながら、かつての高度成長という追い風はありません。団体であれ、個人であれ、どんな逆風でも耐えうる強い体力と意志、知恵が必要です。社会も環境も耐えず変化しています。私たちも何かを変えなければなりません。政治、経済、環境、生活などもしかり。しかし、同時並行でもっと変えなければならないものがあると思います。
 
 団体であれ何であれ、結局は一人の人に帰着します。変えなければならないのは、私たち自身であり、生き方の変革だと思うのです。「いい学校へ行って、いい会社に就職して、いい暮らしをする」という神話は崩れています。「学歴、地位、財産、名誉・・・」人を判断するのに迷わすものです。これらは、すべて飾りでありその人が本物であるかどうかの材料にはなりません。

 本物か偽物かが問われる時代になってきています。生活の豊さだけではなく、心の豊かさや強さを求めることがまず必要です。きっと「個」に焦点をあてていけば(つまりは教育であり、大人の考え方や生き方が変われば)、環境を変え、大きな変化を乗り越える力を与えていくことができると思うのです。

 「一人の人間における偉大なる人間革命はやがて一国の宿命転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」とは、小説人間革命の主題です。

 21世紀は心の世紀、生命の世紀、女性の世紀と言われていますが、今何かが欠けている中で、この主題が重要な示唆を与えています。