農家の「収入保険」実現
19年産から 安定経営へ安全網
農作物の価格下落にも対応
農家の安定経営を支える新たなセーフティーネット(安全網)として公明党が提案してきた「収入保険制度」は、先の通常国会で法律が成立し、2019年産の農産物からスタートする運びとなりました。
制度の仕組み
基準収入の8割台を補償
〇収入保険制度は公明党の推進により、昨年策定された「農業競争力強化プログラム」で農業改革の柱の一つに位置付けられた。
〇品目を問わず全ての農産物が対象になり、農家の収入減が発生した際に国と農家が拠出する保険金と積立金から一定額を補てんする。
〇補償は、過去5年間の平均収入を基準収入として、その8割台を確保できる仕組みを設計。財源は、保険金の50%を国庫補助で、残りは農家が保険料(掛け捨て)を支払う。積立金は75%が国庫補助で残る25%を農家が積み立てる(繰り越し可)。
〇加入要件は青色申告を実施していること。5年以上の実績を原則とするが、1年分の実績があれば加入できるようになっており、「簡易な方式」による青色申告でも要件を満たすことにした。
〇なお、同じく国費が使われている農業共済や収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)などの類似制度とは、重複を避ける観点から「選択加入」となっている。
――収入保険制度の実現の意義
〇自然災害による収量減のみならず、豊作に伴う農作物の価格下落など農業経営全体に関わる収入減を補う新たなセーフティーネットが可能
〇農業共済など既存の補償制度の対象外となっている野菜や果樹、花き栽培もカバー
〇農業経営の大規模化や多角的な複合農業の実現など、日本農業の成長産業化を見据え、農家が安心して生産に励めるようにする制度
――通常国会(第193)での議論
〇安定的な制度運営のため、農家への加入促進の取り組みを強化するよう主張
〇加入要件である青色申告を実施している農家の割合が少ない点を指摘。青色申告の実施によって、農家の経営管理向上につながることを啓発するだけでなく、最大65万円の所得控除などのメリットがあることを周知するなど、政府に対して青色申告の普及に努めるよう要求
〇収入保険制度の保険金が支払われるまでの資金繰りに対応する「つなぎ融資」の実施など、可能な限り農家が利用しやすい仕組みになるよう主張
――今後の課題
〇加入申請が始まる18年秋までに、農家一人一人に制度内容を理解してもらうことが重要
〇農林水産省は、7月12日の京都市を皮切りに全国10カ所で地方説明会を開催
党としても、ネットワークの力を生かし、必要な情報を発信しながら、農家の皆さんが収入保険制度を活用しやすくなるよう力を注いでまいります。
これまで、どの政党よりも先駆けて収入保険制度の創設を提案し、その実現を国会質問などで粘り強く訴えてきました。
党を挙げた積年の目標であり、2010年の重点政策に掲げて以降、“一丁目一番地”の農業政策として取り組んできました。
以下、過去の主な取り組み内容です。
■農家の「収入保険」導入へ 公明新聞:2017年8月21日(月)付
公明推進で19年産から
■農家の収入保険 実現 公明新聞:2017年6月17日(土)付
公明提案 安定経営支える安全網
■農業支える収入保険 公明新聞:2017年6月2日(金)付
稲津氏 安定経営見据えた安全網
■農家の収入保険創設へ 公明新聞:2017年4月7日(金)付
価格下落に備え安全網
■収入保険加入しやすく 公明新聞:2016年11月16日(水)付
参院TPP特委で谷合氏 将来の見える農政築け
■収入保険を円滑に導入 公明新聞:2016年10月28日(金)付
コメ農家の経営安定支援
石田、稲津氏が強調
減反廃止前にJA全中が集会
■農家の所得拡大へ支援 公明新聞:2016年10月19日(水)付
公明、JA全中と政策懇談
■農家の収入保険具体化へ 公明新聞:2016年10月8日(土)付
公明提案 農産物の価格下落に備え
来年の通常国会に法案提出
■農家の収入安定に総力 公明新聞:2016年6月8日(水)付
石田政調会長と西田県代表
JA埼玉と政策懇談会
■現場の声 政策に生かす 公明新聞:2016年3月21日(月)付
石田、漆原氏 新潟の農業者らが要望
■「攻め」と「守り」の国内対策 公明新聞:2015年11月26日(木)付
TPPで政府が大綱、公明の主張反映
中小企業、農業を伸ばす
党総合対策本部長 石田祝稔 政調会長に聞く
■農家の収入保険制度導入を促す 公明新聞:2015年4月10日(金)付
横山氏
■農家の「収入保険」導入へ 公明新聞:2014年11月3日(月)付
党農林水産部会長 石田祝稔衆院議員に聞く
17年に立法化
“豊作貧乏”の不安解消
■収入保険の導入求める 公明新聞:2014年4月23日(水)付
農家の経営安定に不可欠
石田氏
■農家の収入保険創設を 公明新聞:2014年3月28日(金)付
農政改革2法案が審議入り
衆院本会議で樋口氏質問
■5年後めどに“減反”廃止 公明新聞:2013年12月4日(水)付
新制度の定着が前提
コメ交付金は半額確保 公明、激変緩和リード
「収入保険」導入へ道筋も
党農林水産部会長 石田祝稔衆院議員に聞く