毎年夏に東北の被災地に行くことを目標にしておりますが、今回は、知人のアドバイスもあり、避難区域の再編が行われている富岡町と楢葉町などを訪ねることにしました。
福島県いわき市は、沿岸部を中心に大きな被害が出ております。

震災前のいわき市久之浜
いわき市は被災地の現状、体験や教訓を伝える「復興・防災プログラム提供事業」を実施しており、その中の「久之浜/北コース(浜風商店街ー道の駅よつくらー楢葉町天神岬ー富岡駅前ー道の駅ならはー久之浜被災地)」に参加させてもらいました。

久之浜の学校敷地で浜風復興商店街の方々と
福島県の避難区域の再編では、居住制限区域を避難指示解除準備区域へ再編したり、避難指示解除準備区域の避難指示を解除したりする地域があります。

警戒区域から居住制限区域に再編された富岡町駅前付近 あの日もまま
私が参加したコースでは、いわき市から国道6号を北上するもので、楢葉町(全町的に2012年8月10日に警戒区域から避難指示解除準備区域に再編)から、富岡町の一部の居住制限区域を通過して富岡駅前で被災したまちと廃棄物の中間処理施設を見て、久之浜の被災地で語り部さんのお話を聴くというものでした。
(富岡町は、警戒区域で全町的に避難されていましたが、2013年3月25日に再編されて、一部は、帰還困難、居住制限、避難指示解除準備の3区域になっています。)

富岡町駅の東側にある廃棄物の中間処理施設 膨大な廃棄物の山で囲まれていました
語り部の阿部さんのお話は、久之浜に震災40分後に、たたきつけるような津波が住宅を襲い、がれきとなり、内陸まで押し寄せていったとのことでした。震災時、いわき市北東部は、震度7相当の揺れがあったとのことで、津波により久之浜の海岸沿いの住宅地210戸が破壊され、55名が死亡されています。
高齢者など災害弱者の方は介助者とともに、ほとんど犠牲となっているとのことで、「災害弱者の方の避難をどうすればよいか考えて欲しい」とおっしゃっていました。

久之浜魚港で獲れた魚はブランドがあり地元では口にできなかったほど 語り部の阿部さん
原発事故による双葉郡の住民を中心に約24000人が、いわき市に避難を余儀なくされているそうです。
震災から4年4か月経ちますが、人で不足などで、昨年から、ようやく、海岸沿いの防災緑地の造成が始まったばかりで、災害公営住宅の入居も今年2月までできなかったとのことです。
いわき市さんは、こうしたツアーを行うことで、被災地の実際を学んでもらって、風評被害を抑えて、観光の復活も期待されているとのことです。
除染が終わって、避難指示が解除される楢葉町も、生活基盤のスーパーなどは富岡町にあったとのことで、帰還後の生活環境に不安があるという説明がありました。
楢葉町も富岡町も(富岡町の一部は除染途中)ですが、国道沿には、廃棄物の大きな袋が積み上げられている状況で、富岡町駅の東側にある廃棄物の中間処理施設での処理後、中間貯蔵されますが、最終処分場がまだ決まっていません。

楢葉町天神岬から広野町の石炭火力と防災緑地の造成風景
除染による廃棄物が増えていますが、知人の説明では、家の周囲20メートル以内を除染しているだけでは、帰還して生活するのは難しい指摘もあります。
警戒が厳しい第2原発の入口やJビレッジの入口も通過しました。
居住制限区域は、年間50ミリシーベルトまでで20ミリシーベルトを下らない地域で、立ち入りはできても住めず、除染中ですので、ほとんと震災時のままの風景が残っていました。
一方、楢葉町は避難指示解除準備区域ですので、昼間の立ち入りは可能ですので、車の出入りが見られました。
区域によって、復興の状況が異なります。帰還がひとつの方向ですが、賠償や支援のあり方には、今後も被災者の生活が成り立つことが重要だと思います。
国道6号沿いは作業をされる方の住まいとなるプレハブがあちこちに立ち、ガソリンスタンド、コンビニが品揃えもよく立地していました。

富岡町から楢葉町への帰り道 除染中の風景