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福井市 西本恵一
nishimotokei@ybb.ne.jp
バックナンバー 2007年 12月 30日

 新平家物語には、戦禍を被っている民衆の生活がよく描かれています。
 藤原氏を中心とする朝廷が、武家である平氏や源氏に権力が移行していく政治の流れの中で、民衆はどう暮しているのか。
 民衆は、度重なる戦争の陰でも雑草のようにたくましく生きています。一方で、絶えずその為政者たちの権力の影響に、水に浮かぶ浮草のように、風が吹けば漂うしかない非力な姿も見えてきます。武者に蹂躙され、名もない民衆の命や生活が軽んじられています。

 その中で、もうひとつの権力の象徴ともいえる宗教界の存在があり、比叡山をはじめとする仏教界が屈強な僧兵を擁しながら政治権力に対抗しています。
 何のための政治か、何のための宗教か。それは、民衆が様々に悩み苦しんでいる生活にたいして、強く生きるための手を差し伸べることにあるのだと思います。
 今回は1回目に読んでいた時とは違った視点で読み進みました。360度に目を配りながら描写している吉川栄治。くどいほどの表現力を使い、巧みに人の生きざまを描いています。
 歴史は結局、自分のために生きるのか、それとも人のためにと生きるのか。その羅針盤を教え諭してい
ます。「驕れるもの久しからず」です。
 2008年は、さらに人間革命に挑戦しながら、人のために尽くせるような自分を創ってまいります。