公明党の「待機児童対策推進プロジェクトチーム」は先週25日、自民党の特命チームとともに、安倍晋三首相に対し、待機児童の解消を求める緊急提言を行った。これを受けて、政府は28日、緊急施策の実施を発表した。
施策の柱は、
①認可外保育施設への支援を強化して「認可」へ移行しやすくすること
②保育士の短時間勤務や育児休業取得を促し、未就学児の優先入園を進めるなどして人材を確保すること
③施設整備費や改修費を支援し、空き家・空き教室なども活用して受け皿を確保すること
④利用者と保育サービスを結びつける専門相談員「保育コンシェルジュ」の設置を促進すること
⑤企業主導の保育事業を積極展開することなどである。
与党は、他の職種より低い保育士の人件費アップなども提案しており、今年度補正予算措置の上乗せを今後検討することになる。
忘れもしないが、私が参院選に初出馬した15年前、支援者に「孫が保育園落ちた。娘が仕事に出られない。何とかしてくれ」と厳しく迫られた。当事者には、オール・オア・ナッシングの切実な課題であり、決して疎かにしてはならない。
例えば、横浜市は2004年に待機児童が1190人で、全国ワーストワンとなった。保育所を整備して定員を増やすなどして減少させたが、再び増加に転じ、10年にはまたワーストワンに返り咲き、1552人を記録した。そこで、横浜市は地域のニーズと保育資源の情報を把握する区を中心に推進体制をつくり、きめ細かに実情に応じた保育所や独自の「横浜保育室」を整備した。市有地活用に加え、民有地と保育事業者の公募と仲介なども行って、サービスを確保した。
さらに、11年には、利用者の仕事やライフスタイルなど、個別のニーズと地域の多様な保育資源を結びつける専門相談員を全18区に配置した。ホテルのコンシェルジュになぞらえ「保育コンシェルジュ」と称してマッチングに当たらせ、13年にはゼロになった。その後も低水準だ。このマッチングは、公明党の市議会議員が日常の相談で自分が行っていたものだが、「もっと、専門的・公的制度にすべき」と市長に質問するなどして、実現したものだ。
近年、待機児童は、大都市部の育児休業を終える1、2歳児に集中する傾向だ。横浜市をはじめ先進事例をモデルにした国と市区町村の連携を推進したい。
民主党と維新の党が27日、「民進党」を結党した。健全な野党は議会制民主主義にとって大事だ。今後は、党運営や政策、国会対応がどうなるか見守るとともに、政権担当の教訓を生かした建設的な競争を期待したい。共産党との〝共闘〟も注視しなければならない。(公明党代表)
■2016年3月30日(29日発行)付 夕刊フジ掲載
公明党の予定候補者5氏は、現職の西田まこと参院幹事長(埼玉)と、いずれも新人の三浦のぶひろ青年局次長(神奈川)、里見りゅうじ労働局次長(愛知)、伊藤たかえ(兵庫)、高瀬ひろみ(福岡)の両女性局次長。
安倍首相は各予定候補者に「頑張ってください」と激励した。自民党は24日に、公明5氏への推薦を決めていた。
連日のように保育所待機児童対策について報道されています。待機児童の解消は待ったなしの状況です。その数は2015年4月1日現在で2万3167人。5年ぶりに増加に転じました。
公明党は、連立政権の待機児童解消策をけん引してきました。政府が策定した13年度から5年間の「待機児童解消加速化プラン」では、最初の2年間で目標を上回る約21.9万人分の受け皿を確保。5年間の合計目標は40万人分から50万人分に拡大されたのです。
ところが、保育ニーズの掘り起こしや女性の就業者の増加などを背景に、15年度は例年の約2.5倍という申込者が殺到しました。さらなる取り組みが必要なのは言うまでもありません。
そこでこの問題を私なりに整理すると
①自治体よって待機者数がまちまちであり、人口の多い都市を中心とした問題であること。
②待機者児童の大半が0-2歳であること。
③保育所という枠の問題と共に保育士不足を解消しなければならないこと。
④目立たないが病児・病後児保育についても支援が必要であること。
公明党の待機児童対策推進PTは25日、安倍晋三首相に地方議員などと連携して取りまとめた緊急提言を手渡しました。
提言では、家庭的保育や小規模保育など多様な保育サービスの拡充を訴えたのに加え、原則2歳児までの小規模保育の対象を3歳児まで引き上げ、定員上限19人を弾力的に増やすよう求めています。さらに利用者支援として、保育相談員「コンシェルジュ」の機能を強化し、申請前段階からの相談支援や夜間・休日の時間外相談の実施を掲げました。このほか、他職種に比べて低い保育士の賃金水準を、まずは約4%アップ(15年度補正予算分含む)することなどを要望しています。
埼玉県内の平成27年4月1日現在の保育所等待機児童数は1,097人であり、前年905人から192人増加しました。川口市、草加市で50人以上待機児童が増えるなど、20市町で計372人の待機児童が増加しています。
県では来年度保育所の待機児童を解消するため、保育所整備や幼保連携の促進、認定子ども園の整備、企業内保育の整備など6500人分の受け入れ枠の拡充を図ります。また新たに保育士の人材確保対策として修学資金貸付等事業、保育士・保育所のマッチング事業を行います。
この問題は、国と地方自治体とで立ち位置が違います。だからこそ国が地方自治体と連携し、総力を挙げて現場に光が当たるきめ細かい支援をしていく事が大切です。
“戦争法”と反対を叫ぶ人たちはさぞ慌てたことだろう。マスコミの世論調査で、平和安全法制への「賛成」が「反対」を相次いで上回ったからだ。
「世論の逆転」を印象付けた世論調査はまず共同通信(2月20~21日実施)。平和安全法制関連法を「廃止するべきでない」との回答が47.0%に上り、「廃止するべきだ」は38.1%にとどまった。昨年9月の同法成立時の調査では賛成34.1%、反対53.0%だったから、潮目は変わりつつある。
もう一つは産経新聞とFNNの合同世論調査(3月19~20日実施)。関連法は必要が57.4%と半数を超え、必要ではないの35.1%を20ポイント以上引き離した。
評価が高まった理由は幾つもあろう。異様な熱狂が冷めた。北朝鮮の“挑発”など安保環境の厳しさを踏まえた冷静な理解が進んだ。自公政権が中韓との関係改善など平和外交の成果を上げてきた――などだ。
国外に目を向けても、同法制を支持する国はすでに60カ国近いとされる。日本が整備した新法制を、国際社会の平和と安全に資するものと主要国が歓迎していることは間違いない。
29日に関連法が施行される。運用を厳しくチェックしながら国民理解を深め、平和外交をさらに進めていく必要がある。このことが、法制廃止を軸に進む野党共闘の愚を明らかにすることにつながる
本日午前中、県議会は本会議で各委員長報告が行われました。明日は最終日。討論、採決の予定です。話は変わりますが一昨日、ベルギーでテロが発生しました。誠に残念でなりません。心から亡くなられた方へのご冥福をお祈りいたします。私は断じて暴力を否定します。以下本日付けの公明新聞「主張」から転載します。
「欧州の心臓が攻撃された日」―。ベルギーの首都ブリュッセルの国際空港と地下鉄で22日に起きた同時テロを、英フィナンシャル・タイムズ紙はこう伝えた。このテロで30人以上の尊い命が奪われ、負傷者は、日本人男性2人を含む約230人に上る。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。
欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の本部が置かれているブリュッセルは“欧州の首都”とも呼ばれ、欧州の政治・経済の中心地である。そこを狙われた衝撃は、あまりにも大きい。
実際、ブリュッセルには各国の企業が数多く進出している。日本から進出した企業は約230社。トヨタ自動車が欧州本部を置いているほか、複数の大手邦銀も拠点を構えている。今回のテロは、欧州のみならず、世界全体の安全を脅かす暴挙であり、断じて許されない。
ベルギーには約5400人の日本人が在留している。また、観光庁によると、日本から同国を訪れる人は、年間約11万人に上るという。政府は、在外邦人の安全確保に全力を挙げてもらいたい。
今回のテロは、昨年11月のパリ同時多発テロを受け、厳戒態勢が敷かれていたはずの空港やEU本部に近い地下鉄の駅で発生した。テロの実行犯、武器の調達役、資金提供者などが世界各地に散らばって活動しているため、一国だけでテロを防ぐことは難しい。各国の捜査機関の連携や情報共有のあり方などを早急に見直し、テロ防止に向けた国際的な協力体制を一層強化していくことが重要である。
日本では、4月に広島市で先進7カ国(G7)外相会合が、5月に三重県で主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開かれる。これらの会合は、テロの標的になりかねない。
サミットで多くの首脳が利用することになる愛知県の中部国際空港をはじめ、国内の国際空港では既に警戒レベルが上がっているが、今回テロが発生した空港では、制限区域となっていない出発ロビーが標的となった。政府は、あらゆる危険性を想定し、公共交通機関に加え、大規模集客施設などの「ソフトターゲット」も含めたテロ対策を早急に進める必要がある。
本日の産経新聞から転載します。
政府は22日の閣議で、共産党について「現在においても破壊活動防止法(破防法)に基づく調査対象団体である」との答弁書を決定した。破防法は、暴力主義的破壊活動をした団体の活動制限などを定めているが、政府が調査対象の団体を明示するのは異例。答弁書では、共産党が「暴力革命の方針」を継続しているとの認識も示した。
鈴木貴子衆院議員(無所属)の質問主意書に答えた。答弁書によると、警察庁の認識として、共産党は「『いわゆる敵の出方論』に立った『暴力革命の方針』に変更はない」と明記。「敵の出方論」とは、共産党が唱えているとされる「権力側の出方によっては非平和的手段に訴える」との理念を指す。
さらに答弁書は、平成元年2月18日の衆院予算委員会で破防法の不当さを訴えた共産党の不破哲三中央委員会副議長(当時)の質問に対し、「敵の出方論があり得る」と述べた石山陽公安調査庁長官(同)の答弁を引用。「(石山氏が)答弁しているとおり」とし、現在も共産党が「暴力革命」を捨ててないとの認識を明らかにした。
政府は昭和57年と平成11年の参院法務委員会で、当時の公安調査庁長官が共産党を破防法の調査対象団体と明言したことがある。同党の山下芳生書記局長は22日の記者会見で「憲法違反の破防法の対象になるようなことは過去も現在も将来も一切ない。極めて厳重な抗議と答弁書の撤回を求める」と反論した。
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本日の公明新聞から転載します。
日本共産党は「憲法を守れ」と叫ぶなど、あたかも“護憲”政党のフリをしていますが、それは当面のポーズに過ぎません。将来は社会主義憲法の制定をめざす“改憲”政党です。
なぜなら、共産党は現行憲法をつくりかえなければ実現できない「社会主義・共産主義の社会」をめざす政党だからです。同党の綱領には「資本主義を乗り越え、社会主義・共産主義の社会への前進をはかる」方針が明記されています。
また、共産党が現行憲法の制定時に、対案として「日本人民共和国憲法」を発表するとともに、憲法9条を名指しで批判し、党を挙げて反対したのは歴史的事実です。今さら何を言い繕っても、こうした事実を変えることはできません。
共産党は、自らを“護憲”政党と言い張る理由として「現綱領では『象徴天皇制を含む憲法の全条項を守ること』を明記している」(3月4日付「赤旗」)と言いますが、こんなまやかしにだまされてはいけません。共産党は「社会主義・共産主義の社会」をめざすことは変えておらず、“護憲”といっても、あくまで当面の話に限った条件付きの“護憲”なのです。
共産党が描く「社会主義・共産主義の社会」への道筋は、「資本主義の枠内で可能な民主的改革」と「社会主義・共産主義の社会への前進をはかる社会主義的変革」の2段階があります。つまり「憲法の全条項を守る」のは、第1段階の「民主的改革」までであって、その先の「社会主義的変革」では「憲法を守る」とは一言も言っていません。
というより、「社会主義的変革」の段階では、現行憲法を廃棄し、新しい社会主義憲法を制定して、わが国を「人民共和国」につくりかえようとしているのです。共産党が“護憲”を語るのは、自らの革命戦略を一歩でも進めるための口実に過ぎないのです。
個人情報を含んだインターネット上の通信記録や企業の顧客情報など、ビッグデータと呼ばれる膨大な電子データを解析すると、通常では見えない社会の動きが浮き彫りにされる。企業にとっては収益向上のヒントになる一方、公共目的としては感染症拡大の予測研究や、大災害時の避難にも役立てることができる。
政府は今国会で、国の行政機関が保有する個人情報をビッグデータとして活用するため、行政機関個人情報保護法の改正をめざす。
民間が保有する個人情報は、昨年成立した改正個人情報保護法(未施行)により、個人が特定できないように情報を加工(匿名加工)した上で活用する道が開けた。
一方、行政機関が保有する個人情報は公共目的で集められている。公明党は、例え匿名加工を施したとしても、国民が納得できる目的で活用され、また、プライバシー保護も確実にされるよう主張。法案では民間と同様の厳格な監視体制が盛り込まれた。匿名加工や使用目的が適正かどうかは個人情報保護委員会が監視する。民間に対しては報告・資料要求、立ち入り検査、指導助言、勧告・命令をすることができる。
しかし、行政機関に対しては、行政機関である個人情報保護委員会が他の行政機関に立ち入り検査や命令をするという法制度はないとの理由で、報告・資料・説明要求、指導助言となっていた。
これに対し、公明党が行政機関にも民間と同様の関与を求めた結果、立ち入り検査と同等の実地調査、また勧告が追加された。行政機関が行政機関に法的な勧告をすることは強力な措置である。
2014年版「情報通信白書」は、個人情報の利用目的について、事業目的よりも公共目的の方が許容度が高いとのアンケート結果を紹介。特に、大規模災害、防災、健康福祉に関する場合には、「提供してもよい」「条件によっては提供してもよい」を合わせると約90%に上った。
ビッグデータの活用は多くの国民が望んでいる。しかし、プライバシー保護の体制が構築され、官民共に適切な運用を進めることが条件であることを銘記したい。