平成22年3月議会
平成22年3月議会
① 脳脊髄液減少症の対応について
② 住宅版エコポイント制度に連携した
(地域活性化の独自の補助制度の導入等)
取り組みについて
脳脊髄液減少症の対応について
問 ①
脳脊髄液減少症は交通事故を初め、転倒やスポーツ外傷等、体に強い衝撃を受けたことなどが原因で、脳脊髄液が慢性的に漏れ続けて減少することにより、脳の位置が下がって神経を圧迫して多様な症状が発現する病気です。
症状は、頭痛や腰痛、手足の痛みなどや視力低下、耳鳴り、目まい、しびれなど、また不眠や記憶障害や無気力などが複合的にあらわれることもあります。まさに多種多様であります。
20年くらい前から、治療や研究が始まっております。この脳脊髄液減少症は病名からすると特殊な病気のように考えがちですが、いつでもだれでも日常的な出来事の中のアクシデントによって引き起こされる身近な病気と考えます。
現在では、治療法の一つとしてブラットバッチ療法が開発されています。国立病院機構福山医療センター脳神経外科医長の守山先生はこの治療を始めて8年目になるが、700名以上のこの疾患が疑われる方に検診を行い、約60%の患者を脳脊髄液減少症と診断した。そして、ブラッドバッチ療法は、約80%の患者に十分効果があったと言われております。ちなみに、岡山県からも約100名の方が治療に来られていると伺いました。
しかし、ブラッドバッチ療法には保険適用がないために、多くの方が経済的負担に苦しんでおります。また、一方で診療のガイドラインがまだ示されておらず、先ほど申しましたように多様な症状が出ることや、社会的な認知度も低いなどの理由で誤った診断が下され、適切な治療を受けることができないケースも多くあります。また、朝頭痛で起きることができなく、立ちくらみや目まいなどの症状が出るために心因的なものと誤解されやすく、大人では一般的に怠けているとか根気がないと思われがちで仕事に行けなくなることが多いと言われる。子供は家族に病状をうまく伝えることができずに、不登校と判断されるケースも多くあります。悲しいことですが、怠け病などと言われ、周囲の理解が得られないことが現実的に多くあります。つまり、本当の病気を知らないまま日常生活に支障を来しながらも懸命に生活を送っている現状が考えられます。
少し前にも、NHKのニュースでも特集をしておりましたが、昨今この病気の深刻さに注目が集まり、都道府県レベルでは公式ホームページに治療可能な病院を公開するなど行っております。岡山県でも昨年の12月より脳脊髄液減少症に関する情報を載せています。
また、厚生労働省研究班による診療ガイドラインが2009年度末までに作成される予定でしたが、最新の情報では1年程度おくれるとのことですが、しかし作成されれば医療関係者はもちろん、社会の理解が大きく広がり、保険適用への道が開けるものと期待をされております。
以上を踏まえまして、以下3点をお尋ねいたします。
1点目として、赤磐市はこの脳脊髄液減少症をどのように認識されているのでしょうか。
2点目として、学校現場での体育授業や部活動などの事故が原因で、児童や生徒が発症する事例も多くあります。専門家も病気が原因で不登校になっているケースがあり、適切な治療につなげれば不登校を解決できる可能性があると指摘しています。特に、子供の場合は早期発見をできれば、治癒率は高いとされております。文部科学省は、平成19年に学校においてスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応についてとの事務連絡の中で、教育委員会に対して事故発生時に脳脊髄液減少症の可能性も踏まえて適切な対応を即しております。学校関係者の理解が求められますが、しかし学校現場での認識が広がっていないとの指摘もあります。赤磐市ではどのような対応をなされているのでしょうか。
3点目として、市民や学校関係者への正しい知識の普及と理解を促進する必要があると思います。ホームページにおいて診療を行っている医療機関の情報提供などの広報活動や、学校関係者に対する研修会などが必要と考えますが、どのようにお考えでしょうか。
答 ①
それでは、治徳議員の御質問に御答弁させていただきます。
まず、脳脊髄液減少症の関連でございます。この脳脊髄液減少症については、交通事故等との因果関係は特定されていないようでございます。また、治療法についてもその有効性の評価が定まっていない状況のようでございます。現在、国において診断、治療の研究が進められております。県においては、県内の医療機関を対象に調査を行っているようでございます。原因と処置的治療方法が研究されるなど明るい情報はありますが、まだ診療のガイドラインが示されておらず、保険適用外で取り扱われております。このガイドラインができれば診断基準や治療法の確立が行われ、医療関係者を初め社会の理解が大きく広がり、保険適用への道が開けるものと思っております。市といたしましても、一日も早く保険適用ができるよう願っているところでございます。今後とも国、県の動向を的確に把握し、適切な対応をしてまいりたいと考えております。また、市民等への正しい知識の普及や理解促進については、国、県の指導を仰ぎながら進めてまいりたいと考えております。
問 ②
失礼いたします。脳脊髄液減少症の学校現場での認識状況と対応についてお答えを申し上げます。
学校における対応についてでございますが、御指摘のように脳脊髄液減少症については平成19年6月に国からの通知を受けまして、県保健体育課から学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応についての通知がございました。教育委員会といたしましても、各小・中学校に対して事故発生後の対応や疾患に対する理解などの周知を行っております。なお、この疾病につきましては、平成19年に厚生労働省で研究班が発足され治療研究が行われておりますが、現在病気に対する定まった考え方や診断方法など確立がされておらず、医学的な解明が進められている段階とお聞きをいたしております。教育委員会としては、今後も引き続き学校現場において個々の児童・生徒の安全確保や疾患が疑われる生徒への対応に努めるとともに、国及び県の指導に基づきまして適切な対応を行っていくことといたしております。
以上、よろしくお願いいたします。
御答弁ありがとうございました。
初めに、御答弁では脳脊髄液減少症と交通事故などの因果関係は特定されていないとの御答弁でございましたけれども、ガイドラインが定まっていない段階ですのでそのような御答弁は仕方がないのかもしれませんが、しかし昨年11月18日に那覇地方裁判所におきまして、交通事故の民事訴訟で被害者の脳脊髄液減少症と交通事故の因果関係を認めた判決が出ております。これは全国で5例目です。もちろん下級審判決であり、最高裁ではないので判例にはならないと思いますが、重く受けとめるべきであり、また注目すべき出来事だと思っております。先ほども申しましたが、ガイドラインが1年おくれるということですが、早くガイドラインができて社会的な理解が広がり、保険適用の道が開けることを市長同様私も大いに期待しております。
それでは、学校関係の対応につきまして再質問をさせていただきたいと思いますが、私は脳脊髄液減少症患者・家族支援協会が作成されたDVDを勉強のために見させていただきました。少し内容を御紹介させていただきますが、脳脊髄液減少症の19歳の少女が闘病の様子をインタビュー形式で語られているものですが、彼女は中学1年生のときに部活動が原因で脳脊髄液減少症になったそうです。
初めは、目まいや頭痛がして、また目が見にくくなって、家族が病院に連れていくと、検査をしたらどこも悪くない、精神的なストレスとの診断だったそうです。加えて、思春期には多い症状です、しばらくすると治ります、甘やかさないで厳しくしつけてくださいと言われ、家族はそのとおりにしていたそうです。お聞きすれば子供の場合、起立性調節障害など、似たような症状の病気が多いために診断が特に難しいという背景があるそうですが、しかしその御家族は普通なら10分間ぐらいで行ける通学路を1時間近くかかると、母親がおかしいと思い出して、それから病院探しが始まりました。
何件も何件も病院を連れ回って、そしてやっと聖マルチン病院というところが検査などもして、脳脊髄液減少症と診断したそうです。そのときのことを彼女はこのように言ってます。先生はつらかったねと言われ、私の症状をすべて言い当てました。うれしかったです。恐らく彼女は自分のことを周囲の人たちがわかってくれず、また頭痛などでおくれて学校へ行くこともあり、周りの知らない人から不良などと言われ、学校も休みがちで不登校のレッテルを張られてつらい日々だったんだと思います。だから、うれしかったですというふうに言ったんだと思います。
それから治療が始まり、少しよくなったが再発があり、闘病は続きましたが、しかし学校関係者も理解を示してくれて頑張って学校へ行きました。高校は1年おくれになったが進学しました。入学前から担任の先生が来てくれて、いろいろと話を聞いて、クラスメートにも理解をしてもらわないといけないからと彼女は作文を書き、クラスメートに聞いてもらい理解を求めるなどの配慮や、また車いすで通わなければならないほど大変な時期がありましたが、学校もいろいろ努力をしていただき、無事に卒業できたというものでした。
最後に、彼女はインタビュアーから夢を聞かれて、本当に家族にも学校の先生にもクラスメートにも感謝の思いでいっぱいです。みんなのおかげで楽しい学校生活ができました。私は福祉の関係へ進んで困っている人のために一生懸命頑張りたいと、こういうふうに決意を語られていました。先生も彼女の卒業のときに、いろいろ学校はあるけれどもうちの学校を選んでくれてありがとう、こういうふうに言われたそうです。先生も大変だったと思いますが、彼女の頑張りに学ぶものがあったんだと思います。
以上のような内容ですが、私は素直に感動したと同時に、学校現場の対応の大切さも感じました。しかし、もし彼女が調子が悪くなったときに、周りの大人たちにこの病気の認識があったならば、またこの病気の治療期間などきっちりとした情報があれば、もう少し早くこの病気だとわかったんだと思います。そして、治療もスムーズにいったんではないかと思います。彼女もこれほど苦しまなくてもよかったんだと思います。専門家も早期発見が治癒に最も大切であり重要だと、このように言われています。
また、彼女の場合は周りの理解もあり、途中で心が折れずに頑張ってこれたのですが、もしかして赤磐市にも脳脊髄液減少症にかかりながら、周りの理解がなくて苦しんでいる子供がいるんじゃないかと思いました。私が今回この質問をさせていただく大きな要因の一つでもあります。発症の事例には、跳び箱を跳んだ際の落下の衝撃によるものや、友達がけったボールが頭部に当たったことによるものなどいろいろありますが、事故発生時に適切な対応がなされる必要があると思います。そのためには、学校関係者の認識は重要だと思います。赤磐市では、国の指導に基づいて適切な対応をしているとの御答弁でございますので、少し安心をしましたが、これからも適切な対応をよろしくお願いいたします。
また、もしかしてこのような問題をイレギュラーケースであり、まれな出来事だと軽く思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、しかしこのような問題を適切に対応することの積み重ねこそが教育に一番大切なことではないか、このように思っております。
千葉県では、実態調査を不登校の子供たちを対象に行ったら、16名の子供が脳脊髄液減少症であったそうです。実態の把握は大切なことだと思います。赤磐市でも学校現場においてこのような実態調査を行っているんでしょうか、お尋ねをいたします。
答 ②
失礼いたします。治徳議員さんの再質問に御答弁させていただきます。
市内の学校における実態調査等についてでございますが、市内の小・中学校におきましては、県等の依頼もございまして昨年の12月に調査を行っております。この調査の結果によりますと、部活をしている生徒の中でこの症状の疑いのある生徒が1名ございました。学校等は保護者に連絡の上で保護者に検査を促し、保護者は検査をしておられます。その結果につきましては異常がなく、翌日から登校をされておられます。こういう事例もございましたので、今後とも学校におきましても、個々の状況に応じて適切に配慮していきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
住宅版エコポイント制度に連携した
取り組みについて
問 ①
2009年12月8日に閣議決定された「明日の安心と成長のための緊急経済対策」において、エコ住宅の建設並びにエコ住宅へのリフォームに対して、住宅版エコポイントを発行する制度、いわゆる住宅版エコポイント制度の創設が盛り込まれました。事業予算として、1,000億円が平成21年度第2次補正予算に計上され、追加経済対策の柱の一つとなっております。
日本では、地球温暖化の原因となる二酸化炭素、CO2の排出量のうち、約14%を家庭部門が占めているが、同制度の創設によって住宅そのもののエコ化を促し、温暖化防止につなげる目的であると同時に、すそ野の広い住宅関連産業の活性化を促すため、一定の景気浮揚効果も期待されております。昨年、景気刺激策として打ち出したエコカー減税や家電のエコポイント制度は、景気を下支えしただけでなく、エコという消費者の新たな消費選好を浮き彫りにしました。
リーマン・ショック後景気が落ち込み、デフレ懸念が叫ばれ、先行きの不透明感が大きくなっている経済状況を考えれば、この制度の施行に当たり、赤磐市としても地元の活性化につながるよう、例えば新築住宅に地元建材の使用を促進する施策や、地元建設会社による施工に補助金を出すなど、この制度と連携した積極的な取り組みが必要と考えますがいかがでしょうか。
答 ①
住宅版エコポイント制度に連携した取り組みについてということでございます。
昨日も福木議員のほうから地域経済の活性化のために住宅改修の助成制度をというような、同じような内容のお話もございました。エコリフォーム、エコ住宅の新築ともに平成22年12月31日までに着手、着工されたものが対象とされており、国の予算額は1,000億円で、制度自体の実施期間は、緊急経済対策の一環でもあり、短く設定されております。そのエコリフォーム、エコ新築のポイントは1戸当たり30万ポイントで、交換対象商品は地域商品券などでございます。この制度と連携して、地元産の建材使用や建設会社による施工に補助金を出すなど考えられないかということでございますが、契約行為がすべて民民であること。また、住宅建築の工種は多岐にわたり、自由競争から地元建設業者に限ったことが言えないことなどから、エコポイントの精度と連携した市の独自制度は困難であると考えております。また、御案内のとおり、現在赤磐市では住宅の耐震改修費用については1戸につき50万円を限度で補助しておりますので、リフォームに際しこの耐震工事をPRし進めていきたいと考えております。
という御答弁でございますけれども、昨日も福木議員のほうから新築、改修について助成制度の御答弁の中で、今後どういう新築戸数、それから改修件数等があるのかということを含めて研究をさせていただきますということで御答弁を申し上げました。同じように、現状を選択と集中の中で、これをということでは現状のところは考えておりませんけれども、研究はさせていただいて、また今後どうするかを考えさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
問 ②
住宅版エコポイント制度に連携した取り組みについてですが、この住宅版エコポイント制度は、前政権の斉藤環境大臣が中心になり、推進した緑の経済と社会の変革、いわゆる日本版グリーン・ニューディール政策を現政権が継承して行っている政策と思いますが、現在の経済状況を考えれば、必要な施策と考えます。
赤磐市におきましても、厳しい経済状況にはかわりはありません。一からの単独の経済他施策より、国の制度に連携した施策のほうがやりやすく、かつ効果的だと私は考えます。先ほど市長のほうから研究をしてみるという御答弁をいただきましたが、井上市長は2月25日の施政方針の演説の中で、新たな可能性をいかに引き寄せ、赤磐市に好循環の輪をつくるか多いな課題であると、このように述べられております。また、今回議会に提出されています赤磐市総合計画の一部改定についての素案の中でも、活力ある産業都市の創造を目指すためにはというところで、創意工夫を凝らした独自性のある産業振興策を推進する旨を明記されております。ぜひとも、地域活性化のために柔軟なお考えで検討、研究をしていただきたいと思います。これは要望としておきます。御答弁のほうは結構でございます。よろしくお願いいたします。
以下、議事録
○議長(佐藤武文君) 次に、1番治徳議員の質問を許します。
1番治徳議員。
○1番(治徳義明君) それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。
まず初めに、脳脊髄液減少症の対応についてお伺いいたします。
脳脊髄液減少症は交通事故を初め、転倒やスポーツ外傷等、体に強い衝撃を受けたことなどが原因で、脳脊髄液が慢性的に漏れ続けて減少することにより、脳の位置が下がって神経を圧迫して多様な症状が発現する病気です。
症状は、頭痛や腰痛、手足の痛みなどや視力低下、耳鳴り、目まい、しびれなど、また不眠や記憶障害や無気力などが複合的にあらわれることもあります。まさに多種多様であります。
20年くらい前から、治療や研究が始まっております。この脳脊髄液減少症は病名からすると特殊な病気のように考えがちですが、いつでもだれでも日常的な出来事の中のアクシデントによって引き起こされる身近な病気と考えます。
現在では、治療法の一つとしてブラットバッチ療法が開発されています。国立病院機構福山医療センター脳神経外科医長の守山先生はこの治療を始めて8年目になるが、700名以上のこの疾患が疑われる方に検診を行い、約60%の患者を脳脊髄液減少症と診断した。そして、ブラッドバッチ療法は、約80%の患者に十分効果があったと言われております。ちなみに、岡山県からも約100名の方が治療に来られていると伺いました。
しかし、ブラッドバッチ療法には保険適用がないために、多くの方が経済的負担に苦しんでおります。また、一方で診療のガイドラインがまだ示されておらず、先ほど申しましたように多様な症状が出ることや、社会的な認知度も低いなどの理由で誤った診断が下され、適切な治療を受けることができないケースも多くあります。また、朝頭痛で起きることができなく、立ちくらみや目まいなどの症状が出るために心因的なものと誤解されやすく、大人では一般的に怠けているとか根気がないと思われがちで仕事に行けなくなることが多いと言われる。子供は家族に病状をうまく伝えることができずに、不登校と判断されるケースも多くあります。悲しいことですが、怠け病などと言われ、周囲の理解が得られないことが現実的に多くあります。つまり、本当の病気を知らないまま日常生活に支障を来しながらも懸命に生活を送っている現状が考えられます。
少し前にも、NHKのニュースでも特集をしておりましたが、昨今この病気の深刻さに注目が集まり、都道府県レベルでは公式ホームページに治療可能な病院を公開するなど行っております。岡山県でも昨年の12月より脳脊髄液減少症に関する情報を載せています。
また、厚生労働省研究班による診療ガイドラインが2009年度末までに作成される予定でしたが、最新の情報では1年程度おくれるとのことですが、しかし作成されれば医療関係者はもちろん、社会の理解が大きく広がり、保険適用への道が開けるものと期待をされております。
以上を踏まえまして、以下3点をお尋ねいたします。
1点目として、赤磐市はこの脳脊髄液減少症をどのように認識されているのでしょうか。
2点目として、学校現場での体育授業や部活動などの事故が原因で、児童や生徒が発症する事例も多くあります。専門家も病気が原因で不登校になっているケースがあり、適切な治療につなげれば不登校を解決できる可能性があると指摘しています。特に、子供の場合は早期発見をできれば、治癒率は高いとされております。文部科学省は、平成19年に学校においてスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応についてとの事務連絡の中で、教育委員会に対して事故発生時に脳脊髄液減少症の可能性も踏まえて適切な対応を即しております。学校関係者の理解が求められますが、しかし学校現場での認識が広がっていないとの指摘もあります。赤磐市ではどのような対応をなされているのでしょうか。
3点目として、市民や学校関係者への正しい知識の普及と理解を促進する必要があると思います。ホームページにおいて診療を行っている医療機関の情報提供などの広報活動や、学校関係者に対する研修会などが必要と考えますが、どのようにお考えでしょうか。
次に、住宅版エコポイント制度に連携した取り組みについてお伺いをいたします。
2009年12月8日に閣議決定された「明日の安心と成長のための緊急経済対策」において、エコ住宅の建設並びにエコ住宅へのリフォームに対して、住宅版エコポイントを発行する制度、いわゆる住宅版エコポイント制度の創設が盛り込まれました。事業予算として、1,000億円が平成21年度第2次補正予算に計上され、追加経済対策の柱の一つとなっております。
日本では、地球温暖化の原因となる二酸化炭素、CO2の排出量のうち、約14%を家庭部門が占めているが、同制度の創設によって住宅そのもののエコ化を促し、温暖化防止につなげる目的であると同時に、すそ野の広い住宅関連産業の活性化を促すため、一定の景気浮揚効果も期待されております。昨年、景気刺激策として打ち出したエコカー減税や家電のエコポイント制度は、景気を下支えしただけでなく、エコという消費者の新たな消費選好を浮き彫りにしました。
リーマン・ショック後景気が落ち込み、デフレ懸念が叫ばれ、先行きの不透明感が大きくなっている経済状況を考えれば、この制度の施行に当たり、赤磐市としても地元の活性化につながるよう、例えば新築住宅に地元建材の使用を促進する施策や、地元建設会社による施工に補助金を出すなど、この制度と連携した積極的な取り組みが必要と考えますがいかがでしょうか。
以上、2点よろしくお願いいたします。
○議長(佐藤武文君) 答弁を求めます。
井上市長。
○市長(井上稔朗君) それでは、治徳議員の御質問に御答弁させていただきます。
まず、脳脊髄液減少症の関連でございます。この脳脊髄液減少症については、交通事故等との因果関係は特定されていないようでございます。また、治療法についてもその有効性の評価が定まっていない状況のようでございます。現在、国において診断、治療の研究が進められております。県においては、県内の医療機関を対象に調査を行っているようでございます。原因と処置的治療方法が研究されるなど明るい情報はありますが、まだ診療のガイドラインが示されておらず、保険適用外で取り扱われております。このガイドラインができれば診断基準や治療法の確立が行われ、医療関係者を初め社会の理解が大きく広がり、保険適用への道が開けるものと思っております。市といたしましても、一日も早く保険適用ができるよう願っているところでございます。今後とも国、県の動向を的確に把握し、適切な対応をしてまいりたいと考えております。また、市民等への正しい知識の普及や理解促進については、国、県の指導を仰ぎながら進めてまいりたいと考えております。
続いて、住宅版エコポイント制度に連携した取り組みについてということでございます。
昨日も福木議員のほうから地域経済の活性化のために住宅改修の助成制度をというような、同じような内容のお話もございました。エコリフォーム、エコ住宅の新築ともに平成22年12月31日までに着手、着工されたものが対象とされており、国の予算額は1,000億円で、制度自体の実施期間は、緊急経済対策の一環でもあり、短く設定されております。そのエコリフォーム、エコ新築のポイントは1戸当たり30万ポイントで、交換対象商品は地域商品券などでございます。この制度と連携して、地元産の建材使用や建設会社による施工に補助金を出すなど考えられないかということでございますが、契約行為がすべて民民であること。また、住宅建築の工種は多岐にわたり、自由競争から地元建設業者に限ったことが言えないことなどから、エコポイントの精度と連携した市の独自制度は困難であると考えております。また、御案内のとおり、現在赤磐市では住宅の耐震改修費用については1戸につき50万円を限度で補助しておりますので、リフォームに際しこの耐震工事をPRし進めていきたいと考えております。
という御答弁でございますけれども、昨日も福木議員のほうから新築、改修について助成制度の御答弁の中で、今後どういう新築戸数、それから改修件数等があるのかということを含めて研究をさせていただきますということで御答弁を申し上げました。同じように、現状を選択と集中の中で、これをということでは現状のところは考えておりませんけれども、研究はさせていただいて、また今後どうするかを考えさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○議長(佐藤武文君) 引き続き答弁を求めます。
藤原教育次長。
○教育次長(藤原洋文君) 失礼いたします。脳脊髄液減少症の学校現場での認識状況と対応についてお答えを申し上げます。
学校における対応についてでございますが、御指摘のように脳脊髄液減少症については平成19年6月に国からの通知を受けまして、県保健体育課から学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応についての通知がございました。教育委員会といたしましても、各小・中学校に対して事故発生後の対応や疾患に対する理解などの周知を行っております。なお、この疾病につきましては、平成19年に厚生労働省で研究班が発足され治療研究が行われておりますが、現在病気に対する定まった考え方や診断方法など確立がされておらず、医学的な解明が進められている段階とお聞きをいたしております。教育委員会としては、今後も引き続き学校現場において個々の児童・生徒の安全確保や疾患が疑われる生徒への対応に努めるとともに、国及び県の指導に基づきまして適切な対応を行っていくことといたしております。
以上、よろしくお願いいたします。
○議長(佐藤武文君) よろしいか。
1番治徳議員。
○1番(治徳義明君) 御答弁ありがとうございました。
初めに、御答弁では脳脊髄液減少症と交通事故などの因果関係は特定されていないとの御答弁でございましたけれども、ガイドラインが定まっていない段階ですのでそのような御答弁は仕方がないのかもしれませんが、しかし昨年11月18日に那覇地方裁判所におきまして、交通事故の民事訴訟で被害者の脳脊髄液減少症と交通事故の因果関係を認めた判決が出ております。これは全国で5例目です。もちろん下級審判決であり、最高裁ではないので判例にはならないと思いますが、重く受けとめるべきであり、また注目すべき出来事だと思っております。先ほども申しましたが、ガイドラインが1年おくれるということですが、早くガイドラインができて社会的な理解が広がり、保険適用の道が開けることを市長同様私も大いに期待しております。
それでは、学校関係の対応につきまして再質問をさせていただきたいと思いますが、私は脳脊髄液減少症患者・家族支援協会が作成されたDVDを勉強のために見させていただきました。少し内容を御紹介させていただきますが、脳脊髄液減少症の19歳の少女が闘病の様子をインタビュー形式で語られているものですが、彼女は中学1年生のときに部活動が原因で脳脊髄液減少症になったそうです。
初めは、目まいや頭痛がして、また目が見にくくなって、家族が病院に連れていくと、検査をしたらどこも悪くない、精神的なストレスとの診断だったそうです。加えて、思春期には多い症状です、しばらくすると治ります、甘やかさないで厳しくしつけてくださいと言われ、家族はそのとおりにしていたそうです。お聞きすれば子供の場合、起立性調節障害など、似たような症状の病気が多いために診断が特に難しいという背景があるそうですが、しかしその御家族は普通なら10分間ぐらいで行ける通学路を1時間近くかかると、母親がおかしいと思い出して、それから病院探しが始まりました。
何件も何件も病院を連れ回って、そしてやっと聖マルチン病院というところが検査などもして、脳脊髄液減少症と診断したそうです。そのときのことを彼女はこのように言ってます。先生はつらかったねと言われ、私の症状をすべて言い当てました。うれしかったです。恐らく彼女は自分のことを周囲の人たちがわかってくれず、また頭痛などでおくれて学校へ行くこともあり、周りの知らない人から不良などと言われ、学校も休みがちで不登校のレッテルを張られてつらい日々だったんだと思います。だから、うれしかったですというふうに言ったんだと思います。
それから治療が始まり、少しよくなったが再発があり、闘病は続きましたが、しかし学校関係者も理解を示してくれて頑張って学校へ行きました。高校は1年おくれになったが進学しました。入学前から担任の先生が来てくれて、いろいろと話を聞いて、クラスメートにも理解をしてもらわないといけないからと彼女は作文を書き、クラスメートに聞いてもらい理解を求めるなどの配慮や、また車いすで通わなければならないほど大変な時期がありましたが、学校もいろいろ努力をしていただき、無事に卒業できたというものでした。
最後に、彼女はインタビュアーから夢を聞かれて、本当に家族にも学校の先生にもクラスメートにも感謝の思いでいっぱいです。みんなのおかげで楽しい学校生活ができました。私は福祉の関係へ進んで困っている人のために一生懸命頑張りたいと、こういうふうに決意を語られていました。先生も彼女の卒業のときに、いろいろ学校はあるけれどもうちの学校を選んでくれてありがとう、こういうふうに言われたそうです。先生も大変だったと思いますが、彼女の頑張りに学ぶものがあったんだと思います。
以上のような内容ですが、私は素直に感動したと同時に、学校現場の対応の大切さも感じました。しかし、もし彼女が調子が悪くなったときに、周りの大人たちにこの病気の認識があったならば、またこの病気の治療期間などきっちりとした情報があれば、もう少し早くこの病気だとわかったんだと思います。そして、治療もスムーズにいったんではないかと思います。彼女もこれほど苦しまなくてもよかったんだと思います。専門家も早期発見が治癒に最も大切であり重要だと、このように言われています。
また、彼女の場合は周りの理解もあり、途中で心が折れずに頑張ってこれたのですが、もしかして赤磐市にも脳脊髄液減少症にかかりながら、周りの理解がなくて苦しんでいる子供がいるんじゃないかと思いました。私が今回この質問をさせていただく大きな要因の一つでもあります。発症の事例には、跳び箱を跳んだ際の落下の衝撃によるものや、友達がけったボールが頭部に当たったことによるものなどいろいろありますが、事故発生時に適切な対応がなされる必要があると思います。そのためには、学校関係者の認識は重要だと思います。赤磐市では、国の指導に基づいて適切な対応をしているとの御答弁でございますので、少し安心をしましたが、これからも適切な対応をよろしくお願いいたします。
また、もしかしてこのような問題をイレギュラーケースであり、まれな出来事だと軽く思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、しかしこのような問題を適切に対応することの積み重ねこそが教育に一番大切なことではないか、このように思っております。
千葉県では、実態調査を不登校の子供たちを対象に行ったら、16名の子供が脳脊髄液減少症であったそうです。実態の把握は大切なことだと思います。赤磐市でも学校現場においてこのような実態調査を行っているんでしょうか、お尋ねをいたします。
次に、住宅版エコポイント制度に連携した取り組みについてですが、この住宅版エコポイント制度は、前政権の斉藤環境大臣が中心になり、推進した緑の経済と社会の変革、いわゆる日本版グリーン・ニューディール政策を現政権が継承して行っている政策と思いますが、現在の経済状況を考えれば、必要な施策と考えます。
赤磐市におきましても、厳しい経済状況にはかわりはありません。一からの単独の経済他施策より、国の制度に連携した施策のほうがやりやすく、かつ効果的だと私は考えます。先ほど市長のほうから研究をしてみるという御答弁をいただきましたが、井上市長は2月25日の施政方針の演説の中で、新たな可能性をいかに引き寄せ、赤磐市に好循環の輪をつくるか多いな課題であると、このように述べられております。また、今回議会に提出されています赤磐市総合計画の一部改定についての素案の中でも、活力ある産業都市の創造を目指すためにはというところで、創意工夫を凝らした独自性のある産業振興策を推進する旨を明記されております。ぜひとも、地域活性化のために柔軟なお考えで検討、研究をしていただきたいと思います。これは要望としておきます。御答弁のほうは結構でございます。よろしくお願いいたします。
○議長(佐藤武文君) 答弁を求めます。
藤原教育次長。
○教育次長(藤原洋文君) 失礼いたします。治徳議員さんの再質問に御答弁させていただきます。
市内の学校における実態調査等についてでございますが、市内の小・中学校におきましては、県等の依頼もございまして昨年の12月に調査を行っております。この調査の結果によりますと、部活をしている生徒の中でこの症状の疑いのある生徒が1名ございました。学校等は保護者に連絡の上で保護者に検査を促し、保護者は検査をしておられます。その結果につきましては異常がなく、翌日から登校をされておられます。こういう事例もございましたので、今後とも学校におきましても、個々の状況に応じて適切に配慮していきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。