研修自治政策講座 7月13日~15日
自治体議会政策学会の研修会が、7月13日~15日かけて神奈川県民ホールで行われました。
7月13日は、 「議会に臨む」と題して「地方議員の役割と議会改革」について竹下譲自治体議会政策学会会長が講演を行いました。先例にこだわる地方議会の審議を行っていれば形式的な審議となり、住民の代表として機能しているとはいえない。悪しき因襲から脱却すべきと。
その後、元市長による講義がありました。「地方自治体と財政健全化」について井上哲夫元四日市市長が、市長時代に取り組んだことの講義がありました。財政悪化のため今まで行ってきた予算編成ができないため、シーリング方式を改め、業務の棚卸票による予算編成に努めた。毎年春、夏、秋に各課による業務の数値化を図る民間の棚卸を実施した。あった予算は別に積んでおくなど工夫されたことを話されました。
「総合計画と議会の審議」について西寺雅也元多治見市長が自分の体験をもとに、総合計画と市長の任期を考慮した計画にしなければ計画にならない。総合計画を作成する場合、各部に任せると膨大になるので、職員からすると個別計画で十分となる。だから議会こそ、総合計画の根拠条例に関心を持つべき時であると述べられました。
「自治体議会の課題」について石田芳弘元犬山市長が、経験談として政治はガバナンスとマネージメントが必要である。 国会議員と地方議員の格差が広がっている。権限と財源を国が持ち、仕事は地方が行うなどきわめて中央集権になっている。だから、チェック機能だけでなく、ガバナンスとマネージメントを身につけるプロの議員になってほしい。
7月14日は、「東日本大震災が教えること」と題した講座がありました。
まずはじめに、「広域復興の準備」-自治体の事前復興計画と訓練について、中林一樹明治大学大学院特認教授が講義されました。今回の大震災を開設しながら、復興の先を事前に 計画しておくことが重要である。東京都では、復興の進め方と目指すべき目標像を事前に準備し、公表して、都民と共有することがで大事である。各自治体でも取り組むべきであると。
「今からはじめる地域防災力の再生と向上」について、瀧本浩一山口大学大学院准教授がユニークに講義されました。現在の自主防災の活動の多くは、戦術(道具の使い方)のみで、自治体の被害想定やそれをもとにした戦略、計画作りまでいっておらず、活動が停滞していると指摘した。災害リスクは、普段は幽霊のように隠れており、あるときは、化け物のように現れるものである。重要なことは、幽霊が現れる前に、その存在を知り、心の準備が必要である。
「風評被害とは何か」について、関谷直也東洋大学准教授が講義されました。風評被害とは、ある社会問題が報道されることによって、本来安全とされるものを人々が危険視し、消費、観光、取引をやめることなどによって引き起こされる経済的被害であると、定義されました。
7月15日は、「大震災と危機管理」について中邨章明治大学危機管理研究センター所長が講義されました。大震災の教訓は、 自治体の消滅、首長、幹部職員の殉職、仕分けの影響(防災無線の流出、情報伝達の不備)、事前準備の過信などをあげられました。そして、今後の危機管理の在り方として、初動体制と自治体の役割などについて話されました。
