北斎美術館について①
今回の区長選・区議選において北斎美術館の是非について、候補者により見解が分かれていました。
6月の第2回定例会で論争になるかと思いますので、私の見解を述べておきます。
反対論の多くは、コストのかかる文化芸術施設は、墨田区の財政状況を考えると負担が大きすぎる。それより、特養や保育園などの福祉施設や教育施設、住宅などに税金を回すべきだ、といった主張でしょう。
ハコもの行政に対する痛烈な批判といった側面もあるかと思います。
そのとおりだ、と言いたくなる気持ちは分かりますが、私は、福祉施設や教育施設はよくて文化芸術施設は税金の無駄・ハコものだからダメだ、といった論調に賛成することはできません。
文化芸術分野の振興も福祉や教育、住宅施策同様、行政が果たすべき役割の重要な一部分だと思っています。
こうした前提に立っていますが、福祉や教育施設などはその恩恵を受けるのは多くは区民ですが、北斎美術館の場合は現状では、区外から来館される方の為に建築する施設といってよく、区民の方がその恩恵を受けるかどうか不透明です。これでは納得する区民はそう多くはないことも理解しています。
したがって、優先順位からいうと決して高いとは言えません。すなわち、区民の方に完成後できてよかったと恩恵を感じていただくようにしなければと考えています。
こうしたことから、これまで両国公会堂や江戸博の一部などを有効活用できないかといったことも検討してきましたが、耐震性やスペースの問題もあり現実的でないことが分かり、結果として北斎通り周辺のまちづくり関係者の要望もあって、現在の緑町公園内に決定し、平成25年度の完成を目指し計画を進めているところです。
しかし、先ほども申し上げた通り、区民に恩恵を感じていただけるような手立てを打つことが先で、なんとしても計画通りに進めなければならないとは考えていません。
東日本大震災を受け、東北の復興支援に向けどういうことができるか検討する必要がありますし、墨田区の防災対策も再構築しなければなりません。補正予算を組むことになるでしょうし、経済の先行きがより不透明になりつつあります。財政推計が予定通りいかない可能性もあります。
こうした状況を勘案して、現在の非常時にあっては、予定通り進めず、先延ばしも視野に入れ十分な議論をして結論を出すべきだと思います。
その間に並行して、区民に喜んでいただく施設にするための条件整備について提案もしていますので、そうしたソフト部分の事業についても議論を進めるべきだと考えます。
どのような条件のもと進めるべきかの考え方については、次回に説明させていただきます。
