平成21年9月議会
平成21年9月議会
① 「高齢者に対する肺炎球菌ワクチン
の助成制度について」
② 校庭、園庭の芝生化について
(鳥取方式による芝生化の提案)
高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの助成制度について
問 ①
初めに、肺炎球菌による肺炎の対策についてですが、御存じのよう
に我が国において肺炎はがん、心臓病、脳卒中に次ぐ第4番目の
死亡原因の疾病です。肺炎は、医学の進歩により全体としては減少
していますが、65歳以上に限定しますと以前より増加傾向にあり、
また高齢になるほど死亡原因に占める割合が高くなります。
2001年のデータですが、日本では約8万5000人の方が肺炎で
死亡していますが、そのほとんどの方が65歳以上です。
肺炎になる原因は何パターンかありますが、高齢者の方では
半数近くが肺炎球菌によるものです。肺炎球菌は細菌の一種であり、
通常はだれでも少しは持っているものですが、体が健康であれば余り
心配要りません。しかし、高齢者の方や病気がある方などは抵抗力
が弱くなっているために、風邪やインフルエンザなどをきっかけに
肺炎になりやすくなります。特にインフルエンザにかかると、インフル
エンザウイルスが気管支の粘膜の細胞の中に増殖し、細菌などを
気管支から排出する働きが悪くなります。
そのために、肺炎球菌が肺の奥に侵入して肺炎が引き起こされてしまいます。
しかも、肺炎球菌による肺炎は、他の肺炎と違い重症化しやすいという
特徴があります。
また、それ自体も命にかかわることの多い病気ですが、加えて脳梗塞、
心不全、敗血症、髄膜炎などの合併症を引き起こす可能性もあります。
以上のように、肺炎球菌による肺炎は、高齢者にとりまして非常に
危険な病気でございます。特に風邪やインフルエンザにかかると肺炎
を併発しやすく、死亡率が高いところに大きな問題点があります。
現在、社会的に大きな問題になっています新型インフルエンザでも、
構図は同じであると考えられるからです。
この肺炎球菌による肺炎の予防対策として、ワクチンがあります。
それが肺炎球菌ワクチンですが、このワクチンの効果は、スウェーデンで
の65歳以上の方を対象に26万人の大規模調査の結果では、
重症化や死亡率が半分以下になったというものは有名ですが、
またそのほかにも入院率を60%軽減、死亡率を80%軽減できた
というようなデータがございます。通常のインフルエンザワクチンと
併用したほうが、より効果が大きいと期待されます。しかし、
このワクチンの問題点としては、ワクチンの持続効果が5年から
8年程度であり、5年以降には効果が低下します。
そして、我が国では、アレルギー反応の関係で一生に1回しか
認められておらず、接種の年齢には議論があります。
ただ、アメリカなどでは、1回接種の後、65歳以上の方に限り
2度目が認められており、我が国でも5年以上たてば安全性に
問題なく2回の接種の可能にするよう要望する声は大きいと
聞きましたが、今後の課題と考えます。いずれにしても、この
ワクチンの効果は大きいと考えます。
医学関係者も、65歳以上の方、糖尿病、心臓病のある方、
肺や心臓の病気がある方、脾臓を摘出した方などはこの
ワクチンを接種した方がよいと明確に言われております。
日本では1988年から肺炎球菌のワクチンの対応がなさ
れていますが、知名度が低く、また任意の接種であり
8000円前後の費用がかかるために、高齢者の接種率は
4%程度とお聞きしております。
インフルエンザに詳しい医学関係者は、新型インフルエンザ
が流行するのは間違いない、インフルエンザで死亡する高齢者
の多くは細菌性肺炎を併発して死亡している、新型インフルエンザ
でも細菌性肺炎による死亡が多いことがわかってきた、それなのに
日本のように肺炎球菌のワクチンの接種率が四、五%しかない状態
で新型インフルエンザを迎えるのは問題であると言われています。
ちなみに、アメリカでは、高齢者の65%以上がワクチンの接種済み
であり、2000万人分の肺炎球菌ワクチンの備蓄も決めたと伺いました。
岡山県でも新型インフルエンザは本格的に流行し始めて、約39万人が
発症して約6000人が入院すると予測が出ている現状を考えれば、
新型インフルエンザ予防対策とともに、この肺炎球菌による肺炎の対策
が最重要課題と考えます。
そこで、以下4点を質問させていただきます。
1点目として、赤磐市での肺炎球菌ワクチンの接種状況はどの
ようになっていますか。
2点目として、赤磐市が行っている新型インフルエンザ対策の中で、
肺炎球菌ワクチンの議論、協議がなされているのでしょうか。
3点目として、肺炎球菌ワクチンの高齢者の方などへの接種率向上
の啓発活動が必要と考えますが、いかがでしょうか。
4点目として、現在、金額や助成範囲はさまざまですが、肺炎球菌
ワクチンの公費助成を行う自治体はふえております。
これは、脾臓を摘出した人は健康保険適用がありますが、その他は
自己負担であるために、経済的な負担を軽減すると同時に、助成制度
の適用により市民の方にこのワクチンの重要性を認識していただき、
接種率を上げていく目的があると考えます。現状の緊急性を考慮すれば、
助成制度が一番効果的であると考えます。岡山県でも真庭市、総社市、
勝央町、美咲町、奈義町、和気町などは、実施もしくは決定をしております。
市民の方の、特に高齢者の方の安心・安全を考えたとき、当たり前の対応で
はないかと考えます。ぜひとも高齢者の方などへの肺炎球菌ワクチンの
助成をお願いいたします。
答 ①
失礼いたします。治徳議員の肺炎球菌ワクチンに関します御質問
にお答えをさせていただきます。
高齢者の死因の第4位を占める肺炎の対策については、議員御指摘の
とおり重要な課題であると認識をしております。こういった状況を踏ま
え、今後の対策を充実していく必要があると考えておるところでございます。
まず、御質問の1番目、肺炎球菌ワクチンの接種状況についてでござ
いますが、議員も御承知のように肺炎球菌ワクチンは任意接種でござ
います。したがいまして、状況の把握はできておりませんが、市内の
医療機関でも8000円程度で実施をされておられるというふうに聞いてお
ります。
次に、2番目の新型インフルエンザ対策の中で肺炎球菌ワクチンの
協議はされたかとの御質問についてでございますが、執行部内でも市長
を交えて協議をさせていただきましたとともに、8月に開催をさせていただ
きました赤磐医師会との会議においても議題に上ったところでございます。
いろいろとお話をいただいたところなんですが、現在のところ任意接種で
あるということとともに費用の問題等もございまして、今後の検討課題と
させていただいたところでございます。
次に、啓発についてでございますが、最近メディアでも肺炎球菌ワクチン
に関連する話題がふえてきております。ちなみに、19年度の赤磐市
内の死亡者、全員で418名おられますが、そのうち40人の方が肺炎で
お亡くなりになっておられます。
その半数、約20人以上が肺炎球菌によるものではないかというふうに
考えておるところでございます。
したがいまして、今後、肺炎の予防のための啓発を検討してまいりたいというに
考えておるところでございます。
次に、公費助成についてでございますが、現在、岡山県内において
も6市町が肺炎球菌ワクチンの公費助成を行っておられますが、仮に赤
磐市の65歳以上の高齢者1万1463人に8000円の助成をすると
約9200万円の経費が必要となり、半額にしても4600万円が必要になる
と。こういう多額の経費が必要になりますが、国、県の補助金は現在
ございません。そういうことから、多額の経費を単独市費で負担するという
ことになろうかと思います。
以上のような状況から、肺炎ワクチンの公費助成につきましては、
大きな効果があるというふうには考えておりますが、今後、国、県の動向
や財政状況とともに新型インフルエンザ対策等疾病構造や死因の
変化等を勘案いたしまして、今後の重要な検討課題とさせていただきたいと
考えておりますので、御理解をお願いいたします。
問 ②
初めに、肺炎球菌ワクチンの件でございますけれども、3年前に
肺炎球菌ワクチンの助成制度を始めた自治体の例を挙げさせていただきます。
長野県に波田町という町があります。
波に田んぼの田と書きまして波田町といいます。松本市に隣接する
人口1万5000人の町ですが、特に高齢化が進んでいるという町ではご
ざいません。平成18年に肺炎球菌ワクチンの公費助成を始めました。
助成を開始した経緯は、冬場に 従来のインフルエンザの流行で
肺炎を併発した高齢者の患者で町立病院がいっぱいになり、
救急患者を町外へ搬送しなければならない事態が続き、また
内科医が疲れ切って、このまま放置しておけば救急医療が立ち
行かなくなると判断した当時の院長が町と協議をして、肺炎が重
症化しやすい長期入院が急激にふえる75歳以上の高齢者を対象に、
肺炎球菌ワクチンの接種に2000円の助成を始めました。
その結果として、接種率が75歳以上では50%を超え、75歳からの
肺炎の入院患者が約3分の1に減少して、冬場に満床だったベッド
にあきができるようになり、重症患者を断らなくて済むようになったと
いう報告がございます。
この事例で考えていくならば、従来のインフルエンザですらこの
ようなケースが起こり得る場合があるのに、新型インフルエンザの流行が避
けられない状況の中、またさきに申しましたとおり岡山県でも39万人
が発症して6000人が入院すると予測が出ている状況の中、また秋には
新型インフルエンザが第1波で、冬には従来のインフルエンザが第2波
で襲ってくると言われる医療関係者もございます。
そういう状況の中、これは緊急事態と思いますのは私だけでしょうか。
高齢者の命を守る最善の努力をすべきではないでしょうか。
それが行政の務めだと思います
が、いかがでしょうか。波田町のように救急医療が成り立たなくなる
状況がないと言えるのでしょうか。
御回答では、赤磐市の場合、65歳以上の高齢者1万1463人に
8000円の助成をすれば9200万円の金額の負担がかかる。
負担が大き過ぎるの意味にとれましたけれども、それはマックスの
話であり、財源が少ないのはわかります。しかしながら、少ない財源の中でベストを尽く
すのが行政ではないでしょうか。
先ほど申しましたとおり、助成制度は経済的な負担を軽減することにより
接種する環境をつくると同時に、そのことにより予防医療の重要性を
認識していただく効果があります。
そのことが大事だと考えます。ですから、全額の助成ができなくても、
一部の助成だけでもよいと思います。事実、さきに申しました波田町
では2000円ですし、また岡山県の自治体でも総社市は6000円ですが、
和気町、奈義町、勝央町、美咲町は4000円で、真庭市は3000円です。
まちまちでございます。財政の状況を考えながら決定してるのだと思います。
また、接種範囲でございますが、ワクチンの接種は医療関係者は65歳が
好ましいと言われていますけれども、統計的には死亡率が急激に上がるの
は先ほど申しましたように75歳以上だとも言われています。
また、効果が5年から8年であり、現状日本では1回しか打てない規則
になっております。現実的には、各個人が医師とよく相談していただき、
打つか打たないか決めていただくという側面もございます。その意味か
ら、助成範囲も奈義町は65歳以上ですが、
和気町、美咲町、総社市、勝央町は70歳以上であり、
波田町、真庭市は75歳以上でございます。
赤磐市でも財源の状況を含めてよく考えなければいけないと思いますが、
それよりも今回のことを、今回の状況をよく認識して対応することの
ほうが大事ではないでしょうか。この点はいかがでしょうか。
また、別の角度から見ますと、この助成制度を行い接種率を
上げることで医療費の削減ができると思います。さきの波田町では、医療費抑制
効果があったと言ってます。助成制度開始の前後を比較すると
、肺炎患者の入院減で約2600万円の医療費が減った。
それに対して、肺炎球菌ワクチンの助成にかけた費用は累計で
160万円だったと言われています。また、平成13年に肺炎球菌
ワクチンの助成をスタートさせた北海道のせたな町の方は、
公費助成前は町の老人医療費は全国トップだったが、ワクチン
の接種で818位まで下がった。ワクチンは住民に予防医療の
重要性を認識していただく道具であり、健康への意識が高まれば
医療費が減ると言われています。
この事例がすべてだとは言いませんが、しかしながら助成でお金を
使うだけでなく、医療費の抑制にもつながっていくことだけは確実だ
と思います。この意味からも、積極的に助成をしていくべきではないか
と考えますが、いかがでしょうか。ぜひ井上市長の真骨頂であります
スピード感を持っていただきまして、適切な対応をお願いいたします。
答 ②
まず、肺炎球菌ワクチンの接種についてでございます。
先ほど部長が答弁した中で、8月に今、医師会と私になりましてから
定期的な協議会をしましょうということでスタートさせていただいたんです
が、その中でも医師会のほうからもお話もございました。また、9月14日
には岡山県腎臓病協議会の方からも補助の要望を、人工透析をされ
てる方たちから補助の要望もいただいております。我々行政のほうとしても、
今、検討はさせていただいております。そういう中で、先ほど1万1463人
に8000円助成すると9200万円というお答えをさせていただきました。
その辺がどういう、例えば年齢をどうしたらいいかとかそういうふうなことも
含めて今、検討はしてるんですけれども、やはり財源というのが無尽蔵に
あるわけではございませんし、どこを切ればどうなるのかとかいろいろと
考えていかなければいけないところはございます。ただ、治徳議員が
おっしゃるようにこういうインフルエンザも大流行するという時期でも
ございますので、改めて十分検討はさせていただきたいと思います
ので、すぐに即答でやりますというふうに御答弁できませんけれども、
十分検討はさせていただきたいと思います。
校庭、園庭の芝生化について
これは、学校や幼稚園、保育園などの土のグラウンドを芝生化しよう
というものですが、この芝生化には子供たちの健康や教育だけでなく、
環境面や地域のコミュニティなどに大きなプラスの効果があります。
まず最初に、芝生化のメリットについて述べさせていただきますと、
1点目として芝生の弾力性により転んでもすり傷やけがが少なくなり、
安全性の向上につながります。また、パソコンやテレビゲームなどの
普及により子供たちの体力低下が問題になっている現在、子供たちにとって
一番身近である学校の校庭や園庭が芝生になることで、思いっきり
体を動かすことができ、野外で遊ぶ楽しさを覚えます。事実、芝生化を実施
している島根県の大社小学校では、外で遊ぶ時間が1.5倍にふえた
とお聞きしました。同じく芝生化を町を挙げて推進している北広島町で
は、3、4年生の50メーター走のタイムが平均1秒速くなったとお聞きしました。
これは、芝生の転んでも大丈夫という安心感が運動能力を高め
ているとのことでした。即座に経験を習得するゴールデンエージと
呼ばれる時期に芝生の上で多様な動きを体験させることは、貴重であると考
えます。
2点目に、精神面でのいやしの効果が大きいと言われます。芝生化を
実施した学校などでは、その結果としてけんかが少なくなった、靴隠し
などのいじめがなくなった、午後の学習の集中力が向上した、居眠り
などがなくなったなどの報告があります。
3点目として、環境面でも大きな効果が期待できます。美観がよく
なるだけでなく、芝生を育成すること自体が子供たちの環境教育の生きた
教材として活用できます。また、強風時における砂じんの飛散防止や
降雨時における土砂防止対策にもなります。
地域社会で砂ぼこりが問題化して、それをきっかけに芝生化に取り組ん
だ学校もあります。また、夏場における照り返しや気温の上昇の抑制
につながります。夏場に気温が38度を超えるときでも、芝生の表面は
24度にとどまるとお聞きしました。
4点目として、保護者間や親子の交流の場として、また地域住民の
集まる交流の場として活用の幅が広がります。
このように、教育面だけではなくて、いろんな面で、さまざまな面で
大きなメリットがございます。
以上のような理由で、近年、校庭や園庭の芝生化が大きく
クローズアップされてきました。また、政府の環境対策であります
スクール・ニューディール政策が掲げられたことで、耐震化、
太陽光発電の導入とともに校庭の芝生化もさらに大きく推進
されることが予想されます。事実、東京でも緑の東京10年
プロジェクトでは、校庭、園庭の芝生化で300ヘクタールの
緑を創出する方針が打ち出されました。また、大阪府では、
学校の改革を掲げる橋下知事のもと、小学校の芝生化に
約2億7000万円を本年の予算に盛り込みました。担当当局
の要求を5倍にふやして年間50校を対象に、1校につき530
万円を上限に助成するそうでございます。ちなみに、文部科学省
も芝生化の効果を上げて整備推進を図っております。
しかし、さきに上げたような大きなメリットがあるにもかかわらず、
また国や文部科学省が推進しているにもかかわらず、東京都や
大阪府のような大きな予算がとれれば別ですが、私たちのような
小さな自治体では、芝生化と聞いただけで施工費が高くつく、
維持管理が大変という理由で積極的に芝生化を推進するには
抵抗がある関係者が多いと考えます。
私もある教育関係者にお聞きしましたが、いいとは思うけれども、現
実は難しいとの回答でございました。
そのような状況の中、近年、施工費が安く、維持管理も簡単で
低コストの鳥取方式による芝生化が注目を浴び、全国的に芝生化
の取り組みが加速をされております。
現在、この鳥取方式による芝生化は、36都府県144の自治体で
実施されています。実施箇所は、公園まで含めると188カ所、
約39万平方メートルに拡大されています。この鳥取方式について
簡単に説明させていただきますと、鳥取在住のニュージーランド人
のニール・スミスさんと鳥取大学の中野准教授が提唱する芝生の
ポット苗移植法のことです。
サッカー場などでよく使われるティフトン芝をポットの中で育て、
1平方メートル当たり4束を田植えのように植え、足で踏みつけて
自然繁殖させるものです。
従来の張り芝方式とは違い、苗と肥料の材料代は1平方メートル
約100円と安くつきます。本当に安くでき上がります。
特別な土壌改良も必要なく、除草剤や農薬も使用しないために環境
と利用者に優しいことから、校庭や園庭にもってこいです。
ティフトン芝とは、もともと家畜のえさになっているバミューダグラスの
一種であり、強くて成長が速いのが特徴です。植えた後もすぐ校庭
が使えるので困りません。車を乗り入れても大丈夫です。
芝生と一緒に生えてくる雑草も一緒に刈るので、面倒な雑草取りの
作業は要りません。ニール・スミスさんが最初に取り組んだ鳥取の
グリーンフィールドという芝生の公園では、19種類の植物と芝生が
共生しています。
ティフトン芝は、根さえ枯れなければ大丈夫です。私たちが芝生は
高いと思っているのは、芝生イコール国立競技場や日本庭園の芝
のイメージが定着しているからです。
私たちがここの部分の意識改革が必要と感じます。よく公園で、
この芝生に入るなというような看板を目にしますが、また先日、
テレビのクイズ番組で、プロサッカー選手の試合中に飲むドリンクは
スポーツドリンクでなくて水なのはなぜかという問題がありました。
答えは、水でなければフィールドの芝が傷むからというものでしたが、
そのような高価な芝は校庭や園庭の芝生化には不向きであり、
また必要がありません。英語で草も芝生もGRASS、グラスです。
環境に合わせていろんな芝があってもいいと思います。
維持管理も比較的に簡単で、水やり、芝刈り、肥料の散布、また一
年じゅう緑にするための冬芝の種まきなどですが、素人にもでき、
専門業者だけでなくPTAや地域の住民の方を巻き込んだ取り組みも可能に
なります。
ニール・スミスさんは、日本の校庭や運動場が土であることに違和感を持ち、
土のグラウンドが一カ所もないニュージーランドで育った自分に
とって、かたくて転んだら出血する日本の校庭やグラウンドが、日本の
子供たちから外で思いっきり走り回る権利を奪っているように思えてしょ
うがなかったと語っています。また、日本の砂漠、それが校庭だとも言
われています。
そんな思いから提唱した鳥取方式の芝生化は、徐々に芝生のイメージ
を変えて全国に広がろうとしています。
スミスさんが手がけた芝生には、議会や教育関係者だけでなく、
元サッカー日本代表監督のトルシエ氏や全国に地域スポーツの
発展のために芝生化を推進しているサッカー協会の川淵キャプテン
なども、熱心に視察に来られているようです。
以上、芝生の鳥取方式を説明させていただきましたが、言葉だけで
はわかりにくいと思いますが、今までとは比較にならないほど安く芝生事
業ができ上がります。テレビや新聞等のマスコミでも、安い、速い、
手軽であるとたびたび紹介をされています。赤磐市でもぜひ調査研究をして
いただき、また関係者にも御理解をしていただき、芝生化の推進を
よろしくお願いいたします。
答 ①
それでは、私のほうから校庭、園庭の芝生化事業につきまして御答弁
させていただきます。
環境対策の一環としまして学校施設の芝生化を図ることは、議員御提案
のとおり環境への配慮や児童・生徒の学習活動において多様性と
安全をもたらすことが期待できると考えます。しかし、校庭の芝生化
につきましては、水やり、刈り込み、除草など、学校だけでは維持管理面に
おいて難しさが見られます。また、芝の養生期間中は使用できないという
課題もございます。また、学校開放事業に伴うスポーツ少年団等の活
動の利用や過去に導入した学校の経緯なども踏まえ、現時点では導入
する予定はございませんが、今後につきましては学校からの要望等が
あればPTA、利用団体等の意見も調整の上で、芝生の維持管理に
対応できる体制づくりができるようであれば検討してまいりたいと考えてお
ります。よろしくお願いいたします。
問 ②
芝生化につきましては、まさに予想どおりの御回答でございました。しかし、
子供たちのために必ずこの芝生化は必要であると考えます。
ぜひ先ほど申しました鳥取方式の芝生化を調査研究をしていただき、
見てください。鳥取県でも広島県でも倉敷市でも行っています。
ぜひ調査をお願いします。
考えが変わってくると思います。よろしくお願いいたします。
私は、この芝生化の質問を実は6月の議会でさせていただこうと
思いましたが、少し待ちました、様子を見ました。その間、井上市長の教育
方針をいろいろのときにお聞きしまして、必ず市長は推進していただける
ものと確信をしました。井上市長は、教育と子育てを力を入れる3つの
分野の一つだと言われていますが、まさにこの芝生化の推進は今後総合的
な教育に大きなプラスになると思いますが、市長、いかがでしょう
か。
また、維持管理も、過度に教育現場やPTA、地域の方に負担をかけたり
することはできないでしょうが、市長が力説されている協働のまちづ
くりのシンボル的な存在になり得るのではないでしょうか。
9月16日の本会議で、市長が教育は決まったことを決まったようにしているの
ではだめだという趣旨の発言をされていましたけれども、まさに
そのとおりでございます。市長のお考えをお聞かせください。
よろしくお願いいたします。
答 ②
校庭の芝生化につきまして、いろいろと御調査されて環境面、
そして子供たちの体力の向上面、いろんな面でメリットがあると
いうのは私どももよくわかっております。
あとは、芝生がぬれたときにスポーツをするときに全部のスポーツ
でいいのかどうかとかってそういう問題もあるのかもしれませんし、
そういうことも含めて検討はさせていただきたいと思っとります。
また、やはり維持の問題がありますので、隣の小学校の校庭も
一回は芝生化されてたものをはいだという過去の経緯もございます
ので、そういう意味で先ほど教育次長のほうが答弁いたしましたように、
学校のほうがどういうふうな、子供の教育にとってどういうのがいいのかとか、
そして御父兄、また校庭を使われているいろんなスポーツ団体の方
たちがどういうふうに考えるのか、そしてやはり維持管理が必要になってまい
りますので、その辺が本当にきちっとやっていけるような体制が組めるのか、
いろいろと問題は多いかと思います。そういう中で、だめだということで次長
のほうも御答弁させていただいたわけではなくって、そういう中で十分
そういう体制がつくっていけるかどうかとかそういうことを含めて検討をさせて
いただきたいと思いますので、そういうことで御答弁とさせていただきます。
問 ③
市長の真骨頂でありますスピード感を持って、肺炎球菌ワクチンのほうの
対応はお願いいたします。
それで、議長、お聞きしたいんですけれども、せっかく新しい教育長が
いらっしゃるんで、できたんですけれども、教育長に芝生化についての
御答弁ですか、考えをお聞きしてもよろしいでしょうか。よろしいですか。
答 ③
特に小さい子供、幼稚園の子供とか幼児もそうなんですけえど、
そういう自然の中で育つ、土も自然なんですけれど、そういう緑の中で育つと
いうことはとても大切なことです。だんだん大きくなるに従ってスポーツの
文化がある程度形のものになりますので、全体的に運動場というもの
を一定の自然のままにしていくわけにはいきませんけれども、
多様な形の使い道ができる運動場というのは大切なことです。
ですから、私、山陽小学校に前勤めておりましたが、以前若いころは
そこのグラウンドで走っていたこともありますので、旧来のグラウンドが
芝生化されて競技場のような形の芝生化というのはなかなか困難で
はないんかなと思いますが、現在、山陽小学校の周辺部分は芝生が
あって、そしてそこで鉄棒とか走ったり小さい子供が鬼ごっこをしたり、
そういうように使われております。ですから、もちろんそりゃ芝生とい
うのと雑草とまじったものです。
議員さんのおっしゃられるとおりです。そういう環境は子供たちに
とって体の上からも心の面からも大切な場所だと考えておりますので、十
分検討していきたいと思います。
平成21年9月議会
① 「高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの助成制度について」
② 校庭、園庭の芝生化について(鳥取方式による芝生化の提案)
○議長(佐藤武文君) 次に、1番治徳議員の質問を許します。
1番治徳議員。
○1番(治徳義明君) それでは、通告に従いまして、2点について質問をさせていただきます。
初めに、肺炎球菌による肺炎の対策についてですが、御存じのように我が国において肺炎はがん、心臓病、脳卒中に次ぐ第4番目の死亡原因の疾病です。肺炎は、医学の進歩により全体としては減少していますが、65歳以上に限定しますと以前より増加傾向にあり、また高齢になるほど死亡原因に占める割合が高くなります。2001年のデータですが、日本では約8万5,000人の方が肺炎で死亡していますが、そのほとんどの方が65歳以上です。肺炎になる原因は何パターンかありますが、高齢者の方では半数近くが肺炎球菌によるものです。肺炎球菌は細菌の一種であり、通常はだれでも少しは持っているものですが、体が健康であれば余り心配要りません。しかし、高齢者の方や病気がある方などは抵抗力が弱くなっているために、風邪やインフルエンザなどをきっかけに肺炎になりやすくなります。特にインフルエンザにかかると、インフルエンザウイルスが気管支の粘膜の細胞の中に増殖し、細菌などを気管支から排出する働きが悪くなります。そのために、肺炎球菌が肺の奥に侵入して肺炎が引き起こされてしまいます。しかも、肺炎球菌による肺炎は、他の肺炎と違い重症化しやすいという特徴があります。また、それ自体も命にかかわることの多い病気ですが、加えて脳梗塞、心不全、敗血症、髄膜炎などの合併症を引き起こす可能性もあります。
以上のように、肺炎球菌による肺炎は、高齢者にとりまして非常に危険な病気でございます。特に風邪やインフルエンザにかかると肺炎を併発しやすく、死亡率が高いところに大きな問題点があります。現在、社会的に大きな問題になっています新型インフルエンザでも、構図は同じであると考えられるからです。
この肺炎球菌による肺炎の予防対策として、ワクチンがあります。それが肺炎球菌ワクチンですが、このワクチンの効果は、スウェーデンでの65歳以上の方を対象に26万人の大規模調査の結果では、重症化や死亡率が半分以下になったというものは有名ですが、またそのほかにも入院率を60%軽減、死亡率を80%軽減できたというようなデータがございます。通常のインフルエンザワクチンと併用したほうが、より効果が大きいと期待されます。しかし、このワクチンの問題点としては、ワクチンの持続効果が5年から8年程度であり、5年以降には効果が低下します。そして、我が国では、アレルギー反応の関係で一生に1回しか認められておらず、接種の年齢には議論があります。ただ、アメリカなどでは、1回接種の後、65歳以上の方に限り2度目が認められており、我が国でも5年以上たてば安全性に問題なく2回の接種の可能にするよう要望する声は大きいと聞きましたが、今後の課題と考えます。いずれにしても、このワクチンの効果は大きいと考えます。医学関係者も、65歳以上の方、糖尿病、心臓病のある方、肺や心臓の病気がある方、脾臓を摘出した方などはこのワクチンを接種した方がよいと明確に言われております。
日本では1988年から肺炎球菌のワクチンの対応がなされていますが、知名度が低く、また任意の接種であり8,000円前後の費用がかかるために、高齢者の接種率は4%程度とお聞きしております。インフルエンザに詳しい医学関係者は、新型インフルエンザが流行するのは間違いない、インフルエンザで死亡する高齢者の多くは細菌性肺炎を併発して死亡している、新型インフルエンザでも細菌性肺炎による死亡が多いことがわかってきた、それなのに日本のように肺炎球菌のワクチンの接種率が四、五%しかない状態で新型インフルエンザを迎えるのは問題であると言われています。ちなみに、アメリカでは、高齢者の65%以上がワクチンの接種済みであり、2,000万人分の肺炎球菌ワクチンの備蓄も決めたと伺いました。岡山県でも新型インフルエンザは本格的に流行し始めて、約39万人が発症して約6,000人が入院すると予測が出ている現状を考えれば、新型インフルエンザ予防対策とともに、この肺炎球菌による肺炎の対策が最重要課題と考えます。
そこで、以下4点を質問させていただきます。
1点目として、赤磐市での肺炎球菌ワクチンの接種状況はどのようになっていますか。
2点目として、赤磐市が行っている新型インフルエンザ対策の中で、肺炎球菌ワクチンの議論、協議がなされているのでしょうか。
3点目として、肺炎球菌ワクチンの高齢者の方などへの接種率向上の啓発活動が必要と考えますが、いかがでしょうか。
4点目として、現在、金額や助成範囲はさまざまですが、肺炎球菌ワクチンの公費助成を行う自治体はふえております。これは、脾臓を摘出した人は健康保険適用がありますが、その他は自己負担であるために、経済的な負担を軽減すると同時に、助成制度の適用により市民の方にこのワクチンの重要性を認識していただき、接種率を上げていく目的があると考えます。現状の緊急性を考慮すれば、助成制度が一番効果的であると考えます。岡山県でも真庭市、総社市、勝央町、美咲町、奈義町、和気町などは、実施もしくは決定をしております。市民の方の、特に高齢者の方の安心・安全を考えたとき、当たり前の対応ではないかと考えます。ぜひとも高齢者の方などへの肺炎球菌ワクチンの助成をお願いいたします。
続きまして、校庭、園庭の芝生化についてお尋ねをいたします。
これは、学校や幼稚園、保育園などの土のグラウンドを芝生化しようというものですが、この芝生化には子供たちの健康や教育だけでなく、環境面や地域のコミュニティなどに大きなプラスの効果があります。
まず最初に、芝生化のメリットについて述べさせていただきますと、1点目として芝生の弾力性により転んでもすり傷やけがが少なくなり、安全性の向上につながります。また、パソコンやテレビゲームなどの普及により子供たちの体力低下が問題になっている現在、子供たちにとって一番身近である学校の校庭や園庭が芝生になることで、思いっきり体を動かすことができ、野外で遊ぶ楽しさを覚えます。事実、芝生化を実施している島根県の大社小学校では、外で遊ぶ時間が1.5倍にふえたとお聞きしました。同じく芝生化を町を挙げて推進している北広島町では、3、4年生の50メーター走のタイムが平均1秒速くなったとお聞きしました。これは、芝生の転んでも大丈夫という安心感が運動能力を高めているとのことでした。即座に経験を習得するゴールデンエージと呼ばれる時期に芝生の上で多様な動きを体験させることは、貴重であると考えます。
2点目に、精神面でのいやしの効果が大きいと言われます。芝生化を実施した学校などでは、その結果としてけんかが少なくなった、靴隠しなどのいじめがなくなった、午後の学習の集中力が向上した、居眠りなどがなくなったなどの報告があります。
3点目として、環境面でも大きな効果が期待できます。美観がよくなるだけでなく、芝生を育成すること自体が子供たちの環境教育の生きた教材として活用できます。また、強風時における砂じんの飛散防止や降雨時における土砂防止対策にもなります。地域社会で砂ぼこりが問題化して、それをきっかけに芝生化に取り組んだ学校もあります。また、夏場における照り返しや気温の上昇の抑制につながります。夏場に気温が38度を超えるときでも、芝生の表面は24度にとどまるとお聞きしました。
4点目として、保護者間や親子の交流の場として、また地域住民の集まる交流の場として活用の幅が広がります。
このように、教育面だけではなくて、いろんな面で、さまざまな面で大きなメリットがございます。
以上のような理由で、近年、校庭や園庭の芝生化が大きくクローズアップされてきました。また、政府の環境対策でありますスクール・ニューディール政策が掲げられたことで、耐震化、太陽光発電の導入とともに校庭の芝生化もさらに大きく推進されることが予想されます。事実、東京でも緑の東京10年プロジェクトでは、校庭、園庭の芝生化で300ヘクタールの緑を創出する方針が打ち出されました。また、大阪府では、学校の改革を掲げる橋下知事のもと、小学校の芝生化に約2億7,000万円を本年の予算に盛り込みました。担当当局の要求を5倍にふやして年間50校を対象に、1校につき530万円を上限に助成するそうでございます。ちなみに、文部科学省も芝生化の効果を上げて整備推進を図っております。
しかし、さきに上げたような大きなメリットがあるにもかかわらず、また国や文部科学省が推進しているにもかかわらず、東京都や大阪府のような大きな予算がとれれば別ですが、私たちのような小さな自治体では、芝生化と聞いただけで施工費が高くつく、維持管理が大変という理由で積極的に芝生化を推進するには抵抗がある関係者が多いと考えます。私もある教育関係者にお聞きしましたが、いいとは思うけれども、現実は難しいとの回答でございました。
そのような状況の中、近年、施工費が安く、維持管理も簡単で低コストの鳥取方式による芝生化が注目を浴び、全国的に芝生化の取り組みが加速をされております。現在、この鳥取方式による芝生化は、36都府県144の自治体で実施されています。実施箇所は、公園まで含めると188カ所、約39万平方メートルに拡大されています。この鳥取方式について簡単に説明させていただきますと、鳥取在住のニュージーランド人のニール・スミスさんと鳥取大学の中野准教授が提唱する芝生のポット苗移植法のことです。サッカー場などでよく使われるティフトン芝をポットの中で育て、1平方メートル当たり4束を田植えのように植え、足で踏みつけて自然繁殖させるものです。従来の張り芝方式とは違い、苗と肥料の材料代は1平方メートル約100円と安くつきます。本当に安くでき上がります。特別な土壌改良も必要なく、除草剤や農薬も使用しないために環境と利用者に優しいことから、校庭や園庭にもってこいです。ティフトン芝とは、もともと家畜のえさになっているバミューダグラスの一種であり、強くて成長が速いのが特徴です。植えた後もすぐ校庭が使えるので困りません。車を乗り入れても大丈夫です。芝生と一緒に生えてくる雑草も一緒に刈るので、面倒な雑草取りの作業は要りません。ニール・スミスさんが最初に取り組んだ鳥取のグリーンフィールドという芝生の公園では、19種類の植物と芝生が共生しています。ティフトン芝は、根さえ枯れなければ大丈夫です。
私たちが芝生は高いと思っているのは、芝生イコール国立競技場や日本庭園の芝のイメージが定着しているからです。私たちがここの部分の意識改革が必要と感じます。よく公園で、この芝生に入るなというような看板を目にしますが、また先日、テレビのクイズ番組で、プロサッカー選手の試合中に飲むドリンクはスポーツドリンクでなくて水なのはなぜかという問題がありました。答えは、水でなければフィールドの芝が傷むからというものでしたが、そのような高価な芝は校庭や園庭の芝生化には不向きであり、また必要がありません。英語で草も芝生もGRASS、グラスです。環境に合わせていろんな芝があってもいいと思います。維持管理も比較的に簡単で、水やり、芝刈り、肥料の散布、また一年じゅう緑にするための冬芝の種まきなどですが、素人にもでき、専門業者だけでなくPTAや地域の住民の方を巻き込んだ取り組みも可能になります。
ニール・スミスさんは、日本の校庭や運動場が土であることに違和感を持ち、土のグラウンドが一カ所もないニュージーランドで育った自分にとって、かたくて転んだら出血する日本の校庭やグラウンドが、日本の子供たちから外で思いっきり走り回る権利を奪っているように思えてしょうがなかったと語っています。また、日本の砂漠、それが校庭だとも言われています。そんな思いから提唱した鳥取方式の芝生化は、徐々に芝生のイメージを変えて全国に広がろうとしています。スミスさんが手がけた芝生には、議会や教育関係者だけでなく、元サッカー日本代表監督のトルシエ氏や全国に地域スポーツの発展のために芝生化を推進しているサッカー協会の川淵キャプテンなども、熱心に視察に来られているようです。
以上、芝生の鳥取方式を説明させていただきましたが、言葉だけではわかりにくいと思いますが、今までとは比較にならないほど安く芝生事業ができ上がります。テレビや新聞等のマスコミでも、安い、速い、手軽であるとたびたび紹介をされています。赤磐市でもぜひ調査研究をしていただき、また関係者にも御理解をしていただき、芝生化の推進をよろしくお願いいたします。
以上です。
○議長(佐藤武文君) 答弁を求めます。
松本保健福祉部長。
○保健福祉部長(松本清隆君) 失礼いたします。治徳議員の肺炎球菌ワクチンに関します御質問にお答えをさせていただきます。
高齢者の死因の第4位を占める肺炎の対策については、議員御指摘のとおり重要な課題であると認識をしております。こういった状況を踏まえ、今後の対策を充実していく必要があると考えておるところでございます。
まず、御質問の1番目、肺炎球菌ワクチンの接種状況についてでございますが、議員も御承知のように肺炎球菌ワクチンは任意接種でございます。したがいまして、状況の把握はできておりませんが、市内の医療機関でも8,000円程度で実施をされておられるというふうに聞いております。
次に、2番目の新型インフルエンザ対策の中で肺炎球菌ワクチンの協議はされたかとの御質問についてでございますが、執行部内でも市長を交えて協議をさせていただきましたとともに、8月に開催をさせていただきました赤磐医師会との会議においても議題に上ったところでございます。いろいろとお話をいただいたところなんですが、現在のところ任意接種であるということとともに費用の問題等もございまして、今後の検討課題とさせていただいたところでございます。
次に、啓発についてでございますが、最近メディアでも肺炎球菌ワクチンに関連する話題がふえてきております。ちなみに、19年度の赤磐市内の死亡者、全員で418名おられますが、そのうち40人の方が肺炎でお亡くなりになっておられます。その半数、約20人以上が肺炎球菌によるものではないかというふうに考えておるところでございます。したがいまして、今後、肺炎の予防のための啓発を検討してまいりたいというに考えておるところでございます。
次に、公費助成についてでございますが、現在、岡山県内においても6市町が肺炎球菌ワクチンの公費助成を行っておられますが、仮に赤磐市の65歳以上の高齢者1万1,463人に8,000円の助成をすると約9,200万円の経費が必要となり、半額にしても4,600万円が必要になると。こういう多額の経費が必要になりますが、国、県の補助金は現在ございません。そういうことから、多額の経費を単独市費で負担するということになろうかと思います。
以上のような状況から、肺炎ワクチンの公費助成につきましては、大きな効果があるというふうには考えておりますが、今後、国、県の動向や財政状況とともに新型インフルエンザ対策等疾病構造や死因の変化等を勘案いたしまして、今後の重要な検討課題とさせていただきたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。
以上でございます。
○議長(佐藤武文君) 引き続き答弁を求めます。
藤原教育次長。
○教育次長(藤原洋文君) それでは、私のほうから校庭、園庭の芝生化事業につきまして御答弁させていただきます。
環境対策の一環としまして学校施設の芝生化を図ることは、議員御提案のとおり環境への配慮や児童・生徒の学習活動において多様性と安全をもたらすことが期待できると考えます。しかし、校庭の芝生化につきましては、水やり、刈り込み、除草など、学校だけでは維持管理面において難しさが見られます。また、芝の養生期間中は使用できないという課題もございます。また、学校開放事業に伴うスポーツ少年団等の活動の利用や過去に導入した学校の経緯なども踏まえ、現時点では導入する予定はございませんが、今後につきましては学校からの要望等があればPTA、利用団体等の意見も調整の上で、芝生の維持管理に対応できる体制づくりができるようであれば検討してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○議長(佐藤武文君) よろしいか。
1番治徳議員。
○1番(治徳義明君) 再質問をさせていただきます。
初めに、肺炎球菌ワクチンの件でございますけれども、3年前に肺炎球菌ワクチンの助成制度を始めた自治体の例を挙げさせていただきます。
長野県に波田町という町があります。波に田んぼの田と書きまして波田町といいます。松本市に隣接する人口1万5,000人の町ですが、特に高齢化が進んでいるという町ではございません。平成18年に肺炎球菌ワクチンの公費助成を始めました。助成を開始した経緯は、冬場に従来のインフルエンザの流行で肺炎を併発した高齢者の患者で町立病院がいっぱいになり、救急患者を町外へ搬送しなければならない事態が続き、また内科医が疲れ切って、このまま放置しておけば救急医療が立ち行かなくなると判断した当時の院長が町と協議をして、肺炎が重症化しやすい長期入院が急激にふえる75歳以上の高齢者を対象に、肺炎球菌ワクチンの接種に2,000円の助成を始めました。その結果として、接種率が75歳以上では50%を超え、75歳からの肺炎の入院患者が約3分の1に減少して、冬場に満床だったベッドにあきができるようになり、重症患者を断らなくて済むようになったという報告がございます。
この事例で考えていくならば、従来のインフルエンザですらこのようなケースが起こり得る場合があるのに、新型インフルエンザの流行が避けられない状況の中、またさきに申しましたとおり岡山県でも39万人が発症して6,000人が入院すると予測が出ている状況の中、また秋には新型インフルエンザが第1波で、冬には従来のインフルエンザが第2波で襲ってくると言われる医療関係者もございます。そういう状況の中、これは緊急事態と思いますのは私だけでしょうか。高齢者の命を守る最善の努力をすべきではないでしょうか。それが行政の務めだと思いますが、いかがでしょうか。波田町のように救急医療が成り立たなくなる状況がないと言えるのでしょうか。
御回答では、赤磐市の場合、65歳以上の高齢者1万1,463人に8,000円の助成をすれば9,200万円の金額の負担がかかる。負担が大き過ぎるの意味にとれましたけれども、それはマックスの話であり、財源が少ないのはわかります。しかしながら、少ない財源の中でベストを尽くすのが行政ではないでしょうか。先ほど申しましたとおり、助成制度は経済的な負担を軽減することにより接種する環境をつくると同時に、そのことにより予防医療の重要性を認識していただく効果があります。そのことが大事だと考えます。ですから、全額の助成ができなくても、一部の助成だけでもよいと思います。事実、さきに申しました波田町では2,000円ですし、また岡山県の自治体でも総社市は6,000円ですが、和気町、奈義町、勝央町、美咲町は4,000円で、真庭市は3,000円です。まちまちでございます。財政の状況を考えながら決定してるのだと思います。また、接種範囲でございますが、ワクチンの接種は医療関係者は65歳が好ましいと言われていますけれども、統計的には死亡率が急激に上がるのは先ほど申しましたように75歳以上だとも言われています。また、効果が5年から8年であり、現状日本では1回しか打てない規則になっております。現実的には、各個人が医師とよく相談していただき、打つか打たないか決めていただくという側面もございます。その意味から、助成範囲も奈義町は65歳以上ですが、和気町、美咲町、総社市、勝央町は70歳以上であり、波田町、真庭市は75歳以上でございます。赤磐市でも財源の状況を含めてよく考えなければいけないと思いますが、それよりも今回のことを、今回の状況をよく認識して対応することのほうが大事ではないでしょうか。この点はいかがでしょうか。
また、別の角度から見ますと、この助成制度を行い接種率を上げることで医療費の削減ができると思います。さきの波田町では、医療費抑制効果があったと言ってます。助成制度開始の前後を比較すると、肺炎患者の入院減で約2,600万円の医療費が減った。それに対して、肺炎球菌ワクチンの助成にかけた費用は累計で160万円だったと言われています。また、平成13年に肺炎球菌ワクチンの助成をスタートさせた北海道のせたな町の方は、公費助成前は町の老人医療費は全国トップだったが、ワクチンの接種で818位まで下がった。ワクチンは住民に予防医療の重要性を認識していただく道具であり、健康への意識が高まれば医療費が減ると言われています。この事例がすべてだとは言いませんが、しかしながら助成でお金を使うだけでなく、医療費の抑制にもつながっていくことだけは確実だと思います。この意味からも、積極的に助成をしていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。ぜひ井上市長の真骨頂でありますスピード感を持っていただきまして、適切な対応をお願いいたします。
続きまして、芝生化について再質問させていただきます。
芝生化につきましては、まさに予想どおりの御回答でございました。しかし、子供たちのために必ずこの芝生化は必要であると考えます。ぜひ先ほど申しました鳥取方式の芝生化を調査研究をしていただき、見てください。鳥取県でも広島県でも倉敷市でも行っています。ぜひ調査をお願いします。考えが変わってくると思います。よろしくお願いいたします。
私は、この芝生化の質問を実は6月の議会でさせていただこうと思いましたが、少し待ちました、様子を見ました。その間、井上市長の教育方針をいろいろのときにお聞きしまして、必ず市長は推進していただけるものと確信をしました。井上市長は、教育と子育てを力を入れる3つの分野の一つだと言われていますが、まさにこの芝生化の推進は今後総合的な教育に大きなプラスになると思いますが、市長、いかがでしょうか。
また、維持管理も、過度に教育現場やPTA、地域の方に負担をかけたりすることはできないでしょうが、市長が力説されている協働のまちづくりのシンボル的な存在になり得るのではないでしょうか。9月16日の本会議で、市長が教育は決まったことを決まったようにしているのではだめだという趣旨の発言をされていましたけれども、まさにそのとおりでございます。市長のお考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。
○議長(佐藤武文君) 答弁を求めます。
井上市長。
○市長(井上稔朗君) 治徳議員の再質問にお答えさせていただきます。
まず、肺炎球菌ワクチンの接種についてでございます。
先ほど部長が答弁した中で、8月に今、医師会と私になりましてから定期的な協議会をしましょうということでスタートさせていただいたんですが、その中でも医師会のほうからもお話もございました。また、9月14日には岡山県腎臓病協議会の方からも補助の要望を、人工透析をされてる方たちから補助の要望もいただいております。我々行政のほうとしても、今、検討はさせていただいております。そういう中で、先ほど1万1,463人に8,000円助成すると9,200万円というお答えをさせていただきました。その辺がどういう、例えば年齢をどうしたらいいかとかそういうふうなことも含めて今、検討はしてるんですけれども、やはり財源というのが無尽蔵にあるわけではございませんし、どこを切ればどうなるのかとかいろいろと考えていかなければいけないところはございます。ただ、治徳議員がおっしゃるようにこういうインフルエンザも大流行するという時期でもございますので、改めて十分検討はさせていただきたいと思いますので、すぐに即答でやりますというふうに御答弁できませんけれども、十分検討はさせていただきたいと思います。
それから、校庭の芝生化につきまして、いろいろと御調査されて環境面、そして子供たちの体力の向上面、いろんな面でメリットがあるというのは私どももよくわかっております。あとは、芝生がぬれたときにスポーツをするときに全部のスポーツでいいのかどうかとかってそういう問題もあるのかもしれませんし、そういうことも含めて検討はさせていただきたいと思っとります。
また、やはり維持の問題がありますので、隣の小学校の校庭も一回は芝生化されてたものをはいだという過去の経緯もございますので、そういう意味で先ほど教育次長のほうが答弁いたしましたように、学校のほうがどういうふうな、子供の教育にとってどういうのがいいのかとか、そして御父兄、また校庭を使われているいろんなスポーツ団体の方たちがどういうふうに考えるのか、そしてやはり維持管理が必要になってまいりますので、その辺が本当にきちっとやっていけるような体制が組めるのか、いろいろと問題は多いかと思います。そういう中で、だめだということで次長のほうも御答弁させていただいたわけではなくって、そういう中で十分そういう体制がつくっていけるかどうかとかそういうことを含めて検討をさせていただきたいと思いますので、そういうことで御答弁とさせていただきます。
○議長(佐藤武文君) よろしいか。
1番治徳議員。
○1番(治徳義明君) 市長の真骨頂でありますスピード感を持って、肺炎球菌ワクチンのほうの対応はお願いいたします。
それで、議長、お聞きしたいんですけれども、せっかく新しい教育長がいらっしゃるんで、できたんですけれども、教育長に芝生化についての御答弁ですか、考えをお聞きしてもよろしいでしょうか。よろしいですか。
○議長(佐藤武文君) いや、通告になかったので……。
○1番(治徳義明君) 通告は、市長もしくは関係部長となってますけれども。
○議長(佐藤武文君) その辺の調整が、ちょっちょっと待ってください。その辺の調整できてますかねえ。副市長の考え方を聞かれるのは副市長が答えりゃよろしいんですけど、教育委員会の中での調整ができてなかったら教育長も答弁なかなかしづらいと思いますので、ちょっと待ってください。よろしいか。
それでは、教育長の答弁を求めます。
その1点だけでよろしいか。
(芝生の関係だけですね。)
(1番治徳義明君「はい」と呼ぶ)
答弁を求めます。
教育長、土井原教育長。
○教育長(土井原敏郎君) 特に小さい子供、幼稚園の子供とか幼児もそうなんですけえど、そういう自然の中で育つ、土も自然なんですけれど、そういう緑の中で育つということはとても大切なことです。だんだん大きくなるに従ってスポーツの文化がある程度形のものになりますので、全体的に運動場というものを一定の自然のままにしていくわけにはいきませんけれども、多様な形の使い道ができる運動場というのは大切なことです。ですから、私、山陽小学校に前勤めておりましたが、以前若いころはそこのグラウンドで走っていたこともありますので、旧来のグラウンドが芝生化されて競技場のような形の芝生化というのはなかなか困難ではないんかなと思いますが、現在、山陽小学校の周辺部分は芝生があって、そしてそこで鉄棒とか走ったり小さい子供が鬼ごっこをしたり、そういうように使われております。ですから、もちろんそりゃ芝生というのと雑草とまじったものです。議員さんのおっしゃられるとおりです。そういう環境は子供たちにとって体の上からも心の面からも大切な場所だと考えておりますので、十分検討していきたいと思います。よろしいですか。