平成19年第7回定例会での一般質問と答弁の要旨(2007.12.4)
◯防災対策
質問
防災の専門知識を備え、災害時に地域や職場のリーダーとなる「防災士」。平常時には身につけた知識と実践力を生かし、それぞれの地域で住民の防災意識の啓発や訓練に努め、災害発生時には、消防や自衛隊など公的支援が到着するまでの間、地域や職場で人命救助や避難誘導にあたり、避難所運営などを中心的に担う役割も期待されている。防災力の底上げを図るため、地域のリーダー育成について、現状でどのように考えているのか。当市でも防災士養成講座の開催や、資格取得費用を負担し、防災士の養成に取り組んでいく必要があると思うが見解を伺う。
答弁
地域の防災体制の強化の観点から、自治会等を基本とした自主防災組織の育成を優先して取り組み、体制がある程度整備された段階で、防災士の養成事業について検討を行ってまいりたい。
質問
災害時の迅速で正確な情報伝達の向上を図るため、「防災行政ラジオ」の配布が各地で行われている。一般のラジオ番組を受信中でも、災害時には役場や消防署から緊急放送を割り込ませることができる。一般のAM、FM番組も聴くことができ、小さく持ち運びが便利なのが特長。自治会に1台、要援護者を対象に配備が必要ではないか。また、個人向けに有償配布(購入補助)することはできないか。
答弁
現状の安田地区の防災行政無線の設備では、市内全域で受診することが不可能なことから、防災行政ラジオの導入以前にシステムの全面更新が必要になる。概算で7億円以上の費用が見込まれることから、現時点では難しい。今後の課題とさせていただく。
質問
「住宅火災による死者発生の防止が目的」である、住宅用火災警報器の設置義務の期日が、当市では平成23年6月1日となっている。
期日までの取り組みとして、普及・啓発の推進をどのように考えているか。寝室・台所・階段に設置するため最低でも3台は必要となるが、警報器の設置に対して高齢者・障害者・低所得者など無償配布や、補助制度の創設は考えているか。また、悪質な訪問販売の被害にあわないよう、取り扱い業者の登録リストを作成・配布する必要があると思うがどう考えているか。
答弁
大変有効と考えている。近隣市町村の動向を見ながら補助制度等を検討してまいりたい。消防長: ホームページや広報誌等に掲載し、普及・啓発を行っている。今後は自治会長会議や自治会そのものを通じ、訴えてまいりたい。悪質な訪問販売の被害にあわないよう、市の広報やおしらせでPRしているところである。今後もあらゆる機会をとらえ注意喚起、クーリングオフ制度の適用などの情報提供を行い、あわせて警報器の普及推進を図りたい。登録リストの作成・配布については有効であると考えており、今後検討を行ってまいりたい。
◯子育て支援
質問
家庭や地域における子育て機能の低下が問題となっている中で、本来子どもの養育について支援が必要でありながら、積極的に自ら支援を求めていくことが困難な状況にある家庭への支援については、従来の「通所型」だけではなく、家庭訪問等の積極的な「訪問型」の支援の必要性が高まっている。このような状況を踏まえ、「育児支援家庭訪問事業」は、こうした家庭に過重な負担がかかる前の段階において、訪問による育児・家事の援助等を実施することにより、当該家庭における安定した子どもの養育を可能とすること等を目的としている。
新生児訪問の際、引き続き支援が必要と思われる家庭に対するケアは現状どうしているのか。虐待などの早期発見、防止にもつながる取り組みとして、導入を検討してはどうか。
答弁
支援が必要と思われる家庭については、2ヶ月児に保健師または助産師が訪問し、育児相談・保健指導等を行っている。また、ケースに応じて定期訪問や関係機関との調整を行い支援を図っている。育児支援家庭訪問事業については、新年度から「こんにちは赤ちゃん訪問事業」を新年度から実施する予定で、状況をみながら検討してまいりたい。
質問
平成18年第4回定例会にて、福井県での『子育てマイスター(専門家)制度=育児に悩む母親らの相談にのるボランティア』の取り組みを当市でも実施してはどうかとの質問をした。今後、子育て支援活動を拡大し、質を高めていくために専門的知識を持つ方のボランティア育成に努めていきたいとの答弁であった。ボランティア育成の進捗について伺う。 ボランティア育成の後、当市としてはどのような形で相談事業に取り組んでいくつもりなのか。やり方によって「育児支援家庭訪問事業」や、本年6月に質問した「親教育プログラム」にもつながっていくと考えるが見解を伺う。
答弁
現役を引退された保育士や看護師の方などから意見を聴取したところ、難色を示す意見が多いことから、難しいと感じている。現行の体制を強化しつつ、あわせて有資格ボランティアの育成も検討してまいりたい。
質問
発達障害は早期発見・早期療育の開始が重要で、5歳程度になると健診で発見することができるが、就学前まで健診の機会がなく、ようやく就学前健診で発見されたのでは遅いと言われており、対応が遅れると、それだけ症状が進むといわれている。また、就学前健診で発見されても、親がその事実を受け入れるのに時間がかかって適切な対応・対策を講じることなく子どもの就学を迎えるために、状況を悪化させてしまっているといった現状がある。5歳児健診の導入について見解を伺う。発達障害が発見された時、同時に親のケアが必要である。現状の対応はどのようにしているのか。
答弁
発達障害の早期発見については、健診の他に、乳児期での全数訪問、保育園・幼稚園への巡回訪問、親子遊び教室を通じて就学前の発達を継続的に見守る体制づくりを行っていることから、5歳児健診の導入は考えていない。親のケアについては、受診や相談に同行をしたり、関係機関と連携を図りながら、随時保護者からの相談に対応している。
◯財源の確保
質問
自治体があらかじめ自然保護や福祉充実など複数の政策メニューを示し、全国の個人や団体に政策を選んで寄付してもらい、それを基金として積み立て、目標額に達したら事業化して政策を実行するという取り組みを、長野県泰阜村が2004年6月に全国に先駆けて導入し、その後、全国27市町村(10月現在)にまで拡大している。当市でも瓢湖エリアの観光基盤整備や、病院再建の一助とすることも考えられるこの寄付条例の導入は画期的であると思うが見解を伺う。
答弁
現段階での考え方は、単に「資金集めの手段」として、条例を制定することは望ましくないものと考えている。「まちづくり条例」をはじめとした「協働の仕組みづくり」を検討していく中での「長期的な検討課題」としていくべきと考えており、総務省で現在検討されている「ふるさと納税制度」の今後の動向についても、あわせて注視していく必要があると考えている。
質問
飲料水メーカーと協定を締結し、売上金の2割を事業に活用する取り組みが各地で行われている。当市でも“まちづくり”のために設置してはどうかと思うが見解を伺う。
答弁
社会動向も踏まえながら、今後の取り扱いを検討する必要があると考えている。なお、自主財源の確保については、市としても喫緊の課題であり、ご質問にあった方策の検討なども含め、早急に「実務レベルの検討組織」を立ち上げ、詳細に検討するよう命じているので、ご報告申し上げる。