春日井市議会議員  いしとび厚治 

議会報告(一般質問)

平成28年03月 議会

2016(H28)-03-08 一般質問全文

 「地域包括ケアの推進」・・・回答は追って掲載いたします。

(1)活動寿命延伸への取り組み

(2)ICTを通じた生きがい意識の向上

 

議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、地域包括ケアの推進について質問させていただきます。

 

地域包括ケアシステムとは、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるとあります。高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで「自助・互助・共助・公助」の果たす役割を、意識した取り組みが必要になってきます。

世界有数の長寿国となったわが国がめざすべき方向は、単に寿命を延ばすことではありません。健康面の支障がなく日常生活を送れる期間である「健康寿命」を延ばすことであり、高齢者の「生活の質」を高めなければなりません。前回の一般質問にて健診に関しての観点から質問させていただきましたが、今回は体を動かすことや、ICTを通じた生きがいに関して伺います。

 

初めに、活動寿命延伸への取組みについてお伺いいたします。

わが公明党は、50年ビジョン福祉社会論の中で、生涯現役社会、元気に働き、地域への貢献で「活動寿命」を延ばすと題し提案しています。

その内容は、地域包括ケアシステムを軸に、それぞれの地域で医療・介護の関係機関の連携強化をはじめ、疾病の予防や早期発見・早期治療、健康増進など、地域の特性に合った医療・介護基盤づくりに全力を挙げなければなりません。市民の「健康度」を高めることで、「不健康な期間」である平均寿命と健康寿命との差(男性9.02年、女性12.40年=2013年時点)の短縮につながるからです。この「健康格差の縮小」に加え、「活動寿命」という概念を新たに提起し、その延伸に取り組まなければならないということです。

活動寿命とは、賃金を得るための労働に限らず、ボランティアや地域活動などを通して社会と関わり、支え合いの社会づくりに貢献できる期間を指します。健康であることに加え、幾つになっても安心して働き続けられる社会を築くことはもちろん、誰もが生涯現役として生きがいにあふれた生活を営むことです。

 

介護予防に関しても同じことだと思います。単に運動機能などの改善だけをめざすものであってはならないと考えます。むしろ、心身機能の改善を通して、生活機能や社会参加への意欲向上を図り、個人の夢や目標の実現を応援するための介護予防運動の展開でなければならないと考えます。社会の高齢化によって、高齢者夫婦のみ世帯や単身世帯の増加など、軽度の生活支援を必要とする高齢者世帯が増えています。言うまでもなく、元気な高齢者を増やし、家族の介護負担も減らす介護予防の普及は喫緊の課題です。地域の実情に合った日常生活支援総合事業を整備し、多様な医療・介護、生活支援サービスなどを適切に組み合わせる仕組みの構築に努めなければならないとも考えます。食生活の改善やウオーキングなど高齢者自身が健康づくりに励み、生活習慣病の予防を心掛けることで市民の活動寿命を延ばすことができると考えます。こうした取り組みを地域で普及させることで、医療・介護費を抑えることにもつながると考えます。

 

そこでお伺いいたします。本市におかれましても、活動寿命延伸につながる、健康づくりのための、「かすがい健康マイレージ」を昨年6月から実施されていますが、開始からこれまでの周知の方法と取り組みの現状についてお聞かせください。

 

続きまして、ICTを通じた生きがい意識の向上についてお伺いいたします。

団塊の世代のリタイアが加速するにつれ、定年後の高齢期に生きがいを持って過ごすことが人生の重要なテーマとなってきていると思います。長寿化が進み、高齢社会の到来とともに、高齢者が地域や社会を支える「担い手」として地域活動に参画していくことは高齢者自身の生きがい創出や地域の活力増進にとって必要です。地域の特性に合った魅力的な高齢者就業や社会参画の視点から、各自治体が具体的な取り組みを後押しする必要があると考えます。

先日、このような記事を見かけました。御存じの方もお見えになるかと思いますが、昨年5月1日付の発表で、iPad(アイパッド)500万台を日本の高齢者に配布をして行きますとありました。アップルとIBMが日本郵政の実証実験に参加したという記事であります。アップル及びIBMは、日本郵政と提携をして、高齢者専用にカスタマイズされたアプリを内蔵したiPadを日本の高齢者に無償で提供すると報告をし、昨年の10月より国内で実証実験が開始をされております。日本郵政の強みである地域に密着したきめ細かなマンパワーによって形成されている、ネットワークを活用できるというものであります。先進のICTを活用した新しい高齢者向け生活サポートを検討しているとも述べており、今回の業務提携もそのサービスの一環として行われています。2020年までに日本の高齢者人口の15%に当たる500万人の方にiPadを無償で配布していく予定であり、今回配布されるiPadには、実証実験用として、(1)みまもられているという「安心」、(2)生活をサポートしてもらえるという「便利」(3)地域・社会との「つながり」という3つ観点から、①孤独を防ぐための、ICTの利活用を併用した「みまもりサービス」②人とのつながりを作る、親世代向け・子世代向けの「コミュニケーションサービス」③買い物難民への対策として、イオングループなどとの協力による自宅で申込む「買い物支援サービス」④自治体と連携した「地域情報サービス」⑤警備会社との協力による「駆けつけサービス」、そして、各種相談サービス。と、地域特性に応じて順次提供していかれる予定です。FaceTimeやiMessageなど、基本的なコミュニケーション用アプリが搭載されています。また、薬の服用管理、自治体や郵便局などの高齢者向けサービスに簡単にアクセスできるようなアプリを搭載、そういうシステムになります。

また、認知症の予防の脳トレ教室を開催している施設もあります。「みつおか式脳若トレーニング」は、iPadを使った認知機能向上講座で、コミュニケータと呼ばれる講師が、iPad内のアプリを利用して、体系化された教材を活用しながら進行。笑いの絶えない参加者同士のコミュニケーションと、視覚・聴覚及び指先からの刺激により、脳の活性化を目指します。2010年のスタート以来、自治体の介護予防教室や地域のコミュニティスペースでのべ10,000人以上のシニアが同トレーニングを体験しています。参加したシニアの皆様から「楽しく、継続して参加できるトレーニング」として評価されています。全国40自治体の介護予防教室で採用されるなど、「楽しくつづく」介護予防プログラムとして好評を博しています。

 

このようにICT機器を活用した見守りサービスや脳トレなどの介護予防の取組みが始まっています。ICT機器の活用は、元気な高齢者であり続ける活力となることも期待できます。若い人は、日常生活を通じてICTを学ぶ機会も多いですが、将来的にICTを活用したサービスが普及したとしても、利用できない高齢者の方は、情報弱者となる恐れがあります。

 

そこでお伺いいたします。地域包括ケアの枠組みの中で「自分でできることは自分で行う(自助)」の観点からも、今後は、高齢者自らがパソコンやタブレット端末を利用できるようになることが重要であると考えますが、本市の、高齢者がICTの活用を学ぶ機会はどのような状況でしょうか、お聞かせください。

 

 

 

それぞれ御答弁いただきました。

かすがい健康マイレージ、高齢者がICTの活用を学ぶ機会について、それぞれ市の状況について理解いたしました。

 

本市におかれましては、健康づくりに関して、これまで様々な角度から取り組まれていることに敬意を表すところでございます。習慣化。活動寿命延伸にとって、もっとも重要なことだと考えます。健康マイレージは始まったばかりですので推移を見守りたいと思いますが、将来の進化形として、体を動かすことに特化した、春日井市独自のポイント制の取入れを提案できればと考えます。例えば好きなことや、趣味を生かした運動のポイント制です。サッカー・野球・水泳・ゴルフなど、様々な運動をすることに対してポイント制を取り入れる。高齢者の方が活発に行われているグラウンドゴルフ。これもポイント制にして、そのポイントを使える場所の提供をする。各世代個々の状況に応じてですが、例えば、サンブロック内の器具を使えるなど、気軽に運動できる環境の提供することで、相乗効果があり、活動寿命の延伸につながるのではないでしょうか。ご検討をよろしくお願いいたします。

 

ICTは、今後もますます普及し、我々の生活には不可欠なものとなることが予想されます。しかし、先ほどの講座には、そもそもパソコンやタブレット端末に興味のある人しか参加していない傾向です。高齢者で、興味のない方やICT機器を敬遠する方は、機器の使用方法を学ぶ機会がないのも事実です。

 

そんな中で徳島県の高齢者の方の話を紹介します。

「これが生きがい、楽しくて毎週通っています」と話すのは、75歳の女性です。ふれあいカフェで、動画の編集方法を教わっている一コマでのことです。動画の投稿サイトを使って、離れて暮らす子や孫らに見せて、相手の顔を見ながら感想などを聞いています。ここは週一回開かれるITふれあいカフェ。講師がパソコンやタブレットの使い方を無料で教えてくれる。「ひらがな入力ができん」、「パスワードを忘れてしもうた」と、ふらりと聞きに来るお年寄りも多いとのことです。年齢を問わない学びの場として運営するのは地元IT企業の社長。ふれあいカフェを単なるボランティアとは考えず、高齢者がつまずいた点を「カルテ」にまとめ、その情報を活用して、別のIT企業が家族向けソーシャル・ネットワーキング・サービスの開発を進めています。

お年寄りらでつくる「観光ボランティアガイド会ひわさ」は、2013年秋からタブレットを使い、300本の桜が満開になる春の薬王寺(やくおうじ)、ウミガメが産卵する夏の海岸など、1年の風景を動画や写真で紹介しながら観光客を案内していらっしゃいます。タブレットの提供は、地元企業の社長。地域活性化のため作った会社「あわえ」が中心になっています。ガイドの67歳壮年は「これを使うと観光客の食いつきが違う。会のフェイスブックを更新し、『いいね』を押されるとうれしくて」と照れたように笑われます。また、漁師の62歳壮年は、自家製の干物を「あわえ」のサイトで紹介してもらっています。社長に振る舞った時の事、「これほどの味は銀座でも食べられない」と絶賛されたのがきっかけだったそうです。商品名は「わいの干物」。昨年は900個が完売し、今年は3倍に増やすということです。これまで「当たり前のように食べていたものが、これほど喜ばれるなんて」。そう話す漁師の表情は、生き生きとしています。

 

また、先ほど紹介しました「みつおか式脳若トレーニング」を使った講座が稲沢市で開催されたとの記事が、去年の3月11日の中日新聞で紹介されていました。参加した方の感想として、「端末に触ったこと無かったけど、触ってみると若返った気分になれた」と喜んでみえたと。

 

このように、ICT機器には様々な可能性があります。家族間での安否確認だけでなく、写真や動画を通じて趣味を披露したり、仲間と情報交換をしたりするなど、高齢者が蓄積した知識・経験を生かして、若い世代との交流を促進させたり、地域づくり等の社会参加を進められます。これが、生きがい意識の向上につながっていくと考えます。こうしたことから、一人でも多くの高齢者がタブレット端末を利用できるようになることが、福祉面だけでなく、超高齢社会を豊かなものにするためにも必要であり、また、このことが結果的に活動寿命を延伸し、長期的には医療費や介護保険の支出の抑制にもつながるものと考えます。

 

そこでお伺いいたします。市として、高齢者へのICT機器の普及に対する取組みと考え方をお聞かせください。

 

 

御答弁いただきました。

地域包括ケアの推進は、わが地域、わがまちの確かな将来構想を示し、地域住民に安心と希望をもたらすことが求められます。本誌におかれましても活動寿命延伸への取組みや、ICTの利活用を通じて、元気な高齢者が生活支援の担い手として活躍するなど、より多くの高齢者が社会的役割をもつことができるように、民間との連携を視野に入れながら、生きがいをもっていただける本市独自の取組みをご期待申し上げて質問を終わります。

 

平成27年12月 議会

一般質問(全文)  2015(H27)-12-10

「市民の健康寿命延伸について」

議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、市民の健康寿命延伸について質問させていただきます。

 初めに、健康診断の状況についてお伺いいたします。

昨今、「健康寿命」という言葉が頻繁に使われています。健康寿命とは、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性で約13年の差があります。自立度の低下や寝たきり、つまり要支援・要介護状態は健康寿命の最大の敵です。要介護や寝たきりは、本人だけでなく家族など周囲の人にとっても問題になります。自分のみならず大切な家族や友人などのためにも健康を維持することが大切です。人生の最後まで自分の足で歩く・・

誰もが最後まで、健康でいきいきとした生活を送りたいものです。

日本における医療は、他国と比較してみると実に手厚い医療サービスを提供していると思います。日本における在院日数は他国に比べて飛びぬけて長い。他国では、アメリカを筆頭に、簡単な手術であれば外来で行うことを基本にするなど、在院日数を極力抑える試みがなされていますが、日本では、手術は入院して行うのが基本であるし、術後においても手厚い管理体制を敷くなど、他国からすれば“サービス過剰”とも呼べるような医療を提供しているのが実情である考えます。

その始まりである、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病が増加傾向にある近年、健康診断の重要性が改めて指摘されています。生活習慣病をはじめ、さまざまな病気の早期発見・早期治療はもちろん、病気そのものを予防することを目的に行われています。

自分では自覚できない症状や忍び寄る病気を見逃さないためにも、定期的な受診が必要です。本質的には、一人ひとりが自分の今の状態を知ることが大事になってくると感じます。

企業などに所属している人は、職場で健康診断を受ける機会がありますが、個人事業主や専業主婦などは定期的な健康診断を受ける機会が少ないと言われており、近年、特に若い世代の専業主婦の健康診断受診率の低さなどが指摘されています。 

本市におかれましては、これまでに、歯の健康教室の開催や、ヤング健診では、啓発のために各種受診券にヤング健診の案内を掲載する。そして、総合保健医療センターの開設に併せての通年実施の開始。また、特定健診に関しては、救急健康フェスティバルでの啓発活動や、未受診者への受診勧奨はがきの郵送、最近では、ケーブルテレビによる啓発活動など、市民の健康寿命延伸のための受診率向上や、生活習慣病の発症予防などに取組まれていますことに敬意を表します。 

そこでお伺いいたします。様々な取り組みをされている中での、本市の健康診断の年代別の受診状況についてお聞かせください。 

続きまして、コンビニ健診の取組みについて伺いいたします。

現在、幾つかの自治体で、コンビニエンスストアと提携し、住民が近所のコンビニで買い物ついでに健康診断を受け、自分の健康状態を把握できるようにする取組みが進められています。 

兵庫県尼崎市では、“予防できる病気で倒れる市民を減らしたい”との思いから、これまで健康診断を受けたことがない潜在的な生活習慣病予備軍や重症者の掘り起こし、若年者の検診受診率の向上など、市民の健康寿命の延伸を目的に、平成25年10月20日から12月15日にかけて全12回、全国で初めてローソン店舗の駐車場を利用した出前型の、いわゆるコンビニ健診を実施しました。

平成17年度からヘルスアップ戦略事業を実施している尼崎市と、まちの健康ステーションをうたい各種健康支援事業を展開するローソンの目指す方向が同じであることを受けて、全国初の試みとして実施することになりました。

具体的には、受診希望者が実施スケジュールから希望日時を選択し、インターネットや電話、または実施する各店舗で事前に予約した上で健診を受診します。当日は、店舗の駐車場にテントを設けるなどして健診を実施します 

平成25年から実施したコンビニ健診の結果では、16歳から82歳までの248人が受診し、そのうち若い世代・16歳から39歳が半数となり、企業などでの健診を受診する機会のない、子育て中の若い主婦らも多く見られました。また、受診者の8割が市の健診を初めて受けた人で、そのうち、約7割の人が血糖高値や高血圧など検査結果で何らかの所見がありました。

心筋梗塞などのリスクが高い「メタボリックシンドローム」の人や、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が基準値を上回った人も多く、これまで隠れていた若い世代の生活習慣の偏りを示す結果となりました。 

受診した人からは、「身近なローソンだから健診を受ける気になった」、「初めて健診を受けたけど、こんなにいろいろわかるとは思わなかった」などの声が寄せられました。

健診を控えていた人にとって、医療機関より気軽に行け、健診開催の情報が伝わりやすい。店側にとっても健診の受け付けなどの業務が増えるものの、健康増進のイメージの定着につながるメリットがあります。 

提携する近畿ローソン支社は、「健診を切り口にして地域に店が定着しやすくなった。今後も『まちの健康ステーション』を目指し、尼崎での成果を踏まえて全国にも拡大したい」と話しておられます。 

今後の課題としては、民間企業とタイアップして、こうした取り組みを実施する場合、いかに事業の継続性を持たせていくかということがあります。企業側としても単なる集客効果にとどまるのではなく、収益に結びつくようなメリットが求められるため、今後、実施していく中で、さまざま検討されるものと思われます。なお、このようなコンビニ健診は、尼崎市を皮切りに、石川県の野々市市や佐賀市など幾つかの自治体で実施され、生活に身近なコンビニが生活習慣病対策を担う存在として注目されています。

 そこで、お伺いいたします。

さらなる市民の健康寿命延伸のために、誰もが気軽に訪れることのできる環境の一つとして、コンビニ健診を提案しますが、御所見をお伺いいたします。

 以上、壇上からの質問を終わります。 

 

回答

◎健康福祉部長(宮澤勝弘君) それでは,市民の健康寿命延伸につきまして,2点の御質問に順次お答えをいたします。

 初めに,健康診断の受診状況についてでございますが,健康診査は医療保険者が実施主体となって行われていることから,本市が把握しています健康診査の平成26年度の受診状況についてお答えいたします。

 40歳以上の国民健康保険被保険者を対象としました特定健診につきましては,対象者5万2,381人に対しまして,受診者が1万8,284人で,受診率は34.9%となり,年代別の受診率では,40歳代が16.4%,50歳代が22.3%,60歳代が37.0%,70歳から74歳までが46.4%となっております。

 次に,後期高齢者健診につきましては,対象者3万569人に対しまして,受診者9,364人で,受診率は30.6%となっております。

 ヤング健診では,受診者数は590人となっておりますが,職場や学校等で受診している方の把握が困難であることから,受診率は算出できておりません。

 続きまして,コンビニ健診の取り組みをとのことでございますが,コンビニ健診につきましては,コンビニエンスストアの駐車場で行う検診車による集団健診であり,本市では市民の生活スタイルの変化に伴い,受診者の予定に合わせて受診日を決められることや受診医療機関を選べるなど,受診率向上のため市民ニーズに合わせた健診方法の提供と,また,かかりつけ医を持つきっかけとなるということなどの理由から,健診車を使った集団健診から個別健診へと移行してきた経緯もございます。

 このことから,現在のところコンビニ健診の実施につきましては考えておりませんが,受診率向上のため,引き続き地域特性や市民ニーズに合わせた健診方法について調査研究してまいります。

 

それぞれ御答弁いただきました。

健康診断の受診状況について、コンビニ健診の取組みについて、それぞれ市の状況について理解いたしました。健康診断の受診率が上がることで、健康寿命が延びるとは限りませんが。一人ひとりが自分の今の状態を知ることで、程度な運動の取入れや、食生活の確認、ストレスの軽減など、行動が起こせると思います。2013年度の厚生労働省の国民生活基礎調査を見ましても、健康診断などを受けなかった主な理由として「時間が取れない」「必要な時はいつでも医療機関を受診できる」「面倒だから」が挙がっています。未病の段階から、生活改善に取組むきっかけになるという、健康診断の基本的な考え方が浸透すれば、このような理由による未受診は減る可能性があると考えます。とあります。

 現代社会において、健康づくりが重要なのは大人だけではないようで、全国的にも、子どもの外遊びが減少し、基礎的運動能力の低下や肥満傾向児の増加等の課題を抱えています。まさに予備軍です。若い世代の受診率向上は、健康寿命の延伸に影響してくると考えます。

事例としてあげました、尼崎市では、「若い世代の人に継続的に健診を受けてもらい。保健指導をサポートすることで、生活習慣病の予備軍を減らしたい」と、コンビニ健診を継続していく方針だそうです。

 今後、本市としてもさらなる取組みを期待して質問を終わります。

 

 

平成27年9月 議会

一般質問(全文)  2015(H27)-09-24

①「公共施設へのWiFiサービス導入について」

②「ICT教育について」

 

議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問させていただきます。

大項目1、「公共施設へのWiFiサービス導入について」お伺いいたします。

WiFiとは、無線でネットワークに接続できる、無線LANの国際規格のことで、WiFi機能を搭載したノートパソコンや、スマートフォン、タブレット型の携帯(けいたい)情報端末から、スムーズにインターネットに接続できる環境を提供するサービスです。

ここ数年、家庭内のどこでもインターネットに、接続可能な環境をつくり出す、家庭内WiFiの普及とともに、町中で、コンビニや、カフェ、鉄道(てつどう)駅(えき)構内などで、いつでも気軽に利用できる、情報インフラとして、公衆WiFiの導入が進んでいます。

一般に、WiFiは、単にインターネットと自由につながる情報手段(しゅだん)だけではなく、単独の店舗や商店街参加店舗が、伝えたいさまざまな情報を、その付近に通りかかった潜在的(せんざいてき)顧客(こきゃく)に伝えることができる。さらに興味を持った顧客には、その場で双方向(そうほうこう)の情報発信もできる情報手段です。

全国の公共施設でもWiFiサービスを提供している自治体がふえています。 WiFi設置の必要性について、3点述べさせていただきたいと思います。
一点目に、インフラの整備による住民サービス向上についての面からです。市民の方を初め、市に来られるビジネスマン、観光客や、外国人の方など幅広い方への無償(むしょう)の通信(つうしん)環境(かんきょう)を提供することは、行政情報の発信はもとより、さらなる利便性向上と、市全体の情報化を進めることや、目まぐるしい速さで進歩するICT産業に対し、道路や橋や、文化施設などを必要とすることと同様に、必要性の高いものだと言えます。

WiFiは、快適に暮らせるまちとしてのコンテンツの1つだと考えます。

私の知り合いの話ですが、娘さんが海外旅行に行かれた時のこと、ある事情があり、帰国予定の飛行機に乗ることができませんでした。その時にSNSで連絡が取れ、親としてはすごく安心だったと言われていました。これは渡航先の施設に、WiFi環境があったからこそ、無料での通話やメールのやり取りができました。我々も海外では外国人です。

二点目に、防災面についてです。東日本大震災では、東日本を中心に多くの地域で、携帯(けいたい)電話(でんわ)回線(かいせん)がつながらない、もしくはつながりにくいという状況が発生しました。そうした時の、もう一つの無線インフラとして注目されているのが、WiFiです。災害時の通信手段として見直されてきているのはご承知のとおりです。

三点目に、高齢者(こうれいしゃ)福祉の面から述べさせていただきます。
高齢者(こうれいしゃ)世代の方の情報(じょうほう)格差(かくさ)が進んでいる現在において、あらゆる世代がインターネットを通(つう)じて情報を入手することは、生活の質の向上につながると考えます。

高齢者が買い物難民になっていることが社会問題になっていますが、インターネットの知識があれば、配達料(はいたつりょう)無料でインターネットによる買い物が気軽にできるようになることも可能です。こうした高齢者(こうれいしゃ)社会をより豊かにしていくためにも、市民の方が気軽に市の施設でパソコンやインターネットが利用できる環境を整備していくことは、今後の市の施策(しさく)に重要なことだと認識しています。

 先日の中日新聞にも、「スマホのネット接続(せつぞく)快適(かいてき)に・WiFi続々」と題して、中部地方の観光施設などで、無料でインターネットに接続できるWiFiスポットが増えているとの記事が掲載されておりました。 抜粋して紹介しますと、豊橋市の豊橋公園の例が挙げられていました。市などが出資する第三セクターが総務省の補助で整備した無料スポットです。公園は災害時の避難場所にもなっており、WiFiの無線機には太陽光パネルが併設され、停電時も利用できると。

東海総合通信局の猪俣課長は「避難時は、住民が災害に関する情報を集めるのに役立つ」と話しております。

さらに、観光庁の2011年の外国人観光客アンケートでは、日本滞在中での困り事として37%が、無料WiFiの不足を挙げた。その後、コンビニエンスストアや飲食店などの民間施設では契約者向けのWiFiが増えたものの、博物館や文化財など公共的な観光施設での普及率は一割強にとどまっている。このため総務省は、2014年の2月の補正予算から計約20億円を予算計上し、地方自治体や第三セクターによる無料WiFiの整備費を、1/2から1/3補助している。中部4県ですでに81か所整備され、2015年度さらに4県70か所での設置(せっち)が決まり、追加申請も予定されている。とありました。 

そこで、お伺いいたします。

 一点目の質問として、現時点での春日井市での設置状況についてお伺いいたします。

 二点目の質問として、春日井市においても、市民サービスの一環として、WiFiサービスを庁舎や図書館、体育館、福祉センターなどの市内公共施設で導入することについてお伺いいたします。

 

回答

◎総務部長(加藤達也君) 公共施設へのWi-Fiサービス導入についての2点の御質問にお答えします。
 最初に,本市の公共施設における設置状況についてでございますが,春日井市はその立地から民間企業によるネットワーク環境の整備が行われてきたこともあり,市内の飲食店などを中心にWi-Fi環境が導入されていることから,現在のところ公共施設への導入は行っておりません。
 次に,2点目の市民サービスの一環として公共施設への導入を考えてはどうかということでございますが,本年7月1日にあいち無料公衆無線LAN推進協議会が官民連携組織として設立され,その設立理由が訪日外国人観光客の半数が日本滞在中にあると便利なものとして無料Wi-Fiを挙げたということでも一定の需要があると考えられます。県内におきましても,名古屋市を初め19の市町で公設の無料Wi-Fiが設置されています。これらの市町では観光PRを主な目的として導入されたものでありますが,その他の目的として災害対策が挙げられています。本市におきましても,市の公共施設に無料Wi-Fiを整備することは災害時の情報発信の観点からも有効であると考えられることから,来年度からの導入に向けて検討を進めているところでございます。

 

大項目1、「公共施設へのWiFiサービス導入について」ですが、大変前向きな御答弁をいただきました。万が一の災害など、起こった場合は、必須(ひっす)条件(じょうけん)と考えます。より安全(あんぜん)安心の町づくりのためにも、早急(さっきゅう)に進めていただきますよう、ご期待いたます。

 

次に、大項目2、「ICT教育について」お伺いいたします。

 

 ICTを活用した教育は、子どもの能力や特性に応じた学び、子ども同士が教え合い、高め合う学び、子どもの興味(きょうみ)・関心を高める学び、等の充実を図(はか)るものであり、すべての子どもの、学びの可能性を拡(ひろ)げる手段(しゅだん)として、大変有効であると思います。

例えば、政治とは何か、歴史とは何か、思想とは何かという事を、自ら考え、答えを導(みちび)き出す力を、一人ひとりの子どもたちが持つことを目標とし、その手助(てだす)けをするのが教育であると考え、それを基礎として、子どもたちは、これからのグローバル社会をけん引していく力を、身に着ける事が出来ると考えています。

本市におきましても、早くから教育情報の共有化を目的に教育ネットワークを整備され、平成23年度からは、出川小学校を学習指導の研究(けんきゅう)指定校(していこう)として、より良い教育環境を目指し、「かすがいスタンダード」(全ての児童・生徒の学力の保障をめざして、学習規律の徹底とICTの有効活用を中心とした、わかりやすい授業を日常的(にちじょうてき)に展開するための、市内全体で取り組むべき、学習指導や学習環境のこと) という形で、位置づけをされ、その「かすがいスタンダード」を普及(ふきゅう)・浸透(しんとう)させるために、「つながる研究(けんきゅう)推進(すいしん)」システムを構築されています。

教員のICT活用能力や、指導力を高める支援など、従来の教育環境に慣れ親しんだ先生は、すぐにその良さを活かせない方もいらっしゃったと思います。実物投影機や、プロジェクターなど、機器だけでなく、教材も併(あわ)せて考えてこそ、本当の充実が図られるものと考えます。その点から考えますと、さまざまな研修も重要だったと思います。

職場や通常の生活において、ICTを十二分に活用して、その良さを感じている保護者からは、より一層加速度を増して活用への取組みを求めるご意見もあったと思います。反対に、他の学校の保護者からは、不公平さを感じる、との意見を聞くのも事実であります。

昨今(さっこん)、子ども達はゲームに熱中(ねっちゅう)しており、スマートフォンの普及により、さらに幼児期からICTの環境に慣れ親しみ、多くの時間を費(つい)やしているのを見ると、コンピューターネットワーク上の仮想的(かそうてき)空間や、人工的な環境の刺激の強さに慣(な)れきってしまうのではないか、という危機感を持つこともあります。ICT機器ばかりに偏(かたよ)る事になれば、創造力を育(はぐ)くみ、言語能力を高め、人間関係を豊かにする読み聞かせや、読書の習慣などが軽視され、その結果コミュニケーションが苦手な子どもに育っていくのではないか、と考えることもあります。そんな環境において、ノート指導や、挙手(きょしゅ)・発言の仕方や受け止め方、そして、机上(きじょう)の整理や姿勢などを整(ととの)えていくといった、学習規律の徹底に重(おも)きを置かれたことは、大変評価するところであります。

 そこで、お伺いいたします。

一点目の質問として、本市の市立(しりつ)小中学校におけるICT教育の現状について、先ほど申し上げたこと以外に、新たな取り組みがあればお聞かせください。

二点目の質問として、ICTの利活用による、情報活用能力の向上について、児童(じどう)生徒のどのような能力が向上するのか。また、ICTの利(り)活用(かつよう)において配慮していることについてお聞かせください。

 

回答①

◎教育部長(鈴木満君) それでは,ICT教育についての御質問にお答えをします。
 本市におけるICTを活用した教育の新たな取り組みにつきましては,公益財団法人パナソニック教育財団が全国で4市のみを対象として実施するワンダースクール応援プロジェクトに本市も選ばれ,平成26年度からは出川小学校において児童1人につき1台の利用によりタブレット型パソコンの効果的な活用法や教職員研修プログラムの開発を行っているところでございます。
 児童生徒の情報活用能力の向上でございますが,ICTの活用により学習時の集中力が向上するほか,情報を主体的に収集し整理する能力,実物投影機を操作しながらみずからの考えを発表するプレゼンテーション能力などが向上しております。
 次に,ICTの利活用における配慮でございますが,タブレット型パソコン等による学習の長時間化を避けるなど健康管理への配慮を行うとともに,インターネットによる個人情報の流出やオンラインゲーム等による課金などの危険を回避できるように,情報モラルの指導に努めております。

 

大項目2「ICT教育について」ですが、

それぞれ理解いたしました。児童(じどう)生徒の本来持っている力を、十二分に引き出していってほしいと思います。ICTはいろいろなところに利(り)活用(かつよう)できると思います。発達(はったつ)障がいなどにより、学習に困難を抱(かか)える子供たちへの支援においても、ICTを効果的に活用した実践に大きな期待が寄せられています。 

そこで、お伺いいたします。

二点目の質問の二回目として、

今後、特別に支援が必要な子ども向けの、ICT機器の活用について、どの様に、お考えか、お聞かせください。

 

回答②

◎教育部長(鈴木満君) それでは,ICT教育に関して2回目の御質問にお答えをします。
 特別に支援が必要な子ども向けのICTの活用についてでございますが,本市では既にユニバーサルデザインの考え方も取り入れたかすがいスタンダードを実践しており,特別に支援が必要な児童生徒にとってもわかりやすい授業となるように児童生徒の発達段階に応じたICTの活用を行っております。

 

御答弁いただきました。 

特別に支援が必要な子ども向けのICTについてですが、文部科学省では、平成25年度に「ICTの活用による、学習に困難を抱える子供たちに対応した、指導の充実に関する調査研究」を実施(じっし)し、その成果を教員向けのハンドブックとして、まとめたと、公表されています。障がいのある子どもが、自分でデジタル機器を使用できるような、プログラムとの事ですが、こういった動きはまだ研究段階であるものの、今後の特別に支援が必要な子どもの教育にとっては、素晴らしい可能性を期待できる大変明るいニュースであると思います。

 特に来年4月からは障がい者 差別(さべつ)解消法が施行(しこう)され、その際は障がいのある子どもにとって必要な、合理的(ごうりてき)配慮の提供が義務付けられる事から、この分野においても一層の発展があることを願って、私の質問を終わります。

 

 

平成27年6月 議会

一般質問(全文) 2015(H27)-07-01

投票率向上に向けた取り組みについて      

議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、

「投票率向上に向けた取組について」お伺いいたします。

 

今回、選挙権年齢を現在の「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が成立し、来年夏の参議院選挙から「18歳選挙権」が実現する見通しとなりました。

若者の声を政治に反映させることが、大きな目的と考えます。

日本が抱える政治課題は若者の未来と直結しています。将来の政策には、彼らの声に耳を傾けなければなりません。

議員や政党もこれまで以上に若者のための政治を心がけるようになってまいります。

 

ただし、選挙権年齢が18歳以上になったからといって、若者の政治への関心が高まるとは限りませんし、かえって無責任な投票をするとの懸念もあります。

若者が政治に関心を持ち、国や地域の問題を主体的に考え、行動するようになる「主権者教育」が求められています。

18歳選挙権を認める以上は、選挙運動や政治活動も基本的に自由です。ただし学校は大切な教育の場所です。その目的に反しないように一定のルール作りが焦点になってまいります。

 

主権者教育によって若者の政治参画が進めば、未来を見据えた政策を作っていく社会になると思います。

家庭での試みも大切になります。政党や政治、政策について家庭内で大いに語り合い、政治参加の意識を高めてほしいものです。そうなれば、若者の世代と同時に、親の世代の投票率向上にもつながると思います。

 

現在、全国的にも投票率が年々低下しております。春日井市におきましても、市議会選挙を例に挙げますと、前々回の平成19年が_46.2%、前回の平成23年が_44.1%、今回の平成27年は39.7%と、40%を切る結果となっております。

今回、私も初めて市議会選挙に挑戦させていただき、実感いたしました。これは、政治に携(たずさ)わる側にも問題があり、もっと関心を持ってもらえるよう、もっと興味を持ってもらえるようにと、そういうアピールを発信していかなければならないと考えます。

また、市民の皆様と接する機会をもっと積極的に作り、皆様の声にしっかりと向き合っていかなければならないとも考えます。

 

そこで、投票率向上に向けた取り組みについてお伺いいたします。

 

一点目の質問として、現時点での周知・啓発の状況についてお伺いいたします。

二点目の質問として、投票しやすい投票所とするために、これまでにどのような環境の整備をされてきたのかについてお伺いいたします。

以上、壇上から一回目の質問を終わります。 

 

回答①

◎総務部長(加藤達也君) 投票率の向上に向けた取り組みについて,2点の御質問をいただきましたので,順次お答えをいたします。
 市の選挙管理委員会では,選挙,政治への参加意識の向上を図るため,日ごろより,選挙啓発事業として,選挙情報等のホームページへの掲載を初め,選挙制度の説明や模擬投票を行う出前トークの開催や児童生徒会の選挙で使用できる投票箱等の選挙機材の貸し出しなどを実施しております。
 選挙時には,広報やホームページによる周知のほか,公共施設,駅前,ショッピングセンター等におけるポケットティッシュ等の啓発グッズの配布,ポスターや懸垂幕及び横断幕の設置,広報車を利用した市内巡回による投票日の周知等を行い,投票率の向上に努めております。また,20歳を迎えた新成人の方々に期日前投票所の立会人を依頼するなど,若年層に選挙への関心を深めていただくような取り組みも行っております。
 2点目の投票しやすい環境の整備については,高齢者や足の不自由な方のために,段差のある出入り口へのスロープの設置や車椅子の配置をしているほか,一部の投票所を除き,フロアシートの敷設により土足のままで投票ができるよう投票所の環境整備を行っております。
 また,期日前投票所においては,従来庁舎10階に設置していた期日前投票所を,より市民の方が利用しやすい1階の市民ホールに移したほか,最近では,選挙のお知らせはがきの裏面に期日前投票宣誓書を印刷し,事前に記入してお持ちいただくことができるようにするなど,投票しやすい環境を整備し,投票率の向上に努めております。

 

それぞれ御答弁をいただきました。

これまで様々な取り組みを行われ、周知・啓発、そして投票環境の整備をされてきたこと、理解いたしました。

 

改正公職選挙法が成立し、選挙権対象年齢が拡大されますと、新しく大学1年生、2年生、そして高校3年生の一部も対象になってまいります。投票率に関して、特に若者の投票率が低いとのデータがあります。

 

今回の春日井市議会選挙でも、一部地域の年代別投票率を見ましても、20代が、2割ほどとなっております。投票に行かなかった理由についてマスコミなどが調べますが、伺うと、忙しいから時間がなかった、こういう意見を多く聞きます。当日の投票所は近くにありますが、期日前(きじつぜん)投票所(とうひょうじょ)は、春日井市では本庁舎と東部市民センターの2か所でございます。

投票率を上げるためには、例えば期日前(きじつぜん)投票所(とうひょうじょ)を春日井市の施設に増設するとか、駅の構内や、ショッピングセンターなどの人が集まりやすい場所に設置できるようにする。など、物理的にも投票しやすい環境整備を図って行く必要があると考えます。

例えば、秋田県男鹿市(おがし)では、市内に10カ所の期日前(きじつぜん)投票所(とうひょうじょ)を設けられております。市役所や支所、出張所。それら以外にも、市内のスーパーに期日前(きじつぜん)投票所(とうひょうじょ)を設置しておられます。

平成22年の参議院選挙における投票の状況は、当日有権者数が28,866人、投票者が18,966人、そのうち期日前(きじつぜん)投票者(とうひょうしゃ)が11,258人と、全投票者のうちの59.3%と、なんと6割近い投票者が期日前(きじつぜん)投票(とうひょう)を利用しております。

しかも、スーパーでの投票者は7,022人と、期日前(きじつぜん)投票(とうひょう)を利用した人のうちの62.3%を占めています。他9か所に比べ、買い物や通勤のついでに寄れると、好評で 群を抜いています。

こういった事例があります。

確かに、投票の公正の確保であるとか、人員の確保の問題はあるかと思いますが、投票しやすい場所を選択できるようになると良いと思います。その中で、現在さまざまな大学で、キャンパス内に期日前(きじつぜん)投票所(とうひょうじょ)を設置する活動が行われております。山梨の大学では、学生が主体となり、アンケートを取ってくださり、市の選管と連絡を取りながら、キャンパス内に期日前投票所の設置ができた、との事例がございます。今回の統一地方選では全国で12の大学が、期日前投票所の設置をいたしました。

18歳選挙権、18歳・19歳の大学1年生、2年生、新しく対象となる方の多くを占(し)めます。こういった方々の政治に対する意思(いし)を高めるという意味でも、こうした取り組みは非常に意義があり、大きなチャンスと感じております。

 

そこで、二回目の質問をいたします。

一点目の質問として、選挙権年齢が拡大されたことを含めて、今後の周知・啓発の取り組みについてお伺いいたします。

 

二点目の質問として、投票しやすい環境の一つとして、期日前(ぜん)投票所の増設を提案しますが、御所見をお伺いいたします。

 

 回答②

◎総務部長(加藤達也君) それでは,2回目の御質問にお答えをいたします。
 1点目の御質問でございますが,若年層の投票率は,国政選挙,地方選挙を問わず,特に20代の投票率が他の年齢層に比べて低く,全体の投票率を押し下げている一因となっており,新たに選挙権を得る18歳以上についても同様の傾向となることが懸念されます。
 このため,若年層向けの啓発がより一層重要だと認識しております。基本的には,学校教育を通じた政治への意識を高める主権者教育の充実が望まれますが,選挙管理委員会としては,先ほど申し上げた出前トークの開催や投票機材の貸し出しをより積極的に行うことで,政治や選挙への関心を高め,投票率の向上につなげてまいりたいと考えております。
 2点目の期日前投票所の増設につきましては,期日前投票制度が選挙を重ねるごとに制度として定着してきている中で,期日前投票の環境を整え,有権者の利便性を高めることは重要なことでありますが,一方で投票所は,その秩序を適切に保持できるなど安全性を有する場所であること,また,衆議院の解散などと突発的な選挙においても安定的に確保できることが重要な要件であります。
 議員が述べられました駅の構内やショッピングセンター,大学構内における期日前投票所の開設については,本市が導入しております名簿対照システムには専用回線が必要であることや投票の秘密保持に必要な適切なスペースの確保等,課題が多いことも事実であります。また,大学構内での期日前投票所の設置については,一般の方が投票のために構内へ立ち入ることについてなど,大学側の御理解をいただかなければならない課題もございます。
 このことから期日前投票所については,当面,公共施設を利用して開設することが現実的ではないかと考えておりますが,若者が集まりやすい場所における期日前投票所の開設は,若年層の投票率の向上にもつながると考えております。今後も,他市の事例を参考にしながら調査研究をしてまいります。

 

今回の質問は、市民の方からお聞きした内容でもございます。

18歳選挙権は、来年夏の参議院選挙から実現する見通しです。投票しやすい場所を選択できるようになれば、投票率の向上に繋がると考えます。春日井市に 最も適した形態を研究していただき、一日も早く、投票しやすい環境の整備が実現されることを期待して、質問を終わります。