首相所信表明
昨日の野田首相の所信表明は、具体性に乏しいなどの批判がありますが、自他共に勝海舟ファンを自認する私としては、海舟が述べている「正心誠意」を政治姿勢の根本に上げたことは評価したいなと思っています。
氷川清話からの引用と思われますが、政治家の秘訣や外交の極意は「正心誠意」と述べています。私としてはこのブログでも以前紹介しましたが(2011年6月4日)、「誠意正心」と述べている次の個所が現在の政治家に求められる姿勢と思います。
「世間の人はややもすると、芳を千載に遺すとか、臭を万世に流すとかいって、それを出処進退の標準にするが、そんなけちな了見で何が出来るものか。男児世に処する、ただ誠意正心をもって現在に応ずるだけの事さ。(中略)要するに、処世の秘訣は誠の一字だ」 (講談社学術文庫)
交渉の達人・敵を味方にしてしまう調整能力抜群の海舟は、さらに次のようにも述べています。
「根気が強ければ、敵も遂には閉口して、味方になってしまふものだ。確乎たる方針を立て、決然たる自身によって、知己を千載の下に求める覚悟で進んで行けば、いつかは、わが赤心貫徹する機会が来て、従来敵視して居た人の中にも、互に肝胆を吐露しあふほどの知己ができるものだ。区々たる世間の毀誉褒貶を気に懸けるやうでは、到底仕方がない」 (同)
要約すると、交渉にあたっては赤誠をもって根気よく臨むこと。決然とした覚悟があればやがて敵対する相手に通じ味方となる。世間の評判を気にして場当たり的な対応をするようではかなわない、といった意味でしょうか。
「正心誠意」と「根気」・・・この二つが、正しい道を進み、敵を味方にする要諦だと述べています。
海舟はこのあと、江戸城の無血開城を例に引き西郷の人物像にも触れています。
勝海舟と西郷隆盛・・・比較すると今の政治家はあまりに小粒ですが、野田首相には言葉だけではなくどう行動するか、しばらく注目していきますが、国会を4日間で閉じ、議論をさけたのは、「正心誠意」と矛盾し、私には理解できませんし、許されることではありません。






