北斎美術館について②
きのうに引き続き、すみだ北斎美術館について述べます。
建設には反対ではないが、いくつかの条件があるという話をしました。
その第1は、区民にとり葛飾北斎が身近な存在になっていない、ということです。言い換えれば、すみだが生んだ「郷土の誇り」にしなければいけない、ということです。
高知の方が坂本竜馬を顕彰する「坂本龍馬記念館」(こちらは県立ですが)の建設にハコものだからといって反対したでしょうか?
比較する対象として坂本龍馬は巨大な存在ですが、要は地元の方が誇りにし、結果として観光客の誘致につながって経済効果もあると判断すれば、反対の声はそれほど大きくはならないということです。
一方、すみだにおいて北斎の人物像や事績を知っている方がどれだけいるでしょうか?
大半の方は「富嶽三十六景」の一部を見て知っている程度ではないでしょうか。
1999年に雑誌「ライフ」が発表した「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に日本人として唯一選ばれたのが葛飾北斎です。
発行がライフ誌ですから欧米人が大半です。そのなかで選ばれた北斎の功績が世界においていかに高く評価されているかを示す証左です。
4月30日のブログにも書きましたが、北斎と勝海舟についてはもっと行政として顕彰するべきであると主張した理由がここにあります。
これまで区としても「北斎かわらばん」や「北斎ゆかりの地マップ」の発行などで区民に浸透させようとそれなりに努力してきました。それは評価するものですが、下町のおじちゃん・おばちゃんたちが手にして読むかというといささか疑問です。
教育現場などを通じこどもたちに浸透させていくのが近道と思います。
私も北斎の生涯についてそれほど精通しているわけではありませんが、北斎の作品を通し北斎はユーモアのセンスがあったのではないかと感じています。行政の取り組みにもっと遊び心があるほうがこどもたちをはじめ区民には受け入れやすいのではないかと考えています。スカイツリー関連でいくつもキャラクターができてしまったので提案しづらい部分もあるのですが、かわいい北斎キャラクターがあってもよいと思います。
条件の第2は、区民の雇用拡大についてです。スカイツリーに関連した雇用拡大についてはこれまでも述べてきたとおりですが、北斎美術館についても規模は小さくなりますが、区民の優先雇用を担保させなくてはいけないと思っています。
美術館としての本来業務だけでなく、ミュージアムショップや喫茶コーナーもできますし、建物ができれば維持・管理にたずさわる方も必要になります。
直接・間接雇用で数十人規模の新規雇用が発生すると思われます。私は学芸員など一部の有資格者を除き全員が区民でもよいと思っているので、この雇用拡大については、最後まで執着して取り組んでまいります。
条件の第3は、すみだの地域経済の底上げに寄与しなければ意味がない、ということです。
そのうちの一つは地元に対する支援です。反対が多い中で、北斎通り周辺のまちづくりの会の方々にとっては期待値の高い事業です。北斎通り周辺の商店の活性化につながることを期待しておりますが、本来は地元の方々の自助努力が基本です。イベントへの支援だけではなく、行政として総合的なまちづくりのサポートが求められます。
もう一つは、雇用と同様、スカイツリー関連でも主張していますが、区内のものづくり企業への支援のあり方についてです。
具体的には、ミュージアムショップで販売される北斎グッズを区内企業で製作するよう行政が誘導するべきだと考えています。
商標なども絡んでくるでしょうからスカイツリー同様ライセンスの取得支援も必要ですが、さらに重要なのは、マッチングです。一つの商品を作るにはいろんな企業が絡んできます。完成品をつくることもいくつもの企業の集合体の結果ですが、販売するためには袋や箱、印刷物なども必要です。そういった全てのものを作る会社がすみだには存在しています。
開発業者に対し、付随する印刷物や包装など下請けに区内業者を使うよう企業同士をマッチングさせる、アッセンブリや袋詰め、箱詰めなどについては可能であれば障害者の作業所を活用していただくなど、行政が関与するべきであると考えています。
民間企業の取引に関与するべきではないという考え方もあります。しかし、千載一遇のビジネスチャンスをものにするためには行政のサポートがあってもよいと私は思っています。
強制はできませんので、情報提供・要請というかたちになりますが不可能ではありません。
下請け企業から脱却し、オンリーワンの企業になれる会社はそれでよいのですが、区内事業者のほとんどはそこまでいきたくてもいけない零細企業であることを考えれば、私が申し上げた支援のあり方があってもよいのではないかと思います。
そのほかの条件は次回に紹介します。
