18日、通常国会が始まりました。この国会は、主に平成20年度の国民の安全と安心を守るための予算を審議するものです。中でも、道路特定財源暫定税率の維持・廃止の論議が大きくクローズアップされています。ガソリン高騰の世情背景下で、1ℓ25円の暫定税率によるかさ上げをどうするかが焦点になります。この点についてQ&Aで以下に私の言葉で説明してまいります。
Q1.道路特定財源制度というのは何ですか?
A.「道路を利用して利益を受ける者が費用を負担する」という考え方に基づき、自動車の所有者やその燃料を使用した人が道路の建設・維持費用を負担する制度です。財源にはガソリン税や自動車重量税などが充てられています。
Q2.暫定税率というのは何ですか?
A.道路建設や維持の財源が不足していたため、本来の税率の約2倍の税率を暫定的に適用して補ってきたものです。この暫定税率は昭和49年から34年間、租税特別措置法を改正して期間延長し継続されてきました。本年3月で期限切れを迎えるため、延長か廃止かで揺れています。
例えばガソリンスタンドで給油すると、レギュラーガソリンで1ℓあたり約155円の代金を支払うこととなりますが、そのうち約50円はガソリン税であり、さらにそのうち約25円分が暫定税率によるかさ上げ分となります。
ガソリン税の内訳
・揮発油税 税率48.6円/ℓ(本来の税率は24.3円/ℓ)24.3円のかさ上げ
・地方道路税 税率 5.2円/ℓ(本来の税率は 4.4円/ℓ) 0.8円のかさ上げ
Q3.道路特定財源は、年間どれくらいの金額になりますか?
A.国・地方合わせて約5兆4千億円になります。
Q4.もし暫定税率を廃止すると、どれくらいの金額がなくなりますか?
A.約半分の2兆6千億円になります。このうち地方分が約1兆6千億円になります。
Q5.不必要な道路ばかり作っているのだから、見直して本来の税率に戻したらどうですか?
A.ごもっともな意見です。無駄を排することが最優先です。今回の問題を通して不要不急の道路がないか精査して、不必要な道路は除いていくべきです。また、一部の国会議員や政府役人に利益誘導されることのないよう監視体制を万全にすべきです。しかし、必要な道路はまだたくさんあり、次の回答でも示すように、道路特定財源は道路の新設だけに使われているものではないのです。
Q6.道路特定財源は何に使われるのでしょうか?
A.道路の新設だけではなく、道路の維持補修、橋梁の維持補修、歩道のバリアフリー、除雪、消雪設備・流雪溝などの整備、雪崩、地吹雪対策、積雪や路面状況の情報提供、無電柱化、開かずの踏切解消など、住民生活の安全と安心のため必要不可欠な事業に使われています。
Q7.もし暫定税率がなくなるとどうなりますか?
A.Q6の回答にあるように、道路の維持補修や除雪など国からの補助費が激減します。だからといって、穴が開いた道路をそのままにしておくことはできません。除雪についても、もし除雪を怠れば住民の足が脅かされ経済も麻痺します。したがって、福祉や教育といった他の予算から回して最低限の事業を行わなければなりません。その結果、地方行政サービスは大きく低下することになります。このことは重大な問題であるため全国の都道府県・市町村行政は暫定税率廃止に反対しています。さらに、市民の代表である34府県議会からも暫定税率維持の意見書が提出されています。
Q8.ガソリンの高騰が重なり生活を直撃しています。ガソリン税を本来の税率に戻して1ℓ25円安くすることこそ生活者重視の公明党の役割ではないのでしょうか?
A.誰しも1ℓ25円安くなることは嬉しいことです。しかしその結果Q7の回答にあるように地方財政がひっ迫し、大きな混乱を招き、結果的に住民サービスが著しく低下することになります。目の前の利益のために、大局が損なわれることは避けなければなりません。また、公明党は、原油高騰対策に全力を注いでいます。
Q9.それでは、なぜ野党・なかんずく民主党は暫定税率廃止を言い張るのでしょうか?
A.ガソリン高騰の世情を利用し、国民受けする政策を打ち出して、巧みに世論を味方にし「政権与党の暴挙」とイメージを作り上げ、衆議院解散に追い込むことが根っこにあるからです。
また、民主党は暫定税率廃止による2兆6千億円の穴埋めの財源をどうするのかについて、テレビなどのマスコミを通じていろいろ言っていますが、約束手形を乱発するだけで現実的なものは何も示していません。
与党がなぜ大きな批判を覚悟で暫定税率を維持しなければならないのかを考えていただけないでしょうか。本当に生活者の立場に立てば、無責任なその場限りの政策はできません。民主党も地方議員や国会議員の一部は、この暫定税率廃止に反対していることからも明らかです。
Q10.福井県ではどのような影響を受けますか?
A.福井県および県内市町全体で230億円(道路分のみ)が欠損すると予想されています。
※なお、1月22日付報道で県の減収が76億円となっていますが、これは揮発油税から地方に拠出される臨時交付金7000億円からの数字が含まれていない数字です。
例 中部縦貫自動車道は、道路改築の費用が大幅に不足するため「永平寺大野道路」の全線開通は大幅に遅れ、全線開通は22世紀になります。大野市や勝山市、永平寺町では医療機関が十分ではありません。1分でも2分でも早く県立病院などの大きな病院に搬送するために必要な救急のための道路ができあがらないことになります。
また、県の道路事業費は約140億円の削減となり、維持・修繕・除雪等の実施のために、国道305号ホノケ山トンネル、県道坂本高浜線、国道158号奈良瀬境寺バイパスなどの、県内の基幹道路ネットワークの整備は中止または大幅遅延になります。(参考:福井県ホームページ、道路特定財源関係諸税の暫定税率等廃止による影響について 〜福井県の場合〜 【New】 )
福井市でいえば36億1千万円が泡となくなります。
昨年9月および12月の定例議会において、共産党を除く賛成多数で暫定税率維持のための市会案の意見書を採択しました。いずれも建設常任委員長の立場から、私が5会派の代表で賛成討論を行ったものです。