呉市・広島市視察報告④
呉市・広島市の視察の最後は平和施策クロスセクション重点事業についてです。
(1)視察の目的
江東区とともに東京大空襲の被害が最も大きかった墨田区にとって平和施策・事業はとても重要と考えます。しかし、実情は区議会公明党が求めている水準からすると大幅に遅れていることから、先進自治体の平和施策を学ぶとともに、クロスセクションを導入した経緯と成果について学ぶことを目的としました。あわせて、平和記念公園で実施しているICTを活用した平和・観光情報の発信について(広島P2ウオーカー)も勉強してきました。
(2)平和関連事業の現状とクロスセクション導入の経緯
①市長の思い
広島市のホームページをご覧いただけばわかるとおり、核廃絶・平和への思い・誓いは長崎市とともに市職員・市民に至るまで、充分に市長の思いが伝わっていることを痛切に感じました。数え切れないほどの事業を実施するとともに、ひとつの自治体が全世界に核廃絶を呼び掛けるエネルギーは並大抵のものではありません。現在国連にNGOとして登録されている平和市長会議を1982年から主宰し、今では加盟都市数が150カ国・地域の4467都市(2011年1月1日現在)に拡大いたしました。この草の根の平和勢力構築は歴史に残る壮挙として国家をあげ支援するべきものと考えます。この平和市長会議に恥ずかしいことに墨田区はいまだに加盟していません。一刻も早く加盟するよう今後も働きかけていきます。
②平和施策クロスセクションについて
平和関連事業が数え切れないほど多いと書きましたが、役所が実施する事業はいくつもの部署が関連しているものがかなりあります。わかりやすい例として秋葉市長の発言を引用させていただきます。「たとえば高齢者についての施策は高齢福祉課の担当なのですが、高齢者の生活を豊かなものにするためには、住みやすい住宅や歩きやすい道路も必要ですし、定年後の仕事として農業を選ぶ人、大学に通いたい、あるいは地域でボランティア活動をしたい人もいます。医療の充実はもちろんですが、健康の維持のためには、食事もスポーツも大切です。こうした多くの側面を持つ施策を総合的に推進するための組織がクロスセクションです」 やや長くなりましたが、いわゆる縦割りの弊害を排し、横ぐしを通すことで関連する部署の役割・責任を明確にし、かつ職員のやる気を引き出すことが目的といえます。平和関連事業でいえば、中心の部署は市民局国際平和推進部ですが、平和教育は教育委員会が、平和記念公園の整備は都市整備局が担当するなど、外郭団体も含め関連部署が多岐にわたります。こうした関係部署が情報の共有や責任・役割を明確にすることで、より市民サービスが向上するのは当然でしょう。
ともすれば責任を担当の部署に任せがちになることから、連携をとりあいながら事業を実施する試みは墨田区においても行われています。たとえば関連する課の職員が集まって会議を持つ、規模が大きくなれば実行委員会形式にする、などです。昔に比べれば、これはこれで一定の成果はあると思いますが、広島市の特徴は、「規則」によりクロスセクションの権限と責任を明確にしたことにあります。 具体的には今回学んだ平和施策をはじめとし、高齢者施策、障害者施策、こども施策など全部で7つのクロスセクションがあり、機能的に動き出しています。
クロスセクションの設置に関連してできた新設のポストに課長級の庁内公募も実施したそうで、職員の意欲がより一層向上したそうです。 こうした組織の強化も市長の強いリーダーシップによるものとのこと。
クロスセクションの考え方は大変参考になりました。墨田区においても導入するよう求めていきたいと思います。
(3)所感
今回の広島市の核廃絶・平和に関する視察は大変に学ぶものが多かったと感じます。統括課長から話を伺ったのですが、役人とは思えないほど仕事に対する情念を感じました。ミッションを常に意識しながら仕事をしているのだと思います。
ネットから情報を入手できるサービスは多くの観光地等ですでに実施していますが、広島市の特徴は、スマートフォンを活用し、最新の技術であるARによる情報の配信と、エリア限定のワンセグ放送を放映していることです。
私は専門家ではないので詳しくないのですが、スマートフォンなど次世代端末機器の急速な普及が予想される中で、このような最新技術を利用した情報発信の必要性はますます高まると考えられます。
墨田区においては、東京スカイツリーの開業に合わせた観光関連情報の発信だけではなく、大災害時の防災関連の情報発信や高齢者の見守り・安否確認などにも応用ができるのではないかと思っています。
可能性の広がりに着目し、最先端の情報を常に入手しておこうと思っています。
年末で修学旅行の生徒がいなかったからかもしれませんが、平和記念公園内や平和記念資料館の見学者が、日本人より外国の方のほうが多かったのが印象に残りました。 (視察報告 完)







