平成23年6月議会
平成23年6月議会
① ゲリラ豪雨等による水害、土砂災害の対策について、
深層崩壊について、砂川、こぶ川の対策について
② アースダム及びため池の安全対策について及びため池
のハザード・マップ作製の提案
③ 被災者支援システムの導入について
④ 不育症の助成制度の導入について
東日本大震災
初めに、3月11日に甚大な被害をもたらしました東日本大震災
におきまして被災されました皆様に心よりお見舞いを申し上げます
とともに、一日も早く復興されますことをお祈りを申し上げます。
私の所属する公明党も、3月の緊急要請並びに4月の緊急提言
に続き、5月には日本国憲法に定めるところの幸福追求権や
生存権を念頭に置き、一人一人の人間に焦点を当てて人間の
復興を目指すことを基本理念とした東日本大震災復旧復興ビジョン
を政府に対して提言をするなど、全力で取り組みさせていただい
ております。
そのような中、私も公明党赤磐市議団の一人としてなごみ会の
方々とともに4月末に福島県相馬市に視察に行かせていただき
ました。
そして、相馬市議会の議長さんを初め、いろいろな立場の方に状況、
対策、問題点など多くのことを学ばせていただきました。
特に議員の役割については、すべての議員が一日も休まず最前線、
つまり被災者のもとへ行き、要望、御意見などをお聞きして、対策本部
へとつなげているとのお話に感銘を受けました。「一国の王とならんより
も一人の人を救済するは大いなる事業なり」とは、東北が生んだ青年詩人
石川啄木の言葉ですが、改めて一人の人を大切にとの精神、そして現場
第一主義の大切さを痛感をいたしました。
その後、被災地を視察させていただきましたが、もとは集落だった場所が
360度何もなく、海岸べりにあった重さ何十トンとい・う消波ブロックがまる
で石ころのように何個も転がっている状況を見たときに声も出ませんでしたが、
4月に赤坂地区の砂川に18匹のこいのぼりとともにみんなで頑張ろう日本、
被災支援のため私たちができることをしようとのメッセージを書いた手づくり
のこいのぼりが掲げられていましたが、改めてその思いを強く強くいたしました。
同時に、赤磐市の安全・安心を守っていくことの重要性を強く感じました。
そこで、防災関連につきまして3点お伺いをいたします。
ゲリラ豪雨、集中豪雨等による水害、土砂災害対策
問 ①
まず初めに、豪雨による水害、土砂災害の対策についてお伺いをいたします。
地球温暖化の影響などで雨の降り方に変化が生じています。全国的に1時間
の降雨量が50ミリメートルを超える豪雨が増加傾向にあり、並行してがけ崩れや
土石流などの土砂災害の発生件数もふえております。気象庁が昨年発表した
気候変動監視レポート2009によれば、全国で1時間当たりの降雨量が50ミリ
メートル以上の豪雨の年間発生回数は、1976年から1986年までの10年間
の平均は160回だったのに対して、1998年から2008年までの10年間の
平均が239回と、30年間で1.5倍近くにふえております。近年は、1時間の
降雨量が100ミリメートルを超える集中豪雨もふえております。
また、短時間に局地的に降る大雨、いわゆるゲリラ豪雨による事故や
浸水被害が頻発しております。また、県の防災対策でも将来地球温暖化
の影響で強い台風が発生する傾向が強まることが予測されると警戒を
しております。
私の地域は大丈夫だろうか、市民の不安の声もよくお聞きします。
そこで、お伺いをいたしますが、近年の気候変動の実態をどのよ
うに考え、どのように対策に取り組まれているのでしょうか。
また、地域防災計画などでは、このような気候変動によるゲリラ豪雨
などを想定したものになっているんでしょうか。
御答弁をよろしくお願いをいたします。
答 ①
一般的に時間雨量で20ミリ、24時間雨量で80ミリが災害として
認定される基準になっとりますけれども、最近雨の降り方が非常
に変化がございまして、局地的な集中豪雨がふえとります。
赤磐市でも、時間雨量が64ミリ、24時間雨量で253ミリの記録
がございます。
これらの局地的に起こる集中豪雨、いわゆるゲリラ豪雨でございま
すけれども、こういうものも想定いたしまして、地域防災計画では
土砂災害の避難準備、避難勧告では現地の状況とあわせて前日
までの降雨量や当日の雨量予測などによる基準を細かく決めて
おります。
洪水につきましては、山陽、赤坂地域を流れる砂川では越水箇所
等の状況確認により、早期対策を行い、災害の防止、拡大の防止
に努めております。吉井、熊山地域にあっては、降雨場所、降雨量
により、吉井川の水位が急上昇いたします。
水防団待機水位などを定め、対応をしとります。内水排除の対策
も必要でありまして、ポンプの稼働における職員の配置については、
支所勤務職員のみならず本庁の職員も操作できるように配置し、
訓練をしておるところでございます。
雨量や河川の水位、ダムの放流状況、リアルタイムの雲の動きや
降雨の状況、こういうもの、必要な情報は岡山県総合防災情報
システムによりまして確認し、集中豪雨などによる災害に対して
警戒をいたしとります。
このように地域防災計画に基づいて対応を現在しておるところ
でございます。
問 ②
気候変動によって新しいリスクが危惧されているのは事実で
あります。
御答弁では、気候変動による豪雨などを考慮して防災計画を
含む対応しているとのことですが、御答弁以外の危惧される点
を何点かお伺いをいたしますんで、よろしくお願いを申し上げます。
《深層崩壊について》
1点目として、土砂災害関連についてお尋ねいたします。
最近は、深層崩壊という言葉をよく耳にします。これは、昨年度
鹿児島県の南大隅町で起こった大規模な土砂崩れが深層崩壊
だったことで注目をされております。深層崩壊は、表層崩壊と違い、
表土層の下の岩盤までも同時に崩れる現象で、被害も格段と
大きくなります。
統計的には、近年の豪雨の増加傾向で深層崩壊もふえている
そうであります。
国交省は、一昨年より深層崩壊の危険箇所を全国的に調査して
いるとお伺いいたしましたが、赤磐市には深層崩壊が危惧される
ような箇所はあるんでしょうか。
《内水氾濫に対するハザード・マップ》
2点目として、洪水のハザードマップについてお尋ねをいたします。
近年は、気候変動の影響で洪水のハザードマップと実際の被害
が食い違う事態が全国各地で起こっております。それが、被害を
大きくしているケースもあります。昨日の一般質問でも、同僚議員
のほうからもいろいろお話がありましたが、赤磐市のハザードマップ
も見直す必要があるんではないかと考えます。また、内水氾濫を
反映したハザードマップも必要ではないかという意見もあります。
いかがでしょうか。
《こぶ川、砂川の水害対策》
3点目といたしまして、具体的に水害対策についてお伺いをいたします。
山陽エリアにこぶ川という川があります。そこのこぶ川と砂川の
合流点エリア、地名では正崎地内になると思うんですけれども、
そのエリアは過去に何度も大雨でこぶ川がはんらんして水害の被害
に遭っております。地域からの改善の要望もあるでしょうが、住民の
方も苦しまれております。どのような対策をとられているんでしょうか、
お答えください。
答 ②
まず、深層崩壊についてでありますけれども、今回の国交省が
行った全国レベルの調査結果は、すぐに個別の市長に対応策を
検討するレベルのものではございません、そういった内容で聞い
ております。
国では、今回の調査結果に基づきまして深層崩壊の推定頻度
が特に高いとされた地域から渓流レベルで調査を実施すると聞
いておりますので、これから国、県との情報交換を密にいたしま
して適切に対応を協議していきたいと考えております。
次の件のハザードマップの件でございますけれども、市の
ハザードマップにつきましては、洪水でございますが、20年4月
に各戸へ配布しているところでございます。
大雨で堤防が破堤した場合の予測結果に基づきまして、浸水
範囲とその深さを示したものでございます。また、土石流の危険
渓流の表示もあわせて載せております。
内水対策は、これからも重要でありますので、現状分析を行い
ますが、最寄りの消火栓でありますとか用排水の越流箇所など
は毎年行っとります事業要望に上がってまいります。
随時手当てをしてまいりますので、内水氾濫の反映した
マップというとこまでは考えておりません。
それから、最後の砂川、こぶ川の件でございます。
砂川、こぶ川は、ともに県管理の一級河川でございます。
市では、砂川の改修を強く要望してまいりました。しかしながら、
砂川においては下流域での未改修部分が多く残っておりまして、
計画上端流のこぶ川合流部の改修時期ははっきりと示され
ておりません。
そこで、正崎橋あるいは潮崎橋との改修等で極力早く着工
できるような策を講じております。
市道正崎熊崎線の新設計画の中で合流部の2橋、正崎橋と
潮崎橋、県道の潮崎橋ですが、この範囲、周辺の河川構造の
変更をすることで、その部分の流下能力の向上を図るという
予定で今進めております。
現在、砂川につきましては、河床の掘削であるとか河川内の
立ち木の伐採等を行いまして流下能力の低下を防ぐことで
対応してまいってんでおりますが、このネックとなっとります
こぶ川の合流点につきましては、早急に着手したいと考えて
県に要望しておるところでございます。
以上でございます。
アースダム・ため池の安全対策
問 ①
次に、アースダム及びため池の安全対策についてお伺い
をいたします。
東日本大震災では、津波による未曾有の被害や福島第一原発
の事故が主に報道されていますが、もう一つ見逃せない災害が
起こっております。
それは、震度6強の揺れがあった福島県の須賀川市に設置され
ている農業用アースダムである藤沼ダムが決壊して、下流の52
世帯が暮らす滝地区で濁流にのまれて7人が死亡され、1人が
行方不明になっています。
また、建物にも流出、全壊家屋19戸などの被害が出ました。
資料によると、昭和24年に完成した以降、これまで4回改修
工事が行われ、そのたびに補強されてきました。
それが、あっさりと崩れ去ってしまったことは、決して見逃して
はならないと思います。
なぜ藤沼ダムが決壊したのか、正式な調査が待たれるところ
でありますが、今回の事故を受けて、全国のアースダムや構造
が同じであるため池も大丈夫であろうかと不安になります。
赤磐市にも、アースダムや多くのため池がありますが、地震対応
などの対策はできているんでしょうか。また、安全点検等が必要
と考えますが、いかがでしょうか。
答 ①
議員御指摘のとおり、赤磐市内には多くの農業用に利用され
ているため池がございまして、590カ所程度存在し、その中で
内のり、内の池の中ののり面ですが、そういった内のり等の
侵食が確認されているものが48カ所程度ございます。
こうした農業用のため池の管理につきましては、通常では
地元の農業用水の利用者、ため池の受益者、そういった方
が中心になって行っておられますが、市におきましても
大雨の後の調査であるとか、通常業務の中で現地調査を
随時行っております。
また、区長会等を通じまして、区長さんのほうには農業ため池
の管理や漏水等の災害が発生した場合には連絡をいただく
よう常にお願いしております。また、外周におきましては、
岡山県が定める農業用ため池の管理指導概要に基づく
要監視ため池重点調査要領、そういったものに従いまして
赤磐市の職員と岡山県の職員が共同いたしまして、6月と11月
の年2回、現地調査を行い、堤体の老朽度、洪水(余水)吐けの
状況等からため池の危険度を判定し、地元受益者とも協議の上、
限られた予算の中で年間3カ所から5カ所程度のため池改修を
実施しているところでございます。
今後とも、地震や大雨、台風等の災害の発生の有無にかかわらず、
日ごろから地元区長さんを初めとする関係者との連携、職員による
安全・安心確保のための現地調査等を効果的に継続して行ってま
いりたいと考えておりますので、
御理解のほどよろしくお願いいたします。
問 ②
《アースダム・ため池堤防の液状化対策について》
調べてみますと、阪神・淡路大震災でも平成16年に起きました
新潟中越地震でも今回の藤沼ダムほどの大きな被害ではありま
せんが、多くのため池が被害を受けております。
御答弁では、規定に基づき、年2回の正式調査及び地元と
連携をして随時危険箇所等の現地調査を行っていると、そして
予算内でため池改修工事も継続して実施しているとのことですが、
ぜひ今後ともに積極的に取り組んでいただきたいと思います。
藤沼ダムの決壊は、人的被害だけじゃなくて、837ヘクタール
の農地でことしの田植えができない深刻な状態になってると
お聞きしました。
市民の安全・安心を守るためにも、また農業を守るためにも、
ため池の安全管理は真剣に取り組んでいくべきと考えます。
よろしくお願いいたします。
実は、先日なごみ会と公明党市議団で合同でため池の
勉強会があり、参加をさせていただきました。そのときに、
いろいろ教えていただきましたが、震災のときのため池の
決壊の原因の多くは液状化により地すべりを誘発すること
により起こるとお聞きしました。
また、ため池は、1960年以前に築造されたものが多く、
液状化に関する科学的な知見がないまま築造される点
が大きな問題だと、このようにも言われておりました。
また、ここに岡山県の地図があるんですけれども、
これは土質の地図です。
これをよく見させていただきますと、赤磐市の平地の
かなりの部分が沖積層となっております。
皆さんよく御存じだと思いますけども、沖積層になって
おります。この沖積層っていうのは、地質学的には
新しい地層であります。新しいと言いましても何万年
単位なんですが、それが比較的軟弱な地層であり、
液状化する可能性もある地層であるとお聞きしました。
先ほどため池改修工事については、液状化対策等を
考慮して改修工事をなさってるんでしょうか、
お伺いをいたします。
答 ②
ため池についての液状化の関係でございますが、液状化現象
と申しますのは、地震の際に地下水位の高い砂地盤が振動等
によりまして液体状になる現象でございまして、一般的に液状化
判定の検討の対象となります地盤と土質は地表面から20メートル
より浅い部分、そうしたところの飽和した、先ほど御指摘ございまし
た沖積層で、平均の粒度10ミリ以下等々の場合の土質が考えら
れるということでございます。
御指摘のため池につきましては、農業用、それから市民の方を
守るという両面の役割を持っております。
このため、池改修に係る液状化現象への対応策の一つとしましては、
県営事業等で行います大規模なため池改修、全面改修、そういった
工事の場合にはボーリング調査を行いまして、試験データによりまして
液状化判定を行います。
その結果、液状化の判定がなされた場合には、土壌改良等の工法
によりまして液状化対策を行っているということでございます。
よろしくお願いいたします。
問 ③
《アースダム・タメ池のハザードマップの提案》
きのう一般質問で東南海・南海大地震のお話もありましたし、
先ほど申しましたように、赤磐市の土地にも非常な不安もある
ということでございますけども、今ただいまの御答弁ではしっかり
ため池対策やられているということではありますけれども、実は
香川県では、ため池が多く、危険箇所が多いために、ため池の
ハザードマップをつくっているそうであります。きのう報道を見
ました。それで、インターネットで調べてみましたら、ため池の
多い市町村でもかなりの市町村でため池のハザードマップを
つくられております。赤磐市も、ため池が590カ所あります、
多くあります。市民の安全・安心のためにも、ため池の
ハザードマップをつくってはどうでしょうか。
お伺いをいたします。
答 ③
香川県のほうでは、ため池のハザードマップを作成していると
いうふうな御指摘でございます。
今後につきましては、このハザードマップの必要性、それから
内容等も含めまして赤磐市としましては今後の検討課題ということ
で検討させていただきたいというふうに思っておりますので、
よろしくお願いいたします。
被災者支援システムの導入
問 ①
次に、被災者支援システムの導入についてお伺いをいたします。
この被災者支援システムは、中核をなす被災者支援システム
及び避難所関連システム、緊急物資関連システム、復旧・復興
関連システム、仮設住宅関連システム、犠牲者遺族管理システム、
倒壊家屋管理システムの6つのサブシステムで構成されており、
災害発生時に被災者台帳をもとに被災の状況など個人データを
一元的に管理し、罹災証明書の発行はもとより各種支援制度や
義援金の処理などにも対応し、被災者支援の総合的な管理が
可能になるものであります。
このシステムは、16年前の阪神・淡路大震災において大きな被害
を受けた兵庫県の西宮市が独自で開発したシステムであります。
当時、西宮市の市街地のほぼ全域が被災し、市庁舎も大きく被害
を受けましたが、市の日常業務の復旧とあわせて被災者のために
必要な支援策を集約して開発したシステムであります。そして、
このシステムは、被災者支援や復旧・復興支援に大きな力を発揮
いたしました。
つまり、このシステムは、単に机上でつくり上げたものではなく、
西宮市の職員さんが被災の中で苦労しながらつくり上げたもの
であります。
まさに現場でつくり上げた、より実践的な実務的なすばらしい
システムと考えます。
このシステムを、総務省所管の財団法人地方自治情報センター
が共同アウトソーシング事業の一環として共同利用可能な汎用
ウエブシステムとしてリニューアルを行い、地方公共団体業務用
プログラムライブラリーに登録され、全国の自治体が無償で利用
することが可能になりました。
そして、導入を希望する地方公共団体の意見や要望なども反映さ
せながら、より使いやすいようにシステムを進化させています。
最新版では、GISと連携したことでさらに活用範囲が広がったと
お聞きします。
また、このシステムの導入から運用、操作方法に至るまでトータル
的に支援する全国サポートセンターが設置され、より利用しやすい
環境が整ってきています。あの東日本大震災において私たちは改
めて危機管理の重要性を痛感させられました。
市民の命と生活を守るのが行政の根本の使命であります。
災害発生時に備えてハード、ソフト両面の対策及び発生時の人命
救助などは当然でありますが、加えて災害がおさまった後の被害
状況の把握や物資の配給、義援金の交付、仮設住宅など、山積する
災害関連業務に対して次々と決断を下して、素早く対応し続けなけ
ればなりません。
しかも、それは庁舎が破壊されたり職員の何割かが勤務不可能で
あったりするような状況下でも同じであります。そのときに、この
システムは大きな力になります。
被災者支援システムを平時のうちに構築しておくことが極めて
重要と考えますが、いかがでしょうか。
答 ①
このシステムは、議員御質問のように、非常に多機能なもので、
市全域に及ぶ大災害の場合、必要となる総合的な支援業務を
網羅している、これは西宮市が開発したシステムでございます。
地方自治情報センターのライブラリーに現在登録されておりま
して、いつでも無料ですぐに利用できるシステムでございます。
現在、阪神大震災以後、いろいろなところで災害が発生いたし
ておりますけれども、各市町村がこのシステムを使いまして
自分ところに合ったシステムにカスタマイズし、またこの
情報センターのライブラリーへ登録しておるような現状も
ございます。
このシステムを利用するためには、いろいろなOSとか
データベースが必要でございますけれども、すべて無料
で入手できるソフト等で構成されておりますので、非常に
よいシステムというふうに理解しておりますし、またこの
システムが使えるようなシステムでございます。
ただ、この支援システムを運用するには、初期のデータ
として災害直近の住民基本データからこのシステムに合う
データを抽出して、加工して、セットアップするという作業が
ございます。
リアルタイムにこの震災に備えて住民基本台帳データを
リンクするということにつきましては、大変難しい面がござ
います。震災後、速やかに構築することが実際には現実的
でございます。
先ほども申しましたように、いつでも無料で利用でき、すばら
しいシステムでございます。幸いにも、本市の住民基本台帳
システムを構築いたしました電算業者がこの被災支援システム
の導入支援企業ということで、全国的にいろいろ企業ございま
すけれども、そういうことになっておるようでございます。
即刻に対応は可能というふうに思っとります。ぜひとも使うよう
な方法で検討したいというに思っとりますので、
よろしくお願いいたします。
問 ②
相馬市の視察で意見交換をさせていただいたときに、災害発生時
に最も重要な一つとしてトップの決断力が大事だというふうに
言われてました。
それも、スピーディーな決断力が重要であると強調を何度も
されておりました。
危機発生時、いろいろな予想外の出来事が起こったときに、
的確かつ素早くトップが判断して対応していくことが住民の命
と生活を守るためには必要不可欠であります。
今回の大震災の混乱した総理大臣の対応や政府の対応を
見れば、一目瞭然であります。
私は、井上市長はリーダーシップもスピーディーな決断力も
十分あると思いますが、しかし考えてみてください。
平常時にいろんなことを推進するに当たっても、お役所仕事とか
縦割り行政とかという言葉がありますが、横の情報共有が
円滑にできず、なかなか前へ進まないのが行政の大きな
問題点であります。
まして、非常時には混乱して、より困難になります。
それゆえに危機管理情報を組織的で簡単に共有し、
活用することができるこのシステムを準備しておくことは
重要であります。
この被災者支援システムのサポートセンターの
吉田センター長の「危機管理と情報システム」というレポート
を読まさせていただきましたが、その中でも決断力の重要性を
言及した後、しかし、危機発生時は情報が混乱して的確に
素早く決断していくことは難しい。
いざというときに、スピーディーな決断が可能な枠組みを
準備しておくことが不可欠である。
そのために、情報を一元的に管理し、活用できるこのシステム
は決断の大きな力になる。
この効果は絶大であった、このように言われております。
今回の震災でも、このシステムを採用した宮城県の山元町は、
罹災証明書の発行がスムーズに行われ、1度情報を登録して
しまえば、一元的管理によって義援金の支給などについても
再度の申請手続は要らない、行政にとっても住民にとっても
助かると、効果を語られております。
だからこそ、総務省も推進してるんだと思います。
だからこそ、震災後、多くの自治体がこのシステムを導入
しようとしてるんだと思います。
御答弁では、このシステムの重要性は十分認識をしていた
だいておりますが、その上で導入時期でありますが、災害発生時
でもよいのでは、災害が起こってからでもよいんではないかと
ニュアンスに聞こえましたが、私は平時のうちに導入しておく
必要があると思います。
一刻も早く導入しておく必要があると思います。
なぜならば、このシステムを稼働させるのに、セットアップなどの
準備作業に普通は1週間程度かかると言われております。
さきの御答弁で赤磐市の住基システムを構築した電算業者が
この被災者支援システムの導入支援企業であるとのことでご
ざいましたが、サポートセンターにお伺いしましたら、たとえこの
システムを熟知した支援企業でも二、三日はかかるんではない
かと、こういうふうに言われてました。
非常時の1日は平常時の何倍、何十倍と大切であります。
そのことを理解をしていただきたいと思います。
また、幾らすばらしいシステムでも、初めて使うんではうまく
いきません。
きのうも、市長も防災に関して実際に訓練することが重要であると、
このように言われてましたが、防災訓練のときなどに定期的に
システムの運用の訓練、シミュレーションをしておく必要があると、
このように思います。サポートセンターもシミュレーションをしていく
ことが最も大切だ、シミュレーションではテストデータを使用しても
実際に基本台帳データを取り込んでもよいが、いざというときに
訓練しておくことが必要だと、このように言われてました。そのことが
一番重要だと思います。それが危機管理ではないんでしょうか。
市長の御見解をお伺いいたします。
○議長(小田百合子君) 答弁求めます。
答 ②
いろいろと御提言ありがとうございます。
私も、このシステムの有効性等につきまして十分確認をいたし
まして、また早期に導入する必要があると判断できれば、そういう
ことで進めさせていただきたいと思います。
ちょっと先ほどの日数の話とか、その辺の話につきましても、
私自身が完全に把握ができてる状況ではございませんので、
担当と十分協議をさせていただきたいと思っとります。
先ほど議員もおっしゃったように、またきのうの御答弁にも
申し上げましたように、情報を的確に集めた上で素早く判断
していく、決断をしていくってことが大変重要なことでありますし、
また外に向かっても発信をしていかなければいけないと思っとりま
すので、そういう危機管理の中で十分検討はさせていただきたい
と思います。
不育症の助成制度の導入について
1990年に合計特殊出生率が1.57になったいわゆる1.57ショック
で、少子化という言葉が社会で一般化しました。
2004年に1.29を切った合計特殊出生率も、最新の調査では少し
改善してきましたが、厳しい状況が続いているのが実情であります。
この問題は、日本の将来を大きく左右する根幹の問題であります。
それゆえに、少子化対策及び子育て支援は、今後とも全力で取り
組んでいくべき最重要課題であります。赤磐市でも、教育、子育て
支援を力を入れるべき3つの分野の一つと位置づけて、中学3年生
までの医療費を無償化するなど、積極的に取り組んでおります。
そのような状況の中、子供が欲しくてもできない不妊症や不育症
で悩む方々は、精神的にも経済的にも大きな負担があり、特に経済的
な理由であきらめてしまうケースが多くあります。行政も積極的に支援
をしていくべきと考えます。本来であれば、保険適用など国レベルの
対応が必要であると考えますが、まだまだハードルが高い現状が
あります。そこで、近年では自治体レベルでの公的支援が徐々に広が
っております。
岡山県では、2004年に岡山県不妊専門相談センターを開設して、
不妊症や不育症のために子供を持つことができない御夫婦に対して
医学的サポートや心理学的サポートなど、総合的な対応を行って
おります。
また、不妊症に対しては、治療費が高額になる体外受精及び顕微
授精の特定不妊治療について、所得制限などの条件がありますが、
1回につき15万円まで1年間に2回を限度に5年間助成を受けること
ができます。
しかし、この治療には平均200万円程度かかると言われており、
県の助成制度だけでは不十分なために、赤磐市でも1回につき10万円
まで1年間に2回を限度として5年間、県の助成制度に上乗せして助成
をする独自の制度を昨年度より実施しております。
つまり、県の助成にプラスして赤磐市の助成も受けることができます。
すばらしい取り組みであると考えます。これにより、不妊症の治療に
対しては、まだまだ100%とは言えませんが、ある程度、経済的な
軽減ができたと思います。
しかし、不妊症と同じように、精神的にも経済的にも負担が多い
不育症については、全く助成制度がありません。一般的に妊娠は
するけれども、2回以上流産や死産または新生児死亡などを繰り
返して、結果的に子供を持てない場合、不育症と呼ばれます。
認知度も、不妊症に比べて低いのが実情です。しかし、厚生労働省
研究班は、16人に1人の割合で不育症があると実態調査を発表し
ております。決して少ない数字ではありません。不育症治療の専門家
の名古屋市立大学の杉浦教授は、流産をされた方の中には不育症の
ことを知らない方も多くいるのではないか、不育症は聞きなれない
病気だが、珍しい病気ではないと言われております。
不育症の原因は、子宮の形態異常や染色体異常など、さまざまで
ありますが、近年では適切な検査と治療によって85%の患者が
出産にたどり着くことができると言われております。
しかし、先ほど申しましたように、検査も含め不育症の治療の
多くが保険適用外のために数十万円から100万円程度必要と
言われており、あきらめる御夫婦も多いとお聞きします。
そのような状況の中、不育症患者の経済的負担を軽減しようと、
岡山県の真庭市では昨年度より公費助成制度をスタートさせました。
専門医から不育症の診断を受けて治療している人が対象で、
1人当たり上限30万円です。予算は300万円計上されております。
全国初の試みであり、反響も大きく、全国の自治体などから問い
合わせや視察が相次いでいるそうです。総社市や瀬戸内市なども、
本年度より助成制度を行うとお伺いをいたしました。本市でも、
少子化対策、子育て支援の一環として、そして何よりも新しい命
を守るために助成制度を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
以上、よろしくお願いをいたします。
答 ①
不育症の助成制度についてのお尋ねでございます。
真庭市では、平成22年度に事業を開始され、2人、2件の実績
があったとお聞きいたしております。
また、本年度から笠岡、総社、瀬戸内市が実施するようでございます。
不育症制度ではございませんけど、赤磐市では平成22年度
から不妊治療の助成を始めております。昨年度の実績といたし
まして13人、19件の申請があり、2人の出産がありました。
不育症についての実態把握はできておりませんが、22年度の
母子手帳発行数300弱から見てみますと、約1割の30人程度
の方が流産等を経験されとるようでございます。
そのうち、流産を繰り返す不育症と見られる方が3名程度おら
れるのではないかと思われます。岡山県や近隣市町村の動向
を勘案しながら、前向きに検討してまいりたいと考えております
ので、よろしくお願いいたします。
問 ②
先ほど申しましたように、少子化対策、子育て支援は、
今後ともに国や赤磐市も力を入れていくでしょう。
そうしなければ、日本の将来はありません。そういう状況の中、
不育症で悩む方々の支払う税金もこういうことに使われ、
その方たちはお金がなくて子供を産むこともできない。
単純に不条理に感じます。本来は、国レベルでの保険適用
などの対応が強く望まれるところでありますが、なかなか進
みません。専門家も、少し前に少子化社会白書の中でも
こういった問題の記載が全187ページのうちに10行程度である、
このように述べられておりました。
この声なき少数派と言われるこの方々の声が届かないのが
現実であります。
そうであるならば、私たち地方自治体が支援をすべきであります。
まして、子育て支援を強く打ち出している赤磐市は当然だと考えます。
そして、そのことが最終的には国を動かしていくんだろうと思います。
昨年度の子宮頸がんワクチンの全国的な助成制度のときも、
地方自治体の多くが独自に助成制度を実施して流れをつくって、
国を動かしていきました。これがよい例だと思います。
私も、不育症の助成制度を始めた真庭市にお伺いして、
この助成制度を推進した議員さんにいろいろお話を伺いました。
時間の関係で割愛をしますけども、その中で全国初の制度が
できた理由をお尋ねいたしました。
すると、このように言われました。
昨年度の利用者は2名であった。少ないと思うかもしれないが、
こういうことの積み重ねで真庭市は岡山県で出生率がトップ
になっている。大事なことだと思う。
助成制度は、自分も強く書いたし、市民からの要望もあったが、
しかし市長の子育て支援に対する熱意が大きかった、このように
言われておりました。
特にこういう新しい試みは、トップの考えが重要であると思います。
その上で考えてみたら、赤磐市、先ほど言いました不育症ではなくて
不妊症の件ですけれども、赤磐市の特定不妊治療の助成は基本的
に10万円を年2回まで、5年間ですか、つくられるときの議論で期間
が5年でなくてもう2、3年でもよいんではないかとの意見が多かった
のを、井上市長が強く5年間を主張されて決定したと、こういうふうに、
市長は首ひねられてますけれども、お聞きしました。井上市長も、
真庭市の市長にまさるとも劣らない子育て支援に対する熱意がある
と思います。熱意を信じております。
市長の不育症の治療に対する助成制度の見解を教えてください。
答 ②
先ほど部長のほうからの答弁もいたしましたけれども、
現実にやられてる市、それから今年度から始められようとする
市もあるようでございますし、やはり多くの市民の皆様にお子様
を育てていただくということが大変重要なことだろうと思っとります。
先ほどの部長の答弁にも前向きに検討させていただくということで
答弁を部長のほうからもしておりますけれども、そういう方向でやら
せていただきたいと思っとりますので、よろしくお願いします。
○議長(小田百合子君) よろしいか。
以下、一般質問議事録
平成23年6月議会
① ゲリラ豪雨等による水害、土砂災害の対策について、深層崩壊について、砂川、こぶ川の対策について
② アースダム及びため池の安全対策について及びため池のハザード・マップ作製の提案
③ 被災者支援システムの導入について
④ 不育症の助成制度の導入について
○議長(小田百合子君) それでは、休憩前に引き続き会議を再開します。
次に、1番治徳議員の質問を許します。
1番治徳議員。
○1番(治徳義明君) おはようございます。
それでは、通告に従いまして4点質問をさせていただきます。
初めに、3月11日に甚大な被害をもたらしました東日本大震災におきまして被災されました皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く復興されますことをお祈りを申し上げます。
私の所属する公明党も、3月の緊急要請並びに4月の緊急提言に続き、5月には日本国憲法に定めるところの幸福追求権や生存権を念頭に置き、一人一人の人間に焦点を当てて人間の復興を目指すことを基本理念とした東日本大震災復旧復興ビジョンを政府に対して提言をするなど、全力で取り組みさせていただいております。そのような中、私も公明党赤磐市議団の一人としてなごみ会の方々とともに4月末に福島県相馬市に視察に行かせていただきました。そして、相馬市議会の議長さんを初め、いろいろな立場の方に状況、対策、問題点など多くのことを学ばせていただきました。特に議員の役割については、すべての議員が一日も休まず最前線、つまり被災者のもとへ行き、要望、御意見などをお聞きして、対策本部へとつなげているとのお話に感銘を受けました。「一国の王とならんよりも一人の人を救済するは大いなる事業なり」とは、東北が生んだ青年詩人石川啄木の言葉ですが、改めて一人の人を大切にとの精神、そして現場第一主義の大切さを痛感をいたしました。その後、被災地を視察させていただきましたが、もとは集落だった場所が360度何もなく、海岸べりにあった重さ何十トンとい・う消波ブロックがまるで石ころのように何個も転がっている状況を見たときに声も出ませんでしたが、4月に赤坂地区の砂川に18匹のこいのぼりとともにみんなで頑張ろう日本、被災支援のため私たちができることをしようとのメッセージを書いた手づくりのこいのぼりが掲げられていましたが、改めてその思いを強く強くいたしました。同時に、赤磐市の安全・安心を守っていくことの重要性を強く感じました。
そこで、防災関連につきまして3点お伺いをいたします。
まず初めに、豪雨による水害、土砂災害の対策についてお伺いをいたします。
地球温暖化の影響などで雨の降り方に変化が生じています。全国的に1時間の降雨量が50ミリメートルを超える豪雨が増加傾向にあり、並行してがけ崩れや土石流などの土砂災害の発生件数もふえております。気象庁が昨年発表した気候変動監視レポート2009によれば、全国で1時間当たりの降雨量が50ミリメートル以上の豪雨の年間発生回数は、1976年から1986年までの10年間の平均は160回だったのに対して、1998年から2008年までの10年間の平均が239回と、30年間で1.5倍近くにふえております。近年は、1時間の降雨量が100ミリメートルを超える集中豪雨もふえております。また、短時間に局地的に降る大雨、いわゆるゲリラ豪雨による事故や浸水被害が頻発しております。また、県の防災対策でも将来地球温暖化の影響で強い台風が発生する傾向が強まることが予測されると警戒をしております。私の地域は大丈夫だろうか、市民の不安の声もよくお聞きします。
そこで、お伺いをいたしますが、近年の気候変動の実態をどのように考え、どのように対策に取り組まれているのでしょうか。また、地域防災計画などでは、このような気候変動によるゲリラ豪雨などを想定したものになっているんでしょうか。御答弁をよろしくお願いをいたします。
次に、アースダム及びため池の安全対策についてお伺いをいたします。
東日本大震災では、津波による未曾有の被害や福島第一原発の事故が主に報道されていますが、もう一つ見逃せない災害が起こっております。それは、震度6強の揺れがあった福島県の須賀川市に設置されている農業用アースダムである藤沼ダムが決壊して、下流の52世帯が暮らす滝地区で濁流にのまれて7人が死亡され、1人が行方不明になっています。また、建物にも流出、全壊家屋19戸などの被害が出ました。資料によると、昭和24年に完成した以降、これまで4回改修工事が行われ、そのたびに補強されてきました。それが、あっさりと崩れ去ってしまったことは、決して見逃してはならないと思います。なぜ藤沼ダムが決壊したのか、正式な調査が待たれるところでありますが、今回の事故を受けて、全国のアースダムや構造が同じであるため池も大丈夫であろうかと不安になります。赤磐市にも、アースダムや多くのため池がありますが、地震対応などの対策はできているんでしょうか。また、安全点検等が必要と考えますが、いかがでしょうか。
次に、被災者支援システムの導入についてお伺いをいたします。
この被災者支援システムは、中核をなす被災者支援システム及び避難所関連システム、緊急物資関連システム、復旧・復興関連システム、仮設住宅関連システム、犠牲者遺族管理システム、倒壊家屋管理システムの6つのサブシステムで構成されており、災害発生時に被災者台帳をもとに被災の状況など個人データを一元的に管理し、罹災証明書の発行はもとより各種支援制度や義援金の処理などにも対応し、被災者支援の総合的な管理が可能になるものであります。このシステムは、16年前の阪神・淡路大震災において大きな被害を受けた兵庫県の西宮市が独自で開発したシステムであります。当時、西宮市の市街地のほぼ全域が被災し、市庁舎も大きく被害を受けましたが、市の日常業務の復旧とあわせて被災者のために必要な支援策を集約して開発したシステムであります。そして、このシステムは、被災者支援や復旧・復興支援に大きな力を発揮いたしました。つまり、このシステムは、単に机上でつくり上げたものではなく、西宮市の職員さんが被災の中で苦労しながらつくり上げたものであります。まさに現場でつくり上げた、より実践的な実務的なすばらしいシステムと考えます。このシステムを、総務省所管の財団法人地方自治情報センターが共同アウトソーシング事業の一環として共同利用可能な汎用ウエブシステムとしてリニューアルを行い、地方公共団体業務用プログラムライブラリーに登録され、全国の自治体が無償で利用することが可能になりました。そして、導入を希望する地方公共団体の意見や要望なども反映させながら、より使いやすいようにシステムを進化させています。最新版では、GISと連携したことでさらに活用範囲が広がったとお聞きします。また、このシステムの導入から運用、操作方法に至るまでトータル的に支援する全国サポートセンターが設置され、より利用しやすい環境が整ってきています。あの東日本大震災において私たちは改めて危機管理の重要性を痛感させられました。市民の命と生活を守るのが行政の根本の使命であります。災害発生時に備えてハード、ソフト両面の対策及び発生時の人命救助などは当然でありますが、加えて災害がおさまった後の被害状況の把握や物資の配給、義援金の交付、仮設住宅など、山積する災害関連業務に対して次々と決断を下して、素早く対応し続けなければなりません。しかも、それは庁舎が破壊されたり職員の何割かが勤務不可能であったりするような状況下でも同じであります。そのときに、このシステムは大きな力になります。被災者支援システムを平時のうちに構築しておくことが極めて重要と考えますが、いかがでしょうか。
続きまして、不育症の助成制度についてお伺いをいたします。
1990年に合計特殊出生率が1.57になったいわゆる1.57ショックで、少子化という言葉が社会で一般化しました。2004年に1.29を切った合計特殊出生率も、最新の調査では少し改善してきましたが、厳しい状況が続いているのが実情であります。この問題は、日本の将来を大きく左右する根幹の問題であります。それゆえに、少子化対策及び子育て支援は、今後とも全力で取り組んでいくべき最重要課題であります。赤磐市でも、教育、子育て支援を力を入れるべき3つの分野の一つと位置づけて、中学3年生までの医療費を無償化するなど、積極的に取り組んでおります。
そのような状況の中、子供が欲しくてもできない不妊症や不育症で悩む方々は、精神的にも経済的にも大きな負担があり、特に経済的な理由であきらめてしまうケースが多くあります。行政も積極的に支援をしていくべきと考えます。本来であれば、保険適用など国レベルの対応が必要であると考えますが、まだまだハードルが高い現状があります。そこで、近年では自治体レベルでの公的支援が徐々に広がっております。岡山県では、2004年に岡山県不妊専門相談センターを開設して、不妊症や不育症のために子供を持つことができない御夫婦に対して医学的サポートや心理学的サポートなど、総合的な対応を行っております。また、不妊症に対しては、治療費が高額になる体外受精及び顕微授精の特定不妊治療について、所得制限などの条件がありますが、1回につき15万円まで1年間に2回を限度に5年間助成を受けることができます。しかし、この治療には平均200万円程度かかると言われており、県の助成制度だけでは不十分なために、赤磐市でも1回につき10万円まで1年間に2回を限度として5年間、県の助成制度に上乗せして助成をする独自の制度を昨年度より実施しております。つまり、県の助成にプラスして赤磐市の助成も受けることができます。すばらしい取り組みであると考えます。これにより、不妊症の治療に対しては、まだまだ100%とは言えませんが、ある程度、経済的な軽減ができたと思います。
しかし、不妊症と同じように、精神的にも経済的にも負担が多い不育症については、全く助成制度がありません。一般的に妊娠はするけれども、2回以上流産や死産または新生児死亡などを繰り返して、結果的に子供を持てない場合、不育症と呼ばれます。認知度も、不妊症に比べて低いのが実情です。しかし、厚生労働省研究班は、16人に1人の割合で不育症があると実態調査を発表しております。決して少ない数字ではありません。不育症治療の専門家の名古屋市立大学の杉浦教授は、流産をされた方の中には不育症のことを知らない方も多くいるのではないか、不育症は聞きなれない病気だが、珍しい病気ではないと言われております。不育症の原因は、子宮の形態異常や染色体異常など、さまざまでありますが、近年では適切な検査と治療によって85%の患者が出産にたどり着くことができると言われております。しかし、先ほど申しましたように、検査も含め不育症の治療の多くが保険適用外のために数十万円から100万円程度必要と言われており、あきらめる御夫婦も多いとお聞きします。そのような状況の中、不育症患者の経済的負担を軽減しようと、岡山県の真庭市では昨年度より公費助成制度をスタートさせました。専門医から不育症の診断を受けて治療している人が対象で、1人当たり上限30万円です。予算は300万円計上されております。全国初の試みであり、反響も大きく、全国の自治体などから問い合わせや視察が相次いでいるそうです。総社市や瀬戸内市なども、本年度より助成制度を行うとお伺いをいたしました。本市でも、少子化対策、子育て支援の一環として、そして何よりも新しい命を守るために助成制度を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
以上、よろしくお願いをいたします。
○議長(小田百合子君) 答弁を求めます。
総務部長。
○総務部長(池本耕治君) 治徳議員の豪雨による水害・土砂災害対策についての答弁をさせていただきます。
一般的に時間雨量で20ミリ、24時間雨量で80ミリが災害として認定される基準になっとりますけれども、最近雨の降り方が非常に変化がございまして、局地的な集中豪雨がふえとります。赤磐市でも、時間雨量が64ミリ、24時間雨量で253ミリの記録がございます。これらの局地的に起こる集中豪雨、いわゆるゲリラ豪雨でございますけれども、こういうものも想定いたしまして、地域防災計画では土砂災害の避難準備、避難勧告では現地の状況とあわせて前日までの降雨量や当日の雨量予測などによる基準を細かく決めております。洪水につきましては、山陽、赤坂地域を流れる砂川では越水箇所等の状況確認により、早期対策を行い、災害の防止、拡大の防止に努めております。吉井、熊山地域にあっては、降雨場所、降雨量により、吉井川の水位が急上昇いたします。水防団待機水位などを定め、対応をしとります。内水排除の対策も必要でありまして、ポンプの稼働における職員の配置については、支所勤務職員のみならず本庁の職員も操作できるように配置し、訓練をしておるところでございます。雨量や河川の水位、ダムの放流状況、リアルタイムの雲の動きや降雨の状況、こういうもの、必要な情報は岡山県総合防災情報システムによりまして確認し、集中豪雨などによる災害に対して警戒をいたしとります。このように地域防災計画に基づいて対応を現在しておるところでございます。
続きまして、被災者支援システムの導入について答弁をさせていただきます。
このシステムは、議員御質問のように、非常に多機能なもので、市全域に及ぶ大災害の場合、必要となる総合的な支援業務を網羅している、これは西宮市が開発したシステムでございます。地方自治情報センターのライブラリーに現在登録されておりまして、いつでも無料ですぐに利用できるシステムでございます。現在、阪神大震災以後、いろいろなところで災害が発生いたしておりますけれども、各市町村がこのシステムを使いまして自分ところに合ったシステムにカスタマイズし、またこの情報センターのライブラリーへ登録しておるような現状もございます。このシステムを利用するためには、いろいろなOSとかデータベースが必要でございますけれども、すべて無料で入手できるソフト等で構成されておりますので、非常によいシステムというふうに理解しておりますし、またこのシステムが使えるようなシステムでございます。
ただ、この支援システムを運用するには、初期のデータとして災害直近の住民基本データからこのシステムに合うデータを抽出して、加工して、セットアップするという作業がございます。リアルタイムにこの震災に備えて住民基本台帳データをリンクするということにつきましては、大変難しい面がございます。震災後、速やかに構築することが実際には現実的でございます。先ほども申しましたように、いつでも無料で利用でき、すばらしいシステムでございます。幸いにも、本市の住民基本台帳システムを構築いたしました電算業者がこの被災支援システムの導入支援企業ということで、全国的にいろいろ企業ございますけれども、そういうことになっておるようでございます。即刻に対応は可能というふうに思っとります。ぜひとも使うような方法で検討したいというに思っとりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(小田百合子君) 続いて答弁を求めます。
小坂産業振興部長。
○産業振興部長(小坂孝男君) 治徳議員の一般質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、赤磐市内には多くの農業用に利用されているため池がございまして、590カ所程度存在し、その中で内のり、内の池の中ののり面ですが、そういった内のり等の侵食が確認されているものが48カ所程度ございます。こうした農業用のため池の管理につきましては、通常では地元の農業用水の利用者、ため池の受益者、そういった方が中心になって行っておられますが、市におきましても大雨の後の調査であるとか、通常業務の中で現地調査を随時行っております。また、区長会等を通じまして、区長さんのほうには農業ため池の管理や漏水等の災害が発生した場合には連絡をいただくよう常にお願いしております。また、外周におきましては、岡山県が定める農業用ため池の管理指導概要に基づく要監視ため池重点調査要領、そういったものに従いまして赤磐市の職員と岡山県の職員が共同いたしまして、6月と11月の年2回、現地調査を行い、堤体の老朽度、洪水(余水)吐けの状況等からため池の危険度を判定し、地元受益者とも協議の上、限られた予算の中で年間3カ所から5カ所程度のため池改修を実施しているところでございます。今後とも、地震や大雨、台風等の災害の発生の有無にかかわらず、日ごろから地元区長さんを初めとする関係者との連携、職員による安全・安心確保のための現地調査等を効果的に継続して行ってまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
○議長(小田百合子君) 続いて、答弁を求めます。
奥本保健福祉部長。
○保健福祉部長(奥本伸一君) 次に、不育症制度についてお答えいたします。
不育症の助成制度についてのお尋ねでございます。
真庭市では、平成22年度に事業を開始され、2人、2件の実績があったとお聞きいたしております。また、本年度から笠岡、総社、瀬戸内市が実施するようでございます。
不育症制度ではございませんけど、赤磐市では平成22年度から不妊治療の助成を始めております。昨年度の実績といたしまして13人、19件の申請があり、2人の出産がありました。不育症についての実態把握はできておりませんが、22年度の母子手帳発行数300弱から見てみますと、約1割の30人程度の方が流産等を経験されとるようでございます。そのうち、流産を繰り返す不育症と見られる方が3名程度おられるのではないかと思われます。岡山県や近隣市町村の動向を勘案しながら、前向きに検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(小田百合子君) 一括しての答弁が終わりました。
続きまして、豪雨による水害、土砂災害対策についての再質問を許します。
1番治徳議員。
○1番(治徳義明君) それでは、再質問をさせていただきます。
気候変動によって新しいリスクが危惧されているのは事実であります。御答弁では、気候変動による豪雨などを考慮して防災計画を含む対応しているとのことですが、御答弁以外の危惧される点を何点かお伺いをいたしますんで、よろしくお願いを申し上げます。
1点目として、土砂災害関連についてお尋ねいたします。
最近は、深層崩壊という言葉をよく耳にします。これは、昨年度鹿児島県の南大隅町で起こった大規模な土砂崩れが深層崩壊だったことで注目をされております。深層崩壊は、表層崩壊と違い、表土層の下の岩盤までも同時に崩れる現象で、被害も格段と大きくなります。統計的には、近年の豪雨の増加傾向で深層崩壊もふえているそうであります。国交省は、一昨年より深層崩壊の危険箇所を全国的に調査しているとお伺いいたしましたが、赤磐市には深層崩壊が危惧されるような箇所はあるんでしょうか。
2点目として、洪水のハザードマップについてお尋ねをいたします。
近年は、気候変動の影響で洪水のハザードマップと実際の被害が食い違う事態が全国各地で起こっております。それが、被害を大きくしているケースもあります。昨日の一般質問でも、同僚議員のほうからもいろいろお話がありましたが、赤磐市のハザードマップも見直す必要があるんではないかと考えます。また、内水はんらんを反映したハザードマップも必要ではないかという意見もあります。いかがでしょうか。
3点目といたしまして、具体的に水害対策についてお伺いをいたします。
山陽エリアにこぶ川という川があります。そこのこぶ川と砂川の合流点エリア、地名では正崎地内になると思うんですけれども、そのエリアは過去に何度も大雨でこぶ川がはんらんして水害の被害に遭っております。地域からの改善の要望もあるでしょうが、住民の方も苦しまれております。どのような対策をとられているんでしょうか、お答えください。
以上3点、よろしくお願いいたします。
○議長(小田百合子君) 答弁求めます。
鈴鹿建設事業部長。
○建設事業部長(鈴鹿真一君) 失礼をいたします。
まず、深層崩壊についてでありますけれども、今回の国交省が行った全国レベルの調査結果は、すぐに個別の市長に対応策を検討するレベルのものではございません、そういった内容で聞いております。国では、今回の調査結果に基づきまして深層崩壊の推定頻度が特に高いとされた地域から渓流レベルで調査を実施すると聞いておりますので、これから国、県との情報交換を密にいたしまして適切に対応を協議していきたいと考えております。
次の件のハザードマップの件でございますけれども、市のハザードマップにつきましては、洪水でございますが、20年4月に各戸へ配布しているところでございます。大雨で堤防が破堤した場合の予測結果に基づきまして、浸水範囲とその深さを示したものでございます。また、土石流の危険渓流の表示もあわせて載せております。内水対策は、これからも重要でありますので、現状分析を行いますが、最寄りの消火栓でありますとか用排水の越流箇所などは毎年行っとります事業要望に上がってまいります。随時手当てをしてまいりますので、内水はんらんの反映したマップというとこまでは考えておりません。
それから、最後の砂川、こぶ川の件でございます。
砂川、こぶ川は、ともに県管理の一級河川でございます。市では、砂川の改修を強く要望してまいりました。しかしながら、砂川においては下流域での未改修部分が多く残っておりまして、計画上端流のこぶ川合流部の改修時期ははっきりと示されておりません。そこで、正崎橋あるいは潮崎橋との改修等で極力早く着工できるような策を講じております。市道正崎熊崎線の新設計画の中で合流部の2橋、正崎橋と潮崎橋、県道の潮崎橋ですが、この範囲、周辺の河川構造の変更をすることで、その部分の流下能力の向上を図るという予定で今進めております。現在、砂川につきましては、河床の掘削であるとか河川内の立ち木の伐採等を行いまして流下能力の低下を防ぐことで対応してまいってんでおりますが、このネックとなっとりますこぶ川の合流点につきましては、早急に着手したいと考えて県に要望しておるところでございます。
以上でございます。
○議長(小田百合子君) よろしいか。
(1番治徳義明君「ありがとうございました」と呼ぶ)
では、続いてアースダム及びため池の安全対策についての再質問を許します。
1番治徳議員。
○1番(治徳義明君) 再質問をさせていただきます。
調べてみますと、阪神・淡路大震災でも平成16年に起きました新潟中越地震でも今回の藤沼ダムほどの大きな被害ではありませんが、多くのため池が被害を受けております。御答弁では、規定に基づき、年2回の正式調査及び地元と連携をして随時危険箇所等の現地調査を行っていると、そして予算内でため池改修工事も継続して実施しているとのことですが、ぜひ今後ともに積極的に取り組んでいただきたいと思います。藤沼ダムの決壊は、人的被害だけじゃなくて、837ヘクタールの農地でことしの田植えができない深刻な状態になってるとお聞きしました。市民の安全・安心を守るためにも、また農業を守るためにも、ため池の安全管理は真剣に取り組んでいくべきと考えます。よろしくお願いいたします。
実は、先日なごみ会と公明党市議団で合同でため池の勉強会があり、参加をさせていただきました。そのときに、いろいろ教えていただきましたが、震災のときのため池の決壊の原因の多くは液状化により地すべりを誘発することにより起こるとお聞きしました。また、ため池は、1960年以前に築造されたものが多く、液状化に関する科学的な知見がないまま築造される点が大きな問題だと、このようにも言われておりました。
また、ここに岡山県の地図があるんですけれども、これは土質の地図です。これをよく見させていただきますと、赤磐市の平地のかなりの部分が沖積層となっております。皆さんよく御存じだと思いますけども、沖積層になっております。この沖積層っていうのは、地質学的には新しい地層であります。新しいと言いましても何万年単位なんですが、それが比較的軟弱な地層であり、液状化する可能性もある地層であるとお聞きしました。先ほどため池改修工事については、液状化対策等を考慮して改修工事をなさってるんでしょうか、お伺いをいたします。
○議長(小田百合子君) 答弁求めます。
小坂産業振興部長。
○産業振興部長(小坂孝男君) 治徳議員の再質問にお答えいたします。
ため池についての液状化の関係でございますが、液状化現象と申しますのは、地震の際に地下水位の高い砂地盤が振動等によりまして液体状になる現象でございまして、一般的に液状化判定の検討の対象となります地盤と土質は地表面から20メートルより浅い部分、そうしたところの飽和した、先ほど御指摘ございました沖積層で、平均の粒度10ミリ以下等々の場合の土質が考えられるということでございます。
御指摘のため池につきましては、農業用、それから市民の方を守るという両面の役割を持っております。このため、池改修に係る液状化現象への対応策の一つとしましては、県営事業等で行います大規模なため池改修、全面改修、そういった工事の場合にはボーリング調査を行いまして、試験データによりまして液状化判定を行います。その結果、液状化の判定がなされた場合には、土壌改良等の工法によりまして液状化対策を行っているということでございます。よろしくお願いいたします。
○議長(小田百合子君) よろしいか。
1番治徳議員。
○1番(治徳義明君) きのう一般質問で東南海・南海大地震のお話もありましたし、先ほど申しましたように、赤磐市の土地にも非常な不安もあるということでございますけども、今ただいまの御答弁ではしっかりため池対策やられているということではありますけれども、実は香川県では、ため池が多く、危険箇所が多いために、ため池のハザードマップをつくっているそうであります。きのう報道を見ました。それで、インターネットで調べてみましたら、ため池の多い市町村でもかなりの市町村でため池のハザードマップをつくられております。赤磐市も、ため池が590カ所あります、多くあります。市民の安全・安心のためにも、ため池のハザードマップをつくってはどうでしょうか。お伺いをいたします。
○議長(小田百合子君) 答弁求めます。
小坂産業振興部長。
○産業振興部長(小坂孝男君) 治徳議員からの再々質問にお答えします。
香川県のほうでは、ため池のハザードマップを作成しているというふうな御指摘でございます。
今後につきましては、このハザードマップの必要性、それから内容等も含めまして赤磐市としましては今後の検討課題ということで検討させていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(小田百合子君) 続きまして、被災者支援システムの導入についての再質問を許します。
1番治徳議員。
○1番(治徳義明君) それでは、再質問をさせていただきます。
相馬市の視察で意見交換をさせていただいたときに、災害発生時に最も重要な一つとしてトップの決断力が大事だというふうに言われてました。それも、スピーディーな決断力が重要であると強調を何度もされておりました。危機発生時、いろいろな予想外の出来事が起こったときに、的確かつ素早くトップが判断して対応していくことが住民の命と生活を守るためには必要不可欠であります。今回の大震災の混乱した総理大臣の対応や政府の対応を見れば、一目瞭然であります。私は、井上市長はリーダーシップもスピーディーな決断力も十分あると思いますが、しかし考えてみてください。平常時にいろんなことを推進するに当たっても、お役所仕事とか縦割り行政とかという言葉がありますが、横の情報共有が円滑にできず、なかなか前へ進まないのが行政の大きな問題点であります。まして、非常時には混乱して、より困難になります。それゆえに危機管理情報を組織的で簡単に共有し、活用することができるこのシステムを準備しておくことは重要であります。
この被災者支援システムのサポートセンターの吉田センター長の「危機管理と情報システム」というレポートを読まさせていただきましたが、その中でも決断力の重要性を言及した後、しかし、危機発生時は情報が混乱して的確に素早く決断していくことは難しい。いざというときに、スピーディーな決断が可能な枠組みを準備しておくことが不可欠である。そのために、情報を一元的に管理し、活用できるこのシステムは決断の大きな力になる。この効果は絶大であった、このように言われております。今回の震災でも、このシステムを採用した宮城県の山元町は、罹災証明書の発行がスムーズに行われ、1度情報を登録してしまえば、一元的管理によって義援金の支給などについても再度の申請手続は要らない、行政にとっても住民にとっても助かると、効果を語られております。だからこそ、総務省も推進してるんだと思います。だからこそ、震災後、多くの自治体がこのシステムを導入しようとしてるんだと思います。
御答弁では、このシステムの重要性は十分認識をしていただいておりますが、その上で導入時期でありますが、災害発生時でもよいのでは、災害が起こってからでもよいんではないかとニュアンスに聞こえましたが、私は平時のうちに導入しておく必要があると思います。一刻も早く導入しておく必要があると思います。なぜならば、このシステムを稼働させるのに、セットアップなどの準備作業に普通は1週間程度かかると言われております。さきの御答弁で赤磐市の住基システムを構築した電算業者がこの被災者支援システムの導入支援企業であるとのことでございましたが、サポートセンターにお伺いしましたら、たとえこのシステムを熟知した支援企業でも二、三日はかかるんではないかと、こういうふうに言われてました。非常時の1日は平常時の何倍、何十倍と大切であります。そのことを理解をしていただきたいと思います。
また、幾らすばらしいシステムでも、初めて使うんではうまくいきません。きのうも、市長も防災に関して実際に訓練することが重要であると、このように言われてましたが、防災訓練のときなどに定期的にシステムの運用の訓練、シミュレーションをしておく必要があると、このように思います。サポートセンターもシミュレーションをしていくことが最も大切だ、シミュレーションではテストデータを使用しても実際に基本台帳データを取り込んでもよいが、いざというときに訓練しておくことが必要だと、このように言われてました。そのことが一番重要だと思います。それが危機管理ではないんでしょうか。市長の御見解をお伺いいたします。
○議長(小田百合子君) 答弁求めます。
井上市長。
○市長(井上稔朗君) いろいろと御提言ありがとうございます。
私も、このシステムの有効性等につきまして十分確認をいたしまして、また早期に導入する必要があると判断できれば、そういうことで進めさせていただきたいと思います。ちょっと先ほどの日数の話とか、その辺の話につきましても、私自身が完全に把握ができてる状況ではございませんので、担当と十分協議をさせていただきたいと思っとります。
先ほど議員もおっしゃったように、またきのうの御答弁にも申し上げましたように、情報を的確に集めた上で素早く判断していく、決断をしていくってことが大変重要なことでありますし、また外に向かっても発信をしていかなければいけないと思っとりますので、そういう危機管理の中で十分検討はさせていただきたいと思います。
○議長(小田百合子君) よろしいか。
(1番治徳義明君「ありがとうございました」と呼ぶ)
続きまして、不育症の助成制度についての再質問を許します。
1番治徳議員。
○1番(治徳義明君) それでは、再質問をさせていただきます。
先ほど申しましたように、少子化対策、子育て支援は、今後ともに国や赤磐市も力を入れていくでしょう。そうしなければ、日本の将来はありません。そういう状況の中、不育症で悩む方々の支払う税金もこういうことに使われ、その方たちはお金がなくて子供を産むこともできない。単純に不条理に感じます。本来は、国レベルでの保険適用などの対応が強く望まれるところでありますが、なかなか進みません。専門家も、少し前に少子化社会白書の中でもこういった問題の記載が全187ページのうちに10行程度である、このように述べられておりました。この声なき少数派と言われるこの方々の声が届かないのが現実であります。そうであるならば、私たち地方自治体が支援をすべきであります。まして、子育て支援を強く打ち出している赤磐市は当然だと考えます。そして、そのことが最終的には国を動かしていくんだろうと思います。昨年度の子宮頸がんワクチンの全国的な助成制度のときも、地方自治体の多くが独自に助成制度を実施して流れをつくって、国を動かしていきました。これがよい例だと思います。
私も、不育症の助成制度を始めた真庭市にお伺いして、この助成制度を推進した議員さんにいろいろお話を伺いました。時間の関係で割愛をしますけども、その中で全国初の制度ができた理由をお尋ねいたしました。すると、このように言われました。昨年度の利用者は2名であった。少ないと思うかもしれないが、こういうことの積み重ねで真庭市は岡山県で出生率がトップになっている。大事なことだと思う。助成制度は、自分も強く書いたし、市民からの要望もあったが、しかし市長の子育て支援に対する熱意が大きかった、このように言われておりました。特にこういう新しい試みは、トップの考えが重要であると思います。その上で考えてみたら、赤磐市、先ほど言いました不育症ではなくて不妊症の件ですけれども、赤磐市の特定不妊治療の助成は基本的に10万円を年2回まで、5年間ですか、つくられるときの議論で期間が5年でなくてもう二、三年でもよいんではないかとの意見が多かったのを、井上市長が強く5年間を主張されて決定したと、こういうふうに、市長は首ひねられてますけれども、お聞きしました。井上市長も、真庭市の市長にまさるとも劣らない子育て支援に対する熱意があると思います。熱意を信じております。市長の不育症の治療に対する助成制度の見解を教えてください。
○議長(小田百合子君) 答弁求めます。
井上市長。
○市長(井上稔朗君) 先ほど部長のほうからの答弁もいたしましたけれども、現実にやられてる市、それから今年度から始められようとする市もあるようでございますし、やはり多くの市民の皆様にお子様を育てていただくということが大変重要なことだろうと思っとります。先ほどの部長の答弁にも前向きに検討させていただくということで答弁を部長のほうからもしておりますけれども、そういう方向でやらせていただきたいと思っとりますので、よろしくお願いします。
○議長(小田百合子君) よろしいか。
(1番治徳義明君「ありがとうございました」と呼ぶ)
以上で1番治徳議員の一般質問を終わります。