1・炉畑遺跡について
昨年度、各務原ブランドの推進として「各務原縄文、5000年の里」構想の実現に向けた取り組みをスタートさせました。9月議会24年度決算認定として文化財発掘調査費1,382万7,125円が提出されております。
炉畑遺跡を中心とした縄文遺跡エリアで土器が多数発見されている周辺を含めた同エリア27ヘクタールを、同里と位置づけて緑化し竪穴住居を復元するなどしたい考えでC地区発掘調査を行い、市民発掘体験参加者数は、全10回計203名の参加、市内小・中学校発掘体験参加者数は川島小5年128名・稲羽中1年40名・各務小6年50名・鵜沼第二小6年121名・緑苑小5年62名、計5校401名の参加でした。本年度予算においても、「縄文5000年の里」発掘調査事業は、24年度に実施した発掘調査の結果を受けてさらに周辺エリアの発掘調査を行うとして、3月議会において482万5,000円が予算化しました。ところが、今回補正予算案においては発掘調査の実施を取りやめたことから451万9,000円を減額補正されております。
さて、各務原市教育委員会事務事業の点検、評価結果報告書によりますと、発掘調査事業に対し評価委員意見として「炉畑遺跡C地区」発掘調査は、一定の市民参加を得て所期の目的は達成できている。しかし市制50周年を目前にした記念事業としての発掘調査が拙速ではなかったか。今後も機会があれば市民の啓発も含めた発掘を実施していくとともに、その成果を地域交流の歴史、文化を体験できる展示や刊行物へ反映していく。と方向性が示されております。
埋蔵文化財普及啓発事業に対し、評価委員意見は、(埋蔵文化財センターを活用した学校教育や生涯学習講座の開催は、利用者、参加者の増加につながっており、今後とも学習施設、資料等の設備、充実が望まれる。小中学校の総合学習に取り入れたことが評価できる。歴史、文化を学ぶことが重要である。)としております。さらに総合評価で今後の方向性において、(展示内容強化、講座のブラッシュアップ等を図っていく、土日祝日が休館日、公共交通機関がない不便な場所などの課題をカバーしていく。)とあります。
市政発足から50周年、もともと各務原に住んでおられる方より転入されてきた方が多くなっている現状です。
そこでお伺い致します。
1.市長は炉畑遺跡を中心とした縄文遺跡エリアを市の誇りとしてどのようにお考えでしょうか。
2.学校教育で、炉畑遺跡(埋蔵品等)をどのように教えているのか、今後どのように教えていくのか。
3.展示施設としての現在の場所は非常に不便であり、炉畑遺跡の場所とも異なり一体感がありません。学習施設、資料等の設備、充実のお考えをお伺います。
2・がん予防について
1.がん教育の考え方は
がんが病気による死亡の最大の原因となり、がんの予防、早期発見、医療の充実等がん対策の着実な実施に向けて、岐阜県がん対策推進計画が平成20年度から24年度の5ヵ年間として策定し推進され、本年3月には第二次岐阜県がん対策推進計画が発表されました。
また、岐阜県がん対策推進条例がH22年9月1日より施行されています。
第一次がん対策推進計画の中に各関係機関に期待される主な役割として、教育機関に対し
1つ子供へのがんに関する正しい知識の普及、
2つ教員等のがんに関する情報の提供、
3つ学校医や学校歯科医、学校薬剤師との連携、活用とあります。
本年からの、第二次岐阜県がん対策推進計画、第7章がん対策を総合的に推進するため必要な事項の
岐阜県の役割では、
「計画に基づき、県民、医療機関、医師会、検診期間、事業者、関係団体、市町村など幅広い主体と協働し、がん対策を総合的かつ計画的に推進します。また、特にがんの早期発見に大きな役割を果たすがん検診、精密検査受診率の向上に向け、市町村の取り組みに対する助言、指導の役割を担います。」とあります。
次に、市町村の役割では、
「科学的根拠に基づく精度の高いがん検診を実施するとともに、がん検診や精密検査の受診促進に向けた普及啓発等により、受診率の向上に努める必要があります。また、住民に対する、がんに関する正しい知識の普及をするとともに、がんの健康教育に取り組んでいく必要があります。」と書かれています。
更に、各関係機関の役割・教育機関については、
「子どもに対し、がんに対する正しい知識を教育するとともに、学校や行政等と協働して、がんの健康教育に取り組む必要があります。」と書かれています。
例えば、全国に先駆けて小学校6年生と中学3年生にがん教育を義務化した東京都豊島区の取り組みが有ります。
豊島区の児童生徒へのがんに関する教育、その取り組み方針では、
区立小・中学校において、がんの仕組みやがんの予防等に関する教育を行うことにより、がんに対する子供たちや保護者の意識を高め、がんにならない健康な体づくりを推進しています。
これまでは、がん予防に関する正しい知識の普及は、り患率の高い成人を対象にしたものが中心でした。また、小・中学校の授業等においては、がんだけを取り上げて指導する機会は少なく、未成年の喫煙との関係で取りあっかわれる事がほとんどした。
がんを予防するためには、子供の頃から正しい生活習慣を身に付けるなど、がんに負けない体を作る取り組みを行うことが大切です。またがん予防に関する正しい知識等については、計画的に学習し、がん検診の受診や子宮頸がん予防ワクチンの接種等について理解を深めることが重要です。さらに児童生徒の教育だけでなく、家族でがん予防について考え、家族全員が意識を高められるよう、啓発リーフレットの作成など、保護者に向けたがんに関する知識の普及啓発が必要であると考えられています。がんは食事や運動、喫煙や飲酒などの生活習慣と深く関わりがあることを紹介、がんを予防するには具体的に何ができるのか?
厚生労働省の調査では、平成23年の1年間で、全国で35万7,305人が亡くなっています。昭和56年から心臓病や脳卒中よりも多くなり日本人の死因のトップです。子供の頃から継続的にがんについて学び、正しい生活習慣を身につけられれば将来がんになることを予防できると考えます。
そこで、本市の児童、生徒に対してのがん健康教育の考え方を伺います。
H20年より岐阜県がん対策推進計画が策定され5年が過ぎ、本年より第二次がん対策推進計画が策定されました。
1・本市の子供へのがんに関する正しい知識の普及の現状と今後の取り組みは。
2・本市の教員等のがんに関する情報の提供とがん教育の状況は。
3・本市の学校医や学校歯科医、学校薬剤師との連携、活用とはどんなことですか。
2.胃がんリスク検診を
3月議会でも質問したしましたが、浅野市長に変わられましたので、再度質問をさせていただきます。
市長、本年2月21日より、ピロリ菌が原因の慢性胃炎の除菌に対して保険適用がされるようになりました。胃がんには、ヘリコバクターピロリ菌感染が深くかかわっています。ピロリ菌感染のない人から胃がんが発生することはごくまれです。また、ピロリ菌感染によって胃粘膜の萎縮が進むほど、胃がんが発生しやすくなります。胃粘膜の萎縮の程度は、胃から分泌されて消化酵素ペプシンのもとになるペプシノゲンという物質の血液中の濃度を測定することでわかり、基準値以下の人は、6~9倍胃がんになりやすいことがわかつています。
さて、各務原市のがん検診の状況でありますが、
平成19年度から平成24年度の胃がん、子宮がん、乳がん、肺がん、大腸がん、前立腺がんの受診者数と要精検数のこの6年間を比較して驚きました。
平成19年に受診された方と24年と比べてみますと、子宮がん688人、乳がん1392人、肺がん302人、大腸癌1,855人、前立線がん50人と受診者数は増加しております。しかし胃がん検診の受診者数に至っては毎年受診者数が減り続けて、1352人から724人とマイナス628人、約53.6%にまで減少しております。なぜこのように胃がん検診が減少しているのか、それは胃がん検診のX線検査又は胃内視鏡検査が、初めて胃がん検診をする方には、受け入れ難いからではないかと私は考えます。そこで、手軽にできる胃がん検診の補完として胃がんリスク検診(血液検査)を導入されては如何かと考えます。
胃がんリスク検診(ABC検診)は、 浅香正博教授(北海道大学教授)が勧める「胃がん撲滅プロジェクト」の一環としての胃炎検診で、肝炎検診に準ずるものです
胃がんリスク検診(ピロリ菌抗体検査、ペプシノゲン検査)の(ABC検診)とは、ピロリ菌感染の有無(血清ピロリ菌IgG抗体)と胃粘膜萎縮の程度(血清ペプシノゲン値)を測定し、被験者が胃がんになりやすい状態かどうかをA~Dの4群に分類する新しい検診法です。
がんそのものを見つける検査ではありませんが、胃がんになる危険度がきわめて低い、ピロリ菌の感染がなく胃粘膜が健康な人たち(A群)を精密検査の対象から除外し、ピロリ菌に感染(またはかつて感染)して胃粘膜に萎縮のある人たち(B~D群)には、胃がんの存在を確かめる精密検査(内視鏡検査等)を受けていただくものです。近年、ピロリ菌に感染していないA群の割合が増えており、多くのA群の人たちが内視鏡による精密検診を受けないで済む点が大きなメリットです。血液による簡便な検体検査であり、特定検診(メタボ健診)などと同時に行なうこともできます。
胃がんは、肝炎ウイルスによる肝臓がんやHPV(ヒトパピロ-マウイルス)による子宮頸がんと同様、ピロリ菌による感染由来のがんで、ピロリ菌を除菌することで胃がんの発生を3分の1に減らせると言われています。
除菌治療で胃がんの発生を予防し(1次予防)、精密検査で早期胃がんを発見し(2次予防)、内視鏡治療で完治させることを重視します。「胃がんリスク検診(ABC検診)により、胃がん発生の危険度がわかった人は専門医で内視鏡検査やピロリ菌除菌を行う。そして内視鏡検査で発見される早期胃がんに対しては、低侵襲の内視鏡治療を行う」ことが、ピロリ菌時代の理に適った胃がん対策であると考えます。
消化器内視鏡はすでに全国に普及し、日本ヘリコバクター学会は2009年度よりピロリ菌除菌に対する認定医制度を開始しています。「胃がんリスク検診(ABC検診)」「ピロリ菌除菌」「消化器内視鏡」が三位一体となった胃炎・胃がん対策を強く推進して、市民の健康を守っていただきたいと考えます。
1.胃がん検診の受診率向上についてのお考えを伺います。
2.市長は、三位一体のこの考え方についてどのように考えられますか。
3.現在、国の指針がありませんが、胃がん検診の補完として胃がんリスク検診のお考えは。
がん予防についての要望
がん健康教育については、健康の保持増進と疾病の予防といった観点から、がんの予防も含めた健康教育に取り組んでいますが、がんそのものや、がん患者に対する理解を深める教育は不十分であると指摘されています。
国が12年度に定めた「がん対策推進基本計画」ではがん教育について、子供たちが「健康と命の大切さを学び、自らの健康を適切に管理し、がんに対する正しい知識と、がん患者に対する正しい認識を持つよう教育すること」を目標に掲げています。がんと喫煙などとの関係や治療方法、検査の重要性に関する知識に加え、がんという病気から健康問題や医療の現状、命の大切など、小中高生の時から総合的に学べる体制づくりが重要であることは言うまでもありません。がん教育は、子供たちが自身の健康の大切さを学ぶと同時に、病気の人に対する偏見や差別をなくすための重要な機会となります。がん経験者を招いての授業や、保健体育の教師などに対して、がん知識や理解を深める研修の開催も必要と考えます。学校現場での質の高い授業を何としても実現して頂けますよう、ご検討宜しくお願い致します。
胃がんリスク検診については、
市内医療機関は69箇所ありますが、その中で大腸がんの検査をされるところは64箇所、前立腺がんは65箇所、しかし胃がん検診に至っては35箇所しかありません。だからこそ胃がん検診の推進を補完する、血液中の濃度で判定できる、胃がんリスク検診をお願いしているわけです。
胃がんリスク検診は、厚生労働省が指針を定めてないことから取り組みは、まだ少ないのが現状です。導入された自治体のお話を伺いますと、導入にあたっては医師会との協議に1年から2年の時間をかけ理解を得た上で、血液検査は同一の検査機関に出す。その後のフォローも同様に行うなど歩調を合わせて進めていると伺いました。国はピロリ菌が原因の慢性胃炎の除菌に対して保険適用をした事は、間違いなくピロリ菌の発見が必要であり、除菌が必要です。
市長、医師会との協議を進めながら一日も早い胃がんリスク検診の導入をよろしくお願いいたします。
3・こころの体温計の導入について
9月10日は世界自殺予防デーです。
そして、10日から16日は自殺予防週間です。
人は生活の中にいろいろなストレスを抱えています。ストレスが発端となり、強い「憂鬱な気分」とともに、意欲が出ない、考えがまとまらない、眠れない、疲れやすいといった精神や体の症状が長く続いて、日常生活に支障をきたす(うつ病)になり、そして自殺願望に変わっていかれる方が多く見受けられます。
うつ病は、脳の中の神経の伝達がうまくいかなくなるなどの機能の異常によって起きる病気です。 「気の持ちよう」や「心の弱さ」などで起こるものではありません。きちんと医師の診察を受け鬱病の適切な治療を受ければ直すことができる病気です。
今全国の自治体でパソコンや携帯電話を利用して簡単な質問に答えることで、自分のストレス状況や落ち込み度を確認できるセルフチェックシステムがあることをご存知でしょうか。
名付けて(心の体温計)、愛知県教育委員会は2011年度から、県内教職員に(心の体温計)の活用を推奨しています。プライバシーが守られ気軽にチェックでき、そして要注意になる前に医師に相談するなど様々な活用方法が考えられています。11年度の愛知県内教職員のアクセス件数は延べ7万2,776件となっております。
心の体温計でチェックを行い自分の健康状態や人間関係、住環境などのストレス度や落ち込み度が、水槽の中で泳ぐ金魚・猫などのキャラクターで表示されます。
たとえば、
1、家族モード、家族等の身近な方の心の健康状態がわかります。
2、赤ちゃんママモード、産後の不安な心の健康状態が分かります。
3、ストレス解消タイプテスト「あなたは困った時どう乗り切りますか?」
4、アルコール問題チェックリスト
5、職場環境チェックリスト
6、いじめのサイン いじめられてつらいと思っている(本人チェック、子供の様子がおかしいと思っている保護者)のチェック等ができるものです。
最近の報道で、国立教育政策研究所のいじめ追跡調査で、分かったことは、小学生でいじめをしたことがある、またいじめられたことがある、ともに90%近くあることで、多くの子供が被害、加害の両方を経験していることになり被害者と加害者が入れ替わりながらいじめに関わっている様子が伺えます。また中学生でも被害を受けたのは71%、加害経験があるのは72%の結果が発表されました。これらの児童生徒に対してもこころの体温計で心のチェックをすることは大変必要かと考えます。
こころの体温計で心のチェックをしてチェックの結果により相談先を紹介できるようになっています。
社会問題化している自殺の予防対策の一環として、体だけでなく、心の状態にも関心を高めてもらい少しでも早く「心の疲れに気づくきっかけにしていただけるように、携帯電話やパソコンを使って心の健康状態を自己診断できる「こころの体温計」を導入していただきたいと考えます。市長「こころの体温計」の導入についてどのようにお考えでしょうか。
4・ガソリン携行缶について
京都府福知山の事故を教訓にガソリン携行缶に注意表示を
公明党の総務部会は8月21日衆議院第一議員会館で、京都府福知山市の花火大会で起きた火災事故の対応などについて、消防庁と意見を交わしました。福知山の火災では、露店店主が自家発電機に給油しようとした際、高温で内圧が高まっていたガソリン携行缶の圧を下げる処置をしなかったためガソリンが噴き出し、爆発につながった可能性が指摘されています。
現在流通しているガソリン携行缶の使用説明書はあるものの、多くには操作手順を示すラベルなどがないことから、最も目に付きやすい携行缶上部に「炎天下にはおかない」「エアー抜きバブルを事前に緩める」などと記載すべきだと訴え、同席議員からも「携行缶が広く流通しており、規制強化よりも運用を工夫する対応が現実的だ」との意見が出されました。消防庁側は「全く同じ問題意識を持っていた」と強調し、危険度の高い爆発実験なども実施できる、消防庁所有の施設で独自の検証、実験を行う方針であることを紹介されました。提案に謝意を示し前向きに検討する考えを示されました。さて報道されておりませんが、福知山の事故の前日に三重県松阪市内で同様の原因による建物全焼火災が発生しております。
ガソリン携行缶の利用方法はいろいろであると思います、例えばイベントまたレジャーでもガソリン携行缶は使用しますし、携行缶の大きさもさまざまです。いちばん小さなガソリン携行缶は圧を下げる弁がありません。
また、ガソリン携行缶でガソリンを購入しその後オイルと混ぜて混合ガソリンを作り、草刈り機の燃料にする方もあります。それぞれ使用説明書がありますので、その通り使用されれば問題がないわけですが、そうでないから事故がおきます。しっかりとルールを守れないから大変な事故が起きるわけです。繰り返しガソリン携行缶への注意喚起が大切だと考えます。
各務原市は年間を通じてイベント等が多いので、ガソリン携行缶についてお伺いします
1.ガソリン携行缶使用で、過去に事故は有ったのか。
2.露天商・地域のイベント・レジャー・農家等に対して、ガソリン携行缶の使用方法の注意喚起はされていたのか。
3.福知山市の事故を教訓に各務原市では対策方法を考えているのか。