森田実 世界研究室通信 119」 《総選挙 4》
総選挙の主題は安倍政権への国民の審判であると同時に、
国民が今後の政治を安倍政権に委ねるか否かを決定するものです。
「人間は名誉を得る前に試練を受けなければならない」(ソロモン)
10月22日の総選挙は安倍総理のみならず安倍政権与党にとって大きな試練です。安倍総理と安倍政権の与党の自民党と公明党にとっても大きな試練です。この試練を乗り越えてのみ、次の時代を担う栄誉を得ることができるのです。
マスコミは、対抗勢力になるべき民進党の体たらく状況から安倍政権の大勝、楽勝を予想していますが、この見方は皮相的です。マスコミの見方は「木を見て森を見ず」の典型です。私は、安倍政権がおかれている状況は、容易ならざるものだと思っています。
いま国民の政治意識に大きな変化が起きています。「安倍総理に日本の政治のすべてを任せて大丈夫なのか」「トランプ米大統領と一体化して北朝鮮と戦争をするのではないか」「安倍ワンマン体制は日本の将来を危うくするのではないか」「安倍首相個人は信用できるのか?」「安倍首相は政治を私物化しているのではないか」等々の声が耳に入ります。
安倍総理は、去る7月2日の東京都議選において都議会自民党が大敗北を喫し、安倍内閣の支持率が急落した時、国民に対し、自らの行動について反省し謝罪しました。「むきになったことを反省します。これからは丁寧な説明につとめます」と述べ、低姿勢に転じました。この安倍総理の謙虚な態度により安倍内閣支持率は下げ止まり、上昇に転じました。
ところが、9月中旬以後、突然、衆院解散風が吹き荒れるとともに、国民の安倍首相に対する見方に変化が生じています。「安倍総理の反省は、その場限りのものだったのではないか」と感じているのです。
安倍政権の支持率上昇の最大の原因は外的要因(北朝鮮の度重なる核ミサイル実験)にあることは明らかです。安倍総理の北朝鮮への強い対決姿勢が支持されているのです。
しかし、総選挙情勢は単純なものではありません。安倍総理の態度を頼もしく感ずる国民がいると同時に、安倍総理の強硬すぎる政治姿勢に不安を持つ国民もいるのです。そして「不安」が徐々に増えてきているのです。
「反安倍票への受け皿がない」という見方がありますが、すべての小選挙区と比例区のすべてに野党側は候補者を立てます。民進党、共産党、いわゆる小池新党、自由党、社民党、無所属の候補は立つのです。野党側の候補者調整ができなければ共倒れになる確率は高いのですが、一本化すれば反安倍票の受け皿になり得ます。
昨日、一冊の週刊誌が送られてきました。『週刊現代』2017年10月7日号です。このなかに「全289選挙区当落完全予想」があります。この予測によると、自民党222(−64)、公明党31(−4)、民進党121(+29)、共産党23(+2)、いわゆる小池新党41(+32)—です。この通りだとすると、自民党大敗北ということになります。安倍内閣総辞職という事態が起こるかもしれません。私は、この予想は極端すぎると思いますが、しかし政府自民党が国民を甘くみたら起こり得ることです。
今回の総選挙の間、私は医師から療養を命じられ、選挙応援はできません。親しい友人の候補者のところへ、飛んで行きたいとは思っても、何もできません。残念であり、申し訳ないと思います。ただ、友人の勝利を祈るのみです。
選挙はやってみなければ、どうなるかはわかりません。今回の総選挙は、安倍総理にとって大きな試練です。与党の自民党と公明党にとっても大試練です。この試練を乗り越えるのは容易なことではありません。謙虚に誠心誠意努力してのみ試練を乗り越えることができるのです。野党を軽く見るようでは、試練を乗り越えることはできないと思います。
北朝鮮が狂暴化してきている情勢下で、日本の政治混乱は避けなければなりません。公明党のパーフェクト勝利によって政治を安定させる必要があると思います。