新平家物語には、戦禍を被っている民衆の生活がよく描かれています。
藤原氏を中心とする朝廷が、武家である平氏や源氏に権力が移行していく政治の流れの中で、民衆はどう暮しているのか。
民衆は、度重なる戦争の陰でも雑草のようにたくましく生きています。一方で、絶えずその為政者たちの権力の影響に、水に浮かぶ浮草のように、風が吹けば漂うしかない非力な姿も見えてきます。武者に蹂躙され、名もない民衆の命や生活が軽んじられています。
その中で、もうひとつの権力の象徴ともいえる宗教界の存在があり、比叡山をはじめとする仏教界が屈強な僧兵を擁しながら政治権力に対抗しています。
何のための政治か、何のための宗教か。それは、民衆が様々に悩み苦しんでいる生活にたいして、強く生きるための手を差し伸べることにあるのだと思います。
今回は1回目に読んでいた時とは違った視点で読み進みました。360度に目を配りながら描写している吉川栄治。くどいほどの表現力を使い、巧みに人の生きざまを描いています。
歴史は結局、自分のために生きるのか、それとも人のためにと生きるのか。その羅針盤を教え諭しています。「驕れるもの久しからず」です。
2008年は、さらに人間革命に挑戦しながら、人のために尽くせるような自分を創ってまいります。
先日東村市長に要望した原油高騰対策について昨日連絡会議が開かれ、低所得者に灯油費を補助するなどの方針が決定されました。
以下に、本日付の福井新聞記事を掲載します。
『原油高騰対策原油価格の高騰を受け福井市は28日、一定所得以下の世帯に灯油購入費の一部を補助することを決めた。年明けにも具体的な支援策を発表する。中小企業や農業・漁業者に対しては、既存の貸し付け制度の要件緩和などの支援を進める。
部長級職員による原油高騰対策連絡会議で決定。東村新一市長は「国や県の支援策を見極め、市としての対策を市民に早急に公表し安心してもらう必要がある」と話した。
市福祉保健部は「年明けにも、補助金額や対象世帯の要件など支援策の具体的な内容を提示し、1月中に支給を始めたい」とし、市民税非課税世帯から対象世帯を絞ることにしている。また中小企業や農業・漁業者向けの支援について市商工労働部は「国や県の支援策のすき間を埋めるような方法を考えたい」と話している。 』
吉川英治の小説新平家物語16巻を読み切りました。これで2回目になります。10月は視察が多かったため移動する電車の中で読み始めたのですが、その後は寝る前に読み進み2か月かけて読了しました。
プロフィールでも紹介していますが、私は歴史小説が大好きです。私本太平記、太平洋戦争、明治維新の竜馬や晋作、徳川家康(これは26巻)、三国志、織田信長などなど吉川英治や山岡宗八、司馬遼太郎が織りなす文字上のドラマに引き込まれていきます。
特に、平家物語は随一であり、ここからは吉川英治という卓越した筆者のフィルターを通して権力や名誉、物欲を目的とする生き方への虚しさを教えられます。また、平清盛、木曾義仲、源義経、源頼朝、後白河法皇などの主人公とともに、麻鳥と蓬(よもぎ)というどこにでもいる夫婦が、長い時の流れの中で一貫して登場してきますが、この夫婦の描写を通じて本来の幸福とは何かを訴えかけてきます。
法華経には、何のために生きるのかの答えを「衆生所遊楽」と極めています。つまり、この世に生まれてきたのは楽しむために生まれてきたのだと。
しかし、これは刹那的な安楽をさしているのではありません。人間が生きる上では、様々な悩みや障壁は絶えなく現れるものであり、その悩みや障壁を乗り越えながら、つまりは大波をサーフィンで乗りこなすように楽しむことだととらえています。しかし、サーフィンにおいても大波であれ小波であれ乗りこなすには鍛練が必要です。だからこそ、へこたれない自分を創るしかないのです。したがって、自分を常に成長させていく努力の中にしか幸福も、満足のいく人生もないものだと思うのです。
しかしながら、水の流れは低いほうに向かうのが物理の法則、同様に人間も楽な生き方を求めてしまいます。惰性の生き方を排して、弱き自分と格闘するしかありません。平家物語のテーマでもありますが、利己的な生き方のもろさとつまらなさに早く気がついて、少しでも人の役に立ち人の幸せを心から願える自分を構築していくことこそ真の目的なのだろうと思うのです。
そう思いつつも自身を顧みると、残念ながらまだまだ未熟で、情けない、反省しなければならない自分を見つけてしまいます。アメリカの思想家エマソンいわく「さあ、これからだ」、そう自分を励まして、これからもがんばってまいります。
今日は、公明党福井県本部の議員総会を昼から行いました。
議員としての使命を確認した後、種々の課題について質疑応答がありました。
「庶民の生活を守るためにどうすればよいのか。」
「自民党、民主党の陰に隠れてしまい、本当は公明党が主導して様々な法案を通しているにも関わらず、なかなかマスコミに取り上げられない公明党の真の活動をどうアピールしていくのか。」
「私たち議員の活動をどのように皆さんに知っていただくか。」
「地方議員の声をもっと国会議員は細やかに聞いていくことが必要なのではないか」
など、多彩な意見が出されました。何でも言い合えることが重要です。
広報という観点で、私達も国会議員も限られた物理的な時間をどう有効に使い、よりよい効果を上げていくか。そのために知恵を絞り、何をすべきかを再度整理していくことの必要性を感じました。