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墨田区議会議員 かのう進ホームページ

視察報告:栗山町・ワークセンター栗の木

2012年2月12日

 

視察場所 : 障害者通所授産施設ワークセンター栗の木(就労継続支援B型)

参加者   : 千野、加納、大越、高橋、とも

 

【調査の目的・背景】

障害者自立支援法施工後、福祉から就労へ、工賃倍増計画など、障がい者の自立に向けた取り組みが全国的に拡大し、工賃がアップしてきていることは確かですが、行政への依存心が抜け切れていない体質が残っている現実もあります。

また、就労継続支援A型・B型といった事業形態の区分けにより、それまでの授産施設や小規模作業所が規模等により法内施設に移行しましたが、一定の生産活動に従事し、報酬(工賃)を得ているにもかかわらず、A型に認められる労働法の保護をB型は受けられないという根本的な課題があります。障がい者の福祉就労はその目的や形態が多様なので一律に労働法の網をかぶせるのは個人的には無理があると思っていますが、働く場なのか、福祉サービスを利用する場なのかということも含め、現在のままでよいとは考えていません。

こうした、障がい者の就労支援を取り巻く課題が山積する中にあっても、施設の創意工夫で障がい者の自信と誇りにつなげている事業所は全国の至る所にあり、今回訪問したワークセンター栗の木もそのひとつです。

私たち区議会公明党は障がい者施設運営ののパイオニアともいうべき方々の現場の声を伺い、墨田区の障害者施策に反映させるとともに、障がい者関連の各種法令の不備を見つけ都議会議員、国会議員と連携をとって制度改善につなげていこうと考え、積極的に民間事業者が運営している福祉施設を視察しています。

 

【内容】

・事業所概要

 設立:平成14年4月1日

 事業体系:就労継続支援B型

 設置主体:NPO法人栗山町手をつなぐ育成会

 おもな作業品目:パン・菓子製造、販売事業

 定員20名・利用人数15名・常勤職員3名・非常勤職員9名

・設立までの経緯

 平成12年秋に地元の一般企業の経営難で障がい者5名がリストラ。これを機に翌年、手をつなぐ育成会のNPO法人化と作業所の設立を申請するも、財政難を理由に認められなかったそうです。その後、パンづくり講座を開催しながら会員集めをするとともに、役所などで職員や町民に配布。こうした動きが町民の理解を深め設立に至ったそうです。しかし、国からの補助金のみで、町からはあいている施設の提供のみだったので、残りの資金は親と町民からの寄付でまかなったとのこと。

私ども都会では考えられませんが、はじめから行政をあてにせず、自らの力で道を切り開いてきました。特に坂本理事長の手腕と情熱が、成功に導いたものと感じます。以前訪問した、神戸のプロップステーションや足利市のココファイナリーも同じですが、創業者の私財をなげうってでも障がい者の将来のために礎になるとの強い意志が成功の最大の要因であると感じました。

栗山町で収穫した小麦を原料にした地産地消のパン製造が中心ですが、昨年、製造過程で廃棄される小麦の皮(ブラン)を活用した焼き菓子「スティックブラン」を開発し、販路拡大のために、アリオ札幌の授産製品フェアに出品。さらに授産製品だけではなく、一般の製品とも競争するためロイトン札幌で行われた北海道産品の商談会に出品するとともに、東京の国際フォーラムで開催されたふるさと食品「おとりよせ」展示商談会にもすべて交通費は自腹で出展したそうです。製品価値は高く評価されたものの一般の販売ルートに乗せるための条件が折り合わず、契約には至らなかったそうですが、農山漁村資源開発協会の目にとまり、同会主催で明治神宮で行われた昨年の収穫感謝と食の集い(新嘗祭)にスティックブランを出展するとともにデザートに採用されるという栄誉を勝ち取ることができたそうです。都内にある北海道のアンテナショップ・道産子プラザでも販売されているそうですから、今後、一般の製品ルートにのせるノウハウが確立されれば、大きく販路が拡大されることでしょう。

 

【所感】

 障害者施設でのパン製造は全国的に広がっており、墨田区においても実施していますが、日持ちしないことから製造量の調整が難しいことと、パン製造は明け方からとりかからないと朝食のニーズに対応できないという問題があり、販売額を大きく伸ばすことに限界があります。したがって多くの施設では、他の事業もおこなっているのですが、栗の木は、廃棄処分にしていた小麦の皮からスティックブランという品質の高い焼き菓子を開発したアイデアにただただ感心するばかりです。食物繊維やミネラル、ビタミンも豊富なことから体にやさしいお菓子として人気が上がってくると思われます。重要なことは行政任せにせず、自分たちの力で商品を開発する前向きな意欲を持つことと、その商品も同情で購入してもらうのではなく、一般の製品と伍しても引けを取らないものでなければ、障がい者の自立できる工賃が実現できないという認識に立っていることです。

ともすれば、障がい者よりも職員が仕事をしているという例もあって障がい者の自立にはつながらないのでは?と感じるケースもあるのですが、栗の木は障がい者が生き生きと作業し、職員はサポートに徹しているなと感じました。

とても感動した、そしてすがすがしい視察でした。

 

作業風景です坂本理事長と

坂本理事長と

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