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川口市 萩原一寿
dtmp-a0509ka@diamond.broba.cc

d_077901376日付の公明新聞に安全法制の理解のためと題しての記事が掲載されましたので、転載します。

「平和安全法制」の関連法案が衆院の平和安全法制特別委員会で審議されています。法案の全体像を示し、国会論戦のポイントを紹介します。

なぜ今、法制整備が必要か

隙間のない日本の防衛と国際貢献のため

核兵器や弾道ミサイルなど大量破壊兵器の脅威があり、しかもそれが各地に拡散しています。また、軍事技術も著しく高度化しています。日本の近隣においても、北朝鮮が日本の大半を射程に入れる弾道ミサイルを配備し、核兵器も開発しています。日本人も犠牲となっている国際テロ、そしてサイバーテロの脅威も深刻です。

いまや脅威は容易に国境を越えてやってきます。こうした中で、国と国民を守ることは政治の最も大事な仕事であり、どのような状況であっても対応できる隙間のない安全保障体制を構築する必要があります。

今回の法整備の大きな目的の一つは、日本防衛のための日米防衛協力体制の信頼性、実効性を高め強化することにあります。平時から有事に至るまで隙間のない法制を整備することによって、日頃から日米間の連携や協力が、緊密にできるようになります。また、さまざまな想定のもとで共同訓練も可能になります。こうした日頃からの十分な備えが、結果として「抑止力」を高め紛争を未然に防ぐことができます。

一方で、国際社会の平和と安全に対する貢献も重要です。なぜなら国際社会の平和と安全があってこそ、日本の平和と繁栄を維持できるからです。これまで、日本は国際平和協力の場面では20年あまりにわたって自衛隊がその役割を担ってきました。その経験と実績を踏まえ、国際協力のための法制をあらためて整備する狙いがあります。

ただ、日本の平和と安全を守るといっても、大切なのは紛争を未然に防ぐための平和外交努力です。この努力を尽くす中で、安保法制整備による「抑止力」の強化も、紛争の未然防止につながります

平和安全法制のポイント平和安全法制の全体像

自衛の措置

他国防衛のための集団的自衛権は認めず

「平和安全法制」の関連法案は、新法の国際平和支援法案と、自衛隊法改正案など10本の改正法案を一つにまとめた平和安全法制整備法案の2法案です。内容別に整理すると【右表参照】、日本の安全に関する法案と、国際社会の安全に関する法案の2分野になります。

日本の安全の分野では、深刻度の低い事態から、日本に対する武力攻撃が発生した武力攻撃事態まで、隙間のない法制を整備しました。

新3要件このうち自衛隊の武力行使については、自国防衛の「自衛の措置」に限って許され、もっぱら他国防衛を目的とした集団的自衛権の行使はできないとする政府の憲法9条解釈の根幹は維持しました。その上で、武力攻撃事態に加え、存立危機事態でも「自衛の措置」の発動を認めました。

存立危機事態とは、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合であり、国民に、わが国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況をいいます。自国防衛の範囲内であり、昨年7月の閣議決定で「自衛の措置」の新3要件【左表参照】としてまとめられ、法案にも全て明記されています。

後方支援

外国軍隊の「武力行使との一体化」は禁止

後方支援は、外国軍隊に対し輸送や補給などで協力することであり、武力行使ではありません。

重要影響事態法案と国際平和支援法案が後方支援を定めていますが、前者は日本の安全、後者は国際社会の安全のためであり、目的が違うことから公明党の主張で別々の法律になりました【右表参照】。

自衛隊の後方支援が外国軍隊の武力行使と一体化しないように両法案とも厳格な歯止めを定めました。「現に戦闘行為が行われている現場」では実施せず、近くで戦闘行為が行われると予測される場合などには部隊長が活動を一時休止します。また、実施区域で後方支援をすることが困難になれば、防衛相が活動の中断を命令します。

そのまま放置すれば日本に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態など、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態(重要影響事態)は、武力行使が許される存立危機事態や武力攻撃事態とは違います。自衛隊ができるのは、日米安保条約の目的達成に寄与する活動を行っている米軍等の部隊に対し後方支援をするだけです。

一方、国際平和支援法案は、(1)国際平和を脅かす事態が発生し(2)国連憲章の目的に従って国際社会が共同で対処しており(3)日本が主体的・積極的に寄与する必要がある―場合に限って自衛隊の後方支援を認めました。

国連決議のあることが大前提であり、自衛隊派遣の国会承認は例外なく事前承認となっています。

これまでの特別措置法による実施から、一般法(恒久法)の国際平和支援法案による実施方法に変わるため、こうした厳格なルールを定めました。

国会論戦のポイント

自衛の措置の新3要件

「新3要件に該当した場合に可能となる武力の行使は、他国防衛そのものを目的とする全面的な集団的自衛権の行使が含まれるのか」―。衆院本会議での佐藤茂樹氏の問いに対し安倍晋三首相は、「国連憲章51条で認められている集団的自衛権の行使一般を認めるものではなく、他国の防衛それ自体を目的とする集団的自衛権の行使を認めるものでもない」と言明しました。

一方、北側一雄副代表は特別委員会の中で、第3要件の「必要最小限度の実力を行使」が、第1、第2要件を受けた「必要最小限度」であると指摘。横畠裕介内閣法制局長官は「わが国を防衛するための必要最小限度と理解される」と答え、自国防衛のための「必要最小限度」であることが明確になりました。

北側副代表は専守防衛の理念の堅持についても確認しました。安倍首相は、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略である専守防衛について、わが国防衛の基本方針であることに「いささかの変更もない」と断言しています。

自衛隊海外派遣の3原則

実力組織の自衛隊を海外に派遣する以上、法律上の明確な根拠が必要です。公明党は、(1)国際法上の正当性の確保(2)国民の理解と国会の関与など民主的統制(3)自衛隊員の安全確保―との「海外派遣の3原則」を掲げ、法案に盛り込みました。

北側副代表は質疑の中で3原則に触れ、「個々の法制の中でそれぞれについて具体的に法制化をしようと提案した」と公明党の取り組みを強調しました。

安倍首相は、平和安全法制に、この海外派遣の3原則を「法律上の要件として明確に定めている」と答弁。中でも新法の国際平和支援法案に基づく他国軍隊の後方支援ついて、「国連決議がある場合のみ」で「例外なく国会の事前承認を必要としている」と述べました。

さらに、海外での後方支援の活動範囲については、「今現在、戦闘行為が行われていないというだけでなく、活動を行う期間について戦闘行為がないと見込まれる場所を実施区域に指定する」とし、安全に最大限配慮する考えを明らかにしています。

政策判断の3指針

憲法に適合し、法律上の要件を満たせば、自衛隊が必ず海外派遣されるわけではありません。北側副代表は、時の内閣や国会による「政策判断にも一定の視点がある」と、審議の中で三つの要素を示しました。

第1が「わが国の主体的判断」。国益を踏まえ、果たすべき役割を決定します。当然、国民の支持が求められます。

第2に、「自衛隊にふさわしい役割」です。自衛隊の能力・人員・装備や、過去の経験・実績を踏まえ検討します。予算面の制約もあります。

第3が「平和外交努力」。紛争を未然に防止する外交努力で、平和を保つのが大前提です。非軍事分野での貢献も考慮した上で政策判断します。

安倍首相は指摘に対し、「わが国の主体的判断の下、自衛隊の能力、装備、経験に根差した自衛隊にふさわしい役割を果たすが、その前提として外交努力を尽くすことを重要な視点として政策判断する」と語り、「3点を基本的な判断基準としたい」と明言しました。

<Q&A>

問い 海外で戦争をする国になるのか?

答え 専守防衛は堅持、他国防衛は許さず

昨年7月の閣議決定では、海外での武力の行使を禁じた憲法9条の解釈は変えていませんし、専守防衛の理念も堅持しています。このため、自衛隊が海外で外国の戦争に参加することはあり得ません。

閣議決定は、憲法上の明確な歯止めとして新3要件を定めました。自衛隊が武力行使を許されるのは、国民に、わが国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな場合に限られます。他国を守ることそれ自体を目的とした、いわゆる集団的自衛権の行使は今後も認められません。

また、新3要件に該当するか否かは、客観的、合理的に判断されるものであり、恣意的な判断はできません。

問い 自衛隊員のリスクは高まるのか?

答え 活動区域は安全な地域を指定

今回の法整備は(1)重要影響事態法案と国際平和支援法案による後方支援業務の拡大(2)PKO協力法改正案による安全確保業務の追加―など自衛隊の業務を拡大しています。

「自衛隊員のリスクが高まる」との批判がありますが、それぞれの法案で安全確保のための仕組みが盛り込まれています。

例えば、(1)で実施する後方支援は「現に戦闘行為が行われている現場」では実施しないのはもちろんのこと、現実に活動を行う期間について戦闘行為がないと見込まれる安全な地域を「実施区域」に指定します。万一、近くで戦闘行為が行われるようになった場合は、活動の一時休止、中断をします。

(2)は、そもそもPKO参加5原則があるため、停戦合意の下での活動であり、その条件が崩れると撤退します。

安倍首相は、こうした法制面と、情報収集や訓練などの運用面を「車の両輪として安全確保を図る」と述べています。

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